著者
田中 大輔 大鐘 武雄 小川 恭孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.82, no.11, pp.2133-2141, 1999-11-25
被引用文献数
39

同一チャネル干渉除去技術として基地局にアダプティブアレーを用いたSDMA方式を検討した.SDMA方式においては,所要の誤り率特性を得られない場合も起こりうるので,チャネルの割当可否を事前に,かつ容易に判断する手法が必要となる.ユーザからの信号が特定の到来方向を有する場合には,アレーの応答ベクトルによって与えられる空間相関を用いる手法が考えられる.本論文では,2ユーザ及び3ユーザにおけるチャネル割当基準を検討した.このとき空間相関値はそれぞれ一つまたは三つ与えられるが,2ユーザの場合は各ユーザの平均SNRと相関値が割当基準となり,3ユーザの場合は各ユーザの平均SNRと三つの相関値の積と2乗和の関係が割当基準となることが明らかとなった.また,3ユーザの場合に孤立セルにおいて呼損率特性を評価した結果,SDMAを用いない場合と比較して収容トラヒックはおよそ3.5倍まで上昇することが明らかとなった.
著者
志津木 健 小川 郁 井上 泰宏 神崎 仁
雑誌
Audiology Japan (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.242-249, 2000-08-31
被引用文献数
7
著者
石井 譲治 小川 保 内藤 健晴 宮田 昌 石原 正健 馬場 錬 妹尾 淑郎 岩田 重信 横山 尚樹
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.46, no.12, pp.1251-1257, 1997
被引用文献数
3

スギ花粉主要抗原の一つであるCry j Iをラット腹腔内注射にて感作し, さらにCry j Iを点鼻, その6時間後の鼻腔, 喉頭, 気管粘膜に浸潤している好酸球およびリンパ球を観察し比較検討した。ラットはBrown Norwayのオス13匹を用いた。5匹をコントロール群, 8匹にCry j I 10μgとアルミニウムゲル4.5mgを0.4ml蒸留水に溶解し, 12日の間隔をあけ2回腹腔内注射を行った。血清Cry j I特異IgE 抗体価はIgE-capture ELISA法にて測定した。鼻粘膜, 喉頭, 気管はCry j I溶液点鼻6時間後に採取した。血清Cry j I特異IgE抗体価は感作群307.1±185.3任意U/ml, コントロール群0.0±0.0任意U/mlで感作群において有意の上昇 (p<0.01) を認めた。浸潤細胞について鼻粘膜では好酸球 (p<0.01), リンパ球 (p<0.05) ともに感作群に有意に多く浸潤していた。喉頭では感作群で好酸球浸潤が有意に多かった (p<0.01) が, リンパ球は両群で有意差は見られなかった。気管では両群とも好酸球, リンパ球ともにほとんど見られなかった。Cry j I腹腔感作ラットは鼻腔及び喉頭においてアレルギー性病変を起し得るものと考えた。
著者
八木 宏樹 小川 恭孝 大鐘 武雄 伊藤 精彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム
巻号頁・発行日
vol.96, no.212, pp.9-14, 1996-08-08
被引用文献数
9

高速陸上移動通信おいては, 所望波とともに周囲の環境による反射, 散乱, 回折が原因で遅延時間差を持った多重波が発生する. 多重波抑圧をアダプティプアレーで行うことが提案されているが, アンテナ高が低い場合には, 周囲の建物等が原因で, これらの多重波が広い範囲にわたって到来する. このような状況下ではパタンの自由度を超える数の多重波が到来することが予想される. 自由度を超えた多重波が到来するときのアダプティブアレーの特性を主としてシミュレーションにより考察し, 0.1〜0.3シンボル長以内の遅延時間差を有する多重波はほぼ1つの信号とみなされ, 自由度が消費されることによる重大な特性劣化は起きないことが明らかになった.
著者
官原 浩二 小谷 亮 小川 吉大 小林 啓二 近藤 省造
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.245-246, 1997-03-12

インターネット上のアプリケーションとして, 利用者の操作履歴やアンケートを基に利用者個人毎に適応して様々な情報を推薦, フィルタリングするシステムの検討が活発化している。我々は, 個人適応型システムとして, 多チャンネル化が進むTV放送に注目し, TV番組推薦システムについての検討を行った。本システムの目的は, 番組選択の履歴情報から, 利用者の「好み」を抽出し, 利用者個人に適応した番組表を作成し, 見たいと思う番組をシステムが推薦することである。本稿では, 履歴情報から抽出するパラメータの定義, 評価実験, 及び今後の課題について述べる。
著者
小川 俊雄 安原 通博 藤田 晃 香西 和子 川本 洋人
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
東京大学宇宙航空研究所報告 (ISSN:05638100)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.991-1000, 1978-08

1977年10月3〜4日に,成層圏の二つの異なった高度(20km及び26km)において,超低周波(ELF)帯の垂直電界成分を約24時間にわたって観測した.これから,シューマン共振が第7モード(44.9 Hz)まで存在し,共振電力のピーク周波数にライン・スプリッティングがあることを見い出した.高度による共振電力の差が第2モードに観測された.共振周波数と共振電力の日変化と,Q型バーストの例を得た.また,50Hz(商用電源周波数)のノイズが観測された.
著者
小川 一夫
出版者
神戸大学
雑誌
國民經濟雜誌 (ISSN:03873129)
巻号頁・発行日
vol.161, no.4, pp.59-78, 1990-04
著者
渡辺 邦洋 小川 裕作 板垣 昌幸 常盤 和靖
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.163-169, 2006-03-05

必要試料量がnlレベルであるキャピラリー電気泳動法により,高温酸化物超伝導体中のTlの価数分析法を開発した.四ホウ酸ナトリウム十水和物を泳動液に用い,アコイオン自体に紫外吸収を示すTl(I)はTl^+として印加電圧25.0kVで泳動させ,波長215nmでUV法により直接検出した.塩酸に溶解させているTl(III)はTlCl_6^<3->として印加電圧-30.0kVで泳動させ,波長242nmで直接検出した.共存イオンはイミダゾールを用い,間接紫外吸光法により定量した.実試料は,Tl系高温酸化物超伝導体0.20mgを0.01MのHClに溶解させて用いた.測定した2種類の試料はともに97%がTl(III)という結果になった.本法を用いることで従来の方法よりも必要とする試料量を約20分の1に下げることができた.
著者
小川 純一
出版者
一般社団法人日本外科学会
雑誌
日本外科学会雑誌 (ISSN:03014894)
巻号頁・発行日
vol.100, no.2, pp.216-219, 1999-02-01
被引用文献数
1
著者
三神 京子 中村 明日香 繁富 利恵 小川 貴英
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.200, pp.173-180, 2004-07-14
被引用文献数
1

映画館への入場券など,様々な権利を電子化した電子チケットサービスが普及してきている.様々な情報が電子化されることで,情報の取り扱いが容易になる一方,その容易さから利用者のプライバシが脅かされる可能性がある.電子チケットサービスでも,利用者の個人情報,購入・使用履歴などの情報が電子的に管理され,サービス提供者は利用者に応じたサービスを提供しやすくなったが,このような情報が悪用されれば,利用者のプライバシ侵害につながる.そこで本論文では,チケットの入手や譲渡において,利用者の匿名性を保証しつつも適切に運用できる電子チケットシステムを提案する.本システムは,オフライン型電子現金スキームの応用の一つであるRefreshable Tokensスキームの機能を拡張し,匿名でのチケットの購入・使用,さらに利用者間でのチケット譲渡を可能にする.
著者
小川 史世
出版者
一般社団法人照明学会
雑誌
照明学会誌 (ISSN:00192341)
巻号頁・発行日
vol.92, no.7, pp.341-342, 2008-06-25

川越一番街は,西武新宿線本川越駅から北へ約1km,札の辻(元町)と仲町を結ぶ南北約420mにわたる商店街である.重厚な蔵造りの建物が並び,江戸時代の趣をそのまま残す町並みは,国の重要伝統的建造群保存地区にも指定され「小江戸・川越」の風情豊かな魅力を今に伝えている.2007年5月に,商店街を通る県道の歩道部分で石畳の整備が実施されたことに伴い,老朽化した街路灯を一新した.建物や歩道を柔らかに照らす工夫とともに,蔵造りの街並みを邪魔しない,自らを主張しない街路灯デザインが評価され,「彩の国景観賞2007」(埼玉県主催)を受賞している.
著者
小川 伸彦
出版者
京都大学
雑誌
京都社会学年報 : KJS
巻号頁・発行日
vol.1, pp.31-48, 1994-03-31

In his last work, Les Formes Elementaires de la Vie Religieuse (1912), Durkheim wrote in an often neglected footnote that "today society treats criminals in a different fashion than subjects whose intelligence only is abnormal; that is a proof that the authority attached to logical norms and that inherent in moral norms are not of the same nature, in spite of certain similarities. [...] It would be interesting to make a study on the nature and origin of this difference [...]". This article tries to clarify, through the following procedure, the significance of this 'moral-logical' distinction by drawing upon his theory of ritual. After showing how consistently this moral-logical dyad was held in his conception of both society and human nature, we re-define this dyad to correspond respectively to action-representation dyad. Then, in the main part of this article, Durkheim's account of some ritual types (ie. sacrificial, representational and mimetic) will be analyzed to show that effervescent ritual action and its moral success will inevitably mobilize two systems of representations, which contribute to the construction of the reality of societe; one "totemic" (that which is directly needed to be able to pursue the prescribed ritual action) and the other "categorical" (that which lies on the context level). Finally, the possibility of the extension of this theory will be examined and it will be proposed how we can use Durkheim's theory of ritual as a sociological perspective into social life in general and symbolic aspects of group identity in particular.
著者
阿部良行 中村 雅登 加藤 優子 小川 純一 井上 宏司 多田 伸彦
出版者
日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.279-284, 1992
被引用文献数
15

症例は56才男性.胸部異常陰影を指摘され, 肺癌の術前診断で, 左下葉切除・リンパ節郭清術施行(病理診断:大細胞癌, T2NlM0).術後6ヵ月, 急性腹症で緊急入院し, 諸検査で肺癌の副腎転移が疑われた.はっきりした感染がないにもかかわらず, 白血球数は21, 800/μlと異常高値を示した.疼痛軽減を目的に腹部腫瘤摘出術施行し, 病理学的に肺癌の転移と診断された.術直後, 白血球数は低下傾向を示したが, 再上昇し, 術後23日目に腫瘍死した.死亡直前の白血球数は46, 500/μlであった.血清中の顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)は146pg/ml(正常<60)と高値を示し原発巣および転移巣の腫瘍組織より抽出したRNAをノザンブロット法で解析し, 両者にG-CSFのmRNAの発現を認めた.本症例では, 腫瘍細胞での自律的なG-CSF遺伝子の発現と血清中へのG-CSFの過剰分泌が分子生物学的に証明され, 白血球増多症に対する腫瘍産生性G-CSFの関与が明らかにされた.
著者
山本 仁志 諏訪 博彦 小川 祐樹 岡田 勇
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2009年春季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.72, 2009 (Released:2009-11-14)

我々は,SNSの友人関係から作られるネットワークをフレンドネットワークとし,フレンドネットワークと実際のコミュニケーション行動との関係を明らかにする。第一に、我々は300あまりのSNSサイトを分析対象とし、SNSサイトのネットワーク構造の特徴を分析した。第二に、フレンドネットワークと日記・コメントのコミュニケーションネットワークの関係から個人の性質をつかまえ、SNSにおける役割を分析した。その結果、SNS内のフレンドネットワーク構造に依存したコミュニケーションが行われているSNSと、ネットワーク構造を超えてコミュニケーションが行われているSNSの存在を確認した。さらに、それぞれのSNSにおけるコミュニケーション構造の特徴と活性化のパターンに違いがあることを明らかにした。
著者
坂元 英知 市原 隆洋 原田 理恵 太田 隆介 小川 和久 瀬々 良介 香川 豊宏 田代 陽美子 三輪 邦弘 和田 忠子 湯浅 賢治
出版者
福岡歯科大学学会
雑誌
福岡歯科大学学会雑誌 (ISSN:03850064)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, 2001-12-30

【目的】CT検査において,照射するX線量は検査部位を基準に決定され,被写体の大きさは考慮されていないのが一般的である。しかし,被写体の大きさに画質は影響をうけると考えられる。そこで,検査部位のみならず,被写体の体厚を考慮した線量の適正化とその有用性について検討を行った。【対象・方法】CT(GE横河社製:Lemage Supreme)を使用し,胸・腹部用ファントム(京都科学標本社製)の厚みと線量を変化させてCT撮影を行いそれを指標とした。患者(2001年6〜9月:160人)は,腹部領域の画像を使用,それぞれの体厚とCT値の標準偏差を計測,そのデータより患者の至適線量,体厚における線量比を推測した。またその線量の変化におけるX線管球冷却時間の計測を行った。【結果】1, 両者の体厚における標準偏差値の差は0.5で平行な右上がりの直線を示した。2, 体厚が28cm以下の患者撮影線量は20〜35%減少した。3, 線量の減少に伴い,X線管球冷却時間は短縮した。【まとめ】以上の結果1, 画質の均一化2, 患者の照射線量の減少3, 管球冷却時間の減少(患者待ち時間の短縮)4, 管球の長寿命化5,病院収益の向上が考えられる。