著者
小松原 章
出版者
The Japanese Society of Insurance Science
雑誌
保険学雑誌 (ISSN:03872939)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.615, pp.615_127-615_146, 2011

成長顕著な株価指数連動型年金に対して証券規制導入提案を行ったSECに対して,当該年金主力の生保業界が強い反対姿勢を示し,規則撤回を求めて連邦控訴裁判所に提訴した。裁判所は,規則の内容は妥当であるが,規則導入に必要な効率性等の分析が不十分であるとしてSECに対して再検討を指示した。SECは規則再提出意欲を示したが,おりからの金融危機後における金融規制改革法案審議の過程でSEC規制を排除する条項が組み込まれた同法案が成立することとなった。これにより,証券規制は阻止できたが,州の監督責任は一段と重くなり,その真価が問われている。
著者
稲垣 剛志 木村 昭夫 萩原 章嘉 佐々木 亮 新保 卓郎
出版者
Japanese Association for Acute Medicine
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.192-199, 2013
被引用文献数
1

【目的】鈍的頭頸部外傷患者において,頸椎CT撮影の新たなclinical decision rule(CDR)を作成することを目的とした。【方法】Derivation研究の対象は2008年4月1日~2010年8月14日に当院へ救急搬送された頭頸部外傷患者のうち頸椎CTを施行した1,076症例,Validation研究の対象は2010年8月15日~12月31日に当院へ救急搬送された頭頸部外傷患者887例とし,診療録および救急患者データベースから後ろ向きに情報を得た。頸椎損傷の定義は骨折もしくは脱臼とした。頸椎損傷の有無と相関する因子を解析した後に,感度100%となるような新たなCDRを導けるか検討した。【結果】単変量解析では,年齢,後頸部痛の有無,神経学的異常所見の有無,来院時のGlasgow coma scaleスコアにおいてCT上の頸椎損傷所見の有無で有意差が認められた。また年齢が高い群で受傷機転における階段等からの転落の有無も有意差が認められた。二進再帰分割法を行った結果,意識障害や後頸部症状に加え,年齢や具体的な受傷機転を含めた新たな頸椎CT施行基準が導出され,感度100%を保ち,損傷の見逃しを回避することができた。以下に新基準により頸椎CTの適応となるものを示す。(1)GCSスコア13以下の患者。(2)GCSスコア14-15の患者で後頸部圧痛か神経学的異常所見を有する患者。(1) (2)以外の患者のうち,(3)60歳以上:受傷機転が階段等からの転落であった患者。(4)60歳未満:受傷機転がバイクの事故か墜落であった患者。【結語】従来より提唱されているGCSスコア,頸部症状,神経所見に加え,年齢や具体的な受傷機転を評価項目に含めた新しい基準は感度が高く,頸椎損傷の見逃しを回避しうるCDRである。
著者
原 章二
出版者
早稲田大学政治経済学部教養諸学研究会
雑誌
敎養諸學研究 (ISSN:02884801)
巻号頁・発行日
vol.122, pp.79-100, 2007-03-25
著者
岩谷 雄介 鈴木 直樹 原 章展 平田 竹男
出版者
日本スポーツ産業学会
雑誌
スポーツ産業学研究 (ISSN:13430688)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.63-70, 2012 (Released:2012-04-25)
参考文献数
8

The purpose of this study was to clarify the features of domestic marathons, and to present the problems and remedial measures of each feature. 51 domestic marathons were classified into four groups, based on the time limit, the hosting institution, the size of the turnout, and the rate of female participants. The features from the results were considered, and the rallies that made the best use of the characteristics of the game and of the region were presented.
著者
小原 章裕 松久 次雄 森 一雄
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.51, no.8, pp.725-729, 2000-08-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
17

10種類の薬味として用いられる香辛料 (白コショウ, 黒コショウ, サンショウ, トウガラシ, ネギ, タマネギ, ショウガ, ニンニク, 黒ゴマ, 白ゴマ) の抗変異原性を調べた.抗変異原性の測定は変異原物質としてTrp-P1, 1-ニトロピレン (1-NP), 薬物代謝酵素群により活性化されたact.Trp-P1及びact.Trp-P2に対する変異原性の抑制分を Salmonella typhimuriumTA98菌株を用いるAmestestで行った.また, これら試料の各種変異原物質に対する抗変異原性の強弱から活性発現メカニズムについても検討した.薬味10種類のメタノール抽出物の内, 黒コショウ, サンショウ, トウガラシ, ネギ, タマネギ, ショウガの6種類の試料に1-NPに対する抗変異原1生が認められた.一方, Trp-P1に対しても白コショウ, トウガラシ, タマネギ, ネギ, ショウガ, ニンニクの6種類が活性を示した.さらに, それぞれの薬味のメタノール抽出物をヘキサン画分, ベンゼン画分, 酢酸エチル画分及びメタノール画分に分画し, Trp-P1, 1-NP, act.Trp-P1及びact.Trp-P2に対する抗変異原性を検討した.その結果, 多くの試料は薬物代謝系酵素にではなく変異原性を示す物質に直接に作用していた.この結果よりこれらの薬味は各種変異原物質に作用して抗変異原性を示す事が分かった.
著者
小原 章裕 平松 直子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.48, no.7, pp.637-642, 1997-07-15 (Released:2010-03-09)
参考文献数
10
被引用文献数
4

Most plant foods such as vegetables, fruit, seaweed and mushrooms contain antimutagenic or anticarcinogenic compounds. These compounds may be altered or lost during processing and cooking. Therefore, it is very important to investigate the change in antimutagenicity of a food due to processing and cooking. The objective of the first stage of this study was to examine the antimutagenicity of water-soluble and fat-soluble substances in plant foods. Food samples were selected from popular seasonal vegetables that are commonly available. The water-soluble fraction and fat-soluble fraction were extracted from each freeze-dried plant food with a 0.1 M phosphate buffer and methyl alcohol, respectively. The antimutagenic activity was evaluated by the Ames method to examine the mutagenicity of Trp-P-1, Trp-P-2 and 2-hydroxy- (1-N-nitrosoindolyl) propionic acid (NIHP) toward Salmonella typhimurium TA 98.Twenty percent of the forty plant juices tested reduced the mutagenicity of Trp-P-1 by more than 50 %, and 35% of the extracts from the other 29 vegetables reduced mutagenicity of NIHP by more than 50 %. Eighty three percent of the water-soluble fractions extracted from 24 freeze-dried plant foods showed antimutagenic activity toward Trp-P-2. On the other hand, only 25% of the fat-soluble fractions from the freeze-dried plant foods showed antimutagenicity, although a few of them demonstrated very strong activity. Seventeen percent of the tested plant foods had antimutagenicity in both the water-soluble and fat-soluble fractions. Most of the plant foods tested contained antimutagens in their water-soluble fractions.
著者
雉本 信哉 下嶋 浩 柴原 章宏
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集. C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.62, no.596, pp.1397-1402, 1996-04-25
参考文献数
10
被引用文献数
1

A new adaptive control algorithm in the frequency domain was proposed. This frequency domain approach is an alternative to the ordinary filtered-x least mean squares (LMS) algorithm in the time domain. A transfer characteristic of an acoustic path is identified adaptively in the frequency domain using the fast Fourier transform (FFT). The real-time control of the noise reduction in an L-formed duct model was carried out. A digital signal processor and a personal computer were used for the active noise control. The maximum noise reduction level of about 30 dB and the average reduction level of about 7 dB were obtained through the experiment. As a result, it was shown that this frequency domain adaptive algorithm has faster convergence compared to the ordinary filtered-x LMS algorithm.
著者
柳川 洋一 萩原 章嘉 西 紘一郎
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.168-173, 2008-03-15 (Released:2009-07-19)
参考文献数
13

42歳の女性が歯痛,発熱,下顎~頸部腫脹で近医を受診し,感冒と診断されたが症状が悪化し,当院に搬送された。来院時,敗血症性ショック状態であり,頸部と胸部の造影CTで頸部及び縦隔膿瘍,膿胸を示唆する所見を得たため,頸部皮膚切開,気管切開と両側に胸腔ドレナージを施行した。口腔内を観察すると顎下腺開口部の拡大を認めた。以上の所見から,唾石症によると思われる顎下腺の炎症によりLudwig's anginaが生じて,降下性縦隔炎,膿胸,敗血症性ショックを合併したものと判断した。抗菌薬,人口呼吸管理と多房性膿胸に対するCTガイド下の外科的ドレナージの追加により全身状態は徐々に改善し,第58病日独歩退院となった。Ludwig's anginaは顎下部間隙膿瘍のことであり,主に齲歯から発生する。これが疎の口腔咽頭組織間隙を通じて感染が他に波及すると髄膜炎や降下性縦隔炎や膿胸を合併することもある。Ludwig's anginaは稀な疾患ではあるが死亡に至る可能性があるため,炎症所見を伴った下顎部腫脹の患者を診察した場合は,Ludwig's anginaを考慮する必要がある。
著者
久保田 尚浩 小野 俊朗 小原 章男 福田 文夫 片岡 郁夫
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1996

(1)ブドウ栽培用ランプの開発:発光ダイオードを使って、450と660nmにピークを持つランプおよび両波長を半分ずつ持つランプを試作した。(2)ブドウの生長と花房分化に対する光の作用性:ピオーネを供試し、上記のランプおよび730nmにピークを持つランプで長日処理(16時間日長)した。660nmでは新梢生長が最も優れ、花房原基数も他区の約2倍であった。ブドウ3品種を供試し、自然日長の異なる3時期(12月、2月、3月)からシリカ電球、育成用ランプおよび赤色光ランプで長日処理した。長日処理効果は、新梢生長ではピオーネで最も大きく、次いでデラウエア、マスカット・オブ・アレキサンドリアの順であり、また花房分化ではピオーネで大きかった。長日処理効果は、自然日長が短い時期ほど大きく、一方ランプによる差は小さかった。(3)ブドウ栽培における電照技術の開発:ピオーネの二期作において、二作目の新梢や果粒の生長を促すには14時間以上の日長が必要なこと、日長時間が長いほど処理効果が大きいこと、暗期中断処理は16時間日長よりも長日処理の効果が大きいことが明らかとなった。(4)紫外光によるブドウ果粒の着色促進技術の開発:UV-A照射はブドウ果皮のアントシアニン蓄積を促すが、その程度は品種によって異なること、成熟期後半だけの照射でもアントシアニン蓄積が促されること、その効果はPAL活性を介したものであること、品種によってはアントシアニン組成に違いが生じることなどが明らかとなった。(5)ブドウ果皮のアントシアニン合成におけるPALおよびmyb遺伝子の関与:幼果期の高いPAL活性は果実生長、成熟開始期の小さなPAL活性は着色に関係していると思われた。RT-PCR法によって3種類のPAL遺伝子断片と6種類のmyb遺伝子断片を得た。このうち、アントシアニン合成に関わる遺伝子は主としてmyb11.PAL5およびPAL14であると推察された。
著者
篠原 章夫 中嶌 信弥
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.94, pp.39-46, 2002-10-17
被引用文献数
3

2001年秋に東京急行電鉄の東横線及び渋谷駅で行なった、電子交通広告実験「渋・ドコフェア」について報告する。本実験は、車内、街頭に設置された広告表示端末と携帯電話が連携をすることで利用者に情報を提供する新しい形の交通広告のあり方を実験したものである。This paper introduces Shibu-Doco Fair - the electric transit advertising trial in Toyoko line and Shibuya station in fall 2001. In this trial we tried new transit advertising service. In this service we provide users with information which they want by user's celler phone which cooperated with advertising terminal in train or atation.
著者
鳥居 秋彦 岡谷 貴之 延原 章平
雑誌
研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM)
巻号頁・発行日
vol.2011-CVIM-176, no.1, pp.1-22, 2011-03-10

多視点画像を使って物体やシーンの3次元形状およびカメラの姿勢を得る問題は,コンピュータビジョンの中心的課題として長い間研究されてきた.活発な研究活動を通じて得られた成果は,ロボット視覚から,CGや拡張現実(AR)を始めとする映像メディア応用まで,様々な形で実社会にフィードバックされている.本稿は,多視点3次元復元の最近の研究動向をサーベイしたもので,大量未整列画像からのSfM,実時間SfM/Visual SLAM,人物の全周囲3次元形状・運動復元の3つのトピックについて述べる.
著者
篠原 章宏 山下 英明
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
日本オペレーションズ・リサーチ学会和文論文誌 (ISSN:04534514)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.82-102, 2009-12

本稿は,各工程のカンバン枚数と基礎在庫量を決定する生産計画と,この生産計画に必要な資金を除いた余剰の資金を運用する運用計画を同時に策定し,運用で得られた利益を組み込んだ次期の資金をもとに,次期の生産計画と運用計画を同時に策定する多期間計画問題を考える.一般にこの問題の実行可能解の数は膨大で,最適解を求めることが難しい.一方,生産計画問題と資金運用計画問題を分離して,独立に解こうとすると,問題間のトレードオフによって,精度の良い近似最適解を得られない可能性が高い.そこで,本稿では共進化GAの考え方を用い,比較的精度の良い近似最適解が得られる解法を提案する.
著者
竹屋 元裕 坂下 直実 菰原 義弘 藤原 章雄
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

クラスAスカベンジャー受容体(SR-A,CD204)欠損マクロファージ(Mφ)を用いた検討で、SR-AはTLR4のLPSとの結合を競合的に阻害し、M2 Mφの抗炎症性機能の一翼を担うことを明らかにした。急性冠症候群では、血中単球にSR-Aが誘導され診断マーカーとなり得ることがわかった。ヒト腫瘍組織の検討では、CD163陽性M2 Mφの浸潤度と膠細胞腫や卵巣癌の悪性度に相関がみられ、M2 Mφと腫瘍細胞がSTAT3を介して相互作用を示すことを明らかにした。天然化合物のcorosolic acidはMφのM2分化を抑制し、MφのM2機能を抑制することで治療効果を示す可能性が示唆された。
著者
篠原 章夫 富田 準二 木原 民雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.14, pp.163-168, 2006-02-16
被引用文献数
1

公共の場において巨大なインタラクティブ空間を提供する実験「みらいチューブ」を、2004年2月から10月まで横浜高速鉄道みなとみらい線みなとみらい駅コンコースで行った。本論文では、複数の画面、複数のセンサを柔軟に組み合わせることができるという本システムの特徴について、及びインタラクティブメディアに対する一般の通行者による注目度、受容性について行った評価について報告する。This paper introduces an interactive system for public spaces called Mirai Tube. This system is a large-scale interactive media space. It uses multiple sensors sucha as video cameras to recognize the conditions in a given space in real time. Mirai Tube Sysmte was installed in the underground concourse of Minatomirai Station in Yokohama. We had demonstration experiment from Feb. 1 to Oct. 31 2004. We report evaluation result of the experiment.
著者
奥村 誠 杉恵 頼寧 塚井 誠人 小松 登志子 岡村 敏之 藤原 章正
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1999

本研究の目的は,交通工学,衛生工学,水資源工学などの立場からの知見を総合し,中小都市に即した緊急時の給水計画のあり方と,その立案の効率化のためのシステムの開発であり、基本的な分析ツールの開発を行った。第1に代替水源としての可能性の高い地下水利用を念頭におき,地震時の地上・地下構造物の破損により新たな汚染源が発生した場合の飲用可能性を検討するためのシミュレーション方法を開発するとともに,簡便水質測定法の精度の検討を行った。第2に緊急給水作業に対する道路ネットワーク,耐震配水池,井戸水での代替の効果を検討するため,給水車による飲料水の配送計画モデルを作成した。次いで,東広島市西条地区を対象に,収集した各種のデータを地理情報システム上に整理するとともに,それを用いた具体的な検討を進めた。まず,残存井戸における地下水位と流向流速調査に基づいて利用可能水量の検討を行った。つぎに汚染シミュレーションに基づく汚染拡散を踏まえた簡易水質検査井戸の選定方法の検討,人口と井戸の分布を踏まえた緊急給水点配置の計画モデルを加えて,緊急時の簡易水質測定体制,給水点の設置,給水車の配備を事前に立案する手順を整理した。いずれの問題も複雑な計算を内包するものであり,現時点でパソコン上の簡便な検討システムの構築は困難であることがわかった。具体的な知見は以下の通りである。第1に地下水の季節的な量的変動にかかわらず,緊急時に必要な水量はほぼ確保できる。第2に芸予地震時に断水した広島県島嶼部では,日常的に井戸水を用いている世帯を中心にかなりの井戸水が飲用に使われていた。第3に汚染シミュレーションを用いれば,井戸の汚染リスクが計算でき,その影響を最小にするような検査井戸が選定できる。第4に使用可能井戸を踏まえて緊急飲料水の配送を考えれば,一定のコスト削減が可能である。