著者
杉山 悟 東 信良 孟 真 保田 知生 市来 正隆 佐久田 斉 松原 忍 八杉 巧 山田 典一 三井 信介 八巻 隆 岩田 博英 坂田 雅宏 佐戸川 弘之 菅野 範英 西部 俊哉
出版者
日本静脈学会
雑誌
静脈学 (ISSN:09157395)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.403-409, 2014 (Released:2014-11-25)
参考文献数
6
被引用文献数
7 2

要約:全国的には今まで十分な調査が行われていていなかった弾性ストッキングの使用状況と合併症の実態について,本学会の弾性ストッキング・コンダクター養成委員会とサーベイ委員会により調査を行った.192 施設からの有効回答があり,重大な合併症として,神経障害6 施設,潰瘍形成20 施設,下腿切断1 施設(心不全合併),肺塞栓2 施設,合計で28 施設(15%)からの報告があった.弾性ストッキングの適切な使用のためには,正しい理解の広い啓蒙が必要である.患者に対し圧迫療法を適切に指導するために,日本静脈学会が資格として認定しているストッキング・コンダクターの有資格者を中心とした医療スタッフによる適切な指導と経過観察が重要である.
著者
坂田 礼子 石川 美穂 古橋 拓也 代田 光宏 松本 崇 神宮 英夫
出版者
日本官能評価学会
雑誌
日本官能評価学会誌 (ISSN:1342906X)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.89-95, 2014-10-15 (Released:2015-10-15)
参考文献数
6

This study is designed to clarify sensation in Human Interface Systems based on sensory evaluation and measurement of physiological responses. This paper describes the measurement of the feeling of ‘invigoration’ under artificial ventilation. In addition, the relationship between sensory evaluation and physiological responses is investigated. (Physiological responses include facial skin temperature and sympathetic nerve activity index.) Experimental data shows that, under certain conditions, the sympathetic nerve activity index can be used as a quantitative measure of the feeling of ‘invigoration’ under artificial winds. As a result, under conditions that expose the whole body or the lower body to wind, the sympathetic nerve activity index corresponds with the feeling of ‘invigoration’ as evaluated by thermal and comfort sensory assessments. However, under conditions that expose only the upper body to wind, it is thought that negative feelings associated with wind on one’s face negatively influence the sensory evaluation index. Therefore, in these situations, sensory evaluation does not correspond with the sympathetic nerve activity index.
著者
橋口 裕樹 熊野 良平 山田 恵一 竹山 成奎 坂田 豊博 大野 栄三郎
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.64, no.9, pp.1572-1578, 2022 (Released:2022-09-20)
参考文献数
20

症例は73歳男性.主膵管内の膵石を伴うアルコール性慢性膵炎で定期通院中.自宅にて突然,心窩部痛を認め,改善がみられないため当科を受診した.CT検査でVater乳頭部に10mm大の膵石を認め,同部位を閉塞起点とした総胆管および主膵管の拡張を認め,膵石嵌頓による閉塞性黄疸および急性胆管炎,急性膵炎と診断した.緊急ERCPでは乳白色調の膵石が膵管開口部から露出しており,緊急で内視鏡的膵管口切開術およびバルーンカテーテルを用いた膵石除去術を施行したところ症状改善を得た.
著者
半田 智子 柳沢 侑子 南 藍子 竹ノ内 敏孝 坂田 穣 村山 純一郎 原 和夫 前田 正輝 加藤 裕久
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.35-46, 2014-01-10 (Released:2015-01-10)
参考文献数
8

The continual development of mobile technology and spread of mobile devices have led to the use of personal digital assistants (PDAs) in medical fields. In this report, we describe the applications of PDAs, such as smartphones, in pharmaceutical practice.Participants included pharmacists in university hospitals (n = 121), community pharmacies (n = 100), and 6th-year pharmacy students (n = 166) who had already successfully completed their clinical rotations. We conducted questionnaires regarding PDA use frequency and interest in future PDA use, which were evaluated using 4-point scales. These two variables were compared statistically between the university hospital pharmacists and community pharmacists. The data from the pharmacy students were analyzed separately using descriptive statistics.For university hospital pharmacists, the top use for PDAs was as a personal scheduler; for community pharmacists, it was as a dispensing error prevention system. Most university hospital pharmacists reported high interest in future PDA use, mainly for obtaining practice guidelines and obtaining package insert information, while community pharmacists would use PDAs to obtain package insert information. For pharmacy students, PDAs were most often used to obtain package insert information; furthermore, pharmacy students showed high interest in future PDA use during hospital and pharmacy clinical rotations.As six interests regarding the use of PDAs in future pharmaceutical practice differed between the university hospital and community pharmacists (P < 0.05), PDA software applications should be tailored for each medical setting.
著者
木名瀬 高嗣 坂田 美奈子 山崎 幸治 ウィンチェスター マーク 長岡 伸一 喜多 香織
出版者
東京理科大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

本研究は、アイヌ-和人の民族関係史について文化人類学の観点から再構築を企図したものである。そのため、言論・社会運動、アイヌ文化研究、およびメディアの表象という3つの側面から、近・現代日本においてアイヌ・和人の双方に形作られてきた自己/他者認識の相互作用を主要な焦点と位置付け、それらの歴史的な展開相について批判的に検討するとともに、こうした問題系をアイヌをめぐる〈近代〉に対する実践的アプローチへと接合するために必要な基礎的情報の整備を行った
著者
森田 学 鶴見 真由美 平岩 弘 坂田 真理子 岸本 悦央 近藤 充宏 渡邊 達夫
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.205-210, 1987-03-28 (Released:2010-08-25)
参考文献数
21
被引用文献数
3 2

歯口清掃による歯の動揺度の改善を, より客観的に評価することを日的として, 動揺度測定装置 (TMC-01) を考案し, 臨床応用を試みた。この装置は, 歯を水平方向に移動させるのに必要な荷重を連続量 (g) で表示するものである。外来患者20名 (被検歯総数216本) を対象に, 来院時毎に, 徹底した歯口清掃と歯間部の清掃を主日的とした刷掃指導を行った。動揺度は, 初診時, 2週, 4週, 8週後にTMC-01を用いて測定し, 同時にプラーク付着状態も診査した。その結果, (1) 動揺歯の荷重平均は, 初診時101g, 2週後141g, 4週後147g, 8週後157gであり, 短期間のうちに著明な改善が認められた。 (2) 2週後で74%, 8週後で85%の動揺歯に改善が認められた。 (3) 初診時, 79g以下の力で動揺を示した歯は, 2週以後の改善傾向が減少したが, 809以上の力で動揺を認めた歯は, 期間全体を通じて改善した。以上より今回用いた装置は, 動揺度の測定に応用できる可能性が示唆された。
著者
寺本 大翼 潮田 悠一 佐々木 絢加 櫻井 佑樹 長濱 宏史 中村 麻名美 杉森 博行 坂田 元道
出版者
公益社団法人 日本放射線技術学会
雑誌
日本放射線技術学会雑誌 (ISSN:03694305)
巻号頁・発行日
vol.69, no.10, pp.1146-1152, 2013-10-20 (Released:2013-10-21)
参考文献数
13
被引用文献数
1

Various custom-made phantoms designed to optimize magnetic resonance imaging (MRI) sequences have been created and subsequently reported in JSRT. However, custom-made phantoms that correctly match the T1-value and T2-values of human brain tissue (gray matter and white matter) cannot be made easily or quickly. The aim of this project was to search for alternative materials, such as fruits and vegetables, for optimizing MRI sequences. The following eight fruits and vegetables were investigated: apple, tomato, melon, apple mango (Mangifera indica), banana, avocado, peach, and eggplant. Their potential was studied for use in modeling phantoms of normal human brain tissues. MRI (T1- and T2-weighted sequences) was performed on the human brain and the fruits and vegetables using various concentrations of contrast medium (gadolinium) in the same size tubes as the custom-made phantom. The authors compared the signal intensity (SI) in human brain tissue (gray matter and white matter) with that of the fruits and the custom-made phantom. The T1 and T2 values were measured for banana tissue and compared with those for human brain tissue in the literature. Our results indicated that banana tissue is similar to human brain tissue (both gray matter and white matter). Banana tissue can thus be employed as an alternative phantom for the human brain for the purpose of MRI.
著者
相川 慎也 芦原 貴司 天野 晃 有末 伊織 安藤 譲二 伊井 仁志 出江 紳一 伊東 保志 稲田 慎 井上 雅仁 今井 健 岩下 篤司 上村 和紀 内野 詠一郎 宇野 友貴 江村 拓人 大内田 研宙 大城 理 太田 淳 太田 岳 大谷 智仁 大家 渓 岡 崇史 岡崎 哲三 岡本 和也 岡山 慶太 小倉 正恒 小山 大介 海住 太郎 片山 統裕 勝田 稔三 加藤 雄樹 加納 慎一郎 鎌倉 令 亀田 成司 河添 悦昌 河野 喬仁 紀ノ定 保臣 木村 映善 木村 真之 粂 直人 藏富 壮留 黒田 知宏 小島 諒介 小西 有人 此内 緑 小林 哲生 坂田 泰史 朔 啓太 篠原 一彦 白記 達也 代田 悠一郎 杉山 治 鈴木 隆文 鈴木 英夫 外海 洋平 高橋 宏和 田代 洋行 田村 寛 寺澤 靖雄 飛松 省三 戸伏 倫之 中沢 一雄 中村 大輔 西川 拓也 西本 伸志 野村 泰伸 羽山 陽介 原口 亮 日比野 浩 平木 秀輔 平野 諒司 深山 理 稲岡 秀検 堀江 亮太 松村 泰志 松本 繁巳 溝手 勇 向井 正和 牟田口 淳 門司 恵介 百瀬 桂子 八木 哲也 柳原 一照 山口 陽平 山田 直生 山本 希美子 湯本 真人 横田 慎一郎 吉原 博幸 江藤 正俊 大城 理 岡山 慶太 川田 徹 紀ノ岡 正博 黒田 知宏 坂田 泰史 杉町 勝 中沢 一雄 中島 一樹 成瀬 恵治 橋爪 誠 原口 亮 平田 雅之 福岡 豊 不二門 尚 村田 正治 守本 祐司 横澤 宏一 吉田 正樹 和田 成生
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.Dictionary.1, pp.1-603, 2022 (Released:2022-03-31)
著者
高口 央 坂田 桐子 黒川 正流
出版者
The Japanese Group Dynamics Association
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.40-54, 2002-09-30 (Released:2010-06-04)
参考文献数
29
被引用文献数
2 1

本研究では, 集団間葛藤・協力の文脈からなる仮想世界ゲームを用いて, 複数のリーダーによるリーダーシップが, 集団にどのような影響を及ぼすのかを検討した。各集団における公的役割を持ったリーダーを公式リーダーとし, 集団内の1/3以上の成員から影響力があると評価された人物を非公式リーダーとした。両リーダーのリーダーシップ発揮形態に基づき, 全集団を次に挙げる2つの基準で5つに分類した。分類の基準は, a非公式リーダーの有無, bリーダーシップ行動 (P機能と集団内M機能, 及び集団間M機能が統合された形 (PMM) で発揮されているか) であった。この分担形態を用いて, 集団へのアイデンティティ, 個人資産について検討を行った。さらに, 本研究では, 集団間文脈において検討を行ったため, 特にリーダーシップの効果性指標として, 他集団からの評価, 集団間関係の認知を採用し, それらについても検討を行った。その結果, 複数のリーダーによってリーダーシップが完全な形で発揮された分担統合型の集団が, もっとも望ましい状態にあることが示された。よって, 集団間状況においては, 複数リーダーによるリーダーシップの発揮がより効果的であることが示唆された。
著者
坂田 俊文
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.122, no.5, pp.732-737, 2019-05-20 (Released:2019-06-12)
参考文献数
14

耳閉感とは「耳がつまった」,「耳がふさがった」,「何かに覆われた」などと訴えられる聴覚異常感である. 外耳疾患, 中耳・耳管疾患だけでなく, 内耳疾患, 後迷路疾患でも発現し得る. 多くの症例では耳閉感以外の症状や諸検査によって比較的容易に診断できる. 一方, オージオグラムで低音障害を示すものと無難聴例では確定診断が得られ難いことがある. 容易に診断がつかない場合には, 耳管機能不全と急性低音障害型感音難聴の可能性を継続的に観察する. 耳管機能不全では鼻すすり型を含めた耳管開放症を診断するため, 耳管閉鎖処置や耳管開放処置などを行いながら, 耳閉感の変化や鼓膜所見の変化を観察する. また, 急性低音障害型感音難聴は自覚症状があってもオージオグラムが正常な時期があるので, 純音聴力検査で低音障害を捕らえるまで一定期間観察する. また, 低音障害がある場合はグリセロールテストも有用である. ちなみに低音障害の気骨導差は伝音障害と感音障害の鑑別に必ずしも有用でない. これらのほかに診断しにくい疾患としては, 上半規管裂隙症候群, 乳突蜂巣内の慢性炎症, 顎関節症などがあり, 慢性的な感音難聴も耳閉感の原因となる. 耳閉感を訴える患者の中には診断困難な例や, 診断できても難治な例があり, 少なからず QOL を悪化させる. 耳閉感の早期改善や完全消失が困難な場合には, 疾患に対する十分な説明が必要であるほか, 認知行動療法の要素を取り入れた診療, TRT 療法など耳鳴治療に準じた対応が有用な例がある. 聴覚補償が必要な難聴があれば, 補聴器適合が望ましく, 耳閉感を克服しやすくなる. 耳閉感の苦痛が強い患者は, 少なからず失聴恐怖や破局視などを抱えていることがあるので, 適切な情報提供により正しい認知が得られるよう導くことも大切である.
著者
中澤 努 長 郁夫 坂田 健太郎 中里 裕臣 本郷 美佐緒 納谷 友規 野々垣 進 中山 俊雄
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.125, no.5, pp.367-385, 2019-05-15 (Released:2019-08-15)
参考文献数
68
被引用文献数
7 12

東京都世田谷区の武蔵野台地の下に分布する更新統世田谷層及び東京層の層序と地盤震動特性について検討した.世田谷層はMIS 6に開析された谷地形をMIS 5e前期~中期に埋積した地層であり,内湾成の軟らかい泥層を主体とする.一方,この地域の東京層は,MIS 5e中期?~後期の湾奥で形成された砂層などからなり,世田谷層とは対照的に広範囲に比較的平坦に分布する.常時微動観測により,段丘礫層を伴わず世田谷層が厚く分布する地域では,1Hzにピークをもつ地盤震動特性が示された.首都圏の地盤リスクを考えるとき,世田谷層をはじめとする台地の下のMIS 6開析谷埋積層の分布に注視する必要がある.
著者
鮫島 弘光 坂田 宏志
出版者
兵庫県森林動物研究センター
巻号頁・発行日
no.1, pp.66-77, 2009 (Released:2017-11-16)

・アライグマの原産地はメキシコ、アメリカ合衆国、カナダである。・原産地では、アライグマは重要な狩猟獣であり、アメリカだけで毎年数百万頭が捕獲されている。・生活被害や農業被害をもたらす有害獣や人畜共通感染症のホストとしても、捕獲されている。・アライグマは、鳥類やウミガメの集団営巣地で強い食害を与えているために、捕獲されている事例もある。・外来哺乳類による農業被害、生態系被害は、全世界で発生しており、根絶や個体数密度の抑制の対策が数多く行われている。・成功した根絶プロジェクトとして、大規模なものはイギリスにおけるマスクラット、ヌートリアの根絶があるが、多くは島嶼や小面積の保護区で行われたものである。・アライグマは、ヨーロッパ、中米にも移入されている。狩猟対象となっている一方、一部は農業被害や感染症の予防のために捕獲されている。・根絶が理想的な管理方法であるが、実際は実現可能性、費用対効果の観点から個体数密度の抑制を目標としている管理プログラムもある。・日本への移入は1960年代に始まり、近年急激に分布を拡大している。・分布の拡大とともに甚大な農業被害や生活被害を及ぼしている。また捕食・競争による生態系への影響も懸念されている。・このため、各都道府県、市町村で対策が進められはじめている。
著者
来住野 麻美 坂田 淳 玉置 龍也
出版者
一般社団法人 日本アスレティックトレーニング学会
雑誌
日本アスレティックトレーニング学会誌 (ISSN:24326623)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.59-65, 2021-10-31 (Released:2021-11-26)
参考文献数
16

本研究は,股関節機能と投球動作中の下肢キネマティクスに着目し,肘内側障害に影響を及ぼす因子を前向きに検討した.学童期野球投手61名の投球動作を三次元動作計測システムと床反力計を用いて計測した.その後1年間,肘内側障害発生を調査し,各パラメータを発生群と非発生群で比較分析した.次に動作中のキネマティクスが障害を予測できるかロジスティック回帰分析を用いて検討した.障害発生率は29.5%で,ロジスティック回帰分析の結果よりFC時の軸足膝関節内外反が障害発生を有意に予測できる(OR=0.901,CI: 0.816 - 0.995,p=0.039)とされた.以上より学童期の肘内側障害予防においては軸足機能の評価・介入が重要である可能性が示唆された.
著者
山本 好和 熊沢 敦子 坂田 佳子 木下 靖浩 片山 明
出版者
日本蠶絲學會
雑誌
日本蠶絲學雜誌 (ISSN:00372455)
巻号頁・発行日
vol.71, no.1, pp.27-31, 2002-04-30
参考文献数
8
被引用文献数
2

マダガスカル島原産の観賞用植物であるハナキリンを組織培養することによって生産された単一のアントシアニン (シアニジン-3-アラビノシド) で, アニオン化された絹を染色した。被染素材としてアニオン化された絹を用いることで, 鮮やかな赤色を呈するフラビリウムカチオンが濃着染色されること, およびカチオン色素が繊維中で安定化することを明らかにした。また, フラビリウムカチオンが染色したアニオン化絹に対する種々の金属塩による後媒染および耐光性への影響を調べた。