著者
吉田 麻美 米田 稔 片岡 利仁 尾坂 高明 小倉 研二 小島 玉雄
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.179-182, 2010 (Released:2011-03-16)
被引用文献数
1 1

京都府立植物園の桜園を対象として, 瓦破砕材を用いた土壌改良の有効性について検討した。まず試験的に各種土壌を充填した穴を通路上に設定し, 降雨への応答や踏圧による物理特性などの変化を追跡した。その結果, 瓦破砕材は適度な水の保持能力と水はけの良さを合わせ持っていること, 数ヶ月程度ではその効果は消えないことが明らかとなり, さらに実際に瓦破砕材を約40%(重量比)混合して実施した土壌改良でも改良前と水分保持量は変わらず, 水はけは良くなるという結果を得た。また土壌改良と同時に瓦破砕材のみを充填した道を造ったが, 土壌領域地表に難透水層が形成された場合には, この道が周囲の土壌中含水率に影響を及ぼすことが数値シミュレーションにより明らかとなった。
著者
吉田 和人 山田 耕司 玉城 将 内藤 久士 加賀 勝
出版者
日本コーチング学会
雑誌
コーチング学研究 (ISSN:21851646)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.65-74, 2014-11-20 (Released:2019-09-02)
参考文献数
16
被引用文献数
1

A notational analysis of 12,428 rallies in 149 singles matches at the London Olympic Games was conducted to clarify the characteristics of world-class rallies in table tennis. The number of shots played per rally, which was the sum of a correct service and correct returns, was measured. And the winning ratios of server and receiver were determined by the number of shots played per rally (Odd numbers indicate the server won the point, even numbers indicate the receiver won the point). The playing styles of the players were classified into all-round types and defensive types (chopper type), and the types of matches were classified into 3 by the combination of playing styles as: all-rounder vs. all-rounder (AA type), all-rounder vs. defensive (AD type) and defensive vs. defensive (DD type). The numbers of shots and the two ratios, and relations to both gender and type of match were considered. The DD type was excluded from this analysis because there were too few measured data. As a result, the mode of the number of shots for men and women was 3 each. The maximums for men and women were 38 and 60, respectively. The minimum for men and women were 0 each. The mean number of shots for women was significantly larger than that for men for AD type (p<0.01), and that for AD type was significantly larger than that for AA type for both men (p<0.01) and women (p<0.001). The mean winning ratios for servers for both men and women for AA type and AD type were all at the same level at about 55%, which were significantly higher than those for receivers of about 45% (p<0.01). Additionally, the evaluation criteria for the mean number of shots in a match, and those for the winning ratios of a server and a receiver were proposed. It was suggested that these results could be valuable for table tennis coaching.
著者
吉田 一彦
雑誌
人間文化研究 (ISSN:13480308)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.368-356, 2008-12-23
著者
石橋 正二郎 田中 聖隆 前田 洋作 吉田 弘
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会関東支部総会講演会講演論文集 2021.26 (ISSN:24242691)
巻号頁・発行日
pp.17C09, 2020-03-13 (Released:2021-03-02)

There are lots of knowledge gaps concerning the sea ice of the Arctic Ocean, such as sea ice thickness, sea ice dynamics and sea ice – ocean interactions. Therefore JAMSTEC is now developing a special platform that will be able to move under ice and measure various kinds of data continuously and automatically. It is an intelligence underwater drone for the Arctic Ocean named as COMAI-Drone (COMAI-Drone:Challenge of Observation and Measurement under Arctic Ice - Drone). Now its proto-type have been already designed and initiated to build. Additionally, some aid systems, which can detect its position, can detect the relative direction to a support ship and can communicate between the drone and the support ship, are now developing. At the same time, watertank-tests and field-tests have been conducted gradually. In near future, COMAI-Drone will collect invaluable data under the sea ice in the Arctic Ocean. In this paper, its outline including its mechanism, functions and operation system are described.
著者
伊藤 錬磨 金子 佳史 中西 宏佳 辻 国広 吉田 尚弘 冨永 桂 辻 重継 竹村 健一 山田 真也 土山 寿志
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.1457-1463, 2012 (Released:2012-05-28)
参考文献数
14

症例は60歳男性.ニガクリタケを摂取した30分後に嘔吐,腹痛が出現し来院.第2病日に症状は一旦軽快したが,第3病日に嘔吐,腹痛,黒色便を認めた.第4病日の上部消化管内視鏡検査にて上十二指腸角から十二指腸下行部にかけ連続性,全周性に発赤,浮腫,びらん,出血を認めた.保存的加療にて症状は経時的に軽快した.第9病日の内視鏡検査では十二指腸下行部に出血はみられず,顆粒状粘膜や線状潰瘍を認めた.第18病日に症状軽快し退院.退院後の内視鏡検査では線状潰瘍瘢痕を残すのみであった.キノコ中毒における消化管病変の報告は少なく,またその経時的変化を内視鏡的に追えた自験例は貴重であると考えられた.
著者
吉田 恵美 藥師寺 佳菜子 永渕 美樹 田中 るみ 梶野 美保 藤田 君支
出版者
一般社団法人 日本糖尿病教育・看護学会
雑誌
日本糖尿病教育・看護学会誌 (ISSN:13428497)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.121-128, 2022-09-30 (Released:2022-10-27)
参考文献数
21

目的:糖尿病性腎症患者を対象に,6年間の後方視的調査を行い,チーム医療による個別的な予防指導と腎機能や血糖管理などの評価指標との関連について明らかにする.方法:腎症2期以降の患者について,診療記録を用いて個別予防指導群(介入群)と通常診療群(非介入群)で評価指標を比較し,HbA1c,eGFR,血圧を従属変数とした多重ロジスティック回帰分析を行った.結果:分析対象者は介入群224名,非介入群209名であった.ベースライン(開始時)において,HbA1cは介入群7.5(6.8-8.9)%,非介入群7.2(6.6-8.1)%で介入群の方が有意に高かったが(p<0.05),観察期間終了時,介入群では有意に改善を認めた(p<0.01).また,介入回数が多いことがHbA1cの維持・改善に有効で,eGFRはベースライン時腎症3期以降では悪化を認めた.結論:予防指導は腎症進行例では限界を示したが,血糖管理には有効であることが示唆された.
著者
中村 和之 酒井 英男 小林 淳哉 小田 寛貴 浪川 健治 三宅 俊彦 越田 賢一郎 佐々木 利和 瀬川 拓郎 中田 裕香 塚田 直哉 乾 哲也 竹内 孝 森岡 健治 田口 尚 吉田 澪代
出版者
函館工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究の目的は、14~16世紀のアイヌ文化の状況を明らかにすることである。この時期は、近世のアイヌ文化の成立期であるが、文献史料と考古学資料が少ないため、状況がわかっていない。そのため、漢語・満洲語・日本語史料の調査を行うと同時に、遺物の成分分析や年代測定、それに遺跡の電磁探査など、さまざまな分析方法で情報を収集した。その結果、14~15世紀の北海道でカリ石灰ガラスのガラス玉が発見された。本州でほとんどガラス玉が出土しないので、アムール河下流域からの玉と考えられる。この時期は、元・明朝がアムール河下流域に進出した時期に重なるので、北方からの影響が強くアイヌ文化に及んだことが推定できる。
著者
吉田 拓矢
出版者
日本時間学会
雑誌
時間学研究 (ISSN:18820093)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.19-34, 2020 (Released:2021-06-14)

古代日本においては、日蝕を忌避することに昼夜は関係しない、という時間観念があった。日没のため実際に観測できない場合であっても、日蝕とみなされて朝廷政務は止められたのである。つまり、日蝕記事のなかに日本から観測可能であったものが少ないのは、暦官らが誤算を犯したからではなく、はじめから観測できることを想定していないものまで「夜蝕」として予報していたからであった。 このことを踏まえて記事を分析していくと、10世紀までの日蝕予報と暦官らの技能は、次のようにまとめられる。8世紀から9世紀中葉にかけては、予報に誤算がみられないことから、ときの暦官らは的確に計算を進められるだけの技能を有していたことがわかる。しかし宣明暦施行後は、日本に伝えられた暦本に漏れがあったことも影響し、的中率が大幅に低下した。このときに予報精度をしばらく改善することができなかったのは、唐から伝えられた暦術をひたすら墨守しようとする、彼らの姿勢の表れであろう。
著者
吉田 幹生
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.58, no.6, pp.12-19, 2009-06-10 (Released:2017-08-01)

本論では、七・八世紀の異類婚姻譚が様々な展開の可能性を孕んでいたことを確認した上で、異類との別れに注目するところから、離別する二人の未練や葛藤の情が次第に描き出されてくる様を論じた。この流れは、異類という側面を希薄化させ、愛し合う二人の悲恋という点を強調していくようになるが、それがやがて王朝物語の領域に引き取られつつ一つの命脈を保っていくことについても見通しを述べた。
著者
吉田 圭佑 小川 剛史
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.189-196, 2018 (Released:2018-09-30)
参考文献数
36

In this paper, we propose a novel method to virtually simulate the sensation of spiciness by applying thermal grill illusion to the human tongue. We describe our tongue stimulator equipped with interlaced warm and cool bars. To evaluate the effectiveness of this method, the system was experimentally tested in two studies. The first experimental results show that spicy taste was perceived by causing thermal grill illusion on the tongue. The second experimental results show that the strength of spicy perception is affected by both of average temperature and difference in temperature between warm and cool stimuli.
著者
阿登 大次郎 小竹 武 小森 浩二 森山 博由 井上 知美 三田村 しのぶ 日高 眞理 水野 直子 廣瀬 隆 吉田 彰彦 鬼本 茜 八代 哲也 大原 隆司 清水 忠 東海 秀吉
出版者
一般社団法人 日本薬学教育学会
雑誌
薬学教育 (ISSN:24324124)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.2020-033, 2020 (Released:2020-12-25)
参考文献数
9
被引用文献数
2

本研究は,処方解析報告書を連携ツールとした薬局病院合同教育プログラムが,実習生の処方解析能力にどのような影響を与えたかについて検証することを目的とした.処方解析報告書は,採択理由などを含む4つの大項目で構成された書式を作成した.実習生は本報告書を週1例以上提出し,実習開始1,6,11週目に報告書の内容と自身の考察を発表した.提出された報告書と発表内容に対して評価チームの薬剤師および大学教員がルーブリックを用いて評価した.実習生の報告書と発表に対する評価結果および実習後アンケートの結果から,実習11週目には,1,6週目と比べてルーブリックの全項目が有意に向上し,特に疾患を意識した症例選択能力が向上したと考えられた.また,アンケート調査から,実習生が本プログラムにより自身の成長を実感していることが明らかになったが,発表会後のフィードバック方法に今後の課題が見出された.
著者
吉田 和司
出版者
一般社団法人 日本画像学会
雑誌
日本画像学会誌 (ISSN:13444425)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.184-191, 2009-06-10 (Released:2009-06-13)
参考文献数
24

私たちの身のまわりでは,プリンタ,複写機,ATMなど,紙を取り扱う装置があふれている.これらの装置は主に紙の繰り出し機構,搬送機構,集積機構から構成されている.本解説では,紙の繰り出し,搬送,集積の各機構や解析技術について紹介する.また著者らが開発してきたATMに関する機構や解析技術についても紹介する.