著者
皆本 景子 上田 厚 原田 幸一 魏 長年 皆本 景子 上田 厚
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

わが国では、業務上疾病として職業性皮膚障害として分類されている症例は限られていて行政による統計は存在しない。郵送による調査での症例収集は有効でなかった。職業関連アレルギーの発生の実態は、疫学的にも正確には把握されていないが、今のところ、医学雑誌で報告された症例報告の蓄積が、いまのところ確実で正確に利用できる情報源である。ドイツでは、皮膚科医と産業医が、行政の報告システムに組み込まれていて、職業性皮膚障害としての統計を基礎にした医学的根拠に基づいて、アレルギー性接触皮膚炎と刺激性接触皮膚炎ともに包括的な予防対策がとられている。ハウスミョウガ栽培者のアレルギー性接触皮膚炎の原因物質は、脂肪酸であることが示唆されたが、確定はできなかった。揮発性成分のなかでは、β-phellandereneの抗原性が高かった。接触蕁麻疹は、非免疫学的機序によるものである可能性が高い。
著者
佐伯 英明 三浦 邦夫 五十嵐 信寛 小川 弘良 清水 世紀 和田 郁生 鈴木 隆志 原田 忠 森田 隆 加藤 哲郎
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.73, no.8, pp.1058-1062, 1982-08-20

症例は妊娠第15週の36歳の女子で,肉眼的血尿を主訴として当科を受診した。膀胱鏡を施行したところ,膀胱左側壁に巨大な腫瘤を認めたので生検を行ない,移行上皮癌と判明した。患者は既に3子を有しているので,人工流産を施行し,泌尿器科的精査および治療を進めていつた。膀胱造影では左側半分を占める巨大た陰影欠損を認め,骨盤部動脈造影で腫瘍血管に富む腫瘍を認めた。術前に,マイクロカプセル化されたマイトマイシンCを合計40mg使用して2度にわたつて腫瘍支配動脈の化学塞栓を行ない,化学塞栓後の膀胱造影で腫瘍が中等度縮小した時点で膀胱全摘除術および回腸導管造設術を施行した。肉眼的には大小2個の腫瘍が認められ,組織学的にはgrade I, stage Aの移行上皮癌であつた。術後5ヵ月という短い経過ではあるが,転移や再発の徴候はない。妊娠に悪性腫瘍が合併することは稀れであり,殊に尿路悪性腫瘍が合併することは極めて少ない。妊娠に合併した膀胱癌の症例は欧米の文献に7例を認めるが,本邦では最初の報告ではないかと思われた。血尿が認められれば妊娠の有無にかかわらず即時にしかも適切な検索が行なわれなけれぼならないことを強調し,かつ,妊娠中の膀胱癌の治療法および妊娠と悪性腫瘍との関係について若干の考察を加えた。
著者
堀 敦史 石川 裕 NolteJörg 原田 浩 古田 敦 佐藤 忠
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.106, pp.25-32, 1994-12-08

超並列OSにおけるプロセス間通信では,仮想記憶管理機構の技法を用いたプロセス間共有メモリによるプロセス間通信の高速化技法が必ずしも使えないことや,プロセスのスケジューリングに注意しないと効率的なプロセス間通信が実現できないなどといった,逐次マシンのOSとは異なる側面を持っている.本稿では,超並列OS上での効率的なプロセス間通信を実現するために,"buddy"と"alternate"という2種類のプロセスグループを提案する.Buddyプロセスグループはパイプライン処理,alternateプロセスグループはプロセス間共有メモリを可能とする.同時に,alternateプロセスグループを用いたスケーラブルな並列デバッガ実行モデルの提案も併せておこなう.Inter-process communication on a massively parallel operating system have some different aspects from that on a sequential system. For example, the virtual memory management technique for efficient inter-process communication that can be seen in the Mach micro kernel can not be implemented on a distributed memory parallel machine. Process scheduling is also very important to realize efficient inter-process communication. In this paper, we propose 2 kinds of process groups, "buddy" and "alternate" to realize efficient inter-process communication. The buddy process group is suitable for pipeline processing, while the alternate process group enables inter-process shared memory. Also, we propose a scalable parallel debugger execution model based on the alternate process group.
著者
堀 敦史 石川 裕 Nolte Jorg 原田 浩 古田 敦 佐藤 忠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPSY, コンピュータシステム
巻号頁・発行日
vol.94, no.383, pp.25-32, 1994-12-08

超並列OSにおけるプロセス間通信では,仮想記憶管理機構の技法を用いたプロセス間共有メモリによるプロセス間通信の高速化技法を必ずしも使えないことや,プロセスのスケジューリングに注意しないと効率的なプロセス間通信が実現できないなどといった,逐次マシンのOSとは異なる側面を持っている.本稿では,超並列OS上での効率的なプロセス間通信を実現するために、"buddy"と"alternate"というに種類のプロセスグループを提案する.Buddyプロセスグループはパイプライン処理,alternateプロセスグループはプロセス間共有モメリを可能とする.同時に,alternateプロセスグループを用いたスケーラブルな並列デバッガ実行モデルの提案も併せておこなう.
著者
高 娟淑 久野 覚 原田 昌幸 中山 和美 飯村 龍
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会環境系論文集 (ISSN:13480685)
巻号頁・発行日
vol.74, no.638, pp.427-433, 2009-04-30 (Released:2009-11-24)
参考文献数
15
被引用文献数
2 1

In this study we examined ventilation in summer and solar insolation in winter as elements of the indoor environment, with the objective of analyzing the seasonal characteristics of thermal environment evaluation as well as identifying how particular characteristics of space affect the evaluation of the thermal environment. The results were as follows. We found that in summer, feelings of discomfort disappeared even at the high indoor temperature of 33°C when a breeze of at least 0.6 m/s was present. In winter, some subjects expressed a desire for the temperature to be raised while others desired it to be lowered, with a neutral temperature of 23-25°C. We found that subjects' degree of satisfaction to exposure to sunlight was “just right” at temperatures over 25°C, with dissatisfaction at the amount of sunshine being eliminated. During winter, by moving into and out of sunlit areas, subjects created a transient thermal environment in which they actively enjoyed temporary pleasant sensations even in high temperatures.
著者
原田 邦彦 山本 博資
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IT, 情報理論 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.185, pp.31-36, 2006-07-21
被引用文献数
2

線形ネットワーク符号化において,有限体IF_q上のメッセージX^h=(X_1,X_2,...,X_h),(X_i ∈IF_q)が伝送されるとき,各辺にはh個のX_iの線形結合が伝送される.本稿では必ずしも安全とは限らない線形ネットワーク符号を用いて秘密情報S^r(r&le;h)を伝送するとき,これに乱数情報R^<h-r>を付加した入力メッセージX^h=(S^r,R^<h-r>)に線形変換を行うことで,任意のl本の辺の盗聴に対して,h-rをしきい値とする強いランプ型秘密保護特性を実現する手法を提案する.すなわち,l&le;h-rならば,S^rは完全に安全であり,h-r<l<hならば,の秘密情報S^rのうち,任意のh-l個のシンボルが完全に安全である.さらに,実現のために十分な有限体サイズqの評価を行う.
著者
徳満 恒雄 大平 孝 原田 博司 柏 卓夫 丹冶 康紀 大和田 哲 大橋 洋二 北澤 敏秀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MW, マイクロ波
巻号頁・発行日
vol.98, no.603, pp.123-132, 1999-02-17

1998年の欧州マイクロ波会議の概要について報告する. 本会議は28回目を数え, 10月5日から9日までオランダのアムステルダムで開催された. 今回より, 従来のEuropean Microwave Conferenceを核とし, GAASとMTT-S European Wirelessなる会議を合体して, European Microwave Weekとして開催された. 論文数は430件であった. 本報告では, これらの発表を衛星搭載機器, ワイヤレス通信, MMIC, ミリ波デバイス, 能動・受動フィルタ, パッケージおよび実装,電磁界理論に分けて, それぞれの概要と興味深い論文の紹介を行う.
著者
茂木 一司 福本 謹一 永守 基樹 森 公一 直江 俊雄 原田 泰
出版者
群馬大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

3年間の本研究の成果として、以下の3点に整理できる。(1)表現が重要性を増す情報ネットワーク時代のイメージや感性を大事にした新しい学びの創出を目的として企画された本研究は、学校教育における総合学習や美術館・博物館において活用できる学習環境のデザインを踏まえた「(アート)ワークショップ型の学び(学習方法)」の有効性を理論的・実践的に初めて実証し、具体的な装置・教材として発表、完成できた。(2)実践的研究では、3つのワークショップを実施、分析した。1)「あさひdeアート2003」(実践研究I)、「あさひdeアート2004」(同III)では、「コミュニケーションの可視化」「身体性や感覚の拡張と変換」などを目的にした世界的にも類例をみない重度障害児に対するメディアアート・ワークショップを実施し、メディアアートを活用したワークショップの構造を明らかにした。2)「あの時あの場所色図鑑@ちるみゅー」では、「色によるコミュニケーションの発生や協同学習」を検討した。その結果、ワークショップ型学習のデザイン(作り方)と問題点を明らかにした。(3)(2)に基づいて、メディア活用型ワークショップのデザインを理論的に検証した。特に、従来ワークショップ型学びが無視されてきたその評価に関し、ファシリテーターと参加者(子ども)の発話記録分析を実施し、相互の特性や成果について考察し、その結果、構成主義的教育論に立脚したワークショップ型学習の学習と評価の関係を明らかにし、体験型の教育方略が参加者の認知的社会的発達を促すことを究明した。以上、広義の造形(色や形の発生)をメディアとして捉えた表現型の学びは、従来の作品制作主体の美術教育を超えて、総合的な学習の基盤となることがわかった。同時に、そのようなイメージ・感性開発型の学びは情報メディア時代にふさわしいものであることを証明できた。
著者
原田 俊明
出版者
昭和女子大学
雑誌
學苑 (ISSN:13480103)
巻号頁・発行日
vol.805, pp.A59-A65, 2007-11