著者
川上 正浩 小城 英子 坂田 浩之 Masahiro KAWAKAMI Eiko KOSHIRO Hiroyuki SAKATA
雑誌
大阪樟蔭女子大学人間科学研究紀要
巻号頁・発行日
vol.9, pp.15-25, 2009-01-31

心霊現象や占い,宇宙人・UFO. 超能力など,現在の科学ではその存在や効果が立証されない が人々に信じられていることのある現象を総括して"不思議現象"と呼ぶ。本研究では,代表的な不思 議現象(血液型による性格診断,宇宙人の存在,超能力の存在,占い,霊の存在,神仏の存在)を取 り上げ,それらを信奉する,あるいは信奉しない理由について検討することを目的とした。それぞれ の対象について,信奉を「はしリか「いいえ」かの 2 件法にて尋ね,これに続いて,その理由を自由記 述にて求めた。大学生 161 名の信奉あるいは非信奉の理由として挙げられた語句をテキストマイニン グを用いて分析し,信奉者と非信奉者との違い,特lこ依拠するメディアの差異について考察した。Paranormal phenomenon is defined as unusual experiences that lack a scientific expla­ nation and are believed in by some people. TFhuhe purpose of this study was to investigate the reasons why university students believe in paranormal phenomenon. Six phenomena: "ABO Blood -Groups Typology","Existence of extraterrestriallife","Existence of super­ natural power","Fortunetelling","Existence of spiritual entities", and "The gods and Buddha",were selected and participants were asked to respond whether they believe it or not that phenomenon,and provide the reason in free format.Hundred and sixty 一 one university students were participated in this questionnaire study. Using text-mining procedure,free description data was analyzed. The results showed that there were some differences between believers and non-believers. The results were discussed in the light of difference of media they referred in believing paranormal phenomena.
著者
坂田 礼子 神宮 英夫
出版者
Japan Society of Kansei Engineering
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18840833)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.49-54, 2014

This study is to clarify the factor of "Kansei" in operation of human interface systems. "Kansei" includes conscious aspect and unconscious aspect. Physiological responses are necessary to evaluate unconscious aspect. In this paper, "<I>sakusaku</I>" feeling at car navigation operation is measured. Relationship between subjective evaluation and, Electrocardiograph measurement and Near Infra- Red Spectroscopy measurement is investigated. Experimental data shows that physiological responses are effective to evaluate unconscious aspect.
著者
坂田 霞 薮田 ひかる 池原 実 近藤 忠
出版者
日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.60, 2013

地球誕生後まもなく形成し今日に至り広く分布する海洋地殻は,地球最古の生態系が存在する環境として着目されていると同時に,初期地球,また地球外惑星における生命存在可能性についての示唆を与える(Edwards et al. 2012).海洋地殻では,海底下を循環する海水と岩石との反応で溶出した様々な元素を栄養源とする微生物が存在すると考えられ(Edwards et al. 2005),そのような岩石-水プロセスが観察できる,貧栄養,低温(10-15℃),速い海水循環が特徴的な北大西洋中央海嶺西翼部North Pondでの地下生命圏探査を行った。本研究では,玄武岩掘削試料中の微生物活動の記録を明らかにする目的で有機物の検出と炭素同位体分析を試みた。
著者
植村 宗則 坂田 一仁 富川 盛雅 Nagao Yoshihiro Ohuchida Kenoki Ieiri Satoshi Akahoshi Tomohiko Hashizume Makoto
出版者
福岡医学会
雑誌
福岡医学雑誌 = Fukuoka acta medica (ISSN:0016254X)
巻号頁・発行日
vol.106, no.7, pp.213-222, 2015-07-25

Introduction: We evaluated the differences in instrument manipulation skills between expert laparoscopic surgeons and novices. Methods : Six expert surgeons who had performed more than 500 laparoscopic surgeries and one skilled instructor at Kyushu University Training Center for Minimally Invasive Surgery, and 20 medical students who had experienced no laparoscopic surgery were enrolled. A new skill assessment task was designed using zippers on an unstable, mobile platform in a box trainer. The examinees were asked to close the zippers, while trying to avoid moving the platform. The path lengths of the tips of the instruments and of the platform were measured, and the performance time was also recorded. Surgical skill score was calculated from the correlation between the path lengths of the instruments and that of the platform, in addition to the performance time. Results : The path lengths of the tips of both instruments and of the platform were significantly shorter in the experts than in the novices (all p < 0.05). The performance time was also significantly shorter for experts than novices (p < 0.05). The surgical skill score was significantly higher for experts than novices (p <0.01). Conclusion : The differences in the instrument manipulation skills between expert laparoscopic surgeons and novices could therefore be evaluated using our surgical skill scoring system.1.はじめに・内視鏡外科手術は従来の開腹手術に比べ切開創が小さく術後回復が早いため,患者に対して利点が多い.他方,術具の操作性が低く,術者にとって負担が大きい上に,高度な技術が要求される.このことから,内視鏡外科手術における手術トレーニングの必要性が認識されつつある.最も一般的なトレーニング方法としてボックストレーナーを用いたトレーニングが挙げられるが,手術手技の客観的な評価系が確立されていないため,指導者が付き添っていない場合,独善的なトレーニングになってしまうことが懸念される.今回我々はBi-Hand Coordination 技術(BHC 技術)が内視鏡外科手術を安全かつ効率的に行う上で重要であることに注目し,それ客観的評価システムを考案したので報告する.2.手法・2.1 対象・コントロール群として内視鏡外科手術経験数500 例以上の医師7 名(Expert 群)と対照群の内視鏡外科手術未経験の医学部生20 名(Novice 群)を被験者とした. 2.2 技術評価モデル・BHC 技術を評価するために,滑りやすい台座上にそれぞれ異なる方向に開閉するジッパーを設置したトレーニングモデルを用いた評価タスクを考案した.モデルと鉗子先端は磁気センサを備え,タスク中のそれぞれの軌跡を計測することが出来る. 2.3 実験方法・初めに,被験者はジッパーの操作を行わずジッパーの上を決められた順番通りになぞる(task1).次に,開いているジッパーを順次閉じていく(task2).task1,task2 とも開始から完遂までの時間および台座と鉗子の軌跡をそれぞれ計測した. 2.4 評価方法および評価関数・第1 の評価として両群間におけるtask2の鉗子先端および台座の移動距離,タスクを完遂するまでの時間を比較した.第2の評価として,task1 における鉗子先端の軌跡とtask2 における鉗子先端の軌跡の差分dI とtask2 における台座の軌跡DS の相関関係から回帰直線を算出し,Expert 群における回帰直線を基準に評価タスク結果を点数化した.評価スコアSは技術点S_I≦50,時間点としてS_T≦50合計100点満点とした.技術点S_FはExpert 群における最小dI をとる相関関数上の点R から切片までの距離l_Rと任付スコア対象の点P から相関関数と垂直に交わる点から切片までの距l_Pを用い,S_I=50l_R/l_Pと定義した.また時間点S_TはExpert 群における最速タイムT_Eと任意の完遂時間T_AよりS_T=50T_E/T_Aとした.統計解析にはt検定をそれぞれ用いた. 3.結果・Expert 群はNovice 群に比べ,鉗子先端の移動距離,台座の移動距離が有意に小さく,タスクを有意に早く完遂することができた.task1 における鉗子先端の軌跡とtask2 における鉗子先端の軌跡の差分とtask2 における台座の軌跡の相関関係を比較したところ両群間に相関が認めたが,Expert 群はより強い関係を示した評価タスク結果を点数化するためのExpert群における回帰直線は,相関係数0.40(p <0.01),切片-0.60,決定係数0.92(p < 0.01)であった.評価スコアは,Expert 群61.1 ±21.9,Novice 群40.3 ± 15.7 でありExpert 群は有意にNovice 群より高得点であった.4.むすび・評価システムは内視鏡外科手術におけるBHC 技術の客観的評価系になりうると考えられた.
著者
原田 達也 坂田 晶子 森 武俊 佐藤 知正
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.2000, 2000

本研究では, 睡眠中生理量を無拘束かつ小型の装置で計測することを目的とする。具体的には等間隔に並べた圧力センサを枕の下に入れ, 圧力値をワンチップマイコンでA/D変換し, 同室のPCに無線で送る。PC上では呼吸数, 寝返り数を計測するアルゴリズムの構築を試みた。実験では, 医療用生理量計測機器とビデオカメラで睡眠中の寝返り数, 呼吸数を計測し, センサ枕による計測結果と比較する。また簡単なモデルを用いて, 呼吸に伴う頭部の圧力値変化を考察する。
著者
坂田 光
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.129, 2012 (Released:2012-06-11)

鳥蟲書は、春秋戦国時代の中国大陸のうち、主に南方で用いられた宗教的装飾書体である。青銅などの金属器に鋳造された金文書体であり、中でも戈を始めとする武器に用いられた例が多い。 鳥蟲書は、典型的な三つの特徴を持つ。まず、黄河流域で用いられた金文に比べて字画が大きく歪められ屈曲していることである。そして、縦長のプロポーションを持つこと、字画に鳥を始めとする人獣の姿が抽象的な装飾として融合されていることである。「鳥蟲書」とは、鳥や蟲(蟲は、中国においてはあらゆる生物を含む)の書という意味である。 鳥蟲書は、その奇抜さから書道史や歴史学上注目されることがなく、理解しがたい文字とされてきた。しかし筆者は、古代の造形にも、我々が今日行なっているデザインと同様の工夫を発見することができると考える。この研究では、鳥蟲書の外形的特徴であるプロポーションの変形について分析し、特にその最大のものである線の屈曲の効果と由来について考察した。
著者
坂田 真穂 竹田 眞理子
出版者
和歌山大学
雑誌
和歌山大学教育学部紀要. 教育科学 (ISSN:13425331)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.9-14, 2007-02-28

不登校の面接では、不登校生徒本人よりもその保護者が来談することが多く、学校現場では、さまざまなニーズに応じた取り組みが期待されるため、個人心理療法に固執していては問題の解決が困難な場合がある。また、学校におけるカウンセリングでは比較的短期に結果を出すことが求められるため、家族療法など、直接的介入が必要となるケースも少なくない。本研究は、定時制高校に通う不登校男子生徒の両親とのスクールカウンセリング(カウンセラー : 第一著者による)について、家族療法的視点からその過程をまとめ、考察を行ったものである。本研究では、スクールカウンセラーが不登校生徒の両親を対象に夫婦サブシステムを強化する形で家族システムに介入し、また、不登校を起こさせる関わりのパターンを断ち切るよう取り組んだ。その事例を紹介しながら、スクールカウンセラーとして、学校現場でどこまで家族療法的なアプローチが可能であるのかについて考察した。
著者
石塚 光洋 塩崎 裕也 折口 貴彦 坂田 一朗
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.34, no.30, pp.13-16, 2010-07-23

3DフルHDプラズマディスプレイを実現するため、3D化に必要な技術として、パネル性能向上を目的としたセルデザインと材料を新規開発した。また併せて3D表示時のクロストークを低減する新たな駆動方法を開発した。これらの技術内容を紹介する。
著者
川上 正浩 坂田 浩之 Masahiro KAWAKAMI Hiroyuki SAKATA
雑誌
大阪樟蔭女子大学研究紀要
巻号頁・発行日
vol.6, 2016-01-31

全項目を対象に因子分析を繰り返し、10 因子解 (73 項目:表1)を採用した。第1 因子はメディアで 喧伝される不思議現象に対する懐疑である"懐疑"因 子、第2 因子は神仏や霊の存在を信奉する"スピリチュ アリティ信奉"因子、第3 因子は不思議現象を楽しむ 態度である"娯楽的享受"因子、第4 因子は占いやお まじないを嗜好する"占い・呪術嗜好性"因子、第5 因子は自ら知覚する社会的現実を根拠に宇宙人や霊の 存在を否定する"社会的現実を根拠とした否定"因子、 第6 因子は霊体験の有無を表す"霊体験"因子、第7 因子は血液型性格判断に端を発する社会的問題を危惧 する"血液型性格判断に対する批判"因子、第8 因子 は事件の件数等の事実に基づき、霊や霊能力の存在を 否定する"事件の頻度を根拠とした否定"因子、第9 因子は不思議現象に対する恐怖である"恐怖"因子、 第10 因子は問題の原因を前世に帰属することに対す る否定的な"前世帰属に対する否定"因子であると解 釈された。以上の10 因子は、旧尺度の6 下位尺度に、 社会的現実を根拠とした否定、血液型性格判断に対す る批判、事件の頻度を根拠とした否定、前世帰属に対 する否定の4 下位尺度を加えたものであると解釈でき る。 *この研究は、日本心理学会第79 回大会において発 表された。
著者
坂田 宏 丸山 静男
出版者
Japanese Society of Environmental Infections
雑誌
環境感染 (ISSN:09183337)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.5-8, 1991

1990年9月から12月までにNICUに届けられ, 冷凍庫に1~6日間保管した凍結保存人乳100検体, 当日調乳した人工ミルク30検体, 凍結保存人乳で栄養された極小未熟児・超未熟児15名からの糞便を, のべ60検体を採取し細菌培養を行った.<BR>凍結保存人乳の98例から<I>Staphylococcus epidermidis</I>が検出され, うち86例は10<SUP>3</SUP> CFU/m<I>l</I>以上の菌数であった.<I>Staphylococcus aureus</I>は5例から検出され, 4例は10<SUP>3</SUP> CFU/m<I>l</I>以下の菌数であった. グラム陰性桿菌は15例から9菌種24株が分離された. もっとも多かったのが<I>Klebsiella pmeurmoniae</I>で8例, ついで<I>Acinetobacter calcoaceticus</I> 5例であった. 10<SUP>3</SUP> CFU/m<I>l</I>以上の菌数で検出されたグラム陰性桿菌は12例17株あり, 10<SUP>4</SUP> CFU/m<I>l</I>以上の菌数を示したのは4例4株で, <I>K. pneumoniae</I> 2例と<I>A. calcoaceticus</I> 2例であった. <I>Candida</I>は4例から10<SUP>2</SUP> CFU/m<I>l</I>以下の菌数で検出された. 調乳した人工ミルクでは<I>S. epidermidis</I>が4例に10<SUP>2</SUP> CFU/m<I>l</I>以下の菌数で検出された.<BR>糞便から検出されたグラム陰性桿菌では<I>Escherichia coli, Enterobacter cloacae, K. pneumoniae, A. calcoaceticus</I>が10%以上の検出率であった. その他の凍結保存人乳から検出された菌種は検出率は低かったがすべて糞便からも検出された.
著者
楊 雲輝 坂田 和実 鈴木 文明 新貝 鉚蔵
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.685, pp.137-139, 2001-03-15

線虫 Caenorhabditis elegansのシナプス結合は、White らの電子顕微鏡を用いた研究によって明らかにされている。線虫の頭部にある神経環では、神経突起が環状に密集し多数のシナプス結合が存在し、その周囲には多数の神経細胞が存在する。これまでの種々の実験結果から、神経環・それを構成する神経細胞群が C. elegansの中枢機能を果たしていることが示されている。本研究では、White らのデータを利用し、更にC. elegansと類似の神経回路を持つAscaris suumの電気生理学データを基にすることで、神経環回路のシミュレーションを行った。