著者
吉川 皓唯 國井 洋一 Hiroi Yoshikawa Kunii Yoichi
出版者
東京農業大学
雑誌
東京農業大学農学集報 (ISSN:03759202)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.185-195, 2012-12

近年,拡張現実感(Augmented reality,AR)の技術が利用されつつある。本研究では拡張現実感技術を造園分野にて利用することは有益であると推測し,造園分野での拡張現実感の利用法について検討した。まず,視覚ARが既に活用されている応用事例50例を調査し,実例の傾向を把握した。さらに,視覚ARが利用者に与える印象の調査として視覚ARプログラムを作成し,それを被験者32名に体験してもらいSD法による印象評価と聞き取り調査を行った。以上2種類の調査より,視覚ARの利点は現実空間に情報を追加できる「付加性」,物理法則に縛られずに現実空間に物体を表示できる「配置性」,プログラムによって表示物の色,大きさ,形の変更ができる「変化性」の3点に集約できると判断した。さらに,造園における視覚ARの利用法として,「情報提供」「作業支援」「予測の視覚化」の3種の利用形態を提案した。結果として,今後普及の可能性がある拡張現実感および拡張現実感技術が作り出す社会の存在を明らかにし,造園分野での利用可能性を示すことができたといえる。
著者
吉川 勝好 浜田 稔
出版者
日本林學會
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.10, pp.369-371, 1974
被引用文献数
2
著者
佐藤 佳代 吉川 暢宏 楊 元稙 中埜 良昭
出版者
日本計算工学会
雑誌
日本計算工学会論文集 (ISSN:13478826)
巻号頁・発行日
vol.1999, pp.19990025-19990025, 1999 (Released:2004-11-11)
参考文献数
10

A new learning algorithm named whole learning algorithm is proposed for the feedforward neural network. Strictly speaking, the learning of the feedforward neural network is a kind of multi-objective optimization problem to minimize the errors of outputs for all the learning data sets with respect to the amount of weight modification. All the learning data sets are simultaneously taken into account to constitute the governing equation of the weight modification, which is formulated as linear simultaneous equations with rectangular matrix of coefficients in the proposed algorithm. The solution of the equation is determined by means of the Moore-Penrose generalized inverse to deal with the rectangular matrix. The efficiency of the proposed algorithm is demonstrated through the problem to learn the nolinear behavior described by the Ramberg-Osgood model. The applicability of the proposed algorithm is investigated in problem to learn the earthquake response of RC members.
著者
小野田 哲也 吉川 太郎 辻岡 哲夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1996, no.2, 1996-09-18

新しいデータ転送コンセプ卜"Netwarp"を提案する。Netwarpはファイル転送のスルプットをGbpsクラスに高速化し、映画のような巨大ファイルを瞬時転送するものである。例えば、映画を2時間かけてrealtime転送するのではなく、10秒以内といった短時間にユーザの手元へ一括転送る。転送完了後、ユーザは自身のVideo diskにアクセスするかのように自在に映画を楽しむことができる。
著者
志田 泰世 野口 久美子 金子 潤子 金沢 宏 吉川 博子
出版者
Japanese Society of Environmental Infections
雑誌
環境感染 (ISSN:09183337)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.184-187, 2005
被引用文献数
2

平成15年12月30日, 新潟市民病院の神経内科と整形外科の混合病棟の入院患者47名中13名に下痢, 嘔吐の症状が出現した. 準夜勤務者 (3名) にも同様の症状が認められた. 病棟発生調査とおよび脱水症状の患者への治療が開始された. 出勤していないスタッフにも同様の症状が多いことがわかった. 緊急対策会議を開催し, 患者隔離・スタンダードプリコーションの徹底及び厳重な接触感染予防策が実施された. 胃腸炎の原因はノロウイルスであることが判明した. 1月8日には有症状患者は0となり, 10日患者の隔離解除・平常業務体制となった. ノロウイルス感染の症状は, 嘔吐69%, 下痢66%といわれ, 成人では下痢, 小児では嘔吐が多いとされている. そのため, ノロウイルスの主要感染ルートは, 糞口感染で, 高齢者ではおむつ交換時, 汚染された水や貝 (二枚貝) で, 時に飛沫による感染が推定されることから, 注意が必要である.
著者
小倉 博之 吉川 周作 此松 昌彦 木谷 幹一 三田村 宗樹 石井 久夫
出版者
日本第四紀学会
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.179-185, 1992-07-31 (Released:2009-08-21)
参考文献数
24
被引用文献数
1 1

大阪平野の上町台地南部の台地構成層中に挾在する火山灰・含有化石の記載・分析ならびに有機物の14C年代測定をおこなった. その結果, 中位段丘層相当層の上町層上部から北花田火山灰, 吾彦火山灰を発見し, それぞれ広域火山灰のK-Tz, Aso-4に対比し, 上町層上部の堆積時期を知る手がかりを得た.さらに, 上町層を不整合に覆う常盤層の存在を指摘し, 平安神宮火山灰が挾在すること, その直下から23,400年BPの14C年代測定値を得たことから, 常盤層を低位段丘層に対比した. 以上より, 従来中位段丘面とされていた本地域の台地面は, 常盤層の堆積面, すなわち低位段丘面であることが明らかになった.
著者
小林 敬典 山下 肇 吉川 東 鈴木 敦 小口 真一 船木 新壽
出版者
公益社団法人日本放射線技術学会
雑誌
日本放射線技術學會雜誌 (ISSN:03694305)
巻号頁・発行日
vol.48, no.8, 1992-08-01

DSAの撮影条件を設計する簡便な手段としてHowlett chartを利用し, その測定法, 有用性について検討した.その結果, 測定者の視覚特性を把握するためにdata収拾する前に, 数回の練習を行うことが必要であった.sample数については20imageでも濃度変化による測定誤差は少なかった.また本法は種々の撮影条件の組合せを同一尺度でplotできるため, 複数の画質評価に有効であった.以上のことから本測定法は, DSAの画像評価に有用であった.
著者
大越 諄 吉川 弘之 佐田 登志夫
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密機械 (ISSN:03743543)
巻号頁・発行日
vol.25, no.292, pp.266-274, 1959-05-05 (Released:2010-02-16)
参考文献数
15
被引用文献数
1

研削機構の研究において基礎的な問題である1個の砥粒の研削作用を明らかにするために,ダイアモンド三角錐による単粒研削実験を行い,また切削理論を適用していろいろな現象に検討を加え,次の結果を得た.1. 1個の砥粒の研削作用を考えるとき,二次元切削の切削模型と本質的には同じ研削模型が考えられ,それにもとずき,せん断角,被削材料の変形抵抗などを計算し,切削の揚合と比較することができた.2. 砥粒の形状,方向は研削抵抗などに大きな影響を及ぼす.特にもり上り切残し量は著るしい影響を受ける.3.研削模型に従って計算した被削材料の変形抵抗は著るしい寸法効果を示す.4.研削速度を150~1,780m/minのように広く変化させると,従来の切削では見られなかつたような研削抵抗の遷移現象が認められる.5.もり上り切残し量は著るしい速度効果を示すが,それはKármánの定義した塑性波の速度と研削速度との関連によつてきまるように思われる.
著者
折田 明子 吉川 厚
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2015年秋季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.443-446, 2015 (Released:2016-01-29)

無料通話アプリであるLINEは、若年層ほど利用の頻度が高く、15歳~19歳の利用者の男性77%女性87%がサービスを毎日利用している。総務省の情報通信白書からも、こうしたツールが日常的に身近な友人との会話に使われていることが示されている。一方で、いじめや誘い出しといった事件においてLINEとの関わりが報道されることも少なくない。本稿では、若年層の利用者が、LINEを安全に活用し、トラブルに自ら気づく力をつけるためのマンガ教材作成の取り組みについて紹介する。本教材を用いて首都圏および地方の中学校で授業を実施した結果、アンケートからはオンラインと対面のコミュニケーションの使い分けについて印象に変化があることが読み取れた。
著者
折田 明子 田代 光輝 吉川 厚 江口 清貴
雑誌
研究報告電子化知的財産・社会基盤(EIP) (ISSN:21888647)
巻号頁・発行日
vol.2016-EIP-72, no.12, pp.1-6, 2016-05-26

無料通話アプリである LINE は,若年層ほど利用の頻度が高く,日常的なコミュニケーションツールとして利用されている.一方で,いじめや誘い出しといった事件において LINE との関わりが報道されることもあり,若年の利用者当事者の立場や視点に立ったリテラシー教育には難しさもあった.本発表では,LINE 株式会社と共同制作したマンガ教材の作成ならびに中学校での実践について報告する.
著者
新谷 素弘 吉川 敏則
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRU, パターン認識・理解
巻号頁・発行日
vol.94, no.424, pp.37-42, 1994-12-17

ニューラルネットを用いて文字認識を行う際に,特徴量次元数が学習,認識時間に大きく影響する。本報告では,認識率を低下させずに,特徴量を削減する手法を提案する。提案法には白ランレングス特徴量を用い,この特徴量を用いた簡易細線化処理についても提案する。主成分分析を用いて,白ランレングス特徴量を新しい特徴量に変換し,その累積寄与率と特徴量次元数の関係を検討する。シミュレーションから,従来法と同等の性能を実現する累積寄与率を求め,それより,提案法の有効性を示す。
著者
古谷 彰教 ボベ C 吉川 博 田邊 隆也 山本 学 タイヤード P ブエ L デスパックス C プレスマネス L ロセ A
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.24, no.21, pp.43-48, 2000-03-06

光・磁気記録膜において, スパッタ時における堆積速度, 結晶性及び組成変動抑制を本研究の目的とした.我々は, (セルフ)バイアス電圧に着目し, そのバイアス電圧をカソード磁界により制御して, 長期間連続して初期設定条件の堆積速度を得ることが可能で, かつ, ターゲット組成と膜組成を一致させることが可能な磁界制御型マグネトロンスパッタ方法を提案する.本手法により, Fe膜, ガーネット膜を堆積したところ, 前者は, 長期間のスパッタ後でも堆積速度は一定で, かつ, 結晶性の再現性が良好な膜が得られ, 後者においては, 膜組成ずれが起こらない膜形成が可能となり, 本スパッタ法は成膜時の堆積速度, 結晶性及び組成の変動抑制に有効であった.
著者
松下 幸子 吉川 誠次
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要. 第2部 (ISSN:05776856)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.279-298, 1973-08-31

1)食生活の急激な変化によって失われつつある郷土料理の保存対策の資料とする目的で,その概況を知るために調査を行なった。2)郷土料理を主食類と副食類に分け,更に調理法によって分類して調査結果をまとめた。その結果,調理法によって各地への分布状態にそれぞれの傾向があること,また,普及の程度に違いがあることを知った。3)主食類では飯類,すし類の郷土料理は西日本に多く,もち,だんご類は東日本に多い。めん類の中でそば粉で作るものは東日本に,小麦粉で作るものは西日本に多い傾向があった。また,もち,うどん類,すし類の郷土料理はよく知られ好まれており,汁かけ飯,ねりもの・薄焼きの料理はよく知られていないものが多かった。4)副食類では,煮物の郷土料理の少ない北海道,東北地方には漬け物類が多くあり,魚介類の焼き物やさし身は海に近い地域に多い。汁物では,みそ汁類は東日本に,すまし汁類は西日本に多い傾向が見られた。また,副食類は用いられる材料の種類が多いので,調理法のみによって考察することは出来ないが,大体の傾向として肉類や野菜類の煮物,みそ汁類,漬け物類の郷土料理によく知られているものが多かった。よく知られていない料理の多かったのは,魚介類の煮物や焼き物類,すまし汁類,蒸し物類などであった。5)主食類,副食類を合わせて郷土料理数は712あり,そのうちよく知られていたものが,201,ほとんど知られていなかったものが162あった。よく知られていなかったものについては,資源,嗜好,栄養的価値などの面から検討し,保存すべきものについては,早急の対策が必要と考える。