著者
磯田 弦
出版者
東北地理学会
雑誌
季刊地理学 (ISSN:09167889)
巻号頁・発行日
vol.70, no.3, pp.127-133, 2018 (Released:2018-10-10)
参考文献数
6
著者
阿部 隆 磯田 弦 山科 絢香
出版者
公益社団法人 東京地学協会
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.130, no.2, pp.213-238, 2021-04-25 (Released:2021-05-19)
参考文献数
18
被引用文献数
7

In this study, evacuees' rosters and other relevant disaster records are used to geographically clarify the relationship between people's evacuation behavior following the Great East Japan Earthquake, social and demographic characteristics of evacuees, and housing damage caused by tsunami following the earthquake in Yamada Town, Iwate Prefecture. The trend of shelter entry and exit is analyzed on the basis of three scales. The first scale is the municipality unit; trends in the numbers of people entering shelters in Yamada Town are compared to those in other affected municipalities on the coast in Iwate Prefecture and regional differences in these trends are clarified. The second scale is the district or small area unit; regional differences in rates of entry to shelters in Yamada Town and factors affecting these differences are explained geographically. The third scale is the shelter level; regional differences in rates of entry to school shelters in small areas are analyzed in relation to evacuees at two elementary schools. Furthermore, regarding evacuees in a school shelter where a daily list is available, a logistic regression analysis is performed to explain evacuees' decisions on whether or not to stay in the shelter on the basis of variables such as gender, age, and family situation. The regression analysis for the first scale reveals that the decreasing trend in the number of evacuees in shelters in Yamada Town has been slow compared to those in other affected coastal municipalities. The study reveals that progress in the construction of emergency temporary housing is the factor with the greatest impact on an evacuee's decision to leave a shelter. Regarding the second scale, the geographical distribution of the number of shelter residents in Yamada Town is analyzed on the basis of the scale of a district and a small area. The analysis reveals that regional differences in shelter entry rate reflect social network, topographical features, and developmental process of the settlement. Regarding the third scale, the relationship between distance from the shelter and entry rate of affected households is analyzed by small area using the rosters of Yamada Minami Elementary School and Orikasa Elementary School evacuation shelters. A significant correlation is found between average road distance from Yamada Minami Elementary School and affected household entry rate, and it is observed that many residents were from areas located within 1 km from the school. On the other hand, no significant correlation is found between average road distance from Orikasa Elementary school and affected household entry rate. Regarding the Orikasa Elementary School shelter, almost daily entry and exit records could be obtained for the period from April 9, 2011 to August 3, 2011. Using this record, age and family composition of withdrawers during this period could be identified. A logistic regression analysis was performed with gender, age group, marital status, and family type as explanatory variables. With respect to the influence of a resident's age and family structure on his or her exit time, it is found that the withdrawal rate of residents aged 75 years or more was high until the beginning of May. Households that stayed in the shelter with 0 to 18-year-old juveniles tended to find it better to stay in the shelter until their children's schools reopened. After resumption of schools, at the beginning of April; however, they tended to leave in higher numbers. The study concludes that, although schools should support evacuees during the earlier period of an evacuation as large-scale evacuation shelters, various types of shelter should be developed and reorganized to suit the evacuees' needs in case the evacuation is extended for a long period.
著者
花岡 和聖 中谷 友樹 矢野 桂司 磯田 弦
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Series A (ISSN:18834388)
巻号頁・発行日
vol.82, no.3, pp.227-242, 2009-05-01 (Released:2011-08-25)
参考文献数
27
被引用文献数
2 3

本稿では,京町家のモニタリングを意図した外観調査事業から得られる資料に基づき,京都市西陣地区を対象に,京町家の取壊しと建替えを規定する要因を定量的に把握し考察する.その際に,①京町家自体の特性(構造特性と利用状況),②土地利用規制,③近傍の環境特性と関連する指標群を分析した.その結果,①京町家の取壊しは,京町家の建て方や老朽化の程度を示す建物状態,伝統的外観要素の保存状態,高さ規制,周辺環境を表す近傍変数によって規定されていた.また②近傍変数は,土地利用別に異なる空間的な範域を有し,その影響力も土地利用規制と同程度であることがわかった.さらに③京町家からの土地利用転換では,土地利用規制と近傍の環境特性に加えて,従前の京町家自体の特性が土地利用転換を強く規定していた.以上から,京町家の建替えは,時空間的な連鎖を伴って進展していると考察される.
著者
矢野 桂司 磯田 弦 中谷 友樹 河角 龍典 松岡 恵悟 高瀬 裕 河原 大 河原 典史 井上 学 塚本 章宏 桐村 喬
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.12-21, 2006 (Released:2010-06-02)
参考文献数
30
被引用文献数
10

本研究では,地理情報システム(GIS)とバーチャル・リアリティ(VR)技術を駆使して,仮想的に時・空間上での移動を可能とする,歴史都市京都の4D-GIS「京都バーチャル時・空間」を構築する.この京都バーチャル時・空間は,京都特有の高度で繊細な芸術・文化表現を世界に向けて公開・発信するための基盤として,京都をめぐるデジタル・アーカイブ化された多様なコンテンツを時間・空間的に位置づけるものである.京都の景観要素を構成する様々な事物をデータベース化し,それらの位置を2D-GIS上で精確に特定した上で,3D-GIS/VRによって景観要素の3次元的モデル化および視覚化を行う.複数の時間断面ごとのGISデータベース作成を通して,最終的に4D-GISとしての「京都バーチャル時・空間」が形作られる.さらにその成果は,3Dモデルを扱う新しいWebGISの技術を用いて,インターネットを介し公開される.
著者
矢野 桂司 中谷 友樹 磯田 弦 高瀬 裕 河角 龍典 松岡 恵悟 瀬戸 寿一 河原 大 塚本 章宏 井上 学 桐村 喬
出版者
Tokyo Geographical Society
雑誌
地學雜誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.117, no.2, pp.464-478, 2008-04-25
被引用文献数
2 19

バーチャル京都は,歴史都市京都の過去,現在,未来を探求することを目的に,コンピュータ上に構築されたバーチャル時・空間である。本研究では,最先端のGISとVR技術を用いて,複数の時間スライスの3次元GISからなる4次元GISとしてのバーチャル京都を構築する。本研究は,まず,現在の京都の都市景観を構築し,過去にさかのぼる形で,昭和期,明治・大正期,江戸期,そして,京都に都ができた平安期までの都市景観を復原する。<br> バーチャル京都を構築するためには以下のようなプロジェクトが行われた。a)京都にかかわる,現在のデジタル地図,旧版地形図,地籍図,空中写真,絵図,景観写真,絵画,考古学資料,歴史資料など位置参照可能な史・資料のGIS データの作成,b)京町家,近代建築,文化遺産を含む社寺など,現存するすべての建築物のデータベースおよびGISデータの作成,c)上記建築物の3次元VRモデルの構築,d)上記GISデータを用いた対象期間を通しての土地利用や都市景観の復原やシミュレーション。<br> バーチャル京都は,京都に関連する様々なデジタル・アーカイブされたデータを配置したり,京都の繊細で洗練された文化・芸術を世界に発信したりするためのインフラストラクチャーである。そして,Webでのバーチャル京都は,歴史的な景観をもつ京都の地理学的文脈の中で,文化・芸術の歴史的データを探求するためのインターフェイスを提供する。さらに,バーチャル京都は,京都の景観計画を支援し,インターネットを介して世界に向けての京都の豊富な情報を配信するといった重要な役割を担うことになる。
著者
磯田 弦
出版者
東北地理学会
雑誌
季刊地理学 (ISSN:09167889)
巻号頁・発行日
vol.70, no.3, pp.127-133, 2018
著者
田中 誠也 磯田 弦 桐村 喬
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.100269, 2016 (Released:2016-04-08)

近年,新たな観光資源としてアニメ作品の背景として利用された地点をめぐる「アニメ聖地巡礼」が注目を集め,ファンに呼応する形で地域も様々な施策を行っている.本報告では,SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の1つであるツイッターの位置情報付きの投稿データを用いて,アニメ聖地と認められている地域内で巡礼者がどのような地点を訪れているのかを,時系列に見ていくことで地域の施策の動きと聖地巡礼者の動きの関係性を分析していく.
著者
柴田 嶺 吉川 湧太 今川 諒 磯田 弦 関根 良平 中谷 友樹
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2020年度日本地理学会春季学術大会
巻号頁・発行日
pp.145, 2020 (Released:2020-03-30)

はじめに 到達可能な空間的範囲(Potential Path Area: PPA)は,アクセシビリティ指標を構成する基礎的な概念の1つである.PPAは時間地理学的な枠組みで操作化でき,具体的な交通手段の移動速度に基づいて計算できる.例えばJustenら(2013)は,PPAを用いて,個人が自由意志のもとに活動する場所の選択モデルを開発した.しかし,1日の中でも時間帯によって公共交通機関の運行頻度や道路の混雑具体等が異なり,PPAも変化する.そうした現実的な複雑さを考慮するにあたって,公共交通機関であれば運行スケジュールをデータベース化し,PPAの計算に利用することが考えられる.近年では,公共交通機関等のネットワークと運行スケジュールをあわせたデータ規格としてGTFS (General Transit Feed Specification)が普及しつつあり,GIS環境においてもこれを利用した処理が可能となった.海外ではFarber(2014)等の研究事例が存在するが,国内での利用例は乏しい.そこで本研究では,GTFSデータを用い,PPAの詳細な変化を分析する可能性について,仙台市の公共交通環境の変化を題材に考察する. 仙台市では2015年12月に仙台市地下鉄東西線が新規開業し,あわせてバス路線網の再編がはかられた.2018年に実施した東西線沿線の一部地域での社会調査では,地下鉄の利便性が向上したにも関わらず,バスの利便性が低下したことへの不満を表明する居住者もみられた.本研究では,地下鉄東西線沿線住民が経験した交通環境の変化を,PPAに基づく指標から明らかにする.研究資料と方法 仙台市地下鉄,仙台市営バスの時刻表データからGTFS共通フォーマット形式のデータを作成した.仙台市地下鉄の時刻表データについては東西線・南北線ともに2020年1月16日現在現行のダイヤ用いた.仙台市営バスのダイヤについては,2015年4月1日改正ダイヤと,2019年4月1日改正ダイヤ(現行)を用いた.GTFSデータをArcGIS Pro 2.4(ESRI Inc.)において運用し,到達圏解析によってPPA計算を行った.到達圏解析では,2018年に実施した社会調査の対象地域である仙台市若林区白萩町の代表地点を発地とし,1時間ごとに30分間の移動可能範囲としてPPAを算出した.結果と考察 1日の中でも時間帯ごとにPPAの形状や大きさが異なり,これをGIS環境において可視化・定量化が可能となった. PPAは,開業した地下鉄を反映して2019年では到達可能な範囲が2015年のそれよりも東西方向に大きく拡大した.一方で,2015年に到達圏内であった地域が2019年には圏外となる状況も存在し,着地によってはアクセス性が低下していた.これは,地下鉄開業によるバス路線の再編が大きく影響していると考えられる. このようにGTFSを用いることで,時間帯や交通モードを考慮した交通環境の詳細な評価が可能となる.PPAに着目すると、地下鉄の開業に伴って生じた交通環境の再編が,必ずしも住民の到達可能範囲を改善するばかりではなかったことが可視化される.改善すべき交通環境の特定や、交通行動に関する居住者からの評価や行動実態とPPAの関連性など,GTFSを利用したネットワーク解析のさらなる活用が期待される.文献 Farber, S., Morang, M.Z. and Widener, M.J. 2014. Temporal variability in transit-based accessibility to supermarkets. Applied Geography 53: 149-159 Justen, A., Martínez, F.J. and Cortés, C.E. 2013, The use of space-time constraints for the selection of discretionary activity locations. Journal of Transport Geography 33: 146-152
著者
田中 誠也 磯田 弦 桐村 喬
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.100267, 2015 (Released:2015-04-13)

本報告では,観光行動を分析する手段としてSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の1つであるツイッターの位置情報付きの投稿データを用いて,アニメ作品のロケ地またはその作品・作者と関連性があり,かつファンによってその価値が認められている場所(「アニメ聖地」)と認められている地点と,アニメファンが多く参加すると考えられるイベントに注目して,聖地巡礼者の①発地と②訪問先を分析し,観光行動研究への活用を検討する.
著者
田中 誠也 磯田 弦 桐村 喬
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2016, 2016

近年,新たな観光資源としてアニメ作品の背景として利用された地点をめぐる「アニメ聖地巡礼」が注目を集め,ファンに呼応する形で地域も様々な施策を行っている.本報告では,SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の1つであるツイッターの位置情報付きの投稿データを用いて,アニメ聖地と認められている地域内で巡礼者がどのような地点を訪れているのかを,時系列に見ていくことで地域の施策の動きと聖地巡礼者の動きの関係性を分析していく.
著者
神田 兵庫 磯田 弦 中谷 友樹
出版者
東北地理学会
雑誌
季刊地理学 (ISSN:09167889)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.91-106, 2020
被引用文献数
4

<p> 本稿では,1980年から2015年における市町村別人口および1kmメッシュ人口から,日本の大都市雇用圏がこれまでに経験した都市構造の変遷を把握した。その結果,日本の都市圏の多くは,クラッセンの都市サイクルモデルの想定とは異なり,いわゆる人口が増加した都市化や郊外化の段階を経験した後,都市圏全体として人口が減少する局面を迎えると,中心部の人口の割合が相対的に上昇する集中化(中心化)傾向を示すことが明らかとなった。また,人口減少局面においては,都市構造の遷移は小規模な都市圏の傾向を中規模以上の都市圏が追随する傾向にある。</p>
著者
河原 大 矢野 桂司 中谷 友樹 磯田 弦 河角 龍典 高瀬 裕 井上 学 岩切 賢 塚本 章宏
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.118, 2004

<b>_I_ 研究目的</b><br>本研究の最終的な目的は、2・3次元GISとVR(Virtual Reality)技術を活用して、歴史都市京都のバーチャル時・空間を構築することにある。そのためには、過去における京都の町並みの景観を構成するコンテンツを特定し、それらの精確な位置情報を収集する必要がある。本発表では、現在から過去にさかのぼる形で、現在、戦後、大正の3時期を設定し、各時期の京都のバーチャル時・空間を構築する。<br><b>_II_ 京都の景観コンテンツ -京町家を中心として-</b><br> 京都では第二次大戦の被害が少なかったこともあり、神社・寺院や近世末から戦前に建てられた京町家や近代建築などが多数現存している。したがって、現在の京都バーチャル・シティーを構築したのちに新しく建てられた建物を京町家に置き換えていくことで、過去の町並みの景観復原をおこなうことが可能になる。 以下では、現代、戦後、大正の順に、京都の町並みの中で主要な景観コンテンツである京町家の特定をしていく。<br><b>1)現代</b> 現在における京都市のバーチャル・シティーのベースとして、本研究では、現在もっとも精度が高い3次元都市モデルであるMAP CUBE<sup>TM</sup>を用いることにする。MAP CUBE<sup>TM</sup>は、2次元都市地図(縮尺は2500分の1精度)上のポリゴンの建物形状を2次元GISのベース((株)インクリメントP)として、各建物の高さをレーザー・プロファイラーにより計測し((株)パスコ)、建物の3次元形状を作成したもの((株)CAD CENTER)である(そのレーザーの計測間隔は約2mで、高さ精度は±15cmである)。また、各各建物の3次元VRモデルは、MAP CUBE<sup>TM</sup>の3次元形状モデルに、現地でのデジタル撮影により取得された画像を、テクスチャ・マッピングしたものである。なお、建物以外の地表面に関しては、空中写真などをテクスチャ・マッピングすることができる(専用の3次元GISソフトUrban Viewerによって、操作することができる)。<br> 京都市は、平成10年に『京町家まちづくり調査』として、都心4区を中心とする範域の京町家の悉皆外観調査を実施し、約28,000件もの京町家を特定した。本研究では、この調査データを効率よく2次元GIS化するとともに、1998年以降の変化を補足する追跡調査を実施している。この調査によって、現時点での京町家の建物形状(ポリゴン)、建物類型、建物状態などが2次元GISとしてデータベース化されている。<br> 本研究ではさらに、2次元GISとして特定された現在の京町家データベースを、Urban Viewerを用いて、3次元表示させていく。<br><b>2)戦後</b> 戦後の京町家の分布状態を明らかにするために、空中写真から京町家を特定し2次元GIS化した。具体的には、1948年の米軍撮影空中写真、1961年の国土地理院撮影空中写真、1974年の国土地理院撮影空中写真、1987年国土地理院撮影空中写真、2000年中日本航空撮影空中写真の53 年間13 年ごと5期の空中写真について判読を実施した。<br> 都心地域(北は御池通、南は四条通一筋南の綾小路通、東は河原町通、西は烏丸通の3 筋西の西洞院通に囲まれる東西約1100m 南北約800m の範域)において、1948年時点で約6,250件、1961年時点で約5,900件、1974年時点で約4,550件、1987年時点で約2,900件、2000年時点で約1,800件と、京町家が減少していることが判明した。また、その場合、大通りに面する京町家から内側へと次第に減少していく傾向が明らかになった。<br><b>3)大正</b> 大正期の京町家の空間的分布を明らかにするために、『大正元年京都地籍図』(立命館大学附属図書館所蔵)をデジタル化し、さらに2次元GISを用いて、当時の地割をベクタ化した。この地籍図は約1200_から_2000分の1の縮尺で、現在の都心とその周辺地域の範囲を合計375枚でカバーしている。<br>各地割ごとに京町家が建てられていたと想定し、すでに竣工された近代建築についても特定した上で、地割の大きさにあわせて、3次元のバーチャル・シティー上に京町家を配置し、町並みの景観を復原していくことができる。<br><b>_III_ 京都のバーチャル時・空間</b><br> 本研究では、京都の町並みの景観を構成する重要なコンテンツとして京町家をとりあげ、悉皆外観調査、過去の空中写真、過去の地籍図を最大限に活用して、現在、戦後、大正の京町家の2次元GISをデータベース化するとともに、3次元都市モデルにそれら京町家を統合し、京都バーチャル時・空間を構築した。<br>その結果、歴史都市京都の町並みの変遷を3次元的に視覚化させ、時・空間上での景観復原を可能とした。
著者
田中 誠也 磯田 弦 桐村 喬
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2015, 2015

本報告では,観光行動を分析する手段としてSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の1つであるツイッターの位置情報付きの投稿データを用いて,アニメ作品のロケ地またはその作品・作者と関連性があり,かつファンによってその価値が認められている場所(「アニメ聖地」)と認められている地点と,アニメファンが多く参加すると考えられるイベントに注目して,聖地巡礼者の①発地と②訪問先を分析し,観光行動研究への活用を検討する.
著者
日野 正輝 富田 和暁 伊東 理 西原 純 村山 祐司 津川 康雄 山崎 健 伊藤 悟 藤井 正 松田 隆典 根田 克彦 千葉 昭彦 寺谷 亮司 山下 宗利 由井 義通 石丸 哲史 香川 貴志 大塚 俊幸 古賀 慎二 豊田 哲也 橋本 雄一 松井 圭介 山田 浩久 山下 博樹 藤塚 吉浩 山下 潤 芳賀 博文 杜 国慶 須田 昌弥 朴 チョン玄 堤 純 伊藤 健司 宮澤 仁 兼子 純 土屋 純 磯田 弦 山神 達也 稲垣 稜 小原 直人 矢部 直人 久保 倫子 小泉 諒 阿部 隆 阿部 和俊 谷 謙二
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-04-01

1990年代後半が日本の都市化において時代を画する時期と位置づけられる。これを「ポスト成長都市」の到来と捉えて、持続可能な都市空間の形成に向けた都市地理学の課題を検討した。その結果、 大都市圏における人口の都心回帰、通勤圏の縮小、ライフサイクルからライフスタイルに対応した居住地移動へのシフト、空き家の増大と都心周辺部でのジェントリフィケーションの併進、中心市街地における住環境整備の在り方、市町村合併と地域自治の在り方、今後の都市研究の方向性などが取組むべき課題として特定された。