著者
堀江 正一 石井 里枝 小林 進 中澤 裕之
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.234-238, 2002-08-25 (Released:2009-04-30)
参考文献数
7
被引用文献数
3 4

LC/MSによるフグ毒テトロドトキシン(TTX)の分析法を検討した.TTXは高極性物質であることから,イオン化にはエレクトロスプレーイオン化法(ESI)を採用し,ポジティブモードとした.LC条件は,カラムにTSKgel ODS 80Ts (25 cm×2 mm i.d.),移動相には5 mmol/L HFBA-メタノール(99 : 1)を用い,流速は毎分0.2 mLとした.検出には,プロトン化分子[M+H]+を用い,結果をより確かなものとするために水脱離イオン(m/z 302.1)も同時にモニターした.本法の検出限界は1 μg/gであり,無毒とされる10 MU/g (2.2 μg/g)レベルの分析が可能であった.
著者
堀越 増興
出版者
日本貝類学会
雑誌
ちりぼたん (ISSN:05779316)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.64-65, 1994-06-30
著者
多田 幸雄 山脇 一郎 上田 修一 松本 宏 松浦 直資 安本 三治 江田 昭英 堀 幹夫
出版者
情報計算化学生物学会(CBI学会)
雑誌
CBIジャーナル (ISSN:13476297)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.86-94, 2002
被引用文献数
1

I 型アレルギー疾患治療薬を開発する目的でトシル酸 2-ヒドロキシエチルジメチルスルホニウム (1) 誘導体の抗アレルギー作用を検討した。それらの中でトシル酸 2-アルコキシと2-フェノキシエチルジメチルスルホニウムの数化合物がIgE 誘導ラット同種受身皮膚アナフィラキシー(PCA)の抑制作用を示した。抗アレルギー作用および急性毒性と化合物の疎水性または電子的性質(HOMOまたは酸素原子上の電荷)との間に相関が見られた。そしてトシル酸2-フェノキシエチルジメチルスルホニウム(5)を、次の開発段階における第二のリード化合物として選定した。
著者
多田 幸雄 山脇 一郎 上田 修一 松本 宏 松浦 直資 安本 三治 江田 昭英 堀 幹夫
出版者
情報計算化学生物学会(CBI学会)
雑誌
CBIジャーナル (ISSN:13476297)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.84-93, 2001

スルホニウム化合物の物理化学的性質とその生物活性との相関を明らかにする目的で、スルホニウム化合物に特徴的な性質である H-D 交換およびメチル基転移反応速度を調べた。その結果H-D 交換およびメチル基の転移反応速度と急性毒性(LD<SUB></FONT SIZE=-1>50</FONT></SUB>)の間に良好な相関があった。医薬品の開発において毒性をコントロールすることは非常に重要なことである。メチル基の高い反応性は急性毒性の面から望ましくない、従ってこれらスルホニウム化合物において、硫黄原子の置換基として不飽和炭素を持たない化合物が毒性軽減の面から望ましかった。さらに、OH 基もしくは COOH 基は大幅に毒性を軽減した。これらの毒性軽減に関する情報は抗アレルギー薬である Suplatast Tosilate の分子設計に用いられた。
著者
鈴木 辰四郎 堀内 博
出版者
公益財団法人 日本感染症医薬品協会
雑誌
The Journal of Antibiotics, Series B (ISSN:04478991)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.61-64, 1955-03-25 (Released:2013-05-17)

1952年に国立予防衛生研究所梅沢浜夫博士は, 鎌倉の土壤中から分離したStreptomyces erythrochromogenes Krainsky-W 155 C株の培養液中から1種の抗生物質を精製抽出し, 抗腫瘍性のあることから, これをSarkomycinと命名した。その後, Sarkomycinは動物実験の段階を経て臨床実験に移されたが, その結果に就いては昭和29年5月の第54回日本外科学会総会の席上, 関東逓信病院外科の石山博士等が報告した。石山博士の症例は90例に達したが, 概ね悪性腫瘍の末期症状を呈するものが多かつた関係上, 効果は著明とは言い難かつた。しかし, 臨床的並びに病理組織学的に効果の確認されたものがあり, しかも副作用の皆無に近いと云う事実から, 悪性腫瘍に対する化学療法剤としての期待が大いに持たれた。従来, 悪性腫瘍に対する化学剤としてはNitrogen mustard N-oxide (Nitromin) あり, 近くは8-Azaguanin (Azan) が登場して来ているが, 前者はもちろんのこと, 後者に就いても吾々の使用経験では副作用を認め, 治療の続行を不可能にすることがあつた。私は遇然の機会を得て, 梅沢博士から供与されたSarkomycinを腹腔肉腫と診断された1患者に, 相当の長期間にわたり連続使用し, その臨床的経過を詳細に観察することが出来たので報告する。
著者
赤堀 侃司
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.13, no.4, pp.139-147, 1989
被引用文献数
3

授業を対象として,これを分析する方法を開発した.授業を教師と学習者のコミュニケーション過程としてとらえ,教師の教授行動と学習者の学習行動の相互作用を,単位時間の授業のなかから抽出する方法である.その方法は,従来の教授行動,学習行動のカテゴリー分析に改良を加えたものであり,カテゴリーの時系列データから,授業の特徴を表すカテゴリーの遷移パターンを抽出する方法である.その遷移パターンは,ネットワーク構造と階層構造の二つの形で表示することができる.授業の事例に適用し,(1)授業のなかで出現する頻度による遷移パターンの差異,(2)授業者(熟練教師と教育実習生)による遷移パターンの差異を検討した.その結果,遷移パターンの分析から,(1)では,出現頻度が小さくなるにしたがって,ネットワーク構造になること,(2)では,教育実習生は,教師主導型であり,単調な応答パターンであることに対して,熟練教師は,教師と学習者の双方コミュニケーショソ型であり,多様な応答パターンであることがわかった.本研究は,その分析方法の提案と適用結果について報告するものである.
著者
伊藤 智夫 堀江 保宏 Gottfried FRAENKEL
出版者
(社)日本蚕糸学会
雑誌
日本蚕糸学雑誌 (ISSN:00372455)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.107-113, 1959-06-30 (Released:2010-07-01)
参考文献数
7
被引用文献数
1

1. 5令起蚕の小顋切除後桑葉を与えると, 手術の直接的影響を受けたと思われる個体を除いては, 正常蚕と変りなく食桑し生長する。2. 5令起蚕の小顋切除後キャベツを与えると, 最初は比較的良く食べるが永続せず, 体重増加は僅かで数日後には死亡する。正常蚕も絶食が続くと極めて少量食べる。3. 5令起蚕の小顋切除後桜葉を与えると, 最初若干食べるが永続せず, 体重は反つて著減し遂に死亡する。正常蚕も絶食が続くと少量食べるが, 体重減少はさほど顕著ではない。4. 蚕児の食性に関与する感覚として味覚のようなものが考えられ, 小顋以外の感覚器官の機能によるものと思われる。5. 桜葉はキャベツに較べ蚕児に対し毒性のより強い物質を含有する。6. 5令中期に小顋を切除し桑葉を与えると正常蚕と生長の点で変らない。7. 5令中期に小顋を切除しキャベツを与えると, 最初若干食べるのみであり, 正常蚕も絶食が長びけば極く少量食べる。
著者
ジヴァノヴィッチ サシャ 堀田 昌英 長山 大介
出版者
Sociotechnology Research Network
雑誌
社会技術研究論文集 (ISSN:13490184)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.120-130, 2010

This paper explores the Kosovo Conflict through the use of the Cognitive Conflict Evolution Model and the Integrative Explanatory Model. The paper discusses the perceptions of two conflicting sides, the Kosovo Serbs and the "West" represented by the United Nations Missions in Kosovo (UNMIK), investigating how from a perspective different from the common branding of the Serbs as the perpetrators and the Albanians as the victims, the West can be perceived as contributing to an exacerbation of the situation by the "rational loop" which leads to an aggravation of the human rights situation and the "cognitive loop" which leads to a support of independence under unsatisfactory human rights situations. The Integrative Explanatory Model provides a holistic representation of the main factors of the conflict, supplementing the mechanism unraveled by the Cognitive Conflict Evolution Model.
著者
小林 大太 居村 岳広 堀 洋一
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌D(産業応用部門誌) (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.136, no.6, pp.425-432, 2016
被引用文献数
14

Transmitting efficiency is one of the most important characteristics in dynamic wireless power transfer for electric vehicles. In this paper, a simple and efficient topology for a transmitting system called the DC bus system is introduced. Its simplicity maximizes the potential transmitting efficiency. Moreover, a receiving circuit topology and a maximum efficiency control, which is a method to maximize the transmitting efficiency by controlling the secondary voltage, are proposed. A real-time coupling coefficient estimation method is necessary to calculate the secondary voltage command for the control. A simulation and experimental evaluation of the maximum efficiency control was performed using an experimental setup. The results indicate that it provides a large improvement in efficiency and its implementation in a real dynamic power transfer system for electric vehicles is feasible.
著者
谷口 初美 福田 和正 王 岩 HINOUE Mitsuo 山内 和紀 市原 剛志 水野 康平 石松 維世 世良 暢之 濱崎 光宏 高橋 浩司 堀川 和美
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.349-367, 2004-09-01
被引用文献数
4

廃棄物処分場や不法投棄現場においてガス発生が多発している.硫化水素ガス発生予測の基礎となる土壌細菌叢の動態を量的,質的に評価するための遺伝子工学的検査法を構築することを目的に,従来の染色法,培養法による検証と共に,実験手法の確立を行った.全菌数測定にreal time PCR法を導入し,その有用性を明らかにした.Direct PCRにより増幅した16S rRNA遺伝子の塩基配列決定により,菌種の同定を行った.硫化水素ガス発生に関与するイオウの酸化または還元菌群の頻度を調べた結果,復旧作業中の不法投棄現場では,深層部の土壌で,無芽胞硫酸還元菌とイオウ酸化細菌群が高頻度に同程度検出された.埋立廃棄物処分場では,深層部に有芽胞硫酸還元菌やClostridium属菌が多く検出され,イオウ酸化細菌群はほとんど検出されなかった.硫酸還元菌については嫌気培養法により同様の結果を得た.理化学検査の結果,硫酸イオン濃度は不法投棄現場では深層部に,埋立処分場では表層部に高かった.廃棄物処分場や不法投棄現場では硫化水素ガス発生の潜在的危険性が示唆され,遺伝子工学的検査システムが土壌の微生物叢評価および処分場のガス発生予知に有用であると考えられる.
著者
堀田 剛吉
出版者
島根農科大学
雑誌
島根農科大学研究報告 (ISSN:05598311)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.(A-5)8-18, 1967-01-31

我国の養蚕業は,北海道など一部の道府県をのぞけばほぼ全国的に分布しているが,生産の密度・生産費など13;にあらわれた結果より推定すれば,地帯別にかなり異なった形式で生産されており,しかも生産性格差は拡大してきていることが解る.これは養蚕業が,変遷する地域の環境条件へ適合する形で発展してきた結果であるが,それが合理的なものであったかどうかには疑問がのこる.この問題の解明には養蚕業がいかなる地帯に発展するかという問題と,養蚕業が環境条件へ如何に適合し生産性を高めていくかという時限の異なった二つの問題究明が必要である.筆者はこの問題を検討するため第1段階として,養蚕業の立地条件の吟味と地帯別養蚕業の変遷を解明した.この研究は農林省各種統計の利用を中心としておこなったため,次のごとき二つの重大な障害が生じた.13; 第1は,現在養蚕業は農業経営の一部門としておこなわれており,農業経営内での養蚕の地位が問題となるが,この研究では他部門との関係は捨象し養蚕部門のみをとり出す結果となったことである.これは同じ規模、密度で養蚕をおこなっているものは同質と考えることを意味しており,農業経営中の地位より来る養蚕業の対応の仕方を無視することになる.しかしこれはできる限り他の経営条件,その地域の養蚕業の変遷をみることにより補足把握することにつとめた.13; 第2の問題は,統計資料は平均化されたものが多く,地帯を大分割して等質のものとみたことで,地域の特性をつかむことにはなるが,同時にその中での多岐にわたる条件が平準化され,養蚕業そのものの大事な特性をも隠蔽される.時には反対の結果をだす危険性も生ずる.従ってこの問題は過去にだされた文献(とくに32年3月に農林省蚕糸局よりだされた養蚕経営分析)により補い,ここでは統計より言いうる鮮明な問題のみを解明した.従って第2段階として小地域の調査分析により,これらの問題は後日補っていきたい.
著者
堀本 泰介 福田 奈保 岩附(堀本) 研子 GUAN Yi LIM Wilina PEIRIS Malik 杉井 俊二 小田切 孝人 田代 眞人 河岡 義裕
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.303-305, 2004-03-25
被引用文献数
1

1997年に人から分離されたH5N1インフルエンザウイルスの赤血球凝集素(HA)に対する単クローン性抗体を,DNA免疫法を利用して作製した.これらの抗体を用いて,H5型ウイルスのHA抗原性を解析したところ,1997年および2003年に人から分離されたH5N1ウイルスの間で抗原性がかなり異なることがわかった.
著者
堀井 洋 沢田 史子 林 正治
出版者
情報処理学会 ; 1960-
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.53, no.11, pp.1172-1177, 2012-10-15

これまで古文書や掛図などの歴史資料は,大学や博物館など学術機関で取り扱われる研究対象であり,収集・保存・展示されることが一般的な学術資料として認知されてきた.「難しい」「難解な」「取っ付き難い」と世間一般に捉えられていたそれら歴史資料を活用して,遍プロジェクトでは歴史観光情報コンテンツの作成および実証実験を実施している.本報告では,石川・金沢地域の歴史資料「梅田日記」を基にした「梅田日記ぶろぐ」およびスマートフォン歴史観光ガイドアプリを事例として,情報技術による歴史資料の新たな活用ついて紹介する.