著者
吉田 靖雄
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要. II, 社会科学・生活科学 (ISSN:03893456)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.51-68, 2004-09-30

『史記』にみえる徐福 (徐市とも、〜前二一九〜二一〇〜) は、不老不死の薬の獲得を始皇帝に勧めて巨費を得たぺてん師として描かれている。しかし中国大陸では、一九八四年に徐福の出身地という土地の発見以来、研究が高潮して二百を超える論文が発表されている。それらは、徐福らが前三世紀、数千の若者・技術者・五穀の種と共に日本列島に到着し、弥生時代を切り開いたと主張している。徐福は偉大な航海者・日中友好の使者と評価されているが、そうした状況を紹介し、かつ『史記』記事の吟味を試み日本上陸説が成立しないと論じる。
著者
吉田 智子 有賀 妙子 真下 武久
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.62, no.12, pp.667-671, 2021-11-15

プログラミング学習への興味における男女不均衡を是正するためには,男女ともに興味を持って学べる題材が必要だと考えた.その一例として,データビジュアライゼーションのプログラミング教材を開発中である.JavaScript(p5js)を利用して,学習者の興味分野のデータをインタラクティブなインフォグラフィクスとして視覚化する.学習者はプログラミングを学ぶことで,自分の表現力,創造力を駆使した作品を公開することが可能となる.
著者
得丸 智子 清水 順子 吉田 美登利 渡邉 泰久
出版者
学校法人 開智学園 開智国際大学
雑誌
開智国際大学紀要 (ISSN:24334618)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.35-49, 2021 (Released:2021-03-15)

本研究では、教師が連携し大学の授業を通じて学生を参加させるインターネット上の作文掲示板「さくぶん.org」(さくぶんおーあーるじー)において、担当教師が授業の中で「さくぶん.org」をどのように活用したかを探った。その結果、「さくぶん.org」には、「心理的交流を実感する場」としての側面の他に、「生の言語資料を展示する場」の側面があることが明確になった。第二の側面はインターネット利用により可能となったものである。授業では主に、この側面が、アカデミック日本語の能力獲得、日本語日本文化に関する知識の獲得等の科目の目的達成のために活用されていた。活用法には、(1)言語文化的側面に着目するもの、(2)文章の書き方に着目するものがあり、それぞれについて①多様な現実を知らせる活用法と②典型例を紹介する活用法があった。インターネット上の「さくぶん.org」の「多様性・真正性」は、教室で展開する学生と教師の対面関係に支えられ保証されることも明確になった。
著者
安井 昌之 向山 昌邦 横井 風児 足立 皓岑 若山 育郎 三谷 和男 八瀬 善郎 吉田 博信 吉益 文夫 大田 喜一郎
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.78, no.1, pp.85-86, 1989-01-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

孤発性の筋萎縮性側索硬化症(ALS)6例,神経学的に正常な対照5例の中枢神経組織(CNS)26部位について放射化分析法でアルミニウム(A1)を測定し, 2例のALSで高Al含有量を認めた.症例Iで136.5±99.3μg/g dry weight (Mean±SD),症例IIは88.3±52.0μg/g,他のALS4例で28.0±14.3μg/g,対照群は25.8±8.1μg/gであった.孤発性ALSのCNS内に高Alが沈着した2例を報告した.
著者
吉田 倫幸
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測と制御 (ISSN:04534662)
巻号頁・発行日
vol.41, no.10, pp.696-701, 2002-10-10 (Released:2009-11-26)
参考文献数
22
被引用文献数
2

3 0 0 0 OA 夜尿症雑記

著者
吉田 一次
出版者
日本良導絡自律神経学会
雑誌
日本良導絡自律神経雑誌 (ISSN:05575729)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.69-77, 1974-04-05 (Released:2011-10-18)
参考文献数
6

夜尿症の決定的な治療方針はないようである。この疾患に有効な良導絡電気針(EAP)療法を行ってもなかなか好転しないものが時にある。患者の睡眠のリズム、神経機能の生理、膀胱機能の発育などを考えて、EAP療法を行うべきで、良導絡測定不問診はその指針を与える一法と考える。
著者
橋本 剛 吉田 琢哉 矢崎 裕美子 森泉 哲 高井 次郎 Oetzel John G.
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.91-103, 2011 (Released:2012-03-24)
参考文献数
62
被引用文献数
1 4

日米の大学生を対象とした質問紙調査によって,高親密/低親密関係それぞれにおける対人ストレッサー頻度,それらとソーシャルスキルの関連,およびディストレスへの影響の文化差について検討した。対人ストレッサー頻度に関して,対人葛藤(ケンカや対立)の文化差は示されなかったが,対人過失(迷惑をかけること)と対人摩耗(本音の抑制や気遣い)については文化と親密性の効果が見いだされ,なかでも日本・高親密条件では他の条件と比較して対人過失の頻度が最も高く,一方で対人摩耗は相対的に低かった。対人ストレッサー頻度の文化差に対するソーシャルスキルの影響として,日本のほうがアメリカよりも高親密関係の対人過失頻度が高いという文化差に対するスキルの媒介効果が有意であった。また,高親密関係における対人葛藤頻度とスキルの関連について,アメリカでは高スキルほど対人葛藤頻度が低いという負の関連が示されたが,日本ではそのような関連は示されないという文化の調整効果が見いだされた。対人ストレッサーとディストレスの関連については,高親密関係の対人ストレッサーについて,アメリカより日本の方がディストレスとの関連が強いという文化差が見いだされた。
著者
大石 千歳 吉田 富二雄
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.71, no.6, pp.445-453, 2001-02-25 (Released:2010-07-16)
参考文献数
18
被引用文献数
1 1

Based on social identity theory (Tajfel, 1978), it is expected that black sheep effect occurs only in cases where ingroup members are compared with outgroup individuals. In study 1, 112 female student nurses were divided into two groups, and evaluated both outgroup and ingroup individuals (outgroup-ingroup condition), or ingroup members only (ingroup-only condition). Black sheep effect was found only in the outgroup-ingroup condition. Ingroup members in the condition were evaluated more extremely than those in the ingroup-only condition, and there was no significant difference between the evaluations of outgroup individuals in the outgroup-ingroup condition and ingroup members in the ingroup-only condition. The results confirmed the ingroup-outgroup comparison prediction. In study 2, in addition to rating four individuals, desirable or undesirable and ingroup or outgroup, 86 female student nurses were asked to indicate the importance of their own social identity. Mack sheep effect was observed, with perception of ingroup homogeneity strengthening ingroup identification, thereby facilitating black sheep effect. These findings support Turners self categorization theory (1982) as an explanation of the mechanism for black sheep effect.
著者
張 涵泳 沖井 英里香 後藤 栄治 宮原 文彦 宮崎 潤二 前田 一 古澤 英生 宮里 学 吉田 茂二郎 白石 進
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.101, no.2, pp.88-93, 2019-04-01 (Released:2019-06-01)
参考文献数
31

九州の8地域に生息するマツノザイセンチュウの遺伝的多様性と遺伝的構造の解明を10個のEST遺伝子座の塩基配列多型を用いて行った。九州全域の遺伝子分化係数(GST)は0.53で,全遺伝子多様度(HT=0.63)の半分以上が地域集団間に存在し,集団間に大きな差異があった。8地域集団のHTは0.12~0.59であり,多様性に富んでいたのは,川内,新富,松浦,唐津(0.59,0.57,0.56,0.55)で,地域集団内におけるGST(0.43,0.35,0.25,0.25)も高く,被害木内集団(亜集団)間に大きな差違があった。一方,多様性が特に低いのは,天草,宮崎(0.12,0.18)で,そのGSTも小さく(0.01,0.02),亜集団間の違いは極めて小さかった。これらの2集団の形成には,ボトルネック/創始者効果が影響していることが示唆された。九州では地域集団が保有する多様性の二極化が進行していると思われる。
著者
桑江 朝比呂 吉田 吾郎 堀 正和 渡辺 謙太 棚谷 灯子 岡田 知也 梅澤 有 佐々木 淳
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.75, no.1, pp.10-20, 2019 (Released:2019-06-20)
参考文献数
34
被引用文献数
10

浅海生態系における気候変動の緩和機能(大気中二酸化炭素(CO2)の吸収機能や生態系内への炭素貯留機能)が注目され始めているものの,その全国推計例はない.そこで本研究では,気候変動に関する政府間パネル(IPCC)のガイドラインに倣い,生態系内の炭素貯留量の増加量を大気中CO2の吸収量と定義し,国内外の既往文献をベースにデータ解析した.そして,我が国の浅海生態系(海草藻場,海藻藻場,マングローブ,干潟)における年間CO2吸収量の全国推計を試みた.その結果,現状におけるCO2吸収量の平均値は132万トンCO2/年,上限値は404万トンCO2/年と見積もられた.このような現状値あるいは将来値の推計を進めていくことは,地球温暖化対策計画における吸収源対策に浅海生態系を新たに定める検討や,浅海生態系の価値評価において有用であると考えられる.
著者
出口 順子 辻 洋右 吉田 政幸
出版者
日本スポーツマネジメント学会
雑誌
スポーツマネジメント研究 (ISSN:18840094)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.19-40, 2018 (Released:2019-01-19)
参考文献数
73
被引用文献数
5 1

Over the last three decades, the conceptual and theoretical importance of team identification has increased. However, many previous studies have confused role identity-based team identification with the group identity-based approach, failing to distinguish between these two constructs. In light of this concern, the current study presents a thorough review of the key concepts and theories underlying team identification. Through a conceptual analysis, we explained the construct of team identification and its impact on consumer behavior on the basis of four relevant theories (identity theory, social identity theory, organizational identification theory, and the consumer-company identification framework). Furthermore, an empirical study, which was a complementary part of this research, showed that the impact of group identity-based team identification on consumers' collective self-esteem and behavioral loyalty was stronger than that of role identity-based team identification. Our conceptual arguments and directions for future research contribute to the advancement of knowledge on sport fans.
著者
吉田 雅司 杉原 一正 水枝谷 渉 山下 佐英
出版者
特定非営利活動法人 日本口腔科学会
雑誌
日本口腔科学会雑誌 (ISSN:00290297)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.721-725, 1992-10-10 (Released:2011-09-07)
参考文献数
12

The recovering process of the anemia following 400ml blood donation in healthy female volunteers was studied hematologically. The advanced erythropoietic ability was observed from the first day following the phlebotomy. On the 14th day, the rates of reticulocyte and the mean corpuscular hemoglobin concentration normalized and the serum erythropoietin level indicated a maximum in spite of the decreases of serum iron and ferritin.There were no obvious side effects following a 400ml phlebotomy for healthy females. It was suggested that the 2 weeks after the 400m1 autologous blood donation would be a suitable period for orthognathic surgery.
著者
吉田 司雄 中沢 弥 谷口 基 小松 史生子 牧野 悠 清水 潤 今井 秀和 乾 英治郎 末國 善己
出版者
工学院大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

サブカルチャー領域を中心に、日本発の「忍者」「探偵」イメージは広く世界に浸透している。「忍者」表象に関する国内研究者の共同研究を推進する一方、「探偵」表象に関する研究ネットワークを海外の研究者と構築し、「忍者」と「探偵」とを接合させる形で、日本および東アジアにおける大衆的なイメージの生成過程を分析した。複数の表象が絡まり合いながら、ジャンル横断的に新たな物語コードが生成される様を明らかにした。
著者
山中 咲耶 吉田 俊和
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.21-31, 2011 (Released:2011-08-30)
参考文献数
33

他者の面前や重要な場面において,思ったように能力を発揮できないことは,しばしば“あがり”と表現される。本研究では,“あがり”を緩和する状況要因として,面前の他者からのフィードバックと,個人差を示すパーソナリティ要因として特性的共感性に着目し,これらの要因が主観的感情体験と課題遂行に与える影響について検討した。その結果,課題遂行時に面前の他者からポジティブなフィードバックを知覚した遂行者は,ネガティブなフィードバックを知覚した遂行者よりも,主観的な“あがり”意識が低くなった。さらに,特性的共感性が高い人の方が低い人と比較して,ネガティブなフィードバックを知覚した際,主観的“あがり”意識がより高くなった。また,主観的な“あがり”意識の高低とパフォーマンス中の失敗数には,中程度の相関が示された。以上より,他者からのポジティブなフィードバックは,“あがり”の緩和効果を持つ可能性があることが示された。また,“あがり”が他者からの評価への意識と関連すること,さらに他者への意識だけでなく,他者からどれだけ影響をうけるかという個人特性,すなわち特性的共感性と深く関連した現象であることが示唆された。
著者
梅崎 さゆり 吉田 雅行 吉田 康成
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要 第4部門 教育科学 (ISSN:03893472)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.227-240, 2009-02

本研究は,ゲーム中のスパイク動作における移動や助走,踏み切り局面の接地パターンを明らかにすることを目的とした。2006年世界選手権男子ブラジル対イタリア戦で実際のゲーム中に攻撃に参加した選手のスパイク動作65試技を対象として両足接地時間を記録し接地パターンの分析を行った。その結果,ブラジル,イタリアの両チームの攻撃に参加した選手の接地パターンには,接地時間のばらつきが少ない助走とばらつきが多い移動という2つの接地の仕方があることが明らかとなった。ブラジルチームでは37試技中32ケースについて4歩助走,残り5ケースは3歩助走を行っていた。一方,イタリアチームでは,28試技中全てのケースについて3歩助走を行っていた。これらの結果は,ゲーム中にスパイク技術を発揮するためにはそれぞれの選手が一定した助走技術を獲得していること,助走まではゲーム状況に応じた移動のステップを用いていることを示唆している。The purpose of this study was to make clear the grounding pattern of foot movement on spiking motion (movement, approach and jump phase, respectively) in volleyball game. We analyzed that grounding pattern in 65 spiking motion of attacking players in the match of Brazil versus Italy in 2006 Men's World Championships. The results that grounding pattern (1.movement phase, 2.approach phase) were found by analyzing about grounding time of each step. Most of all Brazilian spiker performed 4 steps approach 32 of 37 cases and 3steps in remaining 5 cases. In Italian spiker, all cases performed 3steps approach. These results suggested that each player had regular technique of approach and used the optimum step of movement to perform the spiking skill in game situation.
著者
吉田 真美 後藤 潔 田名部 尚子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.255-265, 2003-08-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
24
被引用文献数
4

1.中国,朝鮮,日本料理中のショウガ利用を,25冊の料理書を調査することにより,様式別に比較研究した.2,629品のレシピから,ショウガ使用の有無,主材料,調理法,切り方,併用香味野菜・香辛料の面から調べた.2.中国料理では48%のショウガ使用率であり,特に肉類や魚介類を,煮る料理や蒸す料理において高率であった.主に消臭を中心として,香り付けや味付けの目的で使用されていた.3.朝鮮料理では,ショウガは小形状で使われ,多種類の香味野菜・香辛料と共に複合的な食味形成のために用いられていた.特にキムチ料理に高頻度で使用されていた.4.日本料理においては,ショウガは料理の唯一の香味野菜として使用される場合が多かった.料理表面に盛り付けられ,生の芳香や辛味を直接賞味できる使用法が多く,また装飾的役割もはたしていることが特徴的だった.
著者
仲澤 眞 吉田 政幸
出版者
日本スポーツマネジメント学会
雑誌
スポーツマネジメント研究 (ISSN:18840094)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.23-38, 2015 (Released:2015-07-11)
参考文献数
52
被引用文献数
6 4

Although the relationship between a sport team and its fans has been long understood as team identification which is a type of self-team connection, limited attention has been devoted to the idea of communal-team connection (also called fan community identification). This study is one of the first attempts to conceptualize fan community identification and examine its antecedents and consequences. Data were collected from spectators attending professional baseball and soccer games in Japan. The results indicated three points of attachment (sport, player, and local city) were significant precursors of fan community identification. The findings also suggested fan community identification positively influenced team identification. Moreover, the impact of fan community identification on future attendance frequency was stronger for those spectators having a short-term relationship with the team than for those spectators having a long-term relationship. Including fan community identification, the results extended previous research that has focused primarily on team identification.
著者
杉 直樹 清水 昭彦 上山 剛 吉賀 康裕 沢 映良 鈴木 慎介 大野 誠 大宮 俊秀 吉田 雅昭 松崎 益徳
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.40, no.Supplement4, pp.34-40, 2008-11-30 (Released:2013-05-24)
参考文献数
4

症例は32歳,男性.主訴は動悸.心電図で左脚ブロック型のwide QRS tachycardiaを指摘された.電気生理学的検査ではHRAからの期外刺激法にてnarrow QRS tachycardiaが誘発され,心房最早期興奮部位は僧帽弁輪後壁で,心房早期捕捉現象がみられることからAVRTと診断した.RVAからの期外刺激法では臨床的に認められたwide QRS tachycardiaが誘発された.同頻拍はすぐにnarrow QRStachycardiaへと変化し,AH間隔およびVA間隔の延長により頻拍周期は延長した.最終的に副伝導路への2回の通電によりwide QRS tachycardiaおよびnarrow QRS tachycardiaはともに誘発不能となった.一般にAVRT中に副伝導路と同側の脚ブロックとなった場合頻拍周期は延長を認めるが(Coumel現象),本症例では房室伝導路および副伝導路の特性のために脚ブロックにより逆に頻拍周期は短縮したと考えられた.