著者
安高 真一郎 堀岡 久喜 安達 康生
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第29回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.92, 2013 (Released:2015-01-24)

時間割の作成は、組合最適化問題の一つである。また、その組合せは教室の大きさや教員と学生数、授業の数など様々な要素により最適解を求めることが困難となる。本研究では、進化型計算手法として近年注目を集めている差分進化Differential Evolution (DE)を用い、効率よく質のよい準最適解を求める手法を提案する。
著者
堀内 亮 西田 崇大 山本 啓太 薬師寺 あかり 長竹 教夫 安井 玲子 早川 達郎 海老根 いく子
出版者
Japanese Society of National Medical Services
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.61, no.9, pp.609-612, 2007

本稿では患者の治療への動機付けおよび地域生活への移行に, ソーシャルワーカー: Social Worker (SW)主導のケース・カンファレンス:Case conference (SWCC)が有効であったケースを報告する. 患者は30代の女性. 診断は統合失調症. 入院前は子供4人とアパート生活を送っていたが, 幻覚妄想状態のため当院精神科へ医療保護入院となった. 入院後, 幻覚妄想の状態が継続し, 服薬を拒否するなど入院治療に強い抵抗を示していた. SWは早期介入を判断し, 面接を重ね, 幻聴や妄想の背景に子供への心配が影響していると考えた. そして, 患者への理解を共有し, 子供の養育環境調整を目的にSWCCの提案を行った. 入院23日目に患者, 家族, 医療スタッフ, 地域保健福祉関係者を交えSWCCを行い, 患者の希望である"子供たちとの生活"を尊重した. SWCC後から, 患者は入院治療や服薬に対する不安を看護師や医師に素直に話す姿がみられ, 服薬の拒否はなくなった. 入院時は母親としての子供に対する愛情と責任を感じながらも不安を表出できず治療を拒否していた患者が, 退院時には大きく変化していた.<br>本症例にみられるように, 治療への抵抗の要因に社会的な問題がある事例は少なくない. そのため, SWの早期介入によって患者が抱える心理・社会的な問題の解決を援助する必要がある. 社会的問題の解決を援助する方法として, 入院早期からの患者が参加したSWCCが重要な意味を持っていたと考える. そこで患者自身が参加することにどのような意味があったのかを振り返り, "SWCCの患者にとっての意味", "SWCCとSWの役割"について考察した.
著者
堀田正敦 編
出版者
巻号頁・発行日
vol.[195],
著者
堀内 進之介
出版者
首都大学東京・都立大学社会学研究会
雑誌
社会学論考
巻号頁・発行日
no.32, pp.29-54, 2011-10-01

本稿の目的は,フランクフルト学派の第三世代として知られるアクセル・ホネットの批判的社会理論の可能性と限界を考察することにある.彼は,批判的社会理論の創始者たちから,社会批判のための「学的反省に先立つ解放の審級」という観点を受け継ぎながら,同時に,第二世代であるユルゲン・ハーパーマスによって切り聞かれたコミュニケーション論的転回という地平も重視している.しかし, ホネットは,ハーパーマスがその地平を語用論による言語分析の方向に展開したことを批判し,それはむしろ人間学的な承認論の方向に展開されるべきであると論じている.その際,彼は創始者たちが重視し,ハーパーマスが軽視した「社会的労働J を,再度,承認論の観点から「学的反省に先立つ解放の審級J として捉え直そうと試みている.すなわちホネットは,社会的労働における承認の期待が損なわれるという経験が,社会的不正の経験の根底にあるということを示そうとしているわけである.しかしながら,こうした試みが成功を収めるためには,r労働者の主体性J を生産効率の鍵と見なす現代の労働環境の下では,労働における「真の承認J と「偽の承認J とを区別できなければならない.しかし,それは相当な困難を伴うように思われる.では,社会批判の可能性の条件とはどのようなものか,本稿ではこの点も若干ではあるが検討しておきたい.
著者
白土 堀越 東子 武田 直和
出版者
日本ウイルス学会
雑誌
ウイルス (ISSN:00426857)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.181-190, 2007-12-22
参考文献数
27
被引用文献数
1 2

ノロウイルス(NoV)は世界各地で発生しているウイルス性下痢症の主たる原因ウイルスである.少なくとも33遺伝子型を有し,極めて多様性を持った集団として存在する.近年,NoVのプロトタイプであるNorwalk/68(NV/68)株が血液型抗原であるH(O),A,Le<SUP>b</SUP>型抗原に吸着することが明らかになった.血液型抗原とは抗原構造をもった糖鎖の総称であり,ヒトの赤血球表面だけでなく,NoVが標的とするであろう腸管上皮細胞にも発現されている.血液型抗原の合成に関与するフコース転位酵素の一つであるFUT2(Se)酵素をコードする<I>FUT2</I>遺伝子が活性型のヒトでは血液型抗原が腸管上皮細胞に発現されている(分泌型個体).これに対しSe遺伝子が変異により不活化すると,血液型抗原は上皮細胞に発現されなくなる(非分泌型個体).NV/68株をボランティアに感染させると分泌型個体で感染が成立し非分泌型個体では成立しない.さらに血液型間で感染率を比較検討すると,O型のヒトでの感染率が高くB型では感染率が低いことが報告されている.しかし,その一方でNoVに属するすべてのウイルス株がNV/68と同じ血液型抗原を認識するわけではないことが明らかになってきた.GII/4遺伝子型は他の遺伝子型に比べ結合できる血液型抗原の種類が多く,またそれぞれの血液型抗原への結合力も強いことがin vitro binding assay,疫学研究の両面から証明されている.この遺伝子型は,日本も含め世界中で流行している株であるが,その伝播力についても答えが出ていない.直接的な証明はまだなされていないものの,GII/4遺伝子型株の血液型抗原への結合力の強さが伝播力の強さに結びついている可能性が大きい.血液型抗原への吸着をスタートとしたNoVの感染が,その後,どの様なメカニズムによって下痢症発症にまで結びつくのか,解明が待たれる.
著者
堀 靖人 石崎 涼子 久保山 裕史 平野 均一郎
出版者
林業経済学会
雑誌
林業経済研究 (ISSN:02851598)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.45-54, 2013-03
参考文献数
18
被引用文献数
1

ドイツの森林組合は日本の森林組合と同じように,小生産者の経済的不利益を協同によって克服することを目的とする。これに対してイザール・レッヒ森林組合は,中規模の森林所有者を組合員として新たに設立された新しいタイプの森林組合である。本稿は,当森林組合の聞き取り調査を元に,森林組合の活動内容と設立経緯を明らかにし,当森林組合のドイツ林業における意義を考察することを目的とする。当森林組合は1992年に設立された。組合員数は現在43名で,組合員の平均所有面積規模は650haで規模の大きな所有者からなる。当森林組合の最も重要な業務は,木材販売である。当森林組合の組合員数,木材販売量ともに拡大している。当森林組合は,中規模の森林所有者の森林組合であるという特徴の他,バイエルン州全域を対象とした広域の森林組合であるという特徴を持つ。当森林組合の意義として,(1)風害による木材価格の低迷,経営管理費用の増大による中規模森林経営の悪化への処方箋,(2)製材業の生産集中化に対する供給側としての対応,(3)中規模専用の森林組合として既存の森林組合との併存と機能分化があげられる。
著者
堀 靖治 久下 陽子 川崎 祥二 角田 茂
出版者
Japanese Society for Thermal Medicine
雑誌
日本ハイパーサーミア学会誌 (ISSN:09112529)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.251-257, 1998
被引用文献数
1

現在, ガンの治療には放射線療法と化学療法が有力と考えられている.しかし副作用の為に患者に苦痛を強いることになる.この事から考えて温熱療法と抗ガン剤の併用が有効であると考えられる.この研究の目的はマウス白血病細胞 (L-1210, L-5178YとM-10) を用いてアドレアマイシン (20μM) を細胞に加えた状態で温熱 (44℃) を試みた.これは細胞レベルでの基礎的な実験である.また, 殺細胞効果の判定にはトリパンブルーの染色性で求めた.細胞へのアドレアマイシンの取り込みはフローサイトメーターで測定した.アドレアマイシンおよび温熱処理後の細胞径の変化をコールター・カウンター・チャネライザーで測定した.以上の結果からアドレアマイシンおよび温熱処理による細胞死は "アポトーシス" であることが示唆された.
著者
堀 憲次
出版者
公益社団法人 日本化学会・情報化学部会
雑誌
ケモインフォマティクス討論会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.42-45, 2015

我々は研究や分子化学教育の現場における量子化学計算結果の利用を容易にするため、理論計算結果を集めたデータベース(QMRDB)の構築を行ってきた。このシステムは、WebブラウザとPostgreSQLを使用し、php言語で記述され、ネットワークを介してどこからでも容易にアクセスが可能である。分子名やキーワードによる検索だけではなく、OpenBabelを用いた構造検索機能も実装している。このデータベースの利用を促すためには、データ数増加やそれらの正確性を担保することは重要である。その目的で、データ登録作業の効率向上を目指したWebブラウザベースのプログラム開発をおこなった。更に、QMRDB中データを反応記述子で関連付けることにより、遷移状態データベース(TSDB)も構築している。このデータベースは、TOSP等の合成経路設計システムが網羅的に発生する合成経路で目的化合物が合成できるかどうか検証を行う理論計算(in silicoスクリーニング)を支援するために利用される。

1 0 0 0 OA 扶桑名画伝

著者
堀直格
出版者
巻号頁・発行日
vol.[22],
著者
岩堀 由裕 水野 信也
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2017-IOT-38, no.7, pp.1-7, 2017-06-17

静岡理工科大学では現在脆弱であった情報基盤の整備を進めている.これには当然ながらコスト削減も必要であるが,教育機関として役割を果たすために次のような観点で計画を進めている.(i) 教育にフィードバックできる情報基盤の作成,情報基盤は見えない部分が多く,学生にとっては内部でどのような処理がなされているか見えない部分が多い.これには可視化が欠かすことができず,WiFi やウイルス対策状況など可視化しフィードバックをしている.またデータセンターの見学も行い,実際の運用環境を見ながら教育を実施している.(ii) クラウド環境利用の取り組み,クラウド ・ コンピューティングの環境は様々な場面で利用されているが,本学では教育クラウド環境と呼び,多くの学生に利用されている.また教員にもバックアップを個々で管理できるような環境が整備されている.クラウドの利点を活かし,幅広い利用を実施している.(iii) 情報基盤データの IR 利用,IR の重要性が高まる中,情報基盤データを IR に利用する取り組みをしている.学内には様々なデータがあるが,そのデータ整合性を取るために Office 365 を用いた統合認証環境を導入した.今後 IR を活用し,教育にフィードバックしていく.本研究では現在の取り組みをコストや可用性の面だけでなく,教育への貢献の面からも議論していく.
著者
大島 理恵子 堀田 佐知子 近田 敬子 鵜山 治 Rieko OSHIMA Sachiko HORITA Keiko CHIKATA Osamu UYAMA 兵庫県立大学看護学部 実践基礎看護講座看護病態学 兵庫県立大学大学院看護学研究科修士課程看護病態学専攻 園田学園女子大学人間看護学科 兵庫県立大学看護学部 実践基礎看護講座看護病態学 Nursing Pathobiology College of Nursing Art and Science University of Hyogo Graduate School of Nursing Art and Science University of Hyogo Department of Human Nursing Sonoda Women's University Nursing Pathobiology College of Nursing Art and Science University of Hyogo
出版者
兵庫県立大学看護学部
雑誌
兵庫県立大学看護学部紀要 = University of Hyogo College of Nursing art and Science bulletin (ISSN:13498991)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.51-61, 2006-03-15

本研究の目的は、「まちの保健室」を訪れる地域住民の睡眠の実態を調査するとともに、睡眠相談の活動方法を検討することである。研究協力者はH大学「まちの保健室」に来訪した男女102名(平均年齢55.9歳)で、質問紙調査を行った。また、個別睡眠相談を利用した女性17名(平均年齢60.9歳)には、アクチウォッチを用いた個別相談と介入を行いその反応について分析した。得られた結果は以下のとおりである。1)質問紙調査の判定で睡眠が良好だった人は49.0%、要注意の人は21.6%、不眠の疑いがある人は29.4%で、「まちの保健室」に来訪した人の約5割は、睡眠に関して何らかの問題や不満を抱えていた。2)個別睡眠相談来訪者の主な相談内容は、寝つきが悪い、中途覚醒がある、いびき、ほてり、自己の睡眠の測定などで、「不眠の悩みを相談しやすい状況をつくる」、「介入のきっかけの一つとしてアクチウォッチのデータを用いる」、「来訪者と共に生活の仕方を振り返る」、「眠れていることや良い生活習慣等できていることを認める」、「睡眠に関する知識・情報を提供する」などの介入を行った。3)個別睡眠相談を利用した17名のうち7名に、1ヶ月後以降の睡眠や生活の様子について聞き取り調査を行ったところ、「自分の睡眠を知ることによる安心感」、「自分の行動を認める」、「睡眠に対する関心の高まり」などの、視点や考え方の変化がみられた。また、7名中3名には睡眠が改善したという発言があった。睡眠相談は相談に来る人を待つスタイルであるが、今後は集団を対象とした睡眠衛生教育など、より積極的な介入も必要であると考える。「まちの保健室」睡眠相談で、アクチウォッチを用いながら個別の生活に合わせた介入を行うことにより、来訪者の睡眠に対する考え方や生活行動に変化が現れ、睡眠が改善する効果があることが示唆された。The purpose of this study was to investigate the sleep status of the local residents who visited the "Neighborhood Health Station" and to examine the action method used for sleep consultations. The study volunteers consisted of 102 persons (average age: 55.9 years) who visited the "Neighborhood Health Station" established by H University. The investigation was carried out using questionnaires. Seventeen females (average age: 60.9 years) received individual sleep consultations using an Actiwatch and interventions were made. The results were then analyzed. Results 1) According to the questionnaire data, 49.0% were classified as good sleepers; 21.6% as marginal; and 29.4% were suspected of being insomniacs. About 50% of those who visited the "Neighborhood Health Station" had some issues or dissatisfaction with their sleep. 2) The main topics raised by individuals during sleep consultations were their difficulty in falling asleep, waking up in the middle of the night, snoring, hot flashes and also how to get advice on how to monitor their own sleep patterns. We conducted interventions such as a) creating an environment where visitors can freely discuss their insomnia problems, b) making use of the Actigraph's data as one way of initiating intervention, c) examining clients' lifestyles and having them reflect on this with the support of the counselor, d) acknowledging that a good sleep and good life habits are being achieved, and e) providing knowledge and information about sleep". 3) Of 17 visitors who had individual sleep consultations, seven were chosen for further interviews regarding their sleep status and lives at more than one month after the initial consultation. We witnessed changes in the visitors' viewpoints and thinking, such as a) feeling assured by understanding their own sleep, b) acknowledging their own actions, and c) increased interest in sleep. Moreover, three out of the seven claimed that their sleep had improved. These sleep consultations were relied on waiting for clients to simply come in; however, in the future, we think that more active intervention will be necessary, such as conducting sleep health classes for groups. Intervening, in accordance with individual lifestyles by using the Actiwatch at the "Neighborhood Health Station" consultations, suggests that the clients' ideas about sleep and lifestyle were modified and such interventions were effective in improving sleep.
著者
桑原 大志 高橋 淳 高橋 良英 中島 永美子 藤井 昭 久佐 茂樹 大久保 健史 藤野 紀之 野里 寿史 疋田 浩之 小堀 敦志 武居 明日美 佐藤 明 青沼 和隆
出版者
一般社団法人 日本不整脈心電学会
雑誌
心電図 (ISSN:02851660)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.3-9, 2011 (Released:2011-08-02)
参考文献数
9

【目的】高齢者における心房細動(AF)カテーテルアブレーション治療の成績,手術合併症,長期予後を明らかにする.【対象】当院でAFカテーテルアブレーション治療を施行した75歳以上の102例(男性73例,発作性79例).【方法】肺静脈隔離と非肺静脈由来のAF起源焦点アブレーションを基本とし,必要に応じ左房後壁隔離などを追加した.【結果】肺静脈隔離などの一般的治療のみを施行された患者が95例(93%)であった.手術重大合併症が1例(心タンポナーデ1例)に発症した.アブレーション後937±598日の経過観察において,95例(93%)で洞調律が維持された.死亡,新規脳梗塞発症,心不全による入院の複合エンドポイント回避率は,アブレーション後洞調律を維持している患者で高値を示した.【結論】75歳以上のAF患者に対するカテーテルアブレーション治療は,安全に施行可能であり,その後の洞調律維持効果も十分高く,長期予後改善効果も認められた.
著者
堀田正敦 編
出版者
巻号頁・発行日
vol.[124],
著者
堀田 美保 塩﨑 麻里子 鈴木 光佑 加治 増夫
出版者
近畿大学総合社会学部
雑誌
近畿大学総合社会学部紀要 = Applied sociology research review Kinki University (ISSN:21866260)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.1-12, 2013-09

[Abstract] Each of the second year students in our department participated in a workshop or attended a lecture on human rights. A survey was conducted to the students to measure the changes in their views and images of human rights before and after attending the lecture or workshop. The results revealed that, compared to the students who participated lectures, those who participated in workshops became to have more positive images about human rights, and they become to feel more involved in human rights. However, the effectiveness of the workshops varied depending on the themes, examples, and exercises contained. These results suggested what elements are required for effective human rights education.著者専攻(堀田): 社会心理学, 著者専攻(塩崎): 家族心理学, 塩﨑, 麻里子, 著者専攻(鈴木):文化人類学・政治生態学, 著者専攻(加治):熱・エネルギー工学