著者
田中 善大 伊藤 大幸 高柳 伸哉 原田 新 染木 史緒 野田 航 大嶽 さと子 中島 俊思 望月 直人 辻井 正次
出版者
一般社団法人 日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.58-66, 2014

本研究では,保育所の年長児に対する縦断調査によって,保育士が日常業務で作成する「保育記録」を心理学的・精神医学的観点から体系化した「保育記録による発達尺度(Nursery Teachers Rating Development Scale for Children: NDSC)」と学校適応との関連及びNDSCを用いた小学校での適応の予測について検討した。単一市内全保育所調査によって386名の園児に対して保育所年長時にNDSCを実施した後,小学校1年時に教師評定による小学生用学校適応尺度(Teachers Rating Scale for School Adaptation of Elementary School Students [All student version]: TSSA-EA)を実施した。相関係数の分析の結果,NDSCと学校適応との関連が示された。重回帰分析の結果,学校適応の下位尺度である学業面,心身面,対人面,情緒面のそれぞれの不適応を予測するNDSCの下位尺度が明らかになった。重回帰分析の結果に基づくリスクの分析の結果,重回帰分析によって明らかになった下位尺度が,学校適応のそれぞれの側面を一定の精度で予測することが示された。
著者
畑野 快 原田 新
出版者
一般社団法人 日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.67-75, 2014

本研究の目的は,心理社会的自己同一性が内発的動機づけを媒介して主体的な授業態度に影響を及ぼすモデルを仮説モデルとし,その実証的検討を行うことで,大学生が主体的な学習を効果的に獲得する方策として心理社会的自己同一性,内発的動機づけの果たす役割について示唆を得ることであった。仮説モデルを実証的に検討するために,大学1年生131名,大学2年生264名,3年生279名の合計674名を対象とした質問紙調査を実施した。まず,媒介分析の前提を確認するため,学年ごとに心理社会的自己同一性,内発的動機づけ,主体的な授業態度の相関係数を算出したところ,全ての学年において3変数間に正の関連が見られた。次に,多母集団同時分析によってモデル適合の比較を行ったところ,仮説モデルについて学年を通しての等質性が確認された。最後に,仮説モデルをより正確に検証するため,ブートストラップ法によって内発的動機づけの間接効果を検証したところ,1~3年生全ての学年において内発的動機づけの間接効果の有意性が確認された。これらの結果から,1~3年生全ての学年において仮説モデルが検証され,大学生が主体的な学習を効果的に行う上で心理社会的自己同一性,内発的動機づけが重要な役割を果たす可能性が示された。
著者
原田 直樹
出版者
福岡県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

福岡県立大学不登校・ひきこもりサポートセンターを利用していた不登校児童生徒及びその保護者を対象に質問紙調査を実施した。(保護者:回収数66・回収率31.3%、不登校児童生徒:回収数25・回収率26.0%)以下の研究成果を得た。①不登校児童生徒の不登校当時と現在の環境への適応感や家族機能の実態を明らかにした。②さらに不登校の要因及び学校への支援ニーズの保護者と児童生徒の意識差や、大学生ボランティアによる影響も明らかにした。③また、大学生ボランティアが不登校支援に関与する方向性を明確化した。全国の大学生ボランティアによる不登校支援活動の展開に成果の活用が期待される。
著者
原田 晶子
出版者
東京大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2011

中世ドイツ都市史研究では、長い間、法的特権を持つ聖職者は都市の中の異分子と考えられ、対立の構図で描かれてきた。しかし近年、中世後期の都市を「聖なる共同体(注:市参事会は市民の宗教生活にも責任を負っているという意)」とみなす概念が受け入れられつつあり、都市と聖職者の関係も再考を迫られている。このような研究動向を考量して、本研究では都市と聖職者の関係を、従来あまり注目されてこなかった教会組織の末端に位置する教区主任司祭の活動に着目し、「共生」という観点から考察し直した。
著者
赤池 敏宏 小畠 英理 長岡 正人 伊勢 裕彦 原田 伊知郎 賀喜 白乙
出版者
公益財団法人国際科学振興財団
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2011-04-01

細胞接着分子として知られているE-カドヘリン分子をベースをしたキメラタンパク質E-カドヘリンFc分子の設計をふまえ、このE-カドヘリン-Fc固定型培養器材を用いることにより、ES/iPS細胞をコロニー化させずに、均一に分散した単一細胞状態での培養に成功した。さらに開発した新方法とコロニー形成させてしまう既存の方法を比較する為、発信される細胞内シグナルも比較・解析した。本研究によりES/iPS細胞の均一な未分化増殖・肝細胞・神経細胞への均一系での分化誘導とソーティング技術を確立しES/iPS細胞用まな板のコンセプトを確立した。
著者
澤井 亮 原田 博司 白井 宏 藤瀬 雅行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.84, no.7, pp.1187-1197, 2001-07-01
被引用文献数
3

一つの機器で複数の無線通信システムの同時処理を可能にするマルチモード・マルチサービスソフトウェア無線通信(MMSR:Multi-mode & Multi-service software Radio communications)システムが提案されている。本論文では, このようなシステムを一つのシステムクロックを用いて省スペースに実現する方法として, 稼動するシステムのシンボル(チップ)レートに応じてシステムクロックを決定し, その一つのシステムクロックをすべてのシステムに効率良く配分する適応マルチサンプリング処理法を提案する。提案方式の評価には, 将来的なITSサービスに向けたMMSR無線機を設計し, 白色ガウス雑音及び1波のレイリーフェージング環境下におけるビット誤り率について計算機シミュレーションを用いて評価する。
著者
首藤 佐智子 原田 康也 武黒 麻紀子
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

本研究では、前提を伴う言語形式の運用のしくみを明らかにすることを目的として、近年問題視されている表現をとりまく言語現象を考察した。研究成果として特筆できるのは、ポライトネス効果を狙った語用論的制約の操作使用の結果、意味が客観化するという現象を指摘することができたことである。これはポライトネスが意図された語用論的制約操作が行われた場合に、その意図が形骸化するという社会言語学的パラドックスが存在することを示唆する。この現象のモデルとして扱った「残念な」に関する分析は、「日本語語用論フォーラム」の第1号(2015年刊行予定)に掲載される予定である。
著者
原田 紀夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.180-188, 1974-03-15

An algorithm finding optimal multipliers for the spectral test of uniform random number generators is developed. Many Multipliers given by this algorithm are shown as the tables. They are available for practical random nurnber generation on binary and decimal computers.
著者
藤井 敦史 原田 晃樹 北島 健一 佐々木 伯朗 清水 洋行 中村 陽一 北島 健一 清水 洋行 佐々木 伯朗 中村 陽一
出版者
立教大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

日本では、社会的企業が、企業の社会貢献との延長線上で捉えられ、制度的・社会的基盤条件を無視した研究が行われてきた。それに対し、我々は、EMESネットワークの社会的企業論を分析枠組の基礎に据え、英国イースト・ロンドンの社会的企業、並びに、障害者雇用領域で活動する日本の社会的企業について調査研究を行った。これらの比較調査から、社会的企業の発展にとっては、(1)委託事業を含む政府(行政)との協働のあり方や(2)地域でセクターを形成しうるインフラストラクチャー組織の存在が極めて重要であることが理解できた。
著者
原田 桂太
出版者
京都大学フィールド科学教育研究センター瀬戸臨海実験所
雑誌
瀬戸臨海実験所年報 = Annual report of the Seto Marine Biological Laboratory (ISSN:09136002)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.49-64, 2010-12-25

京都大学白浜水族館にて、2007年4月から2008年9月までに一般の来館者に対して、来館者の年齢層、来館者がどこから来ているか、当水族館の展示がどう評価されているか、などを調査するためにアンケート調査を行った。年齢別で面白かったかどうかを見ると、70歳以上と回答した人を除いて、「おもしろかった」「どちらかといえばおもしろかった」と回答した人の合計が、それぞれの年齢層で9割前後を占めた。10代と20代、および70歳以上では、「つまらなかった」と回答した人の割合がやや高かった。当水族館を知った手段としては、「家族、友だち、知人の話や紹介」と回答した人の割合が白浜周辺からの来館者では高く、遠隔地からの来館者ほど低い傾向が見られた。白浜周辺以外からの来館者では、「たまたま見つけた」と回答した人の割合が高い傾向があった。和歌山県以外の近畿圏からの1回目の来館者数が、全体の半分以上を占めた。また、来館数を「2-4回目」「5 回目以上」と回答した人の割合は、白浜周辺からの来館者ほど高く、遠隔地からの来館者ほど低い傾向が見られた。
著者
原田昌紀
雑誌
bit,
巻号頁・発行日
vol.32, no.8, pp.8-14, 2000
被引用文献数
2
著者
原田 昌紀
出版者
共立出版
雑誌
Bit (ISSN:03856984)
巻号頁・発行日
vol.31, no.12, pp.22-28, 1999-12
著者
石津 健太郎 村上 誉 宮本 剛 フィリン スタニスラヴ チャン ハグエン スン チェン アレムスグド ヨハネス 原田 博司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SR, ソフトウェア無線 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.155, pp.43-50, 2009-07-22
被引用文献数
5

本稿では,NICTが開発したヘテロジニアス型コグニティブ無線システムについて述べる.本システムはIEEE1900.4仕様が規定するシステムアーキテクチャに従って構成されており,コグニティブ無線基地局とネットワーク再構築マネージャの機器から構成される.コグニティブ無線基地局は,設定されたユーザプリファレンスとネットワーク再構築マネージャからの指示に基づいて,具備している複数の無線データ通信デバイスの中から,最適なものを選択して接続する.利用者端末はコグニティブ無線基地局を介して,最適な無線アクセス技術(Radio Access Technology),および,最適な無線アクセスネットワーク(Radio Access Network)により,インターネットに接続することが可能になる.本システムは,2009年3月に開催された電子情報通信学会の移動通信ワークショップにおいて実証実験により動作検証を行い,基本機能について確認を行った.
著者
山口 一太郎 斎藤 建夫 塚田 章 川原田 淳 佐々木 和男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス
巻号頁・発行日
vol.97, no.46, pp.33-40, 1997-05-17
参考文献数
7

レーザ組織血流計は無侵襲で簡便に末梢循環状態を連続モニタする機器として広く使用されている.しかし,体動の影響を受け易く,測定範囲・深度が局所に限定され,定量性の面においても問題を残している.本研究では,近赤外レーザ光を用いて局所的な組織血流量を定量的に測定する方法に関する基礎的検討として,まず生体組織に対するモデルとして血液,肝臓,ミルクに近赤外レーザ光を照射しモデル内で散乱したレーザ光の光量分布について検討を行った.次に静脈圧迫等により測定部の血液量を変化させたときに生じる生体内の吸光度変化から組織中のヘモグロビン量を求める装置を試作し,これに定量的組織血流計測に利用されているラバーストレインゲージプレチスモグラフィーや水素クリアランス組織血流計を組み合わせて,簡便に実効光路長を求める方法の可能性について検討した.
著者
原田和作 編
出版者
駸々堂
巻号頁・発行日
1903