著者
ニーフ アンドレアス SINGER Jane 水野 啓 勝見 武 乾 徹 藤井 滋穂 原田 英典 小林 広英 藤枝 絢子 深町 加津枝
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は沿岸コミュニティが大規模災害からの復興するために必要な要件を、タイ、フィジー、ベトナム、日本の事例を学際的に比較することで検証するもので、以下の成果が得られた。(1)タイ南部で2004年に津波被害を受けたPhang Nga省の住民の再定住過程について現地調査を実施し、観光業や漁業を中心とする経済復興に際して外部からの援助の不適切な配分が住民間の格差を導くことを確認した。また少数民族Moklenのコミュニティにおいては、不適切な住宅整備や観光開発により災害の影響が拡大している現状が確認された。(2)フィジー西部Ba川流域において、2009年と2012年の洪水による影響と復興過程について約120件の聞き取り調査を行い、物的・人的支援が高い効果をもたらしているとともに、下流部の村落においては災害時の情報共有や相互扶助によるソーシャル・キャピタル向上の自助努力が被害軽減や迅速な復旧に寄与していることが判明した。(3)ベトナム中部フエ省で1999年、2009年に洪水被害を受けた60世帯で聞き取り調査を実施し、住居や生計を含む多様な災害の影響と、復旧過程における社会的ネットワークや生業多様化戦略の重要性を検証した。(4)宮城県気仙沼市および南三陸町における自然公園周辺地域を対象としてケーススタディを実施し、震災時に自然公園に関する施設などがどのような役割を果たしたかをふまえ、国立公園と地域をつなぐ「資源」や「人材・組織」の観点から今後の国立公園の保全管理や利用のあり方について考察した。(5)これらの事例研究に際し、災害前後と復興過程における生活に対する満足度をスコア化して回答する新しい調査法を提案・実践し、災害の影響や回復状態の個人間・世帯間の差異が明確に把握できることを確認した。
著者
原田 竜三
出版者
北里大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本研究は、救命救急センターに搬送され、治療の甲斐無く、亡くなられた患者の家族への看護について、看護師がどのような援助をしていく必要があるのかを探求する目的で行った。国内、国外の文献を幅広くレビューし、どのような実態があるのかを調査した。その結果、欧米における研究では、突然死患者の家族に対する死別後の遺族に対するケアや研究がされ、救命救急センターでの看護援助が遺族の悲嘆に影響を及ぼすことが明らかにされていた。家族が救命救急センターに入室した時点から家族との関わりを持ち、蘇生場面に立ち会い、死亡確認がされ、救命救急センターから退室するまでの一連の流れの中での具体は的な方法が示されていた。患者に行われている治療の情報を提供する。蘇生に立ち会わせる。家族に寄り添い、家族の抱く感情を受け止め、悲嘆の感情を表出させる。また、患者の身体をきれいにし、清潔なリネンで覆い患者の身体に触れてもらうことも悲嘆の援助となっている。さらには、死別後のケアや地域のサポートグループの紹介などが含まれていた。突然死の死別後の遺裂ケアの必要性を探求するため、突然死別後の遺族の悲嘆について、死別後から1年を経過した2名の遺族から身体の不調はなく、故人のいない生活に慣れてきていることが語られた。また、四十九日までの間は、身体的な不調があったこと、故人のいない生活に混乱をきたしたことも語られた。周囲からのサポートが悲嘆プロセスを促進していることが考えられ、研究対者が少ないことから、さらに救命救急センターにおいて研究依頼を試みたが、倫理的な問題から協力が得られなかった。我が国の救命救急センターにおいては、近年、精神科医の協力を得て、死別後の家族のケアが行われ始めているとの報告が見られている。救命救急センターにおいて、家族は突然の状況により医師の説明を十分に理解することができないことから、行われた治療に対する説明を聞く機会を作る必要があると考える。また、救命救急センターにおける看護師が、突然死を体験する家族における援助において、時間的な制約や信頼関係の確立などから難しいという認識を持っているとの報告がある。そのことから、今後、救命救急センターの看護師が家族に関わるための知識やスキルをどのように獲得していけばよいのかについて検討していく必要がある。
著者
原田 幸一 魏 長年 皆本 景子 上田 厚
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

い草染土や珪藻土じん肺の発症メカニズムならびに修飾因子を解明するため、動物実験や環境調査をおこなった。珪藻土曝露ラットでは、肺胞洗浄液に好中球数が増加したが、マクロファージ数は、減少し、貪食した二酸化ケイ素により融解または破壊されることが考えられた。紫外線吸収剤は、実用品に添加される濃度では、感作性はみられず、日焼け止めの化粧などが、炎天下のい草栽培ほ場での日射作業の有効な対策となることがわかった。泥染処理のない草製織による畳表製造がおこなわれており、い草染土粉じん曝露対策としては、有効な対策であると解された。
著者
上田 城久朗 能丸 真司 永田 夏織 梶井 信洋 大村 良介 原田 俊則 鈴木 伸明 鈴木 道成 森岡 秀之
出版者
The Japanese Society of Gastroenterology
雑誌
日本消化器病學會雜誌 = The Japanese journal of gastro-enterology (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.97, no.1, pp.33-37, 2000-01-05
被引用文献数
17 13

症例は73歳女性.朝食2時間後より突然,上腹部痛出現.腹部CT検査と小腸造影検査より空腸憩室を合併した小腸軸捻転症と診断した.入院約1カ月後,手術を施行したが,小腸全体が反時計回りに720°捻転しており,空腸憩室はTreitz靱帯から約25cmの部位の腸間膜よりに存在した,原発性小腸軸捻転症は,本邦ではまれな疾患で術前診断されることは少ないが,本症例では典型的なCT像より術前診断が可能であった.
著者
加藤 修三 荘司 洋三 原田 博司 安藤 真 池田 秀人 大石 泰之 川崎 研一 高橋 和晃 豊田 一彦 中瀬 博之 丸橋 建一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.555, pp.175-178, 2007-02-28
参考文献数
8
被引用文献数
5

本予稿は現在IEEE802.15.3cで標準化が進んでいるミリ波通信システム(WPAN,最低2Gbps及びオプションとして3Gbps以上の伝送)の開発・標準化状況を述べる.標準化のサブコミッティはシステム要求条件,選択条件,使用モデル,伝播路モデルの最終版を本年1月でおこなわれたロンドン会議でまとめ,コール・フォー・プロポーザ/レ(CFP)及びコール・フォー・インテンション(CFI)を発出した.前者は5月7日,後者は3月1日が締め切りである.現在,PHYシミュレーションに選定された使用モデルはビデオ伝送とキオスク型ファイル転送の2つであり,ともにポイント-ポイント通信である.現在までに議論されているエアーインタフェースはシングル・キャリア及びOFDM方式であり,その選定は7月から始まる予定.
著者
原田 武
出版者
日本海水学会
雑誌
日本海水学会誌 (ISSN:03694550)
巻号頁・発行日
vol.38, no.5, pp.291-299, 1985 (Released:2013-02-19)
参考文献数
34

The elemental constitution of organisms, rocks and metals was found to have linear relations to that of the earth crust.Logarithms of the ratios of sample concentration to those of seawater were used as ordinate, Y=log (CSA/CWA), and those of the earth crust as abscissa, X=log (CEC/CSW).Regression lines, Y=A+BX, describe “omnipresence of elements” semiquantitatively.These samples were classined into 3 groups according to the inclination of the regression lines, B: i) B=1 (0.8 to 1.02);rocks, oxides, carbonate, phosphate, coal, ii) B=0.5 (0.4 to 0.7);organisms, metals, river water, petroleum, iii) B=0;seawater.The author used two parallel lines to the regression line instead of curves which were used usually, to express the 90% confidence interval. The elemental constitution of the samples composed of cells: microorganisms, plants, animals, muscle, bone, liver, was described by only one regression line.The inclination of regression lines changed in line with chemical reactions;e.g.values of B were decreased as much as 1 or 0.5 by dissolution, where seawater or river water formed from rocks, decreased ca by 0.5 by metal formation from oxide, and they were incresed by 1 or 0.5 by precipitation, where sediments or organisms formed from seawater.
著者
藤井 秀二 村上 善紀 原田 寧
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.141, no.5, pp.275-285, 2013 (Released:2013-05-10)
参考文献数
35
被引用文献数
1 2

抗TNF製剤は,リウマチ(RA)などの自己免疫疾患の治療に欠かせない薬剤となっている.ゴリムマブは,これまでの抗TNF製剤の優れた有効性を保持したまま,従来の抗TNF製剤において長期治療の障害になってきた抗薬物抗体の出現,投与部位反応,適切な投与間隔および複数の投与経路を有することなどの点を改善することを目標として開発されたヒト型抗ヒトTNFα抗体である.ゴリムマブは,抗体製剤としては,物理化学的な安定性に優れ,TNFαに対する強い親和性および中和活性を示した.また,ゴリムマブは IgG1のFc領域を有し,FcRnに結合するため体内での半減期が長く,また,Fcγ受容体に結合することから,インフリキシマブおよびアダリムマブと同様な生物活性を示すことが予想された.ゴリムマブのRAに対する海外臨床試験は,2001年から開始され,米国では2009年4月,欧州では2009年10月に承認された.日本での臨床開発は,2006年から第I相単回投与試験を開始し,第II/III相試験を経て2011年7月に承認された.これらの臨床試験において,ゴリムマブを4週間隔で皮下投与したときRAに対する症状および徴候の軽減,身体機能改善および関節破壊進展抑制効果が認められ,安全性も確認された.また,これらの臨床試験から,ゴリムマブはRAの疾患活動性に応じた投与量の選択が可能なこと,単剤でも使用できること,抗ゴリムマブ抗体の陽性率が低いこと,注射部位反応の発現率が低いこと,既存の抗TNFα製剤を使用していた患者にも有効性を示すことなどの特徴が明らかとなった.本稿ではゴリムマブのこのような特徴を紹介する.
著者
高梨 克也 坊農 真弓 原田 なをみ 高梨 克也 堀内 靖雄 片桐 恭弘 神田 和幸 細馬 宏通 原田 なをみ 堀内 靖雄 神田 和幸 細馬 宏通 坊農 真弓 城 綾実
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

対面コミュニケーションの基本的単位である「発話」の構造について, 実際に収録されたデータを用いて分析した. 「発話」は言語だけでなく, ジェスチャーや視線などの非言語表現も含んだマルチモーダルな複合体である. そのため, 本研究では, 聴覚モダリティを用いる音声言語と視覚モダリティによる手話を比較し, 各モダリティの特徴を解明した. また, 言語の文法構造がコミュニケーションのやり取りを形成する際にどのように利用されるかを解明した.
著者
原田 小夜
出版者
日本健康医学会
雑誌
日本健康医学会雑誌 (ISSN:13430025)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.26-35, 2013-04-30

本研究は,高齢精神障害者の在宅生活支援においてホームヘルパー(以下,HH)が対応に困った利用者の行動とHHの対処を検討するためにインタビュー調査を行った。対応に困った利用者の行動を抽出し,カテゴリ分類を試みた。HHの対処を4段階のレベル,1「全く対応できなかった」.2「対応できなかった」.3「対応できた」,4「上手く対応できた」に分類し,利用者の行動別に対処レベルの割合を求めた。HHが困った利用者の行動は151件で,7カテゴリ,18サブカテゴリに分類された。《精神症状への対応》51件,《うつ状態への対応》5件,《不安への対応》12件,《拒否・攻撃への対応》17件,《生活障害への対応》36件,《コミュニケーションの取り方》23件,《認知機能を伴う行為》7件であった。対処行動は,レベル1が31.1%,レベル2が29.1%,レベル3が21.9%,レベル4が17.9%であった。《精神症状への対応》,《うつ状態への対応》,《拒否・攻撃への対応》が低く,《不安への対応》,《認知機能を伴う行為》で高かった。《生活障害への対応》,《コミュニケーションの取り方》は,サブカテゴリにより異なった。HHのケア困難感を軽減するためには,(1)精神症状と障害の理解と対処に関する教育プログラムの開発,(2)ケアチームの医療職に相談できる体制づくり,(3)HHの観察情報の多職種ケアチームでの共有とケアモニタリングでの活用の3点の重要性が示唆された。
著者
小河 真之 原田 史子 島川 博光
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告データベースシステム(DBS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.17, pp.1-8, 2010-07-28

現在インターネット広告では,様々な広告提示手法が用いられている.しかし,消費者が知りたいと思う商品の特徴や消費者が好む広告のデザインやメッセージを考慮していない.また,消費者の状況を考慮できておらず,最適な広告が提供できていない.本論文では,消費者の購買行動時における情報探索行動を考慮し,消費者の状況と消費者が必要とする商品情報とデザインおよびメッセージを個人に合わせた,インターネット広告の構成手法を提案する.本手法では消費者の情報収集行動に着目し,消費者の状況を把握する.また,分類された広告の商品情報とデザインを用いて,消費者の特性を抽出する.そして,これらの定量的な指標で表された消費者の状況や特性をもとに,消費者一人ひとりに合わせた広告を構成する.本手法により,各消費者に説得力のある広告メッセージが選択でき,各消費者に合わせた個別広告が提供できる.Recently, the internet advertisement has a lot of presentment. However, the internet advertisement in today does not consider the characteristics of the product, design and message of advertisement which a consumer is interested in. Moreover, it does not consider a consumer's situation. Therefore, the internet advertisement in today cannot present the consumer the best advertisement. In this paper, we propose a method to create an individual advertisement about a product based on each customer's interest, situation, and information on the product. In this method, the consumer's situation is graspen by the consumer's information gathering. The consumer's characteristic is extracted with classified information of the product and designs. Therefore, an advertisement is created by combining the classified information based on the consumer's characteristic and situation. Accordingly, the system is useful to give a consumer an opportunity of examination for buying products and increases possibility of buying.
著者
原田 信之
出版者
新見公立短期大学
雑誌
新見公立短期大学紀要 (ISSN:13453599)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.171-155, 2001-12-25

岡山県には北部地方を中心に後醍醐天皇にまつわる伝説が非常に多く残っている。それらの伝説の成立には,後醍醐天皇隠岐遷幸という歴史的事実が関与している。後醍醐天皇(一二八八〜一三三九)は,元弘の変の失敗により隠岐に流されることになり,元弘二年(一三三二)三月七日京都を出発し,美作国院庄をへて,四月上旬頃隠岐に着いたという。『太平記』巻四,『増鏡』,『花園天皇宸記』等の記述から,後醍醐天皇が元弘二年三月七日に京都を出発し中国地方を通って四月上旬頃隠岐に着いたことは確かなようであるが,史実上の遷幸の道筋は不明と言わざるをえない。この,遷幸の道筋がよくわからないことが,中国地方における後醍醐天皇伝説の伝承状況を複雑にし,遷幸伝説の広範な分布をもたらす大きな役割を果たしたと推定される。本稿は岡山県新見市に伝承されている事例を中心として,唐松の「位田」「皆籠」「唐地屋敷」という地名と「鞍掛け岩」「馬蹄石」「こおもり穴」などの伝説,草間の「馬繋」という地名と「駒繋柿」の伝説,豊永の「赤馬」という地名,千屋の「実」「成地」「入野」「花見」「休石」「明地峠」という地名など,今でも土地に伝えられている地名由来説話や関連伝説の検討を通して,後醍醐天皇隠岐遷幸伝説の影響力と伝承の実態について考察した。
著者
原田 智昭 小林 広樹 高平 真
出版者
The Japanese Society of Extra-Corporeal Technology in Medicine
雑誌
体外循環技術 = The journal of extra-corporeal technology (ISSN:09122664)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.19-22, 2007-03-01
被引用文献数
1

当院では開心術による空気塞栓低減を目的に心嚢内へ炭酸ガスを吹送している。そこで,模擬胸腔での基礎実験および2006年1月から4月までの成人開心術10症例において,1)炭酸ガスの心嚢内吹送方法,2)心嚢内炭酸ガス濃度測定,3)吹送された炭酸ガスの体外循環への影響を検討した。炭酸ガス吹送方法は,吹送チューブの先端流速を低下させる必要があり心嚢内の炭酸ガス濃度を維持できる十分な吹送流量が必要であると考えられた。炭酸ガス濃度は幾つかの因子によって大きな影響を受けることが確認された。吹送された炭酸ガスの影響を受け,炭酸ガス分圧はベント・サッカー回収血が著しく高値を示し,静脈血よりも人工肺入口血において高値となった。上昇した血中炭酸ガス分圧を補正するためには,人工肺への混合ガス付加量を増加させなければならず,炭酸ガス除去能力の低い人工肺を使用した場合に高炭酸ガス血症を引き起こす危険が示唆された。
著者
原田 孝一 川人 祥二 田所 嘉昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス
巻号頁・発行日
vol.95, no.177, pp.61-68, 1995-07-22
被引用文献数
1

顎の退化が問題視されている現代の子供たちに、そしゃくの大切さを伝えることができれば、子供たちの健康の向上につながるものと考えられる。筆者らは、そしゃく回数を計測するシステムをできるだけ簡単に実現することを目的として、その検討を行なっている。本稿では、これまでのストレインゲージを用いたあごひも方式による、そしゃく回数検出の問題点を解決するために、ボタン型圧力センサを用いた耳栓方式、ならびにヘアーバンド方式を提案し、その精度を明らかにする。本システムを用いてそしゃく回数の計測実験を行なった結果、耳栓方式では誤差±8[%]以内、またヘアーバンド方式では±5[%]以内の精度でそしゃく回数が計測できることを確認した。また、ヘアーバンド方式を用いたシステムでは、そしゃくの強弱を表すそしゃく力の測定もできることを確認した。
著者
原田 純孝
出版者
中央大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

2009年の農地制度改正は、戦後の農地制度に大きな歴史的転換を画したが、同時に、その効果や影響が未知数の諸要素を有していた。本研究は、地域農業の現場での新制度の運用状況を調査しつつ、それらの諸要素がどうなるかを追求した。しかし、その行方はなお定かでない。例えば、2014年に新たに創設された農地中間管理機構は、管理機構を介する転貸借での企業参入の促進や規模拡大などを指向しているが、他方で、参入企業等による農地所有権取得の自由化への指向も、捨てられてはいない。地域資源たる農地の管理システムはいかにあるべきかという問題は、引き続き、喫緊の検討課題であり続ける。
著者
佐藤 眞一 柳堀 朗子 小窪 和博 荒井 裕介 原田 亜紀子 安藤 雄一 角南 祐子 江口 弘久 芦澤 英一 高澤 みどり
出版者
千葉県衛生研究所
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

千葉県食育ボランティアは4,903人、千葉県食育サポート企業は147社、海匝減塩標語は1,498の応募があった。2002から12年度の連続する2年の翌年度非受診率を初年度所見ごとに比較した。2004-5年度以降、肥満者と非肥満者で有意に異なり、特に2008-9年度で、男で肥満者29%非肥満者25%、女で肥満者28%非肥満者23%と最大の差を認めた。2008-9年度の特定健診連続受診者278,989人を対象として生活習慣に関する質問項目とメタボ罹患との縦断調査を行った。メタボ出現のオッズ比(95%信頼区間)は、早食い1.48 (1.43-1.55)、早歩き0.80 (0.77-0.83)だった。
著者
鎌田 智恵 原田 達也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.197, pp.167-172, 2013-09-02

監視カメラの増加や警備ロボットの登場に伴い,異常検出技術の需要は高まっている.従来研究は画像から得られる単一のモダリティを用いるものがほとんどであったが,柔軟な異常検出を行うためには画像の他に場所や時間帯など,複数の情報を考慮する必要がある.本研究では,マルチモーダル情報を用いた異常検出手法を提案する.マルチモーダル情報を正準相関分析により相互情報量の大きな空間に射影し,射影後の空間で通常モデルを構成し,異常度を通常モデルからの逸脱度で定義する.提案手法はマルチモーダル情報が得られる媒体であれば適用可能であり,低い計算コストで学習と異常度の算出が可能である.動画像から得られる画像特徴,音声特徴,位置情報に提案手法を適用することで,本手法により異常検出が可能であることを示す.
著者
升島 努 津山 尚宏 水野 初 原田 隆範
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2008

細胞1ヶ生きた様子を見ながら、変化の瞬間、その細胞1ヶの中見たい所を吸引し、10分以内にその分子群を質量分析で網羅的に検出する事に世界で初めて成功した。本手法をアレルギー細胞の細胞質と小器官の一つ顆粒内の分子分布・代謝解析、神経分化細胞の分化時の分子変化、植物の光応答や機能分子生成、薬物の肝臓細胞での代謝直接分析、その超微量性を生かして、汗腺一滴の分子分析に応用し、その豊かな可能性を検証した。