著者
近藤 悠介 中野 美知子 吉田 諭史 石井 雄隆
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では発話能力の育成に焦点を当てた大規模な英語教育プログラムにおける自動採点システム導入の可能性を検討した。導入を検討したプログラムは、発話能力の育成に焦点を当てたプログラムであり、学習の対象となる表現が適切に使用できるかどうかを判定するタスクを作成し、このタスクにおける発話を英語教員が採点し、この点数を予測する発話自動採点システムを開発した。システムの予測精度を検証したところ、教師による点数との一致どは74%であった。本研究で提案した枠組みを用いてクラス分け試験および到達度試験を自動採点システムによって行うことができる可能性は高いと判断した。
著者
吉田 晃浩 関谷 正徳 内藤 通孝
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.305-310, 2014-05-25 (Released:2014-07-10)
参考文献数
13
被引用文献数
2

癌胎児性抗原(Carcinoembryonic antigen,CEA)は各種悪性腫瘍の診断および治療後の経過観察において重要な指標であり,臨床において測定される最も一般的且つ,汎用されている腫瘍マーカーである.今回我々は,乳癌の術後経過観察で腫瘍の再発が認められないにも関わらず,血清CEA値が夏季において一過性に5~10 ng/ml以上の高値を示した症例を経験し,その原因について検討を行った.その結果,血清CEA値と週間平均気温,ALT,赤血球数,ヘマトクリット値との間に有意な負相関が認められた.また,週間平均気温が25℃を超えて急激に変化した場合においても,同様に血清CEA値が増加傾向を示すことが明らかとなった.以上より,血清CEA値が夏季,一過性に高値を示した原因として,気温上昇に伴う週間平均気温の上昇が,肝臓等の臓器機能に影響するとともに,CEAの産生・分泌,およびその後の代謝に影響を及ぼした可能性が示唆された.
著者
岡 真一郎 池田 拓郎 吉田 誠也 近藤 遥奈 筒井 友美 田中 晴菜 後藤 和彦 光武 翼 後藤 純信
出版者
日本神経眼科学会
雑誌
神経眼科 (ISSN:02897024)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.36-43, 2019-03-25 (Released:2019-04-23)
参考文献数
20

バーチャルリアリティ(VR)を用いたニューロリハビリテーションの基盤研究として,2つの実験を行った.実験1では,右頭頂葉と視運動性眼振(OKN)および立位姿勢制御の関連機構について検討した.右頭頂葉の一過性機能抑制には,経頭蓋直流電流刺激の陰極刺激を使用し,OKNと身体動揺を計測した.その結果,右頭頂葉の感覚情報処理は視運動性眼振および開眼時立位姿勢制御と関連していることが示された.実験2として,完全没入型のスマートフォン用ヘッドマウントディスプレイ(S-HMD)を使用し,視運動刺激(OKS)がバランス能力に与える影響について検討した.その結果,OKS後は静止立位および左右片脚立位の開閉眼条件での姿勢制御機能が向上した.運動先行型の脳機能を賦活するニューロリハビリテーションは,リハビリテーションの効果を高める可能性を有することが示された.民生用HMDは,VRによるニューロリハビリテーションを臨床現場へ広く普及させるためのデバイスとしてのポテンシャルを秘めている.今後,HMDを用いたニューロリハビリテーションの推進を期待する.
著者
吉田笠雨 著
出版者
文友堂
巻号頁・発行日
1908
著者
吉田 祐一郎
出版者
四天王寺大学
雑誌
四天王寺大学紀要 = SHITENNOJI UNIVERSITY BULLETIN (ISSN:18833497)
巻号頁・発行日
vol.62, pp.355-368, 2016-09-25

本研究は、日本各地に広がりをみせる子ども食堂について、地域における子どもを主体とした居場所づくりとしての機能の充実を果たすべく、子ども食堂に求められるものは何かといった骨格を示すことをねらいとしている。本稿はその初期研究として、先行文献等を用いて子ども食堂が必要とされる貧困をはじめとする社会的背景や、それに対して国が進める施策についての整理を試みるとともに、子ども食堂の開始以前から存在していたセツルメントをはじめとする類似の民間活動との比較や、子ども食堂として展開される実践事例について考察した。結論として、子ども食堂に見られる3 つの機能(「食を通した支援」「居場所」「情緒的交流」)を提示するとともに、子ども食堂に参加する子どもにとって地域社会や地域住民をつなぐ「空間」と「支援者」が必要であるという仮説の設定を行い、その検証に向けた研究課題について整理した。
著者
小林 和央 風間 一洋 吉田 光男 大向 一輝 佐藤 翔
雑誌
WebDB Forum 2019論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.29-32, 2019-09-01

インターネットの普及と文献の電子化に伴い,CiNii Articles などの学術論文検索が日常的な学習や研究で重要な役割を果たすようになった.ただし,研究者以外の多彩なユーザに,文献がどのように利用されているかは明らかではない.本稿では,学術情報検索サービスのユーザの閲覧行動を,何人が閲覧したかで重要度を示す閲覧人数と,ある論文を閲覧したユーザが他にどのくらい論文を閲覧したかで内容の普遍性を示す閲覧普遍度の2つの指標と,学術および一般出版物の種別を用いて分析する.まず,CiNii Articles のサービスの利用履歴から,ユーザが閲覧した各文献の閲覧人数と閲覧普遍度を求める.次に,計算機科学分野のクエリの検索結果を閲覧人数と閲覧普遍度で順位付けした後に,該当分野における主要3学会が発行・開催する論文誌,研究会,大会・シンポジウム,そして一般的な出版社の雑誌などの異なる特性を表す種別を付与することで,各指標の順位に伴う文献種別の傾向や特性の変化を分析する.
著者
石榑 彩乃 吉田 裕亮
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.135, pp.85-88, 2006-12-22
参考文献数
3
被引用文献数
6

不完全データの解析手法の代表的なものとしてEMアルゴリズムがある,本研究では,EMアルゴリズムのMステップにおいて,最尤解が陽に求まらない混合分布問題として,混合コーシ分布を考え,分布を特徴づけるパラメータである,中央値と四分位偏差によりMステップを擬似的最尤推定に置きかえた手法を提案する.EMアルゴリズムにおいて,分布数は既知であることが前提となっているため,分布の推定にはよく知られたAICを用いる.また,混合分布数を2とし,KL情報量により,真の分布と推定されたモデルとの距離を測り,2つの分布の分解能に関する数値実験を行った.The EM algorithm is known as one of tools for the data analysis of incomplete data set. In this study we shall give a technical method in the maximization step of the EM algorithm for the problem of mixture Cauchy distributions. It is quite difficult to estimate the parameters for a Cauchy distribution from given sampling data in maximum likelihood (ML), explicitly. Instead of ML estimator, we will use the median and the quartile, and estimate them by using the bootstrap method. We shall also give some numerical experimentation for the mixture of two Cauchy distributions.
著者
三上 理一郎 矢加部 茂 竹尾 貞徳 前川 宗一郎 吉田 康洋 池尻 公二
出版者
一般社団法人 国立医療学会
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.44, no.6, pp.559-569, 1990

内因性感染症endogenous infectionは, 生体内に存在する常在菌(フローラ)によつて起こる感染症として, Escherlich(1889)によつて始めて呼ばれた. 筆者はかつて, "顔面帯状痕疹と肺結核症の同時発症の1例"を経験し, その発症機序について考察をおこなつてきた. そしてここに内因性感染症の新しく拡大解釈した概念を考えるに至つた. 内因性感染症には, (1)もともと生体内に存在する常在菌によつて起こる感染症, の他に, (2)個体が, 以前の感染によつて生体内に侵入し, 潜在性となつた病原体によつて, 後に発症するもので, 既感染発病結核や帯状庖疹がそれに該当する.<br>内因性感染症の発症要因は, 宿主の中に存在する. したがつて, 内因性感染症の発症要因を探究するには, ホストオロジー(生ききま学)が必要である.
著者
丸山 康子 飯塚 幸子 吉田 敬一
出版者
Japan Society of Physiological Anthropology
雑誌
The Annals of physiological anthropology (ISSN:02878429)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.61-70, 1991-01-01 (Released:2011-02-07)
参考文献数
33
被引用文献数
8 11

Utilizing an ultrasonic device (B-mode, 7.5MHz), the thickness of subcutaneous fat was measured at 54 different points in the bodies of 59 males (aged 20-25) and 66 females (aged 20-23). The results were as follows;1. The females had significantly thicker subcutaneous fat than those of the males at every point measured.2. The thick subcutaneous fats were obsereved at the abdomen, buttocks, and the anterior and medial parts of the thigh in the males, and at the breast, buttocks, abdomen, the posterior, medial, and anterior parts of the thigh, and the anterior, medial, and posterior parts of the upperarm in the females, respectively.3. The subcutaneous fat of both sexes was more likely to be thicker in body parts closer to the trunk than the extremities.4. The correlation coefficient between the percent body fat and the mean thickness of subcutaneous fat obtained from data was 0.91 for the males and 0.83 for the females.

3 0 0 0 OA 新訳徒然草

著者
[吉田兼好 著]
出版者
山名彦三郎
巻号頁・発行日
1892
著者
土田 翼 藤江 智也 吉田 映子 山本 千夏 鍜冶 利幸
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本毒性学会学術年会 第43回日本毒性学会学術年会
巻号頁・発行日
pp.O-41, 2016 (Released:2016-08-08)

【背景・目的】内皮細胞は種々の増殖因子・サイトカインを産生・分泌することで, 血管機能を調節している。TGF-β1は,内皮細胞の増殖を抑制的に制御し,動脈硬化などの血管病変の進展に関与する。一方,メタロチオネイン(MT)は重金属の毒性軽減や細胞内の亜鉛代謝などに寄与する多機能な生体防御タンパク質であるが,細胞機能調節因子によるMTの誘導に関する報告は少ない。本研究では,TGF-β1による血管内皮細胞のMT遺伝子の転写誘導とそのメカニズムについて解析した。【方法】培養ウシ大動脈内皮細胞をTGF-β1で処理し,MTアイソフォーム(MT-1A,MT-1EおよびMT-2A)mRNAの発現をreal-time RT-PCR法により解析した。Smad2/3,ERK,p38 MAPKおよびJNKのリン酸化はWestern Blot法で検出した。siRNAはリポフェクション法により導入した。【結果・考察】血管内皮細胞において,TGF-β1の濃度および時間に依存してMT-1A/2A mRNAレベルが上昇したが,この上昇はTGF-β1中和抗体の同時処理により消失した。TGF-β受容体ALK1またはALK5 siRNAを導入した内皮細胞では,ALK5の発現抑制によりMT-1A/2A mRNAの発現の上昇が抑制された。ALK5下流のSmad2およびSmad3のsiRNAをそれぞれ導入したところ,Smad2 siRNAによりMT-1A/2A mRNAの発現上昇が抑制された。またnon-Smad経路としてMAPK経路を検討したところ,TGF-β1により全てのMAPKsが活性化したが,p38 MAPKおよびJNK阻害剤によりTGF-β1によるMT-1A mRNAの発現上昇のみが抑制された。以上の結果より,TGF-β1は内皮細胞のMT-1A/2A遺伝子を転写誘導すること,この誘導はALK5を介したSmad2シグナルの活性化に介在されること,およびp38 MAPKおよびJNKの活性化はMT-1Aの転写誘導を選択的に介在することが明らかになった。
著者
井上 遠 松本 麻依 吉田 丈人 鷲谷 いづみ
出版者
日本鳥学会
雑誌
日本鳥学会誌 (ISSN:0913400X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.19-28, 2019-04-23 (Released:2019-05-14)
参考文献数
35
被引用文献数
2

本研究では,二次林を含めた森林面積が島の約80%を占める奄美大島において,準絶滅危惧種に指定されているリュウキュウコノハズクの巣立ちビナのルートセンサスを,繁殖期(2017年6月27日–7月25日)に行なった.奄美大島のほぼ全域の合計58地点において98羽の巣立ちビナが確認され,うち13地点では複数回巣立ちビナが確認された.巣立ちビナ確認地点(53地点)と,確認地点と同頻度になるように各センサスルート上に無作為に設定した未確認地点(54地点)について,森林植生タイプ別の面積(常緑広葉樹林,常緑広葉樹二次林,常緑針葉樹林,落葉広葉樹二次林),開放地面積,林縁長,市街地までの距離,標高を説明変数として,一般化線形混合モデルを作成した.その結果,巣立ちビナの確認/未確認に対して常緑広葉樹林面積が正の効果を及ぼしていることが示された.今では限られた面積でしか存在しない成熟した亜熱帯常緑広葉樹林は,樹洞を有する大径木が多く存在し,本種の重要な営巣場所や繁殖場所となっている可能性が示唆された.
著者
土田 信 吉田 英雄
出版者
一般社団法人 軽金属学会
雑誌
軽金属 (ISSN:04515994)
巻号頁・発行日
vol.39, no.8, pp.587-606, 1989-08-30 (Released:2008-10-30)
参考文献数
48
被引用文献数
7 5
著者
吉田 信彦 河本 千恵 白鳥 美津子 伊藤 要
出版者
一般社団法人 日本総合健診医学会
雑誌
日本総合健診医学会誌 (ISSN:09111840)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.390-397, 1999-12-20 (Released:2010-09-09)
参考文献数
13

眼圧が高い人への生活指導の参考にするため, 眼圧値と人間ドックの各種検査成績を比較検討した。眼圧平均値および高眼圧率 (眼圧が20以上の割合) は女性より男性の方が有意に高かった。血圧や血糖値の高い人の眼圧平均値や高眼圧率は対照より高値で, 男女間の有意差は見られなくなった。脂肪肝や肥満, GOT, GPT, TGの高値も眼圧を高くした。飲酒者は圧倒的に男性に多く, 飲酒男性の高眼圧率は高かった。非飲酒者では高眼圧率や眼圧平均値の男女差はないことから, 高眼圧率や眼圧平均値全体の男女差は男性に多い飲酒によるものと考えられた。高血糖, 高血圧, TG高値, GPT高値, 飲酒, 脂肪肝, 肥満などが重なれば重なるほど高眼圧率は上昇した。また高眼圧症で治療を受けて眼圧が正常となっていても高血糖や高血圧の割合は他の正常眼圧者より高かった。以上のことからこれら諸因子は高眼圧の背景因子, 促進因子あるいは危険因子として重要であり, 高眼圧症は生活習慣病に関連があるのではないかと思われた。したがって高眼圧者に対しては糖尿病, 高血圧, 過度の飲酒, 脂肪肝, 肥満, 高脂血症などを改善するような生活指導を行う必要があると考えられる。