著者
塩谷 英司 栗山 節郎 渡辺 幹彦 星田 隆彦 山本 茂樹 石川 大樹 宮岡 英世 阪本 桂造 雨宮 雷太 田中 宏典
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.65, no.5, pp.385-393, 2005-10-28 (Released:2010-09-09)
参考文献数
18

当教室ではスキー・スノーボード外傷の特徴や, その予防について報告してきたが, 近年, 新たな動向がみられたので検討した.スキー外傷の発生機序は比較的画一的で, 最近はスキーボード (ショートスキー) の出現により, 下腿骨の螺旋骨折が急増した.一方, スノーボード外傷は競技種目が多彩で, 独持の滑走フォーム (サイドウェイ・スタンスで, 両足を同一平面上に固定していること) により, その発生機序も多岐に及ぶ.また, スノーボード外傷では中級者によるジャンプ着地失敗や, 初級者による緩斜面での『逆エッジ』による転倒が目立つ.ゲレンデにおけるスキー・スノーボード外傷による全体の受傷率減少を達成させるためには, いかにスノーボード外傷の受傷率, つまり, スノーボーダーにおける“エア (ジャンプ) 外傷”の受傷率を減少させるかが鍵である.
著者
石川 大 岡原 昂輝 永原 章仁
出版者
公益財団法人 腸内細菌学会
雑誌
腸内細菌学雑誌 (ISSN:13430882)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.137-144, 2018 (Released:2018-07-30)
参考文献数
31

最近,腸内細菌叢(Gut microbiome)の乱れ(dysbiosis)と様々な疾患との関連が明らかになってきている.そこで新たな治療戦略として腸内環境の改善を目的とした便移植療法(FMT: Fecal Microbiota Transplantation)が世界各地で,様々な疾患を対象に行われるようになってきた.本邦においても,近年急増する潰瘍性大腸炎(UC:ulcerative colitis)患者やクローン病(CD:Crohn disease)への新しい治療選択肢として期待が高まっている.FMTは難治性Clostridium difficile感染性腸炎(CDI)に対して高い治療効果を示し,欧米ではすでに実用化されているが,他疾患に対する治療効果については未だ不明瞭であり,数多くの研究が行われ,研究結果が待たれている状況である.UCに関しては,2017年に報告されたランダム化比較試験(RCT)でUCに対するFMTの有効性は証明されたものの,凍結ドナー便を40回自己浣腸するという煩雑さや不確実性が懸念される方法であり,今後のスタンダード治療になりえるかは疑問が残る結果であった.我々も,UCに対して抗菌剤療法をFMT前に行い,大腸内視鏡下で新鮮便を投与する抗菌剤併用療法(Antibiotics-FMT:A-FMT)について報告してきた.特にUCについてはドナー便の選択,投与法など様々な手法が試されているが,未だ治療効果は一定でなく,治療法としても標準化されていない.FMTの治療効果のメカニズムを追究することは疾患の病因を明らかにすることになり,根本的な治療確立につながると考えられるため,疾患に応じた安全で有効,かつ効率的なFMTプロトコールの早期確立が望まれている.
著者
石川大我 [著]
出版者
講談社
巻号頁・発行日
2009
著者
増田 隆昌 松原 明子 石川 大仁 瀧本 陽介 積 志保子 堀田 拓哉 大滝 尋美 荒木 雄介 渡辺 陽介 大澤 俊彦
出版者
一般社団法人 日本臨床栄養協会
雑誌
ニュー・ダイエット・セラピー (ISSN:09107258)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.3-11, 2021 (Released:2021-07-01)
参考文献数
18

Pineapple, one of the most popular fruits consumed throughout the world, contains various nutrients and has been reported to have various health effects. Since most of research on the health effects of pineapple has been conducted on Westerners, the effects on Japanese with different intestinal flora and skin type from Westerners are not clear. To exploratively evaluate the health benefits of pineapple intake for the Japanese, a randomized, untreated-controlled, parallel-group clinical trial was conducted. Japanese women tending to get constipate were given 100 g of pineapple per day for 4 weeks, and the intestinal flora, defecation status, skin questionnaire, and blood components were measured before and after ingestion. As a result, effects on changing the intestinal flora, defecation status, and skin condition were observed in the pineapple intake group. These results may lead next study investigating the respective interaction between pineapple intake, intestinal condition and skin condition.
著者
増田 隆昌 泉 仁美 石川 大仁 瀧本 陽介 積 志保子 堀田 拓哉 大滝 尋美 荒木 雄介 渡辺 陽介 大澤 俊彦
出版者
一般社団法人 日本臨床栄養協会
雑誌
ニュー・ダイエット・セラピー (ISSN:09107258)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.3-10, 2021 (Released:2022-01-01)
参考文献数
15

To prevent hypertension, which can cause various diseases, it is important to improve lifestyle habits such as eating habits. Bananas are rich in GABA, which has been reported to have hypotensive and stress-relieving effects. To evaluate the effects of long-term banana intake on blood pressure, defecation, and mental state, a randomized, parallel-group clinical trial was conducted. 78 Japanese with high blood pressure took either of the two bananas with different GABA contents for 4 weeks or did not take bananas. As a result, systolic blood pressure was significantly lower in both banana intake groups after ingestion compared with before ingestion. In addition, the number of bowel movements, the number of days of bowel movements, and the amount of bowel movements significantly increased. Significant improvements in the subjective questionnaires "fatigue" and "tension" were also observed. These results suggest that banana intake may have the effect of lowering blood pressure, promoting defecation, and improving mental state.
著者
石川 大 野村 慧 永原 章仁
出版者
一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会
雑誌
日本静脈経腸栄養学会雑誌 (ISSN:21890161)
巻号頁・発行日
vol.33, no.5, pp.1121-1126, 2018 (Released:2018-12-20)
参考文献数
25

腸内細菌叢の乱れ(dysbiosis)と様々な疾患との関連が明らかになってきており,腸内環境の改善を目的とした便移植療法(fecal microbiota transplantation; 以下,FMTと略)に世界各地で注目が集まっている.本邦においても,近年増加している潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis; 以下,UCと略)患者への新しい治療選択肢として期待が高まっている状況である.FMTは難治性Clostridium difficile感染性腸炎(Clostridium difficile infection; 以下,CDIと略)に対して高い治療効果を示し,欧米では既に実用化されているが,他疾患に対する治療効果については不明瞭であり,現在も数多くの研究が行われている.2017年2月に報告されたランダム化比較試験(randomized controlled trial; 以下,RCTと略)でUCに対するFMTの有効性が証明されたが,凍結ドナー便を40回以上自己浣腸する方法であり,治療手技の煩雑さや不確実性を考慮すると,現実的な治療選択肢になりうるかは疑問が残る.我々も,UCに対して抗菌剤療法をFMT前に行い,大腸内視鏡下で新鮮便を投与する抗菌剤併用療法(Antibiotics-FMT; 以下,A-FMTと略)について報告してきた.特にUCについてはドナー便の選択,投与法など様々な手法が試されているが,未だ標準化されておらず,疾患に応じた安全で有効,かつ効率的なFMTプロトコールの確立が望まれている.
著者
中村 尚世 石川 大樹 大野 拓也 堀之内 達郎 前田 慎太郎 谷川 直昭 清水 珠緒 福原 大祐 中山 博喜 江崎 晃司 齋藤 暢 平田 裕也 内田 陽介 鈴木 晴奈 佐藤 翔平
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.40 Suppl. No.2 (第48回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.48101334, 2013 (Released:2013-06-20)

【はじめに、目的】膝前十字靭帯(ACL)再建術後に荷重制限を設けている施設が多い.しかし,全荷重開始時期に関しては各施設で異なり,未だ統一した見解はない.我々は術後4週にて全荷重を開始し術後リハビリテーション(リハ)を慎重に行うことで良好な術後成績を得たことを報告(2005年本学会)した.さらに,術後3週にて全荷重を開始するも変わらず良好な術後成績を得られたことを報告(2007年本学会)した.そこで今回,更に全荷重開始時期を1週早め,術後3週群と2週群で術後成績を比較検討したため,以下に報告する.【方法】2002年12月~2011年6月までに膝屈筋腱を使用した解剖学的2ルートACL再建術を行った596例のうち,同一術者にてACL再建術のみが施行され,12ヶ月以上経過観察が可能で,再鏡視し得た110例を対象とした.半月板縫合術を同時に施行した例,50歳以上の例,後十字靭帯損傷合併例,ACL再断裂例は除外した.2004年1月より3週で許可した68例(男性45例,女性23例,31.3±8.4歳:3週群)と,2008年4月より術後全荷重を2週で許可した42例(男性24例,女性18例,31.0±7.9歳:2週群)で術後成績を比較検討した.但し,術後リハプログラムでは全荷重開始時期以外はほぼ同一とした.検討項目は,術後6,12ヶ月での膝伸筋の患健比(60°/s),受傷前と術後12ヶ月時のTegner activity score,術後12ヶ月時の膝前方制動性の患健側差,再鏡視時の移植腱の状態,入院期間とした.なお,膝伸筋力は等速性筋力測定器Ariel,膝前方制動性はKT-2000を用いて測定した.再鏡視時の移植腱の状態については,移植腱の太さ,緊張,滑膜被覆の3項目を総合し,Excellent,Good,Fair,Poorの4段階で評価した.統計処理に関しては,術後6,12ヶ月での膝伸筋の患健比(60°/s)と,Tegner activity scoreは,それぞれ反復測定による二元配置分散分析,χ²検定を用いた.また,術後12ヶ月時のKT-2000患健側差 ,再鏡視時の移植腱の状態,入院期間はMann-WhitneyのU検定を用いた.統計学的検討にはSPSS Statistics 17.0Jを使用し,有意水準は危険率5%未満とした.【倫理的配慮、説明と同意】本研究の個人情報の取り扱いは当院の個人情報保護規定に則り実施した.【結果】術後6,12ヶ月での膝伸筋の患健比はそれぞれ2週群67.3±2.9%,82.9±2.6%,3週群70.2±2.2%,83.0±2.1%であり,筋力回復の変化量に有意差はなかった.受傷前と術後12ヶ月時のTegner activity scoreの平均値は,それぞれ2週群は6.26が6.26,3週群は5.91が5.88であり,両群にともに有意差はなかった.術後12ヶ月時のKT-2000患健側差は2週群0.13±0.7mm,3週群0.07±0.6mmであり有意差はなかった.再鏡視時の移植腱の状態は2週群はExcellent 31例(73.8%),Good 9例(21.4%),Fair 2例(4.8%),3週群は Excellent 41例(60.3%),Good 27例(39.7%)であり,有意差はなかった.入院期間は2週群22.4±5.6日,3週群25.7±3.2日であり,2週群で有意に短かった(p<0.05).【考察】矢状面断において脛骨は水平面に対し10°程度後方傾斜しているため,膝関節荷重時に脛骨は大腿骨に対し前方剪断力として働き,移植腱へのストレスが増大するとの報告が散見される.しかし,全荷重開始時期は各施設で異なり,可及的早期から5週程度で行なわれており,統一された見解はない.そこで当院では術後の全荷重開始時期を術後4週から開始し,3週,2週へと変更させ術後成績を比較検討してきた.全荷重開始時期を早めたことで術後早期の活動性が上がるため,膝伸筋の筋力回復とTegner activity scoreにおいては2群間に差があると仮定したが,本研究では有意差はなかった.KT-2000患健側差と再鏡視時の移植腱の状態においては2群間に差がなかったことから,術後2週で全荷重を開始しても膝関節の不安定性の増大や移植腱への悪影響がないことが分かった.また,入院期間に関しては2週群の方が有意に短かった.以上より,術後2週での全荷重開始が許容されることが示された.【理学療法学研究としての意義】ACL再建術に関する臨床研究の報告は多数存在するが,全荷重開始時期の違いによる比較検討されたものは少ない.ACL再建術後の全荷重開始時期を3週と2週で比較検討した結果,少なくとも膝関節の不安定性の増大や移植腱への悪影響がないことが分かった.また,入院期間は有意に短縮できることが分かったことからも本研究は有意義だったと思われる.
著者
小嶋 雅代 酒々井 眞澄 鈴木 匡 坡下 真大 早野 順一郎 村上 里奈 山本 美由紀 浅井 清文 浅井 大策 石川 大貴 木村 侑樹 明石 惠子 赤津 裕康 大原 弘隆 川出 義浩 木村 和哲
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.221-235, 2019

<p>背景 : 医療系学生による高齢者家庭訪問実習の初年度の教育効果の検証.</p><p>方法 : 実習に参加した医学部3年生5名, 高齢者5名によるフォーカスグループインタビューを基に自記式調査用紙を作成し, 医学部3年生, 高齢者の全参加者に調査協力を依頼した.</p><p>結果 : 学生84人と高齢者30人が協力に同意した. 学生の74%が「高齢者の暮らしぶりが分かった」と回答し, 高齢者の57%が「良い変化があった」と回答した. 93%の高齢者が本実習に満足だったのに対し, 学生の肯定的な意見は半数であった.</p><p>考察 : 学生が本実習に積極的に取り組むためには, 各自が明確な訪問への目的意識を持てるよう, 入念な事前準備の必要性が示された.</p>
著者
長田 太郎 石川 大 渡辺 純夫
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.112, no.11, pp.1973-1981, 2015-11-05 (Released:2015-11-05)
参考文献数
32

近年,糞便移植療法(FMT)がClostridium difficile感染症(CDI)に対し高い有効性を示す論文が相次いで報告されている.古くから糞便が病気を治すという概念は存在したが,FMTは再発性・難治性CDIでは投与経路にかかわらず高率に治癒させることが可能になっており,さまざまな疾患で臨床応用が期待されている.炎症性腸疾患や機能性胃腸症に関するFMT治療報告例は少ないが,2015年に潰瘍性大腸炎に対し2編のランダム化比較試験(RCT)が報告された.現時点ではCDIに比べ有効性は必ずしも高くないが,今後ドナーの選定や方法を改良することにより有効性が上昇すれば安全,安価な治療法として期待される.
著者
石川 大輔 岩屋 隆夫
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木史研究 (ISSN:09167293)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.243-247, 2000-05-01 (Released:2010-06-15)
参考文献数
12

東京都伊豆小笠原諸島には, 「まいまいず井戸」と呼ばれる井戸がある.この「まいまいず井戸」は, 近世前の井戸形態の一つで, 直接, 地表部をオープンカットするという盤井である. これらの井戸は, 武蔵野台地や徳島県徳島市にも存在していることが確認されている. 本論は, 全国の「まいまいず井戸」を調査し, かかる井戸の特徴などを検証する.
著者
石川 大
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.969-980, 2018 (Released:2018-04-20)
参考文献数
30
被引用文献数
1

腸内細菌叢の乱れ(dysbiosis)と様々な疾患との関連が明らかになり,腸内環境の改善を目的とした便移植療法(FMT:Fecal Microbiota Transplantation)に注目が集まっている.本邦においても,近年急増する潰瘍性大腸炎(UC)患者への新しい治療選択肢として期待が高まっている状況である.FMTは難治性Clostridium difficile感染性腸炎に対して高い治療効果を示し,欧米では既に実用化されているが,他疾患に対する治療効果については不明瞭であった.2017年2月に報告されたランダム化比較試験でUCに対するFMTの有効性が証明されたが,凍結ドナー便を40回自己浣腸する方法であり,治療手技の煩雑さや不確実性を考慮すると,現実的な治療選択肢になりうるかは疑問が残る.われわれも,UCに対して抗菌剤療法をFMT前に行い,大腸内視鏡下で新鮮便を投与する抗菌剤併用療法(Antibiotics-FMT:A-FMT)について報告してきた.特にUCについてはドナー便の選択,投与法など様々な手法が試されているが,未だ標準化されておらず,疾患に応じた安全で有効,かつ効率的なFMTプロトコールの確立が望まれている.
著者
石川 大輔 仲澤 一也 鴇田 拓也
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.48101186, 2013

【目的】 脊柱アライメントの変化は、整形的疾患や内科的疾患、また心理面に影響を及ぼし、日常生活動作や生活の質の低下に関与すると報告されている。特に胸椎後彎角の変化は脊柱や骨盤の障害に大きな影響を及ぼすと考える。 脊柱アライメントの改善を目的に用いるツールの1つとして、ストレッチポールがある。 ストレッチポールエクササイズ(以下SPex)が与える影響として先行研究では、杉野らによる脊柱リアライメント効果(2006)、秋山らによる胸郭機能改善(2007)などの報告が散見される。 また、胸椎に関しては、蒲田らがSPex前後において胸郭のスティフネス低下、胸椎伸展へのリアライメントなどの効果があると報告している。 しかし、SPex前後での胸椎可動性の変化について調査した研究は少ない。 そこで、本研究の目的は、SPex前後で胸椎後彎角に与える影響として中間位・屈曲位・伸展位の3つの肢位で調査することである。【方法】 対象は健常成人、10名(男性10名 平均年齢33.5±7歳)とした。本研究ではSPex前後に安静立位姿勢から中間位・屈曲位・伸展位の順で胸椎後彎角を計測した。 安静立位姿勢の規定は、我々の先行研究に準じ、矢状面から観察し耳孔と大転子が同一垂線上になるようにし、足幅は肩幅とし、両手は胸骨部を両手が重なるように触る肢位とした。 胸椎可動性の計測は、自在曲線定規を使用し、予めC7とTh12をランドマークしてから、自在曲線定規を胸椎カーブに当て計測をおこなった。 自在曲線定規のデータは、方眼紙上にC7棘突起とTh12棘突起の位置に印をして胸椎カーブをトレースし、肢位ごとにトレースをおこなった。 胸椎後彎角度については、トレースした用紙から長さと高さを算出し、Milneらの計算方法に準じて後彎角θを求めた。また、屈曲位と伸展位の差をトータルアークとした。 ストレッチポールの課題には、日本コアコンディショニング協会が推奨しているベーシックセブンを使用し、10分程度実施した。 統計処理として、SPex前後で中間位・屈曲位・伸展位の胸椎可動性及びトータルアークをt検定で比較した。有意水準は5%未満とした。【説明と同意】 本研究への参加についてヘルシキン宣言に基づき、説明書および同意書を作成し、研究の目的、進行および結果の取り扱いなど十分な説明を行った後、研究参加の意思確認を行った上で同意書へ署名を得た。【結果】 SPex前後で胸椎後彎角は中間位で35.4度から28.1度、屈曲位で50.3度から44.8度、伸展位で26.8度から21.8度と有意に減少した。(p<0.05) トータルアークは、23.7度から22.9度と有意な変化は見られなかった。(p=0.8)【考察】 本研究の結果より、SPex前後で中間位、屈曲位、伸展位の胸椎可動性を有意に減少させた。 この結果は、SPexで胸郭可動性を改善させ、肋椎関節や肋横突関節のモビライゼーション、胸筋群のリラクゼーション効果により胸椎可動性が変化したと考える。また、各肢位において胸椎可動性が減少したにも関わらず、トータルアークが有意な変化が見られなかったことは、立位姿勢において、胸椎アライメントが伸展方向へのシフトしたことも示唆される。 さらに成書にSPexが身体に及ぼす影響として、胸椎伸展へのリアライメントや胸椎のモビライゼーションなどの効果があることを示唆しており、我々の研究結果からも同様な結果であることが証明できた。 今後の課題として、SPexの即時効果だけではなく長期的効果の研究や高齢者や脊柱疾患を有する者などの変化についても行なっていきたいと考える。【理学療法学研究としての意義】 今回の研究でSPexは胸椎可動性の後彎角および可動性に影響を与えることが示唆された。このことは、胸椎後彎が強いことにより障害や伸展可動域の不足などにSPexを適用することで、臨床上有益な効果が期待できると考える。
著者
石川 大介 栗山 和子 関 洋平 神門 典子
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.8, pp.1-7, 2010-01-21
参考文献数
12

Q&Aサイトにおけるベストアンサーを計算機が推定可能か検証するために,人間の被験者によるベストアンサー推定実験を行った.ベストアンサー推定実験にはYahoo!知恵袋データを利用し,「恋愛相談」と「パソコン」のカテゴリーから各50問を使用した.被験者二人による推定結果は,「恋愛相談」では正解率50%と52%(ランダム推定結果は34%),「パソコン」では正解率62%と58%(ランダム推定結果は38%) であり,いずれもランダム推定結果を上回った.また,被験者二人のκ係数は,「恋愛相談」では0.454(moderate),「パソコン」では0.613(substantial) であった.In order to verify whether a computer can estimate the best answer on a Q&A site, a best-answer estimation experiment was carried out with human examinees. The Yahoo! Chiebukuro data was used for the best-answer estimation experiment, and 50 questions each were used for the categories of"Consultation of love"and"Personal computer."The estimated result by two examinees for the correct answer rate was 50% and 52% (randomly estimated result: 34%) in "Consultation of love" and 62% and 58% (randomly estimated result: 38%) in "Personal computer"; therefore, each estimated result exceeded the randomly estimated result. Moreover, the kappa coefficient of the two examinees was 0.454 (moderate) in "Consultation of love" and 0.613 (substantial) in "Personal computer."
著者
酒井 才介 小寺 剛 荒木 大惠 中澤 正彦 石川 大輔 中沢 伸彦 神代 康幸
出版者
Institute of Economic Research, Kyoto University
雑誌
KIER Discussion Paper
巻号頁・発行日
vol.1507, 2015-07

リーマンショック以降、金融政策がゼロ金利制約に直面する中で、財政政策の役割が再び注目されている。財政政策の効果については、標準的なRBCモデルやニューケインジアンモデルでは政府支出ショックに対して民間消費が減少してしまい、Blanchard and Perotti (2002) 等による実証結果と矛盾することが知られている (「政府支出パズル」)。政府支出と民間消費の関係について、Karras (1994)、Okubo (2003)、Iwata (2013) 等は、政府消費が民間消費の限界効用に影響を与えるモデルを構築し、政府消費と民間消費との間に補完性 (エッジワース補完性) があるとの実証分析を行っている。また、Fiorito and Kollintzas (2004) はヨーロッパ各国のデータを用いて、政府消費のうち医療等のメリット財の支出が民間消費との間に強い補完性があることを示している。日本における政府消費については、今後高齢化に伴い医療や介護等の社会保障支出 (メリット財支出) が大きく増加することが見込まれており、上記の先行研究を踏まえれば、エッジワース補完性を考慮した上で政府支出の効果を分析する意義は大きいと考えられる。本稿では、廣瀬 (2012) のモデルに非リカード的家計、政府投資の社会資本効果、政府消費と民間消費のエッジワース補完性を導入したDSGE (Dynamic Stochastic General Equilibrium) モデルを用いて、日本の政府支出増加の効果を実証的に分析する。特に、政府消費についてはメリット財支出と公共財支出に区分し、それぞれの支出を増加させた場合の政策効果の違いを検証する。MCMC (Markov Chain Monte Carlo) 法によるベイズ推定の結果、Fiorito and Kollintzas (2004) と同様、メリット財支出の増加が民間消費に対して正の影響を与え、メリット財支出をGDP比で1%増加させた場合の乗数が1を上回ることを示す。本稿の分析は、エッジワース補完性の存在が「政府支出パズル」の解決に向けて一定の示唆を与えること、また政府支出の類型によって経済変数への影響が異なることを示している。
著者
佐々木 諭実彦 青木 佐知子 青木 孝太 阿知波 宏一 山 剛基 久保田 稔 石川 大介 水谷 哲也 國井 伸 渡辺 一正 奥村 明彦
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.106, no.4, pp.569-575, 2009 (Released:2009-04-06)
参考文献数
12
被引用文献数
1

症例は35歳の女性.大腸憩室炎に対してセフェム系抗菌薬であるセフトリアキソンを投与した後に胆砂が出現し急性膵炎を発症した.約1週間の絶食期間があったこと,セフトリアキソンが長期に投与されたことなどの要因が重なって胆砂が形成されたと考えられた.セフトリアキソン投与が胆泥や胆石の形成を促進する因子であることを十分認識し,腹部症状が出現した際には速やかに精査を行い適切な治療を開始する必要があると考えられる.
著者
南 さやか 薮田 伸 富永 克弘 山本 夕菜 中之内 亜紀子 壹岐 香代 石川 大太郎 石黒 悦爾 箱山 晋
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.89, no.4, pp.277-284, 2020-10-05 (Released:2021-05-20)
参考文献数
25
被引用文献数
1

熱帯・亜熱帯に広く適応し高い生産性を持つキャッサバを,バイオマス資源作物として温帯地域へ導入・利用が可能か否かを知るため,2007~2009年にブラジル国育成のデンプン含有率が高い品種 IAC-576-70を鹿児島で圃場栽培し,その生育,乾物生産の推移と収量を調査した.年平均気温18.3℃,年平均降水量2280 mm,冬期に降霜もある鹿児島の気象条件で,栽培可能期間は4月下旬~12月上旬までの7~8ヶ月間に限られた. 3ヵ年間における最大生産量は全乾物重が 1793 g m–2,塊根乾物重が 524 g m–2,生鮮塊根収量が2000 g m–2であり,熱帯地域の植え付け8ヶ月後における収量と同程度の生産であった.
著者
林 美智子 増田 隆昌 石川 大仁 瀧本 陽介 積 志保子 堀田 拓哉 大滝 尋美 荒木 雄介 渡辺 陽介 伊藤 明子 大澤 俊彦
出版者
一般社団法人 日本臨床栄養協会
雑誌
ニュー・ダイエット・セラピー (ISSN:09107258)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.3-10, 2022 (Released:2022-09-01)
参考文献数
36

Pineapple, one of the most popular tropical fruits consumed throughout the world, is rich in dietary fiber, which is generally known to improve constipation. In Japan, one out of three elementary school children are reported to suffer from constipation, sometimes resulting in school refusal. To elucidate the health benefits of pineapple intake for Japanese children, a randomized, untreated-controlled, parallel-group clinical trial was conducted. Elementary school children tending to have constipation were given 100 g of pineapples per day for 4 weeks. The questionnaire for physical condition and defecation status, measurement of indoxyl sulfate in urine and analysis of intestinal microbiota were performed before and after the pineapple intake. As a result, defecation status was significantly improved and the proportion of beneficial gut bacteria was significantly increased in the pineapple intake group, indicating that pineapple intake could be helpful in improvement of defecation status and intestinal environment for elementary school children.