著者
成瀨 浩史 堀井 聡子 鶴野 充茂 吉村 健佑
出版者
日本広報学会
雑誌
広報研究 (ISSN:13431390)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.34-45, 2022-04-28 (Released:2022-07-25)

マンガ・アニメを用いた広報の感染症対策におけるエンターテインメント・エデュケーションの有用性を検討するため、感染症対策を目的とした厚生労働省の Twitter 投稿のうち、マンガ・アニメを起用した投稿の「いいね」、リツイート、引用リツイート数をそれ以外と比較した。マンガ・アニメを起用した投稿は8 事例あり、これら投稿へのリツイート等の平均値はそれ以外の投稿と比べ高かった。ただしリツイート等の数は投稿期間の長期化により減少する傾向にあった。本結果から、マンガ・アニメの起用は無関心層への訴求に有用性が示唆された。ただし、その効果は一過性であり、マンガ・アニメの放映時期など、外部要因を考慮した投稿により広報効果を高める工夫が必要である。
著者
藤森 隆史 竹中 ゆかり 仲村 佳彦 江藤 茂 三渕 拓司 吉村 健清
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.1-5, 2018-02-28 (Released:2018-02-28)
参考文献数
16

血液の絞り出しおよび穿刺部位の違いが血糖値に与える影響を検討した。①非絞り出し群と絞り出し群,②指腹で穿刺した群(指腹群)と爪脇で穿刺した群(爪脇群)をそれぞれ2群間で比較した。①の血糖値は非絞り出し群が113(83 〜303)mg/dl,絞り出し群が116(89〜275)mg/dlであった。その差は5.0(−45 〜20)mg/dlで,絞り出しにより有意に血糖値は上昇した(p<0.001)。②の血糖値は指腹群が116(87 〜162)mg/dl,爪脇群が116(82 〜170)mg/dl であった。その差は−1.0(−28 〜14)mg/dlで,有意差を認めなかった(p=0.151)。穿刺部位の違いが血糖値に与える影響はないが,絞り出しにより,血糖値は有意に上昇した。絞り出しを避けるまたは絞り出しにより血糖値が上昇することを考慮した上でのブドウ糖溶液投与プロトコールの作成が望まれる。
著者
黒崎 宏貴 吉村 健佑
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.67, no.8, pp.501-508, 2020-08-15 (Released:2020-09-01)
参考文献数
13
被引用文献数
1

目的 第3期医療費適正化計画では「糖尿病の重症化予防」,「特定健康診査・特定保健指導の推進」,「後発医薬品の使用促進」,「医薬品の適正使用」により1人当たり外来医療費の地域差縮減を目指している。この目標を達成するためには都道府県単位での具体的な取組目標を設定することが重要となる。厚生労働省はレセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)を構築し公表している。これまでNDBオープンデータを活用して糖尿病医療費の地域差について解析した研究は行われていない。本研究では,NDBオープンデータを活用し,入院外糖尿病医療費について,ジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)阻害薬の処方箋料の地域差およびスルホニル尿素薬(SU薬),グリニド薬,ビグアナイド薬,α-グルコシダーゼ阻害薬,チアゾリン誘導体薬の後発医薬品の使用割合の地域差,都道府県別の糖尿病透析予防指導管理料の地域差について解析した。そして,都道府県差が示されている人口当たり糖尿病医療費との相関を解析することで地域差の要因について解析し,地域差縮減に向けたデータを提示する。方法 第2回NDBオープンデータ(集計対象:平成27年度レセプト情報および平成26年度特定健康診査情報)を使用した。本研究では,糖尿病についての入院外医療費のみを研究対象とした。NDBオープンデータより各要因を抽出し,人口当たり糖尿病医療費との関係を評価するためにピアソンの積率相関係数rを算出した。相関係数の検定にはStudentのt検定を用いてP値を算出した。P値は0.05未満の場合を有意水準とした。結果 人口当たりDPP-4阻害薬処方箋料が高い都道府県では糖尿病医療費が高い傾向にあることが明らかになった(r=0.40, P=0.0048)。また,SU薬の後発医薬品の使用割合が高い都道府県では糖尿病医療費が低い傾向にあることが分かった(r=−0.43, P=0.0023)。糖尿病の重症化予防という点について,糖尿病透析予防指導管理料は糖尿病医療費との相関は認められなかった(r=−0.096, P=0.52)。結論 本研究では,NDBオープンデータを用いることで,DPP-4阻害薬処方箋料やSU薬後発医薬品の使用割合に地域差があり,人口当たり糖尿病医療費に関与している可能性が示唆された。本研究により,糖尿病医療費の都道府県差縮小に向けた政策立案にNDBオープンデータが有用であることが示唆された。
著者
星 旦二 伊香賀 俊治 海塩 渉 藤野 善久 安藤 真太朗 吉村 健清
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.297-306, 2022-04-15 (Released:2022-04-26)
参考文献数
33

目的 本研究の目的は,我が国の冬期における戸建て住宅各室の室温と外気温の実態と共にその関連性について,国土交通省の定める省エネ地域区分別に明確にすることである。方法 本研究の対象者は,日本全国に居住している3,781人である。調査は2014年度冬季より,国土交通省の支援を得て全国的に実施されている,SWH(Smart Wellness Housing)事業の一環として5年間実施した。 各部屋別(居間・寝室・脱衣所)に測定された冬期二週間の床上1 m室温と床近傍室温,それに気象庁が測定した外気温の実態とともに,その関連について共分散構造分析を用いて解析した。これらの関連は,同時分析により全国の省エネ地域区分別に解析した。分析ソフトは,SPSS22.0とAMOS22.0を用いた。結果 冬季における住居内床近傍室温は床上1 m室温よりも低く,時間帯でみると床近傍ないし室温共に朝が低い温度を示した。部屋別室温較差は,居間と脱衣所間で大きかった。 室温を地域別にみると,省エネ地域2の室温が最も高く,省エネ地域4の室温が最も低いことが示された。冬期の外気温は各室温よりも床近傍室温と強い関連がみられた。結論 我が国の住宅床近傍室温は,床上1 m室温よりも低いことと,居間と脱衣所とでは大きな温度較差がみられた。省エネ地域区分4の住宅床近傍室温と床上1 m室温が最も低いことが示された。室温が外気温から影響される度合いは,省エネ地域7を除き地域番号とともに大きくなることが示された。
著者
吉村 健佑 川上 憲人 堤 明純 井上 彰臣 小林 由佳 竹内 文乃 福田 敬
出版者
公益社団法人 日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.11-24, 2013-02-20 (Released:2013-02-26)
参考文献数
25
被引用文献数
5 3 1

目的:本研究では,職場におけるメンタルヘルスの第一次予防対策の実施が事業者にとって経済的利点をもたらすかどうかを検討することを目的とし,すでに公表されている国内の研究を文献検索し,職場環境改善,個人向けストレスマネジメント教育,および上司の教育研修の3つの手法に関する介入研究の結果を二次的に分析し,これらの研究事例における費用便益を推定した.対象と方法:Pubmedを用いて検索し,2011年11月16日の時点で公表されている職場のメンタルヘルスに関する論文のうち,わが国の事業所で行われている事,第一次予防対策の手法を用いている事,準実験研究または比較対照を設定した介入研究である事,評価として疾病休業(absenteeism)または労働生産性(presenteeism)を取り上げている事を条件に抽出した結果,4論文が該当した.これらの研究を対象に,論文中に示された情報および必要に応じて著者などから別途収集できた情報に基づき,事業者の視点で費用および便益を算出した.解析した研究論文はいずれも労働生産性の指標としてHPQ(WHO Health and Work Performance Questionnaire)Short Form 日本語版,あるいはその一部修正版を使用していた.介入前後でのHPQ得点の変化割合をΔHPQと定義し,これを元に事業者が得られると想定される年間の便益総額を算出した.介入の効果発現時期および効果継続のパターン,ΔHPQの95%信頼区間の2つの観点から感度分析を実施した.結果:職場環境改善では,1人当たりの費用が7,660円に対し,1人当たりの便益は点推定値において15,200–22,800円であり,便益が費用を上回った.個人向けストレスマネジメント教育では,1人当たりの費用が9,708円に対し,1人当たりの便益は点推定値において15,200–22,920円であり,便益が費用を上回った.上司の教育研修では2論文を解析し,Tsutsumi et al. (2005)では1人当たりの費用が5,290円に対し,1人当たりの便益は点推定値において4,400–6,600円であり,費用と便益はおおむね同一であった.Takao et al. (2006)では1人当たりの費用が2,948円に対し,1人当たりの便益は0円であり,費用が便益を上回った.ΔHPQの95%信頼区間は,いずれの研究でも大きかった.結論:これらの研究事例における点推定値としては,職場環境改善および個人向けストレスマネジメント教育では便益は費用を上回り,これらの対策が事業者にとって経済的な利点がある可能性が示唆された.上司の教育研修では点推定値において便益と費用はおおむね同一であった.いずれの研究でも推定された便益の95%信頼区間は広く,これらの対策が統計学的に有意な費用便益を生むかどうかについては,今後の研究が必要である.
著者
吉村 健太郎 菊野 亨
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.295-302, 2009-04-15

多機能化,多品種化を続ける組込みシステムにおいて,ソフトウェア開発の重要性は年々高くなっており,多くの開発技術が提案されている.ソフトウェアプロダクトラインエンジニアリング(以下,SPL)は,特に多品種製品向けに技術要素を体系化した開発方法論である.本稿では実験事例に基づいて,組込みシステム開発におけるSPLの位置付けとその導入戦略について解説する.
著者
吉村 健佑 川上 憲人 堤 明純 井上 彰臣 小林 由佳 竹内 文乃 福田 敬
出版者
公益社団法人 日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
pp.E12003, (Released:2012-12-21)
被引用文献数
3 3 1

目的:本研究では職場におけるメンタルヘルスの第一次予防対策の実施が事業者にとって経済的利点をもたらすかどうかを検討することを目的とし,すでに公表されている国内の研究を文献検索し,職場環境改善,個人向けストレスマネジメント教育,および上司の教育研修の3つの手法に関する介入研究の結果を二次的に分析し,これらの研究事例における費用便益を推定した.対象と方法:Pubmedを用いて検索し,2011年11月16日の時点で公表されている職場のメンタルヘルスに関する論文のうち,わが国の事業所で行われている事,第一次予防対策の手法を用いている事,準実験研究または比較対照を設定した介入研究である事,評価として疾病休業(absenteeism)または労働生産性(presenteeism)を取り上げている事を条件に抽出した結果,4論文が該当した.これらの研究を対象に,論文中に示された情報および必要に応じて著者などから別途収集できた情報に基づき,事業者の視点で費用および便益を算出した.解析した研究論文はいずれも労働生産性の指標としてHPQ(WHO Health and Work Performance Questionnaire)Short Form 日本語版,あるいはその一部修正版を使用していた.介入前後でのHPQ得点の変化割合をΔHPQと定義し,これを元に事業者が得られると想定される年間の便益総額を算出した.介入の効果発現時期および効果継続のパターン,ΔHPQの95%信頼区間の2つの観点から感度分析を実施した.結果:職場環境改善では,1人当たりの費用が7,660円に対し,1人当たりの便益は点推定値において15,200–22,800円であり,便益が費用を上回った.個人向けストレスマネジメント教育では,1人当たりの費用が9,708円に対し,1人当たりの便益は点推定値において15,200–22,920円であり,便益が費用を上回った.上司の教育研修では2論文を解析し,Tsutsumi et al.(2005)16)では1人当たりの費用が5,290円に対し,1人当たりの便益は点推定値において4,400–6,600円であり,費用と便益はおおむね同一であった.Takao et al(2006)17)では1人当たりの費用が2,948円に対し,1人当たりの便益は0円であり,費用が便益を上回った.ΔHPQの95%信頼区間は,いずれの研究でも大きかった.結論:これらの研究事例における点推定値としては,職場環境改善および個人向けストレスマネジメント教育では便益は費用を上回り,これらの対策が事業者にとって経済的な利点がある可能性が示唆された.上司の教育研修では点推定値において便益と費用はおおむね同一であった.いずれの研究でも推定された便益の95%信頼区間は広く,これらの対策が統計学的に有意な費用便益を生むかどうかについては,今後の研究が必要である.
著者
吉村 健司 岡本 啓太郎 河島 毅之 和田 朋之 首藤 敬史 宮本 伸二
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.78, no.6, pp.1243-1247, 2017 (Released:2017-12-30)
参考文献数
15
被引用文献数
3

86歳,女性.主訴は労作時呼吸困難.上行大動脈から腹部大動脈に及ぶ広範囲重複大動脈瘤を認めた.広範囲重複大動脈瘤に対し,上行弓部大動脈置換術,腹部デブランチ,胸部ステントグラフト留置術(TEVAR)の三期分割の方針とした.弓部置換時に左室ベントによる心尖部穿孔をきたし,フェルト補強で修復術を施行した.退院後,心尖部から左前胸部にかけて膿瘍を形成し,抗菌薬治療を開始した.2回の排膿ドレナージ術を施行したが,膿瘍は消失しなかった.各種培養は陰性であり,無菌性膿瘍として保存的加療では治療に難渋したため,心尖部大網充填術と腹部デブランチを同時施行した.術後経過は良好で,残存瘤に対しTEVARを施行することが可能となり,広範囲重複大動脈瘤の治療を完結できた.
著者
吉村 健
雑誌
研究報告音声言語情報処理(SLP)
巻号頁・発行日
vol.2012-SLP-93, no.4, pp.1-6, 2012-10-19

しゃべってコンシェルでは自然な発話により,携帯端末の基本機能 (電話,メール,スケジューラ,等) を利用したり,さまざまな情報 (地域情報,リアルタイム情報,デジタルコンテンツ,等) を検索したりすることが簡単にできる.そのようなサービスを実現するにあたり,ユーザの発話の内容を解析し,ユーザの求める最適なアプリケーションや各種専門検索エンジンに処理を橋渡しする意図解釈技術と,発話内容が質問である場合には,質問に対する回答そのものを提示する知識検索技術が適用されている.本稿では,しゃべってコンシェルのサービス概要と,そこで活用されている言語処理技術について述べる.
著者
山添隆文 栄藤稔 吉村健 辻野孝輔
雑誌
画像の認識・理解シンポジウム(MIRU2011)論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.409-415, 2011-07-20

本稿では,重みつき有限状態トランスデューサ(WFST)を用い,ノイズ領域が文字列として誤検出されることが課題となる情景画像からの日本語語彙検出手法を提案する.提案手法では,情景画像から網羅的な文字候補を抽出し,それらすべての組み合わせを表現したWFST と,大規模な語彙データセットから辞書を構成するWFSTとを合成することより,最終的な語彙検出結果を得る.これにより,辞書に含まれない文字候補の組み合わせとなるノイズ領域を除去することが可能となる.また,情景画像からの文字候補の抽出において,画像における位置情報を保持したままWFST を生成するため,同一の画像領域から最適な語彙を検出することができる.日本語を含む情景画像のデータセットにより検証を行い,ノイズ領域を除去しつつ日本語の語彙を検出できることを確認した.
著者
石尾 隆 吉村 健太郎
雑誌
研究報告ソフトウェア工学(SE)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.12, pp.1-7, 2011-07-14
被引用文献数
1

本稿では,2011 年 5 月 21 日から 28 日まで,アメリカのハワイ州ホノルルにて開催された第 33 回ソフトウェア工学国際会議 (33rd International Conference on Software Engineering) および併設ワークショップについて紹介する.This paper reports major topics of the 33rd International Conference on Software Engineering (ICSE2011) and co-located workshops held in May 2011 in Honolulu, Hawaii, USA.
著者
角森 唯子 東中 竜一郎 吉村 健 礒田 佳徳
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.DSI-B_1-10, 2020-01-01 (Released:2020-01-01)
参考文献数
23

A chat-oriented dialogue system can become more likeable if it can remember information about users and use that information during a dialogue. We propose a chat-oriented dialogue system that can use user information acquired during a dialogue and discuss its effectiveness on the interaction over multiple days. In our subjective evaluation over five consecutive days, we compared three systems: A system that can remember and use user information over multiple days (proposed system), one that can only remember user information within a single dialogue session, and another that does not remember any user information. We found that users were significantly more satisfied with our proposed system than with the other two. This paper is the first to verify the effectiveness of remembering on the interaction over multiple days with a fully automated chat-oriented dialogue system.
著者
吉村 健司 高橋 一弘
出版者
一般社団法人 日本応用数理学会
雑誌
応用数理 (ISSN:24321982)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.2-23, 1997-03-17 (Released:2017-04-08)
参考文献数
12

An electric power system is a large-scale energy system composed of a lot of equipment such as power generating units, transmission lines, voltage transformers and power demand loads. It is also a very complex system including generator's electromagnetic dynamics and many control system's characteristics to maintain a constant level of voltage and systemfrequency. Eigenvalue analysis is one of the methods to handle a power system stability problem associated with the system dynamic perfomance. This paper describes mathematical models of power system components and also explains a calculation technique of eigenvalue analysis to evaluate a large -scale power system stability. Its application for improving stability enhancement using eigenvalue sensitivity is also described in this paper.
著者
関 明彦 瀧川 智子 岸 玲子 坂部 貢 鳥居 新平 田中 正敏 吉村 健清 森本 兼曩 加藤 貴彦 吉良 尚平 相澤 好治
出版者
日本衛生学会
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.939-948, 2007-09-15 (Released:2008-05-16)
参考文献数
130
被引用文献数
14 22

‘Sick house syndrome’ (SHS) is a health issue that closely resembles sick building syndrome (SBS) that had occurred in European countries. The aim of this review is to clarify the characteristics of SHS by reviewing previous reports rigorously. We propose the definition of SHS as “health impairments caused by indoor air pollution, regardless of the place, causative substance, or pathogenesis”. Cases of SBS are reported to occur predominantly in offices and sometimes schools, whereas those of SHS are usually found in general dwellings. In many cases, SHS is caused by biologically and/or chemically polluted indoor air. Physical factors might affect the impairments of SHS in some cases. It is considered that symptoms of SHS develop through toxic, allergic and/or some unknown mechanisms. Psychological mechanisms might also affect the development of SHS. It is still unclear whether SBS and SHS are very close or identical clinical entities, mostly because a general agreement on a diagnostic standard for SHS has not been established. Previous research gradually clarified the etiology of SHS. Further advances in research, diagnosis, and treatment of SHS are warranted with the following measures. Firstly, a clinical diagnostic standard including both subjective and objective findings must be established. Secondly, a standard procedure for assessing indoor air contamination should be established. Lastly, as previous research indicated multiple causative factors for SHS, an interdisciplinary approach is needed to obtain the grand picture of the syndrome.