著者
石川 大 岡原 昂輝 永原 章仁
出版者
公益財団法人 腸内細菌学会
雑誌
腸内細菌学雑誌 (ISSN:13430882)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.137-144, 2018 (Released:2018-07-30)
参考文献数
31

最近,腸内細菌叢(Gut microbiome)の乱れ(dysbiosis)と様々な疾患との関連が明らかになってきている.そこで新たな治療戦略として腸内環境の改善を目的とした便移植療法(FMT: Fecal Microbiota Transplantation)が世界各地で,様々な疾患を対象に行われるようになってきた.本邦においても,近年急増する潰瘍性大腸炎(UC:ulcerative colitis)患者やクローン病(CD:Crohn disease)への新しい治療選択肢として期待が高まっている.FMTは難治性Clostridium difficile感染性腸炎(CDI)に対して高い治療効果を示し,欧米ではすでに実用化されているが,他疾患に対する治療効果については未だ不明瞭であり,数多くの研究が行われ,研究結果が待たれている状況である.UCに関しては,2017年に報告されたランダム化比較試験(RCT)でUCに対するFMTの有効性は証明されたものの,凍結ドナー便を40回自己浣腸するという煩雑さや不確実性が懸念される方法であり,今後のスタンダード治療になりえるかは疑問が残る結果であった.我々も,UCに対して抗菌剤療法をFMT前に行い,大腸内視鏡下で新鮮便を投与する抗菌剤併用療法(Antibiotics-FMT:A-FMT)について報告してきた.特にUCについてはドナー便の選択,投与法など様々な手法が試されているが,未だ治療効果は一定でなく,治療法としても標準化されていない.FMTの治療効果のメカニズムを追究することは疾患の病因を明らかにすることになり,根本的な治療確立につながると考えられるため,疾患に応じた安全で有効,かつ効率的なFMTプロトコールの早期確立が望まれている.
著者
本間 雄一 原田 大 日浦 政明 成田 竜一 阿部 慎太郎 田原 章成
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.51, no.11, pp.615-619, 2010 (Released:2010-12-10)
参考文献数
17
被引用文献数
1 1

症例は45歳,男性.2008年12月下旬より両側下肢から始まる皮疹が出現し,全身へ拡大した.肝機能障害を認め,HBs抗原120.4 S/Nで,IgM-HBc抗体は1.4 indexと軽度上昇,HBe抗原202.3 S/CO,HBe抗体0.0%,IgG-HBc抗体は原液96.0%,200倍希釈16.4%でありB型急性肝炎と診断した.また経過から皮疹はB型急性肝炎に伴うGianotti-Crosti症候群と診断した.入院にて,肝炎の改善とともに皮疹の消退を認めた.Gianotti-Crosti症候群は小児に多く,成人では比較的稀と認識されているが,成人での報告もある.近年,本邦では稀であった成人のB型急性肝炎からの慢性化が増加しており,B型急性肝炎を適切に診断することは重要である.肝炎の症状が軽微な症例もあるため,Gianotti-Crosti症候群のように特徴的な症状をみた場合は注意が必要である.
著者
永田 和宏 松原 章浩 國分(齋藤) 陽子 中村 俊夫
出版者
一般社団法人 日本鉄鋼協会
雑誌
鉄と鋼 (ISSN:00211575)
巻号頁・発行日
vol.102, no.12, pp.736-741, 2016 (Released:2016-11-30)
参考文献数
15
被引用文献数
2 2

Steel of Japanese swords has been produced with Tatara process from iron sand and charcoal. Carbon dissolved in steel was absorbed from wooden charcoal fuel during the production of the steel. From the decay of 14C activity in the steel, the 14C age of Japanese sword can be determined. The 14C ages of 4 Japanese swords were measured with accelerator mass spectrometry and calibrated to calendar years. Each 14C age provided plural calendar year periods with definite probabilities, and one of the periods agreed with the production year of each sword that was determined from the sword master’s name cut in the grip of his sword after taking the age range of charcoal used for steel production and usage for several generations of the same names of sword masters into account.
著者
佐々木 亮 木村 昭夫 萩原 章嘉 小林 憲太郎 佐藤 琢紀 伊中 愛貴 阪本 太吾
出版者
一般社団法人 日本外傷学会
雑誌
日本外傷学会雑誌 (ISSN:13406264)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.314-319, 2012-07-20 (Released:2020-08-19)
参考文献数
20

本邦では救急外来における破傷風に対する予防は個人・施設によって異なる. 本研究では, 1.破傷風免疫抗体迅速検査キットTetanus Quick Stick (以下TQS) ®の検査精度を調査すること, 2.破傷風予防アルゴリズムの作成における因子の抽出を目的とした. 2009年10月~2010年3月の間, 当施設に搬送された外傷症例182例を対象にTQSの判定及び, Enzyme-Linked ImmunoSorbent Assay法 (ELISA) による破傷風抗体価を測定し, 年齢・予防接種歴・創傷の程度を記録した. 破傷風に対する十分な防御レベルである破傷風抗体価0.1 IU/mL以上の人は, 182例中114例 (62.6%) 存在していた. TQSの検査精度は感度66.7%, 特異度97.1%, 陽性的中率97.4%であった. 破傷風トキソイドが定期予防接種となった1968年を境に分けて破傷風抗体価0.1 IU/mL以上の割合を比較すると, 1967年以前の生まれはわずか35.0%に対して, 1968年以降の生まれは90%以上も存在していた. TQSや年齢別抗体保有率の相違などは破傷風予防アルゴリズムを作成するうえでの重要な因子となると思われた.
著者
河本 洋一 和田 辰也 山本 一成 藤原 章 宮脇 杜
出版者
札幌国際大学短期大学部
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では、ヒューマンビートボックスがどのように発祥し発展を遂げてきたかを、世界的に活躍するビートボクサーの様々な演奏記録から明らかにした。その結果、ヒューマンビートボックスは、ヒップホップ文化の音楽の中で、人間の音声器官を使用して既存の楽器や様々な装置の音を模倣したことが始まりであり、発祥は1984年頃であることが明らかとなった。また、日本においては2000年に入ってから日本人として初めて世界的に認知されたビートボクサーAFRAの登場によって、急速に発展を遂げたことがわかった。今後はアーカイブの分析のためのコーパスの作成が急務である。
著者
石川 大 野村 慧 永原 章仁
出版者
一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会
雑誌
日本静脈経腸栄養学会雑誌 (ISSN:21890161)
巻号頁・発行日
vol.33, no.5, pp.1121-1126, 2018 (Released:2018-12-20)
参考文献数
25

腸内細菌叢の乱れ(dysbiosis)と様々な疾患との関連が明らかになってきており,腸内環境の改善を目的とした便移植療法(fecal microbiota transplantation; 以下,FMTと略)に世界各地で注目が集まっている.本邦においても,近年増加している潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis; 以下,UCと略)患者への新しい治療選択肢として期待が高まっている状況である.FMTは難治性Clostridium difficile感染性腸炎(Clostridium difficile infection; 以下,CDIと略)に対して高い治療効果を示し,欧米では既に実用化されているが,他疾患に対する治療効果については不明瞭であり,現在も数多くの研究が行われている.2017年2月に報告されたランダム化比較試験(randomized controlled trial; 以下,RCTと略)でUCに対するFMTの有効性が証明されたが,凍結ドナー便を40回以上自己浣腸する方法であり,治療手技の煩雑さや不確実性を考慮すると,現実的な治療選択肢になりうるかは疑問が残る.我々も,UCに対して抗菌剤療法をFMT前に行い,大腸内視鏡下で新鮮便を投与する抗菌剤併用療法(Antibiotics-FMT; 以下,A-FMTと略)について報告してきた.特にUCについてはドナー便の選択,投与法など様々な手法が試されているが,未だ標準化されておらず,疾患に応じた安全で有効,かつ効率的なFMTプロトコールの確立が望まれている.
著者
植木 琢也 平岡 俊也 大澤 美代子 黒川 理加 塚本 佐保 辻 恵子 矢野 実穂 横島 由紀 萩原 章由 松葉 好子
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.11585, (Released:2019-09-25)
参考文献数
47

【目的】回復期リハビリテーション(以下,回リハ)病棟における脳卒中患者の身体活動量を生活活動度計により定量的に評価し,入院時と退院時における変化や自立歩行の可否による相違を明らかにすること。【方法】当院回リハ病棟に入院した脳卒中患者169 名を対象とした。対象に生活活動度計を連続24 時間装着し,回リハ病棟入院時および退院時における身体活動量(歩行・立位・車椅子駆動・座位・臥位の各時間)を測定した。24 時間,日中,理学療法中,作業療法中の各時間帯別に入院時と退院時の比較,歩行介助群と自立群との比較を行った。【結果】退院時,歩行や立位の時間が増加する一方,臥位の時間は減少した。歩行や立位の時間は介助群で短い傾向にあった。【結論】回リハ病棟入院中の脳卒中患者の身体活動量は入院時と比べ退院時には増加する。一方で歩行自立に至らない患者の立位歩行時間は相対的に短く,身体活動量の確保に向けた方策の検討が必要である。
著者
大田原 章雄 西山 朋代
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.110, pp.2018, 2018-11-30 (Released:2018-12-07)

東京藝術大学附属図書館では,2016年12月から2017年2月にかけて,クラウドファンディングプロジェクト「巨匠の響きよ永遠に! 藝大に遺されたレコード2万枚の危機を救う」を実施した。本プロジェクトは「クリストファ・N・野澤SPレコードコレクション」の保存を目的とするもので,最終日までに719万円の支援を集めて終了した。本稿では,プロジェクト立ち上げの経緯から実施の方法,支援者への特典,終了後の評価や今後の課題等について報告する。
著者
中原 章吉
出版者
駒澤大学
雑誌
駒大経営研究 (ISSN:03899888)
巻号頁・発行日
vol.11, no.4, pp.189-196, 1980-03-30
著者
本間 雄一 原田 大 日浦 政明 成田 竜一 阿部 慎太郎 田原 章成
出版者
The Japan Society of Hepatology
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.51, no.11, pp.615-619, 2010-11-25
被引用文献数
1

症例は45歳,男性.2008年12月下旬より両側下肢から始まる皮疹が出現し,全身へ拡大した.肝機能障害を認め,HBs抗原120.4 S/Nで,IgM-HBc抗体は1.4 indexと軽度上昇,HBe抗原202.3 S/CO,HBe抗体0.0%,IgG-HBc抗体は原液96.0%,200倍希釈16.4%でありB型急性肝炎と診断した.また経過から皮疹はB型急性肝炎に伴うGianotti-Crosti症候群と診断した.入院にて,肝炎の改善とともに皮疹の消退を認めた.Gianotti-Crosti症候群は小児に多く,成人では比較的稀と認識されているが,成人での報告もある.近年,本邦では稀であった成人のB型急性肝炎からの慢性化が増加しており,B型急性肝炎を適切に診断することは重要である.肝炎の症状が軽微な症例もあるため,Gianotti-Crosti症候群のように特徴的な症状をみた場合は注意が必要である.<br>
著者
萩原 章子
出版者
公益社団法人 日本語教育学会
雑誌
日本語教育 (ISSN:03894037)
巻号頁・発行日
vol.146, pp.103-116, 2010 (Released:2017-03-21)
参考文献数
22

初中級の日本語学習者は,インタビューなど即時に文の産出を求められる場面では,既習の文型を用いて複文を構成するのが困難であることが報告されている(近藤2004等)。これは学習者にとって,接続助詞など文に結束性をもたらす要素は音声から把握しにくいことを示唆する。その理由としては,文の中央部分に位置する文法要素は記憶に残りにくいという現象(serial order effect)が挙げられる。本研究では,学習者に複文を音声で聞かせ,できるだけ正確に再生させる誘導模倣の手法を用い,複文のどの部分が再生困難なのかを実証した。実験の結果,学習者にとって接続助詞は他の文法項目と比較し再生が困難であり,中でも学習期間が短く複文の中央付近に位置する接続助詞は特に再生が困難であることが明らかとなった。また,文全体の意味理解に直接影響を及ぼさない要素は,文末であっても正確に再生されにくい傾向も観察された。
著者
上山 浩也 八尾 隆史 岩野 知世 内田 涼太 宇都宮 尚典 阿部 大樹 沖 翔太朗 鈴木 信之 池田 厚 谷田貝 昴 赤澤 陽一 竹田 努 松本 紘平 上田 久美子 北條 麻理子 永原 章仁
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.1310-1322, 2021-09-25

要旨●胃底腺粘膜に発生する胃腫瘍の中で,H. pylori未感染胃に発生する胃腫瘍の臨床病理学的・内視鏡学的特徴について概説した.今回,H. pylori未感染胃底腺粘膜に発生する胃腫瘍の中で,特に胃底腺型腺癌,胃底腺粘膜型腺癌,胃型分化型腺癌,胃型腺腫を抽出し解析した.細胞分化では,胃底腺型腺癌は胃底腺のみ,胃底腺粘膜型腺癌は腺窩上皮+胃底腺(+幽門腺),胃型分化型腺癌・胃型腺腫は腺窩上皮+幽門腺(+胃底腺)への分化を示し,通常型の胃癌に比較して異型度や悪性度は低く,内視鏡治療を選択された症例が多かった.内視鏡診断は,各タイプの特徴を理解したうえで,NBI併用拡大内視鏡診断と内視鏡所見から表層の腫瘍成分の有無,表層と上皮下の成分の関係性を推測することが,H. pylori未感染胃底腺粘膜に発生する胃腫瘍の内視鏡診断と各鑑別につながると考えられた.
著者
友原 章典 Tomohara Akinori
出版者
青山学院大学国際研究センター
雑誌
Aoyama journal of international studies (ISSN:21881960)
巻号頁・発行日
no.7, pp.171-191, 2020

幸福な男性は、化粧をする女性を好み、不幸な男性は、あがり眉の女性を好む傾向。一方、幸福な女性は、褐色の肌であごひげを蓄えている男性を好み、不幸な女性は、子供っぽい鼻の男性を好む傾向。また、目、髪形、顔の輪郭などの顔の特徴は、幸福感とは関係が見られない。
著者
猪原 章
出版者
一般社団法人 人文地理学会
雑誌
人文地理 (ISSN:00187216)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.229-247, 2017 (Released:2017-07-07)
参考文献数
27
被引用文献数
2 2

本稿では,営農状況や市街化の状況が異なる地区における,ため池と住民との関わり方が異なることを示し,農家・非農家を含む異なる住民集団間ならびに地区間でのため池に対する意識の多様さとその要因を解明する。調査対象地域は,ため池灌漑が営まれている,大阪府の南部に位置する和泉市である。和泉市では1970年代以降,大規模開発や宅地化が農家と農地の減少を引き起こし,それに伴って,潰廃されるため池と,非農家住民とが増加している。宅地化の度合いが異なる5地区で聞き取り調査と,3地区でアンケート調査を行った。その結果,以下の4点が明らかになった。第一に,営農状況や市街化の状況,集落規模といった要素が,ため池の利用や周辺住民との関わり方に影響を与えているが,その作用のしかたは地区によって多様である。第二に,住民の間では現在でも,ため池の用水機能が重視されている。第三に,現農家はため池と灌漑の維持への関心が高い一方で,非農家はため池の自然的な価値は認めているものの,ため池に対する関心が表面的である。この住民間の意識の差異には,日常的なため池との関わりや知識が影響している。第四に,地区間の意識の差異には,ため池に関する住民協働事業だけでなく,ため池の管理・整備状況や住民構成も影響している。
著者
片岡 寛明 原 章 長尾 智晴
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.44, no.12, pp.3232-3241, 2003-12-15
参考文献数
12
被引用文献数
5

本論文では,遺伝的プログラミング(Genetic Programming; GP)を改良した手法である遺伝的オートマトン(Genetic Automata Generation; GAUGE)を提案し,本手法が不完全知覚をともなうエージェントの行動制御に有効であることを示す.不完全知覚問題に対する従来手法としては,インデックスメモリを用いる手法やGPオートマトンが提案されている.しかし,インデックスメモリは解が複雑になると探索空間が膨大になり最適化が困難になる.また,GPオートマトンの性能はあらかじめ設定した状態数に左右される,といった問題点がある.GAUGEでは,個体は記号間にパスを張りめぐらしたグラフ構造をとり,内部状態の違いによる条件分岐を自動生成することにより問題解決を行う.また,本手法は問題に必要な状態数を進化過程で獲得するため,GPオートマトンのように状態数に対する試行錯誤を必要としない.本論文では,本手法を迷路探索問題やタルタロス問題に適用しその有効性を検証する.実験の結果,本手法は,従来手法と比べて冗長なノード数を抑えつつ,適切に状態数を設定したGPオートマトンと同等の性能を示した.問題解決に必要な状態数が未知の問題に対しては本手法が有効であると考えられる.Generally, it is difficult for Genetic Programming (GP) to solve perceptual aliasing problems. In previous work to solve such problems, Index memory and GP-Automata have been proposed. However both of the methods have problems. Since the search space of an index memory is huge, it is difficult to obtain a well tuned program by GP. The performance of GP-Automata is influenced by the fixed number of states. Moreover, individual structure of both methods is tree structure.Therefore, redundant nodes will increase and search efficiency will get worse.In order to solve such a problem, we propose a new method, Genetic Automata Generation; GAUGE.Individuals in GAUGE have structure like an automata. Our method automatically obtains the adequate number of states for solving a given task.Several experiments to investigate the performance of our method were executed using Map Search Problems and Tartarus Problems. These experimental results showed that GAUGE was applicable to perceptual aliasing problems. And GAUGE showed the performance equivalent to a well tuned GP-Automaton.
著者
奥原 章
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.82, no.3, pp.149-152, 1987-03-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
18

低塩化された醤油がJASで「うす塩しょうゆ」などと呼ばれるようになって7年, ようやくその市場が定着しつつある。この原動力となった減塩醤油もキッコーマンが病者用醤油として種々検討を重ね市販してから, かれこれ20年を経たと言われている。今日では単に病者用としてではなく一般用としてもその地盤が固定化しつつあるように見られている, この開発に当ってのうら話などを被露していただいた。