著者
小原 直美 光原 一朗 瀬尾 茂美 大橋 祐子 長谷川 守文 松浦 雄介
出版者
日本植物病理学会
雑誌
日本植物病理学会報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.73, no.2, pp.94-101, 2007 (Released:2007-07-20)
参考文献数
22
被引用文献数
5 11

アグリボEX(株ビスタ製)は酵母抽出液を原料とする植物活力剤であり,発根促進,徒長抑制などとともに,病害抑制効果もみられる.病害抑制機構としては,この酵母抽出液(アグリボEX)自体に抗菌作用がないことから,本処理が植物が本来有する抵抗性を誘起して効果を発揮するものと考えられた.この酵母抽出液にタバコ葉片を浸漬処理すると,塩基性PR-1, -2および-6遺伝子の発現が誘導された.これら塩基性PR遺伝子群はエチレンで誘導されることが知られているので,エチレン発生剤であるエテホン処理やエチレン作用阻害剤であるチオ硫酸銀錯塩(STS)を処理し,タバコPR-1, -2, -3および-5タンパク質群の増減を調べた.その結果,エテホン処理で誘導される分子種がこの酵母抽出液処理で誘導され,その誘導はSTS処理により阻害されることが分かった.また,この酵母抽出液自身からエチレンが発生すること, およびこの処理により植物からのエチレン発生が促進されることが認められた.これらの結果から,この酵母抽出液はエチレンシグナル伝達経路を介して植物の病害抵抗性誘導に寄与するものと考えられる.
著者
日野 正輝 富田 和暁 伊東 理 西原 純 村山 祐司 津川 康雄 山崎 健 伊藤 悟 藤井 正 松田 隆典 根田 克彦 千葉 昭彦 寺谷 亮司 山下 宗利 由井 義通 石丸 哲史 香川 貴志 大塚 俊幸 古賀 慎二 豊田 哲也 橋本 雄一 松井 圭介 山田 浩久 山下 博樹 藤塚 吉浩 山下 潤 芳賀 博文 杜 国慶 須田 昌弥 朴 チョン玄 堤 純 伊藤 健司 宮澤 仁 兼子 純 土屋 純 磯田 弦 山神 達也 稲垣 稜 小原 直人 矢部 直人 久保 倫子 小泉 諒 阿部 隆 阿部 和俊 谷 謙二
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-04-01

1990年代後半が日本の都市化において時代を画する時期と位置づけられる。これを「ポスト成長都市」の到来と捉えて、持続可能な都市空間の形成に向けた都市地理学の課題を検討した。その結果、 大都市圏における人口の都心回帰、通勤圏の縮小、ライフサイクルからライフスタイルに対応した居住地移動へのシフト、空き家の増大と都心周辺部でのジェントリフィケーションの併進、中心市街地における住環境整備の在り方、市町村合併と地域自治の在り方、今後の都市研究の方向性などが取組むべき課題として特定された。
著者
内村 泰 新村 洋一 小原 直弘 小崎 道雄
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.86, no.1, pp.62-67, 1991-01-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
7
被引用文献数
1 7

1.得られた乳酸菌のうち桿菌は非常に少なく, また球菌の大部分は四連球菌であった。この結果から食酢醸造用餅麹ルクパン中の乳酸菌は, 東南アジア諸国で広く用いられている酒醸造用餅麹と同様に, 四連球菌が主要菌であり, 他の形状のものは非常に少ないとした知見を支持する結果となった。2.得られた酵母は分離した全株が菌糸状酵母であり, 当然その存在が考えられた球状酵母は, 全く分離されないという興味二ある結果となった。3.各ルクパンを5日毎に順番に添加する方法により食酢を仕込み, 生産される酢酸量は市販されている日本産タイ国産の食酢製品と比較するとその量は半分以下であった。4.この酢酸量が少なかった原因として, ルクパンが雑菌を含め多種の菌株が存在していることから, 純粋培養された優秀な菌株を用いて醸造を行っているのではなく, それぞれの菌が生産している発酵生産物をさらに資化しているとも考えられた。5またルクパン中に, 当然存在が考えられるアルコール発酵酵母が分離されず, 菌糸状酵母のみであったことは, 菌糸状酵母が糖化生産した糖を直接酸化して, 酢酸発酵を行わざるを得ないことから, 代謝上非常に効率の悪い発酵を行っているのではないかとi推察した。
著者
小原 直
巻号頁・発行日
2012

科学研究費助成事業(科学研究費補助金)研究成果報告書:若手研究(B)2010-2011