著者
新藤 哲也 牛山 博文 観 公子 安田 和男
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.29-35, 1999-02-05
参考文献数
19
被引用文献数
1 3

市販及び野生キノコ合計54種85検体のシアン含有量を調査した結果, 18種44検体からシアンが検出された. 市販キノコではニオウシメジが最も多く86~283μg/g (<i>n</i>=11) のシアンが検出された. 次いでマイタケで1.8~46μg/g (<i>n</i>=6) 及びシロアワビタケで1.1~26μg/g (<i>n</i>=7) と高い値であった. 採取した野生のキノコでは1.0μg/g以上のシアンを検出したものはみられなかった. また, キノコ中のシアンは遊離型で存在していると推察した. ニオウシメジを網焼きした場合, やや焼きすぎの6分間加熱でも加熱前の65%のシアンが残存した. また, 水煮した場合でも, キノコ中に27%が残存し, 煮汁に19%が溶出した.
著者
井上 直子 安田 和誠 森 勇人 秋元 勇人 大原 厚祐 根岸 彰生 冲田 光良 大島 新司 沼尻 幸彦 大嶋 繁 從二 和彦 小林 大介
出版者
日本社会薬学会
雑誌
社会薬学 (ISSN:09110585)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.81-90, 2018-12-10 (Released:2019-01-19)
参考文献数
11

Drug dispensing is a statutory and designated duty of a pharmacist. We aimed to examine the changes in the nature of drug dispensing using a text mining method. Our corpus consisted of text documents from “Chozai Shishin”, the most standard manual for dispensing drugs in Japan, Editions 1 to 13 (Japan Pharmaceutical Association), and we used the KH Coder software for text mining. We constructed networks showing the association between frequent word co-occurrence and edition number, and co-occurrence relations for frequent words in each edition. We found that “patient” superseded “dispensing” as a frequent term over time. “Dispensing” was another frequent term with a highly centralized node in each edition. Accordingly, we targeted the term “dispensing” for network analysis to depict its co-occurrence relations. We found that the range of related words for “dispensing” broadened from “preparation” and “compounding” to include “patient adherence instructions”, “assessment”, “medical treatment”, and “information provision”. Accordingly, we concluded that the content of “dispensing”, which is a pharmacist’s duty, has expanded from the duties of “dispensing drugs” to include “responding to patients” within the definition of “dispensing”, and we were able to present this finding as objective data by using the mechanical method known as text mining.
著者
野原 英樹 平川 善之 石田 奈穂子 安田 和弘 北川 智子 蓮尾 幸太 元尾 篤 隈本 健 北條 琢也 山崎 登志也
出版者
九州理学療法士・作業療法士合同学会
雑誌
九州理学療法士・作業療法士合同学会誌 第26回九州理学療法士・作業療法士合同学会誌 (ISSN:09152032)
巻号頁・発行日
pp.46, 2004 (Released:2004-11-18)

【はじめに】 反張膝は、膝前十字靭帯損傷などスポーツ障害、外傷の危険因子の一つと言われている。反張膝の原因は、関節弛緩性、膝伸展屈曲筋力の低下、足関節の可動域制限などが考えられる。臨床上で反張膝の評価は、過伸展角度の測定のみが一般的であるが、過度の下腿外旋を示すケースが多く見られる。そのようなケースに膝屈曲伸展の徒手筋力検査を行うと過度の下腿外旋を伴う(screw home movementの増大)膝伸展や屈曲開始時のみに筋出力の低下を認めるケースを経験する。我々は、反張膝が膝関節初期屈曲筋力に影響を及ぼすのではないかと推測している。そこで今回、健常者を対象に下腿回旋肢位、足関節肢位を考慮し膝初期屈曲筋力を測定した。加えて反張膝を有する者の膝屈曲筋力の検討を行ったので報告する。【対象と方法】 対象は下肢に疾患を有しない健常者21名39肢(男性13名23肢24.8±3.4歳 女性8名16肢25.8±4.1歳)で、自然立位にて10°以上の膝過伸展を有する反張膝群(以下R群)11名20肢(24±2.8歳 平均伸展角度14.3±2.9°)と、非反張膝群(以下NR群)10名19肢(26.4±3.6歳 平均伸展角度4.5±3.4°)に分類した。 筋力測定にはCYBEX NORM 770を用いた。収縮様式は求心性収縮で角速度60°とした。腹臥位にて体幹部をベルトで固定し、各被験者の完全伸展位から30°までをA:足関節背屈-下腿中間位(以下D-N)B: 足関節背屈-下腿内旋位(以下D-IR)C:足関節背屈-下腿外旋位(以下D-ER)D:足関節底屈-下腿中間位(以下P-N)E:足関節底屈-下腿内旋位(以下P-IR)F:足関節底屈-下腿外旋位(以下P-ER)の計6肢位で3回ずつ測定した。測定肢位の順番はランダムに行い、最大ピークトルク値を測定値として採用し、各最大ピークトルクを体重で除したものを筋力値とした。(Nm/BW×100)また、6肢位で算出した筋力値を基に(1)R群及びNR群それぞれで肢位の違いによる筋力値の差(2)R群、NR群間の筋力値の差について検討した。統計処理は(1)には一元配置分散分析及び多重比較検定(2)には2元配置分散分析を行った。有意水準は1%未満とした。【結果】(1)R群、NR群ともに肢位の違いによる筋力値の差があった。R群ではD-NがD-IR、P-IR、P-ERに対して有意に筋力値が大きかった。D-ERがP-ERに対して有意に筋力値が大きかった。D-Nと比べ足関節底屈位では下腿回旋肢位で筋力値が有意に低下した。足関節背屈位間において下腿中間位に比べ下腿内旋位で筋力値が有意に低下した。下腿外旋位間において背屈位と比べ底屈位で筋力値が有意に低下した。NR群ではD-NがP-IR、P-ERに対して有意に筋力値が大きかった。足関節背屈位と比べ足関節底屈位では下腿回旋肢位で筋力値が有意に低下した。(2)R群、NR群間に筋力値の差及び交互作用は認められなかった。【考察】 両群に共通して見られた結果は、足関節底屈回旋肢位での筋力は背屈下腿中間肢位に比べ有意に低下を示すことであった。R群では上記に加え2つの肢位に有意差が見られた。1)足関節背屈位で下腿内旋位筋力は下腿中間位筋力に比べ有意に低下した。2)下腿外旋位で底屈位筋力が背屈位筋力に比べ有意に低下した。前者は下腿を内旋させることにより足部が内反背屈位となり足関節を固定させにくいため背屈筋の筋力に左右されたのではないかと考えた。後者は下腿が外旋位になることで膝関節靭帯などの受動組織の機能が不十分となり腓腹筋の活動に依存されやすくなったのではないかと考えた。 下腿回旋が膝屈曲筋力に与える影響について論じた報告は少ない。本杉らは前十字靭帯再建術後患者の健側の屈曲筋力を座位、等尺性収縮(膝屈曲30°、70°、90°位)、足関節底屈位で測定し、回旋による差はなかったと報告している。今回とは測定条件が違うが、本研究でもNR群では底背屈位それぞれで回旋の差はなかった。しかしR群においては、背屈位で回旋の違いによる差が認められ、外旋位で足関節肢位の違いによる筋力の差が見られた。【まとめ】 健常者をR群、NR群に分け、膝関節初期屈曲筋力を下腿回旋肢位、足関節肢位の違いにより測定した。健常者においては肢位の違いにより膝屈曲筋力に差が見られることを確認した。今回の研究では、R群、NR群間には差は認められなかったが、R群における傾向として足関節筋の作用が膝屈曲筋力を左右しやすく、特に下腿外旋位での影響は反張膝の関節機能を含め今後さらに検討していきたいと思う。
著者
朝倉 敬行 北村 真理子 石川 孝明 飯田 智成 中里 光男 安田 和男 根本 了
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.60, no.5, pp.127-133, 2019-10-25 (Released:2020-01-17)
参考文献数
9
被引用文献数
3

LC-MS/MSを用いた畜産物中のジルパテロールの分析法を開発した.試料から,n-ヘキサン存在下のアセトニトリルで抽出し,ODSミニカラムおよびSCXミニカラムによる精製を行い,LC-MS/MSにて測定した.6種類の畜産物に0.01 mg/kgとなるようジルパテロールを添加して回収率を求めたところ,真度87.0~99.4%,併行精度2.4~6.3%であった.本分析法における定量限界値は,0.01 mg/kgであった.
著者
平野 京子 新村 紀子 安田 和正 朝倉 みどり 木下 茂美
出版者
日本皮膚科学会西部支部
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.602-608, 1983-08-01 (Released:2012-03-21)
参考文献数
19
被引用文献数
4 3

ハトムギはわが国では古くより疣贅に対し単独漢方薬として広く民間に用いられてきたが, その成分や薬理学的, 免疫学的作用機作に関しての記載は乏しい。今回われわれの教室ではin vitroの実験にてハトムギの各種細胞に対する傷害活性が, いわゆるヨクイニン(種子)よりもその外皮(種皮と果皮, とくに種皮)の方がより強いことを実証した(第1報, 第2報)。そこで臨床的治験として, 外皮を集めこれを熱水抽出して遠心沈澱しその上清を処理して注射用液とし, 沈渣を外用剤として尋常疣贅と扁平疣贅に対する治療を試みた。注射は週1回0.1∼0.3ml皮内に, 外用は1日数回塗布した。その治療成績の結果は, 尋常疣贅では, 注射法より外用剤の塗布の方がよい成績を得, さらに注射と異常に過角化した角質をメスで削除して外用剤を塗布した例の方がより良い結果が得られた。扁平疣贅は, 外用剤塗布のみにて治療を行つたところ, 治癒または有効で無効例はなく, 良い成績であつた。すなわち, ウイルス性疣贅の治療には, ハトムギ果実の外皮による外用剤使用によりかなりの効果が期待出来るものと思われた。その作成法, 治験対象, 結果について述べ, 考察を加えた。
著者
平川 善之 隈本 健 釜谷 幸児 野原 英樹 安田 和弘 津本 要 山崎 登志也 元尾 篤 牛島 幸治 北川 智子 蓮尾 幸太
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2003, pp.C0845, 2004

【はじめに】腹筋群の緊張による腹圧の維持・増強は、体幹・腰部のみならず四肢の運動機能に重要である。実際臨床場面でも、腰部・四肢の障害側と一致した腹圧の左右差が問題となる症例は多い。Richardsonらは腹横筋の収縮による腹部引き込み動作が腹圧の向上に影響するとし、圧バイオフィードバック装置を用いた評価方法を紹介している。臨床的には血圧計マンシェットで代用した方法がある。これらは腹部全体の評価であり、左右差を反映したものではない。そこで今回、腹圧評価の一指標として左右を分別して測定した。この結果と我々が臨床で行う体幹安定性テストを比較し、その有効性を検討した。<BR>【方法】健常被検者18名に対して以下の2つのテストを行い、比較検討した。腹部引き込みテスト(以下テスト1):Richardsonらの方法に則って腹臥位での腹横筋収縮による腹部引き込み動作を十分習得させた後、正中線の左右腹部下に二つの血圧計マンシェットを配置し、水銀計の目盛を70mmHgに設定した。被検者に5秒間の腹部引き込み動作を行わせ、その際、水銀計の増減の安定値を記録した。測定は10回行い、各試行間に30秒間の休息を入れた。体幹安定性テスト(以下テスト2):被検者は足底接地しない端座位を保持し、検者が左右の肩の上に徒手的に体重の60~70%程度の負荷を加えた。肩甲帯挙上などの代償動作の出現や体幹中間位を保てなかったものを「不安定」と評価した。(背景に目盛を設定し3人のPTが評価)<BR>【結果】テスト1は左右差有り:11名、左右差無し:7名であった(t検定 危険率5%)。テスト2は左右差有り:9名、左右差無し:9名であった。テスト1・2共に左右差有り:8名、共に左右差無し:6名、どちらにも属さない:4名であった。これら2つのテスト間の関連性を検定するためフィッシャーの直接法を用いた。その結果、テスト1における左右差の有無が、テスト2における左右差の有無に一致する確率が高いことがいえた(p<.05)。<BR>【考察】今回、左右腹部下で腹部引き込みテストを実施した結果、半数以上の11名に左右差が認められた。このことから腹圧を反映する腹部引き込み動作に左右差があることが示唆された。さらに体幹安定性テストにて評価された左右差が、腹部引き込みテストでの左右差と一致する確率が高いことから、これら2つのテストは体幹機能の左右差を評価できる一つの指標となることが考えられた。身体の運動に先行しておこる腹横筋収縮による腹圧の上昇は、体幹の安定性に関与し、四肢の運動や動作を効率的に行うための重要な要素となる。この機能が片側的に損なわれると、体幹の安定性を必要とする動作等に支障を来たす可能性が考えられる。今後、より多くの健常者のデータを収集すると共に、諸動作との関連性を検討していきたい。
著者
井部 明広 西島 基弘 斉藤 和夫 安田 和男 上村 尚 永山 敏廣 牛山 博文 直井 家壽太 二島 太一郎
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.334-341_1, 1984
被引用文献数
6

食品中のオクラトキシン (OCT) A及びBの分析法を検討した. 試料からメタノール-1%炭酸水素ナトリウム溶液 (1:1) で抽出後, エーテルに転溶した. 抽出物は15%含水シリカゲルカラムでクリーンアップ後, カラムに Finepak SILC<sub>18</sub>, 移動相にアセトニトリル-0.1%リン酸 (50:50), 検出器に蛍光を用いた高速液体クロマトクフフィー (HPLC) で測定した. 添加回収率は20,100ppb添加で87-101%であり, 定量限界は試料あたり約2.5ppbであつた. また, 確認法としてメタノール-硫酸によりOCTのメチルエステル誘導体を作製し, HPLCにより確認を行った. 本法を用い市販品171検体に適用したところ, らい麦粉15検体からOCTAをTrace-20ppbの範囲で検出した.
著者
只野 敬子 安田 和男 牛山 博文 二島 太一郎
出版者
Japanese Society for Food Hygiene and Safety
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.32, no.5, pp.402-407_1, 1991-10-05 (Released:2009-12-11)
参考文献数
17
被引用文献数
2

健康食品として市販されているカキエキス錠剤について, マウスを用いる公定法により麻痺性貝毒 (Paralytic Shellfish Poison: PSP) 試験を行った. この結果, 17試料中11試料から 3.9~12.5MU/g のマウス毒性が認あられた. しかし, TLC法, けい光強度法及びHPLC法ではPSPは検出されなかった. そこでマウスの致死原因を検討した結果, 錠剤の成形剤の一つとして使用されている炭酸カルシウムがPSP抽出操作で用いる塩酸により, 塩化カルシウムに変換し毒性を示すものと考えられた. そこで塩酸の代わりに, 硫酸, クエン酸, リン酸等を使用したところ, いずれの場合もカルシウムの影響を受けずにPSPの抽出ができることが分かった.
著者
安田和人
雑誌
機器 試薬
巻号頁・発行日
vol.27, pp.71-74, 2004
被引用文献数
1
著者
安田 和弘 樋口 貴広 今中 國泰
出版者
The Society of Physical Therapy Science
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.24, no.6, pp.803-806, 2009-12-20
参考文献数
13

〔目的〕本研究の目的は,身体状況の顕在化を促す運動が,その後の姿勢制御課題に与える影響を検討することであった。〔対象〕実験参加者は,健常成人10名であった(平均年齢25.6±6.29歳)〔方法〕両脚立位課題(低難易度条件;実験1),片脚立位課題(中難易度条件;実験2),片脚立位不安定板課題(高難易度条件;実験3)の3種類の姿勢制御課題にて効果を検証した。椅子坐位の閉眼にて四肢,体幹の自動介助運動に意識を向けることで身体状況を顕在化し,介入の前後に身体動揺を測定した。〔結果〕片脚立位課題と片脚不安定板課題では姿勢動揺が減少したが,両脚立位課題では変化が見られなかった。〔結語〕一連の結果から,課題前の身体状況の顕在化を促す運動は,難易度の高い姿勢制御課題の姿勢動揺を減少させ得る可能性が示唆された。<br>
著者
河田 俊 安田 和弘 岩田 浩康
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.83, no.851, pp.16-00515-16-00515, 2017 (Released:2017-07-25)
参考文献数
16

Acquiring one's own form is an important technique for excelling in any competitive sport. Most basketball players spend a significant amount of time in acquiring the ideal form in order to improve their basketball skills. Although basketball is one of the most popular sports in the world, there are only few devices that aid in improving a player's skills. In the research involving the development of a skill-support device for basketball, it is important to learn the ideal form to acquire a physical posture of set-form. Therefore, we developed a device for reforming the set-form using auditory biofeedback. The proposed device measures the shoulder angle of a player in real time (50 Hz) and generates a sound on the basis of the measured angle to inform the ideal posture. If the set-form posture is not ideal, the device uses this sound to inform the player that they must modify their posture. The player then changes their shoulder angle and if the posture becomes ideal, the device mutes the sound. Several seconds after the sound stops, the device indicates the player to shoot. According to our study for testing the efficacy of this device, the BF-training group obtained 20% higher success rate than the control group. Moreover, the BF-training group had a more stable form than the control one.

1 0 0 0 OA 気管支喘息 II

著者
小林 千種 中里 光男 山嶋 裕季子 大野 郁子 河野 美幸 安田 和男
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.139-143, 2001-04-25 (Released:2009-03-25)
参考文献数
6
被引用文献数
13 15

RI-HPLC及びパルスドアンペロメトリック検出イオンクロマトグラフィー(PAD-IC)による広範囲の食品に適応可能なスクラロースの分析法を作成した.試料に 10% NaCl 含有 0.01 mol/L HCl を混和して透析膜に充てんし,0.01 mol/L HCl を透析外液として用い,24時間透析を行った.透析外液を Bond Elut ENV カートリッジに負荷して濃縮及びクリーンアップを行い,試験溶液を作製した.従来の前処理方法と比較して夾雑物の影響がなく,RI-HPLC及びPAD-ICの両分析法に適用することができた.両分析法のスクラロースの定量値はほぼ一致した.試料からの添加回収率は 88% 以上得られ,定量下限は前者で10 μg/g,後者で1 μg/g であった.
著者
平野 京子 安田 和正 降矢 けい 堀川 博朗
出版者
日本皮膚科学会西部支部
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.922-927, 1984

現在までにわれわれはハトムギ種皮熱水抽出物がウイルス性疣贅に対し効果のあることを臨床的に確かめた。今回この活性物質の分離を試みた。活性は<SUP>51</SUP>Cr-labeled K-562をターゲットとするdirect cytotoxicity testで測定した。まずハトムギ種皮熱水抽出物をメタノール:クロロホルム(1:2v/v)溶液で抽出し, その可溶成分を濃縮した。これをシリカゲル薄層クロマトプレート(Merck Art5745)を用い, 展開溶媒として石油エーテル:エチルエーテル:酢酸(80:20:1)を用いて一次元上昇法によりクロマトグラフィーを行つたところRf値0.18の位置に活性物質が認められた。さらにこの部分をIR, ガスクロマトグラフィー, GC-MSにて分析した結果, 主にC<SUB>16:0</SUB>のpalmitic acidとC<SUB>18:1</SUB>の不飽和脂肪酸の塩であることが同定され, またC<SUB>18:0</SUB>のstearic acidおよびC<SUB>18:2</SUB>の不飽和脂肪酸の塩が少量含まれる混合物であることが判明した。
著者
菊地 洋子 島村 保洋 広門 雅子 安田 和男 西島 基弘
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.122-127, 2001-04-25 (Released:2009-03-25)
参考文献数
11
被引用文献数
6 6

マーケットバスケット方式に基づき全国9地域で調製した試料について6種のイソフラボン類(ダイジン,グリシチン,ゲニスチン,ダイゼイン,グリシテイン及びゲニステイン)の含有量を測定した.また,同試料を用いて塩酸による加水分解を行い,ダイゼイン,グリシテイン,ゲニステインの総量としても求めた.測定は逆相系カラムで水-メタノール溶液による直線グラジェント法を用いた.その結果により,日本人のイソフラボン類の一日摂取量を試算したところ,成人で平均 38.1 mg であることが分かった.これは食品中のイソフラボン類含有量測定結果から,国民栄養調査法による大豆,大豆製品喫食量に基づいて試算した日本人のイソフラボン類の一日摂取量(全国平均)35.1 mg と極めて近似していた.