著者
橋詰 保 堀 祐臣 赤澤 正道
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ED, 電子デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.154, pp.17-20, 2012-07-19

AlInN/GaN界面のバンドオフセットと、界面スペーサ層が電子密度分布に与える影響について評価した。角度分解XPS評価により、価電子帯のオフセットが約0.2eV、伝導帯オフセットが0.9eV程度であることが明らかになった。これらの値は、両性欠陥モデルに基づくフェルミ準位安定化エネルギーの計算から求めた値とよく一致した。表面モフォロジーの改善に効果のあるAl_<0.38>Ga_<0.62>Nスペーサ層は、Al_<0.82>In_<0.18>N/Al_<0.38>Ga_<0.62>N界面のポテンシャル井戸と分極による界面電荷により電子蓄積が生じることを明らかにした。これを抑制するためAl_<0.45>Ga_<0.55>Nスペーサ層を提案し、MOS構造のC-V評価により、AlInN/Al_<0.45>Ga_<0.55>N界面に電子蓄積が生じにくいことを示した。
著者
長坂 秀雄 飛松 敏美 田原 美香 横堀 誠一 秋永 誠
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会和文論文誌 (ISSN:13472879)
巻号頁・発行日
vol.2, no.3, pp.240-250, 2003-09-25 (Released:2010-03-08)
参考文献数
8
被引用文献数
1 2

This paper deals with the system interaction performance of the BWR drywell local cooler (DWC) in combination with containment spray as a Japanese Phase-II accident management (AM). By using almost full height simulation test facility (GIRAFFE-DWC) with volumetric scaling ratio of 1/600 for a typical BWR containment, the system integral tests simulating BWR low pressure vessel failure sequence were accomplished during about 14 hours. In case of DWC application, the containment pressure increase was found milder due to DWC heat removal performance. Initial spray timing was delayed about 3 hours and each spray period was reduced almost by half, which contributed to the containment gas compression. These containment pressure transients were confirmed by analyzing the severe accident analysis code of MELCOR. It was concluded that the application of a BWR DWC to Phase-II AM measure is quite promising from the point of delaying or preventing the containment venting.
著者
郭中端 堀込憲二共著
出版者
相模書房
巻号頁・発行日
1980
著者
大久 長範 堀金 明美 大能 俊久 吉田 充
出版者
社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.52, no.11, pp.522-527, 2005 (Released:2007-04-13)
参考文献数
11
被引用文献数
3 4

1) 稲庭うどん, ナンバーワンひやむぎ, 讃岐うどんの圧縮強度 (低圧縮H1, 高圧縮H2) 及びその比 (H2/H1) を求めた.2) 茹で30分後のH2は, ナンバーワンひやむぎで1.9N, 讃岐うどんで2.5Nでに対し, 稲庭うどんでは4N~7Nと大きな値であった. 時間の経過とともにH1とH2は変化するものもあったが, H2/H1比はほぼ一定の値となり, No1ひやむぎが約10, 讃岐うどん約8, 稲庭うどんが13~18であった.3) 茹でた稲庭うどんをMRIにより観察したところ, 空隙があり, 空隙には水が進入していない状態が6時間に渡り維持された. ナンバーワンひやむぎや讃岐うどんにはこのような空隙が観察されなかった.
著者
吉本 充宏 藤井 敏嗣 新堀 賢志 金野 慎 中田 節也 井口 正人
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
JpGU-AGU Joint Meeting 2017
巻号頁・発行日
2017-03-10

富士山周辺の市町村では、火山防災行政担当者は2〜3年で異動する。これらの担当者は、異動当初の数日の引き継ぎのみで、基礎的な知識等については、火山防災パンフレットや短時間の講演会を聴講するのみである。そのため、知識の伝達や対策の継続性がしばしば滞ることがある。これまでも研修会や図上訓練などを実施することにより、火山防災担当者のスキルを向上させる試みは数多く行われているが、効果が上がっていない場合も多い。図上訓練の効果を上げるには、さまざまな個々の火山や火山防災特有の知識を必要とするが、それらを簡単に提供できる仕組みもない。本研究では、行政担当者が、継続的に知識を取得し、共通課題を共有し、地元の火山噴火に的確に対応できる人材育成を目指した研修プログラムを構築することを目的とする。関係機関へのヒアリングを基に研修プログラム案を作成し、平成29年1月に試験的に研修会を実施した。プログラムの内容は火山噴火や災害の基礎知識、実際の噴火災害対応に関する知識、現行の富士山火山広域避難計画を学び、それらを振り返るための演習(図上訓練)で、実施時間は半日、他の業務と連携して行えるように富士山火山防災会議協議会山梨県コアグループ会議に合わせて開催した。研修会の運営はNPO法人火山防災機構に依頼し、研修会には、オブザーバーを含め50名が参加した。演習としては、「噴火警戒レベルに応じて実施する対策」と題してワールドカフェ形式の図上訓練を行い、最後に全体討論会として班毎の発表と講評、アンケートを実施した。 アンケートの結果、総じて定期的な火山防災研修を望む声が多く、年に1~2回程度実施し、2回の場合は担当者が新規に入れ替わる4月と秋頃に各1回程度、火山防災協議会開催時と同時期に行うのが望ましいとの情報が得られた。開催時間は演習100分程度を含め半日程度が望ましく、内容としては今回実施した内容に加えて「火山防災情報」や「住民等への広報」等の内容が必要とされる。運営面では、別途予算の確保は必要となるが、持続的に実施する場合においては担当者が変わらない民間事業者等の支援を受けることも有効だと考えられる。 本研究は、東京大学地震研究所と京都大学防災研究所の拠点間連携共同研究によって行われたものである。
著者
桑原 克也 高橋 まさみ 大堀 智也 三木 静恵
出版者
関東東山病害虫研究会
雑誌
関東東山病害虫研究会報 (ISSN:13471899)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.58, pp.85-89, 2011-12-01 (Released:2013-01-25)
参考文献数
11

群馬県では,施設キュウリのネコブセンチュウの防除対策として,フスマを用いた土壌還元消毒 (以下フスマ還元) が普及しているが,十分な防除効果が得られない事例があった。そこで,低濃度エタノールを用いた土壌還元消毒 (以下エタノール還元) およびフスマ還元による下層土のネコブセンチュウに対する防除効果について,2009年と2010年の圃場試験により検討した。2010年試験でのフスマ還元後の土壌では,深さ20cmまでしかジピリジル反応を示さなかったのに対し,エタノール還元処理後では深さ50cmの土壌までジピリジル反応を示し,下層土まで還元状態が維持されていることが確認できた。2009年試験でのフスマ還元後の表層ではネコブセンチュウ第2期幼虫は検出されなかったが,深さ20cm以降の土壌層で検出され,栽培終了時にネコブセンチュウ密度が著しく増加した。一方,エタノール還元処理後では2か年とも深さ50cmまでの土壌層からは検出されず,栽培終了時でのネコブセンチュウ密度の増加はわずかであった。2か年の試験ともエタノール還元の防除価は,フスマ還元の防除価より高かった。よって,低濃度エタノールを用いた土壌還元消毒法では,下層土壌まで還元状態を維持しており,下層土のネコブセンチュウに対して安定的な防除効果があると考えられた。
著者
西堀 乙彦
出版者
千葉大学
雑誌
千葉医学会雑誌 (ISSN:00093459)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.15-21, 1953-05-28

酵素的燐酸転移反応は数多く証明されてきてゐるが,かゝる燐酸転移にはGreen及びColowickが指摘してゐる如くadeninenucleotidが潤与するのが常である。これに対し,AxelrodはP-Nitrophenol-燐酸(NPP)を用い,Nucleotidの関与しない分子間燐酸転移反応の存在することを発見した。この報告によると人尿,シトロンの実などにある酸性燐酸酵素は,NPPの水解と共軛して共存アルコールを燐酸エステル化せしめる。これに対しGreen及びMeyerhofは,小腸のアルカリ性燐酸酵素がアセチル燐酸(ΔF=-15000cal),クレアチン燐酸(ΔF=-11500cal),燐-ピルビン酸(ΔF=-14800cal)を燐酸供与質として,グリセリンへの燐酸転移を触媒し得ることを認め,且その際の転移燐酸量は供与質の含む遊離エネルギーの大小に比例することを報告し,Axelrodの示したNPPよりの燐酸転移を特殊且例外としたが,その後酸性燐酸酵素(精液)による燐酸転移実験では,かゝる比例関係の存在しない事が報告されてゐる。私は一般的に,諸型のMonoesteraseがNPPよりアルコール性OH化合物への燐酸転移を触媒し得ることを証明し,且かゝる燐酸転移の機序を解明し得たので此処に報告する。
著者
新堀 歓乃
出版者
The Society for Research in Asiatic Music (Toyo Ongaku Gakkai, TOG)
雑誌
東洋音楽研究 (ISSN:00393851)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.73, pp.63-75, 2008-08-31 (Released:2012-09-05)
参考文献数
10

ご詠歌は日本に伝わる宗教音楽のひとつであり、主に在家の仏教信者が四国遍路などの巡礼や葬式などの儀礼でご詠歌をうたうほか、稽古事としてもこれを伝習している。本稿は、現在に伝わるご詠歌諸流派の基礎を形作った大和流を対象に、その成立過程を明らかにする. 大和流は一九二一年、山崎千久松によって創始された。千久松はご詠歌の基本となる節を十一に整理し、ご詠歌の普及と仏教信者の教化を図って大和流の伝承団体「大和講」を設立した。大和講はその長である講主と、講主の下でご詠歌を伝承する多くの講員から成るが、千久松は自らが講主となってご詠歌の指導に当たり講員を増やしていった。こうして大和講が成立すると、ご詠歌の伝承が大きく変容した。第一に、大和講はご詠歌の歌詞と節を記した歌集を全国発売して伝承の統一を図った。第二に、ご詠歌の歌い手が検定試験に合格すると階級が取得できるという制度を置いて、日本の諸芸能に見られるような家元制度と同様の伝承組織を形成した。第三に、詠唱技術を競う全国規模のコンクールを開催するようになった。こうして大和講は、中央の本部が全国各地の支部を統括するという一大組織を築くことができた。大和講が全国に広く普及することができた要因として最も重要と思われるのが、家元制度と同様の伝承組織を形成したことである。大和講では、一定の階級を取得した者が講主に代わってご詠歌を指導するため、講主自身が直接伝授に当たることなく多くの弟子を抱えることができる。これは家元制度に特徴的なもので、大和講ではこうした制度を備えたために伝承者を増やして一大組織を築くことができたと考えられる。
著者
新堀 歓乃
出版者
The Society for Research in Asiatic Music (Toyo Ongaku Gakkai, TOG)
雑誌
東洋音楽研究 (ISSN:00393851)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.71, pp.1-20, 2006-08-31 (Released:2010-09-14)
参考文献数
25

ご詠歌とは仏教的内容を持つ詞に節を付けた歌謡で、巡礼や葬式など様々な仏教儀礼でうたわれる。ご詠歌の詠唱はうたい手が自らの信仰を表現する手段のひとつであり、その信仰は不変のものとみなされるため、ご詠歌の詞や節を個人の趣向で勝手に変えることは許されず、常にひとつの「正しい」詠唱法が求められる。しかし、この「正しい」詠唱法を伝えるはずの楽譜は幾度も書き替えられ、また、実際の詠唱や口伝内容も時代とともに変容してきている。では、なぜ楽譜と口頭伝承を変容させてしまうことが、ご詠歌を「正しく」伝承することであるとみなされ得るのか。この問いに答えるべく、本稿では密厳流のご詠歌を例に挙げて、楽譜と口頭伝承が変容する過程を分析した結果、その変容のしくみを以下のように説明できた。ご詠歌は、伝授者である師範から被伝授者である在家の一般信者へと規範が提示されることによって伝承される。その規範とは師範が「正しい」と認識している詠唱法であり、これが楽譜と口頭伝承を通じて伝えられる。そのとき、師範は正確な伝承を達成しようとする一方、自己の個性を表現しようとするため、師範各々の詠唱間にはしばしば相違が生じ、それゆえ、ご詠歌の伝承にはある種の不完全さが伴う。たいていの場合、師範はこの不完全さを「詠唱の幅」と呼び、豊かな音楽性として評価する。しかし、ご詠歌を「正しく」伝承しようとする意識から、師範たちが伝承の不完全な部分を「正しくない」「規範に反する」と判断した場合、師範同士で会議を開いてご詠歌の「正しさ」をめぐって議論し、規範を再構築する。そして、新たな規範と従来の楽譜や口頭伝承との間に齟齬が生じた場合には、新たな規範に従って楽譜と口頭伝承を変更する。それゆえ、楽譜と口頭伝承を変容させることが、ご詠歌を「正しく」伝承することであるとみなされ得るのである。
著者
堀井 里子
出版者
国際教養大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

本研究は、国境なき医師団と移民オフショア支援基地(MOAS)という二つの非政府組織(NGO)が欧州難民危機という文脈において開始したボートピープルの捜索救援活動を事例に、NGOがEU国境管理政策において果たす役割を明らかにすることが目的である。初年度にあたる平成29年度は、年度前半にイギリス・バッキンガム大学に客員研究員として滞在していた立地上の優位性を背景に、先行文献と関連資料の収集、専門家との意見交換および現地調査を行った。まず、イギリス・オックスフォード大学難民研究所主催のセミナーに参加し、移民をめぐる政策においてNGOと国家の関係性を研究するMollie Gerver氏(ニューカッスル大学)を初めとする専門家と意見交換を行った。また、イギリス・ケンブリッジ大学において犯罪学の専門家であるパオロ・カンパーナ氏と面会し、同氏より地中海域での移民の密入国と国際犯罪ネットワークについて知見を得た。さらに、イタリア・シチリア島での現地調査では、カタニア大学で地中海域を中心としたEU国境管理やNGOの活動を研究するDaniela Irrera氏およびRosa Rossi氏との意見交換を行い、またOxfamとDiaconia Valdeseという二つのNGOが設立した移民・難民サポートセンターにおいて職員およびシリア難民に会い聴き取り調査を行った。また、バッキンガム大学をプラットフォームとして、資料の収集を精力的に行った。これらの活動は以下の点で有益であった。まず、NGOによるボートピープルの捜索救助活動をめぐる論点が明らかになった。第二に、NGOによる捜索救助活動に関する事実的また時系列的な情報を入手することができた。第三に、現地コミュニティでの難民の受入態勢、姿勢を学ぶことができた。次年度はこれらの知見を活かし研究をさらに進める予定である。
著者
堀部 要子
出版者
春日井市立西山小学校
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2017

本研究は、校長のマネジメントのもとに児童の学習面及び行動面の困難さへの支援方法を検討し、効果的な学校経営モデルを作成することを目的とした。米国のRTIモデルを応用した3層の支援システムを組み、全校児童を対象とする支援を実施した。学習面では、①ステップ1 : 授業のユニバーサルデザイン化による授業内での学習支援、②ステップ2 : 対象児童を絞り込みながらの読み書き計算の取り出し学習支援、③ステップ3 : 通級指導教室における個別の教科の補充指導を実施した。行動面では、①ステップ1 : クラスワイドのソーシャルスキル・トレーニング(以後、SST)、②ステップ2 : 取り出し少人数SST、③ステップ3 : 通級指導教室における個別のSSTを実施した。全校スクリーニングテスト、アンケートQ-U(以後、Q-U)(河村, 1999)、行動観察、児童・教員アンケートから効果の検証を行った。学習面のステップ1では、教員が学級児童のアセスメントに基づいた焦点化・視覚化・共有化を意識した授業づくりに取り組むようになるとともに、児童の授業への参加度が高まった。ステップ2では、在籍数の約10%の児童を対象に学習支援を実施した結果、対象児童の基礎的な学力が向上した。行動面のステップ1では、児童全体のソーシャルスキルの向上が観察され、Q-U得点のt検定による分析の結果、教育的な効果のある有意差が認められた。ステップ2では、在籍数の約3%の児童を対象に少人数SSTを実施した結果、学級での般化がみられるようになった。その後、学習面・行動面で改善の少ない児童が、ステップ3で個別の集中的な指導を受け、課題の改善に向かっている。本研究実践により、対象を絞り込みながら段階的に支援を進める多層指導モデルを導入した校内支援システムの有効性が示された。今後は、校長の機能的な関わり方を見直し、学校経営モデルとして整理していきたい。
著者
山村 順次 小堀 貴亮
出版者
日本観光研究学会
雑誌
観光研究 (ISSN:13420208)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.1-8, 2000

The purpose of this study is to make clear the development and characteristics of spas for day-trippers around Tokyo. Many factors such as the introduction of technology to dig hot spring deeply, the development of highway system, changes of leisure activities to near recreation area, health care intention by an aging society and the hot spring development as a regional promotion by the local government explain the expansion of the spas for day-trippers. As a result, many same types hot spring facilities came out. Therefore, it is important to build unique and different spas for day-trippers by making better use of the natural and social environments and the characteristics of hot spring resources.