著者
西本 豊弘 藤尾 慎一郎 永嶋 正春 坂本 稔 広瀬 和雄 春成 秀樹 今村 峯雄 櫻井 敬久 宮本 一夫 中村 俊夫 松崎 浩之 小林 謙一 櫻井 敬久 光谷 拓実 設楽 博巳 小林 青樹 近藤 恵 三上 喜孝
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
学術創成研究費
巻号頁・発行日
2004

弥生時代の開始が紀元前10世紀末であることが明らかとなった。その後、日本列島各地へは約500年かかってゆっくりと拡散していった。さらに青銅器・鉄器の渡来が弥生前期末以降であり、弥生文化の当初は石器のみの新石器文化であることが確実となった。
著者
小林 謙 五十嵐 岳史
出版者
一般社団法人 日本めまい平衡医学会
雑誌
Equilibrium Research (ISSN:03855716)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.108-114, 2008 (Released:2008-05-29)
参考文献数
15
被引用文献数
5 2

We performed a demographic analysis of 2293 vertiginous patients seen at our clinic from February 1995 to November 2005. While a definitive diagnosis could be made in 1287 cases (56%), the diagnosis remained tentative in 622 (27%), and the cause diagnosis remained unknown in 384 cases (17%). The most common vertiginous disease was benign paroxysmal positional vertigo (456 cases), followed in prevalence by Meniere's disease (232 cases). Most patients had visited other medical facilities before visiting our clinic. Analysis of the medical facilities visited by the patients suggested that the vertiginous patients visited both physicians and otolaryngologists; while. physicians saw the patients in primary care settings, otolaryngologists examined the patients at general hospitals and university hospitals. This discrepancy may complicate the care of vertiginous patients.
著者
大久保 耕嗣 阿部 政典 小林 謙一 長井 一彦 長井 知子 樋口 多恵子 継田 雅美
出版者
一般社団法人 日本環境感染学会
雑誌
日本環境感染学会誌 (ISSN:1882532X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.290-294, 2008 (Released:2009-02-16)
参考文献数
19
被引用文献数
1

著者等は,新潟県内の医療施設に1988年,1994年および2007年にアンケートを取り,手指衛生の変遷について調査した.1988年に主流であったベイスン法は,現在では行われていない.1994年は,速乾性擦式アルコール製剤のラビング法と消毒薬を用いたスクラブ法が多く,2007年は,流水と石鹸,抗菌性石鹸および消毒薬を用いたスクラブ法が多かった.一方,日本環境感染学会において1992年から2007年までの手指衛生に関する全ての発表と論文を分析した.手指衛生についての発表および論文タイトルが,全体に占める割合は10%であった.学会発表は,2002年にCenters for Disease Control and Prevention (CDC)手指衛生のためのガイドラインが発表された翌年に,8.7%から15.3%と高くなった.このガイドラインは,水場のない場所での手指衛生を踏まえてアルコール含有のラビング法を推奨しているが,日常手洗いでは石鹸と抗菌性石鹸を用いたスクラブ法を推奨している.2007年の調査では,アルコール含有ラビング法が減少していた.各病院において基本である流水下で行う手洗いが実施されていることが示唆された.日常手洗いと衛生的手洗いが区別されて行われているのではないかと考えられた.
著者
小林 謙一 坂本 稔
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.196, pp.23-52, 2015-12-25

本稿は,縄紋後期の生業活動において,海洋資源がどの程度利用されていたのかを見積るため,炭素の安定同位体比(δ¹³C値)と炭素14年代をもとに,時期別・地域別の検討をおこなったものである。旧稿[小林2014]において,陸稲や水田稲作が出現する弥生移行期である縄紋晩期~弥生前期の土器付着物を検討した方法を継承して分析した。そのことによって,旧稿での縄紋晩期と弥生前期との違いの比較検討という目的にも資することができると考える。土器内面の焦げや外面の吹きこぼれなど,煮炊きに用いられた痕跡と考えられる土器付着物については,δ¹³C値が-24‰より大きなものに炭素14年代が古くなる試料が多く,海洋リザーバー効果の影響とみなされてきた。一方,-20‰より大きな土器付着物については,雑穀類を含むC₄植物の煮炊きの可能性が指摘されてきた。しかし,これらの結果について,考古学的な評価が十分になされてきたとはいえない。国立歴史民俗博物館年代研究グループが集成した,AMSによる縄紋時代後期(一部に中期末葉を含む)の炭素14年代の測定値を得ている256試料(汚染試料及び型式に問題ある試料を除く)を検討した。その結果,土器付着物のδ¹³C値が-24~-20‰の試料には炭素14年代で100 ¹⁴C yr以上古い試料が多く見られることが確認され,海産物に由来する焦げである可能性が,旧稿での縄紋晩期~弥生前期の土器付着物の場合と同様に指摘できた。北海道の縄紋時代後期には海産物に由来する土器付着物が多く,その調理が多く行われていた可能性が高いことがわかった。東日本では縄紋時代後期には一定の割合で海産物の影響が認められるが,西日本では近畿・中四国地方の一部の遺跡を除いてほとんど認められない。これらは川を遡上するサケ・マスの調理の結果である可能性がある。また,C₄植物の痕跡は各地域を通じて認められなかった。以上の分析の成果として,土器付着物のδ¹³C値は,縄紋時代後期の生業形態の一端を明らかにし得る指標となることが確認できた。
著者
高橋 秀俊 小林 謙二
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.179-194, 1985-03-05

「人間にとってふさわしい研究は人間である」 (The proper study of mankind is man) と英国の詩人アレキサンダー・ポープは言っているが, 科学の窮極の目的の一つは矢張り, 思惟する能力をもつ「人間」というものを理解することであると言えるのかも知れない. 科学も所詮は「人間」が作り上げた文化の一形態であり, 「人間」なしには科学も存在し得なかったのである. その意味で, 教科書の中の科学だけではなく, 実際に研究に従事した科学者の語るなまの「人間の言葉」も聞いてみる価値が大いにあろうかと思われる. 1977年が日本物理学会創立100年にあたることを記念して, 『日本の物理学史』(上)-歴史・回想編-; (下)-資料編-が日本物理学会編集により1978年に東海大学出版会から発行され, 日本の物理学界の指導的立場にあり, すぐれた業績をあげられた先生方の回想録が収められている. 物性理論に関連したものとしては, 久保亮五先生の「日本における統計力学の成立」, 永宮健夫先生の「物性論の発展のなかで」, 伏見康治先生の「日本における物理学の成立」という大変興味深い回想録があり, 我が国における物性理論の発展の様子を可成りの所まで窺い知ることができるが, 十分とは言えないように思われる. そこで, 上記の回想録を補足するという意図も含めて会誌の編集委員の末席につらなる小林謙二が幾人かの物理学者にインタビーーし, 「我が国における物性論の草創時代」というテーマで, 御自身の研究の動機や当時の物理学者群像などを回想して頂き, ここにまとめた次第である. 1回目として, 我が国における物性論の草創時代 (1940年代) に活躍された東京大学名誉教授で慶応大学客員教授でもある高橋秀俊先生 (1962年度と1967年度の日本物理学会会長で, 1980年度の文化功労者にも選ばれている) の回想談をしるすことにしよう. 何分にもインタビュアーの非才のために質問の拙なさから重複するところがあったり, 余り意を尽していないような所もあるかとも思われるが, その段は読者諸賢の御海容をたまわりたい.
著者
小嶋 泰平 檜山 敦 小林 謙次郎 神山 祥子 石井 直方 廣瀬 通孝 秋山 弘子
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.273-281, 2016 (Released:2016-09-09)
参考文献数
18

In a hyper-aged society, health promotion for middle-aged and older people—especially women—became a serious social issue. Health promotion is highly important from the viewpoint of reducing healthcare cost and improving QOL. Among a variety of health promotion approaches, we especially focused on health promotion by exercises. Resistance training is regarded as one of the effective health promotive exercises. However, resistance training will not effectively work if the training is done with wrong postures and speed. In this paper, we propose a VR system that supports to perform correct exercises without relying on training instructor. Specifically, we developed a visualization system that superimposes the postures of the training instructor and trainee in a 3D virtual environment and helps the trainee to learn resistant training in the right manner.
著者
小林 謙一郎
出版者
一般社団法人 日本環境感染学会
雑誌
日本環境感染学会誌 (ISSN:1882532X)
巻号頁・発行日
vol.30, no.5, pp.348-353, 2015 (Released:2015-12-05)
参考文献数
13

歯科診療所における針刺し・切創の実態や,B型肝炎ワクチンの接種状況は明らかではない針刺し・切創を原因とする血液・体液媒介性感染症の予防を目的とし,実態を把握するためアンケート調査を行った.東京都墨田区内の歯科診療所に勤務する医療従事者(歯科医,歯科衛生士,歯科助手)を対象とした.墨田区内130施設中69施設よりアンケート調査票を回収し,計97名(歯科医師74名,歯科衛生士13名,歯科助手10名)の回答を得た.歯科医師の70.3%,歯科衛生士と歯科助手を合計した中の77.2%が針刺し・切創を経験していた.歯科医師は,診療中の麻酔用注射針による針刺しが多く,歯科衛生士や歯科助手では,針刺し・切創の原因器材や状況は様々であった.歯科診療所に勤務する医療従事者のB型肝炎ワクチン接種率は59.4%であった.歯科衛生士,歯科助手,50歳以上の歯科医師において特にB型肝炎ワクチンの接種率が低かった.また,針刺し・切創発生時に適切な対応(流水による創部の洗浄と病院の受診)を行ったものはわずか9%であった.歯科診療所では,多くの医療従事者が針刺し・切創を経験しているが,B型肝炎ワクチンの接種率や針刺し・切創発生時の対応は十分ではない.
著者
小林 謙太郎 新田 直也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SS, ソフトウェアサイエンス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.269, pp.111-116, 2013-10-17

大規模ソフトウェアの開発において,開発初期におけるアーキテクチャの選択は,その後のプロジェクトの成否を大きく左右する.しかしながら,実際の開発においてアーキテクチャをどのように選択すればよいかについては,設計者の経験に依存する部分が大きく,アーキテクチャ選択のための決定的な手法は確立されていないのが現状である.そこで本研究では,レイヤアーキテクチャを対象に,選択したアーキテクチャが要求仕様から抽出した実行シナリオと適合しているか否かを評価する手法を提案する.事例研究として,本研究室で開発した3D格闘ゲームの実行シナリオおよび初期アーキテクチャに対して本手法の適用を行った.その結果,本手法による評価結果が,当該プロジェクトにおいて初期アーキテクチャをほぼ変更することなく開発完了したという事実とよく一致していることがわかった.
著者
小林 謙一
出版者
一般社団法人 日本考古学協会
雑誌
日本考古学 (ISSN:13408488)
巻号頁・発行日
vol.7, no.10, pp.1-24, 2000-10-04 (Released:2009-02-16)
参考文献数
59

縄紋土器,特に関東地方縄紋時代中期の土器は,その多彩な文様装飾によって知られている。その中でも,端正な五領ケ台II式,立体的で様々な装飾を華美に重ねる勝坂3式土器,画一化し次第に装飾要素を失っていく加曽利E式土器など,様々な顔を持っている。それらの特徴を捉え型式内容を解明する努力は,土器文化の時空間的整理や系統性を理解する上でも,またそれらの物質文化を生み出した縄紋人の精神性,土器製作の技術,装飾に対する認知を探る上でも,興味深い題材を与えてくれるものであり,現に多くの研究が重ねられてきた。本稿では,土器装飾の施文過程を,文様のレイアウトを中心に,模式図的に整理する。特に,割付の施文過程の規則性と実際の施文実行結果の正確さ,または予定された区画数や割付位置との違いとして現れる「ゆらぎ」を,区画数,割付角度,口縁・胴部の一致の度合いなどをみることで検討する。その結果,時期ごとに主流となる区画数,割付タイプが存在し,各土器文化における基準が存在することが確認される。同時に,各時期に基準から若干はずれるような割付の狂った土器も製作されている。五領ケ台式土器~勝坂2式土器は,口縁・胴部文様がともに4単位で構成され,比較的正確な割付がなされる割付タイプaが多い。勝坂3式から加曽利E1式土器は,変則的な割付タイプbなどがめだち,区画も2~6区画と多様で,3単位や5単位といった複雑な構成でも比較的正確に割付されるものがある。加曽利E3・4式土器の胴部文様は,ほぼ等間隔に成り行きに施文される割付タイプdが大半を占めるようになり,胴部文様は7~10以上の柱状区画が連ねられる構成となる。割付ポイントの角度や区画の長さを測定した結果から,五領ケ台式,勝坂式土器ではトンボ状器具や縄などを用いて等角度に割付を行おうとしている傾向が認められる。勝坂3式の縦位区画土器や抽象文を配する土器では,結果としてはダイナミックな文様構成をとっているが,施文前に等角度に割付のマークを付けているものが認められる。加曽利E3・4式土器の胴部文様は,指にょる人体スケールなどを用いつつ,等間隔に施文していく施文過程が復元される。土器割付の検討によって,縄紋土器の施文過程や土器生産システムの復元へとつながるであろう。
著者
春成 秀爾 小林 謙一 坂本 稔 今村 峯雄 尾嵜 大真 藤尾 慎一郎 西本 豊弘
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.163, pp.133-176, 2011-03-31

奈良県桜井市箸墓古墳・東田大塚・矢塚・纏向石塚および纏向遺跡群・大福遺跡・上ノ庄遺跡で出土した木材・種実・土器付着物を対象に,加速器質量分析法による炭素14年代測定を行い,それらを年輪年代が判明している日本産樹木の炭素14年代にもとづいて較正して得た古墳出現期の年代について考察した結果について報告する。その目的は,最古古墳,弥生墳丘墓および集落跡ならびに併行する時期の出土試料の炭素14年代に基づいて,これらの遺跡の年代を調べ,統合することで弥生後期から古墳時代にかけての年代を推定することである。基本的には桜井市纏向遺跡群などの測定結果を,日本産樹木年輪の炭素14年代に基づいた較正曲線と照合することによって個々の試料の年代を推定したが,その際に出土状況からみた遺構との関係(纏向石塚・東田大塚・箸墓古墳の築造中,直後,後)による先後関係によって検討を行った。そして土器型式および古墳の築造過程の年代を推定した。その結果,古墳出現期の箸墓古墳が築造された直後の年代を西暦240~260年と判断した。
著者
春成 秀爾 小林 謙一 坂本 稔 今村 峯雄 尾嵜 大真 藤尾 慎一郎 西本 豊弘
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.163, pp.133-176, 2011-03

奈良県桜井市箸墓古墳・東田大塚・矢塚・纏向石塚および纏向遺跡群・大福遺跡・上ノ庄遺跡で出土した木材・種実・土器付着物を対象に,加速器質量分析法による炭素14年代測定を行い,それらを年輪年代が判明している日本産樹木の炭素14年代にもとづいて較正して得た古墳出現期の年代について考察した結果について報告する。その目的は,最古古墳,弥生墳丘墓および集落跡ならびに併行する時期の出土試料の炭素14年代に基づいて,これらの遺跡の年代を調べ,統合することで弥生後期から古墳時代にかけての年代を推定することである。基本的には桜井市纏向遺跡群などの測定結果を,日本産樹木年輪の炭素14年代に基づいた較正曲線と照合することによって個々の試料の年代を推定したが,その際に出土状況からみた遺構との関係(纏向石塚・東田大塚・箸墓古墳の築造中,直後,後)による先後関係によって検討を行った。そして土器型式および古墳の築造過程の年代を推定した。その結果,古墳出現期の箸墓古墳が築造された直後の年代を西暦240~260年と判断した。
著者
小林 謙一 こばやし けんいち Kobayashi Kenichi 佐川 正敏 さがわ まさとし Sagawa Masatoshi
出版者
奈良国立文化財研究所
雑誌
奈良文化財研究所年報
巻号頁・発行日
no.1989, pp.51, 1990-03-13

掲載許可調整中の画像は表示されません
著者
工藤 雄一郎 小林 謙一 山本 直人 吉田 淳 中村 俊夫
出版者
日本第四紀学会
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.409-423, 2008-12-01 (Released:2012-03-26)
参考文献数
48

石川県御経塚遺跡から出土した縄文時代後・晩期の土器付着物と漆の14C年代,炭素・窒素安定同位体比,C/N比の測定を行い,土器で煮炊きされた内容物と各土器型式の年代学的位置づけについて検討した.その結果,後期の内面付着炭化物は,動物資源を煮炊きしたものが炭化して残ったものと考えられ,このうちのいくつかは海洋リザーバー効果の影響を受けている可能性を指摘した.晩期の土器付着物の14C年代は,周辺地域の研究成果と対比しても整合的であった.そこで,晩期の土器付着物の14C年代をIntCal04で較正し,晩期中葉の中屋式,晩期後葉の下野式および長竹式の較正年代を提示した.晩期最終末の長竹式の年代は,北陸地域における環状木柱列の形成時期とも関係することが明らかとなり,これは縄文時代から弥生時代への移行期の問題を検討する上で,きわめて重要な成果である.
著者
江端 俊彰 小林 謙二 長内 宏之 川山 照雄 戸塚 守夫 早坂 滉
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科医学会雑誌 (ISSN:03869776)
巻号頁・発行日
vol.39, no.6, pp.948-952, 1978-11-01 (Released:2009-09-30)
参考文献数
13

1975年より1977年までの3年間で当科におけるエンドトキシン血症は34例で,良性疾患14例,悪性腫瘍20例であった.エンドトキシン血症を呈した8例と,エンドトキシン血症を示さなかった15例についてchemical mediatorのうち,血漿ヒスタミン,血漿セロトニン濃度について比較検討すると, Limulus test陽性例では血漿ヒスタミン,血漿セロトニン濃度ともLimulus test陰性例と比較し,有意な上昇を示した.また,実験的エンドトキシンショックにおいても, chemical mediatorのうち血漿ヒスタミン,血漿セロトニン,血中ブラディキニン濃度の上昇を確認している.エンドトキシンショックの病態生理については種々の意見があるが,エンドトキシンショック時にchemical mediatorが放出され,末梢循環不全より血液のpoolingが起きショックになると考えられている.したがって,エンドトキシンショック時にはchemical mediatorの放出が,エンドトキシンショックのtriggerとなることが示唆され,エンドトキシン血症とchemical mediatorの関係は重要なものと考えられた.
著者
横山 千鶴子 前田 雪恵 石川 幸枝 鈴木 司 小林 謙一 辻井 良政 髙野 克己 中川 徹 山本 祐司
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.89-95, 2017 (Released:2017-10-31)
参考文献数
24

Serum cholesterol level reduction is an important factor for preventing lifestyle-related disease. Together, search for food materials which reduces serum cholesterol level have come to people' s attention. In this study, we carried out a large-scale and a long-term study to evaluate the effect of brown rice on serum cholesterol level. In brief, we conducted this study using a cross-over design with 90 days of consuming pregelatinized brown rice against non-brown rice. The following results were obtained.1) There was a low drop-out rate: 2.5% (3 of 120 subjects), and many participants replied that this program was easy to join, because the preparing of brown rice was very easy and the contents of the program were very simple.2) Brown rice intake increased bowel movement and improved the participant' s physical condition.3) Serum cholesterol levels were significantly decreased in the subjects starting with abnormal value of serum cholesterol (over 221 mg/dL) by brown rice intake.4) Brown rice intake decreased serum LDL cholesterol in the subjects with initial level of high serum LDL cholesterol (over 140 mg/dL).5) However, serum HDL cholesterol level of brown rice intake group did not change in the subjects of low serum HDL cholesterol levels (under 40 mg/dL). These large-scale studies suggested brown rice has serum cholesterol decreasing effect in people with high cholesterol level.
著者
遠部 慎 宮田 佳樹 小林 謙一 松崎 浩之 田嶋 正憲
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.137, pp.339-364, 2007-03-30

岡山県岡山市(旧灘崎町)に所在する彦崎貝塚は,縄文時代早期から晩期まで各時期にわたる遺物が出土している。特に遺跡の西側に位置する9トレンチ,東側に位置する14トレンチは調査当初から重層的に遺物が出土し,重要な地点として注目を集めていた。彦崎貝塚では土器に付着した炭化物が極めて少ないが,多量の炭化材が発掘調査で回収されていた。そこで,炭化材を中心とする年代測定を実施し,炭化材と各層の遺物との対応関係を検討した。層の堆積過程については概ね整合的な結果を得たが,大きく年代値がはずれた試料が存在した。それらについての詳細な分析を行い,基礎情報の整理を行った。特に,異常値を示した試料については,再測定や樹種などの同定を行った。結果,異常値を示した試料の多くは,サンプリング時に問題がある場合が多いことが明らかになった。特に水洗サンプルに顕著で,混入の主な原因物質は現代のものと,上層の両者が考えられる。また,混入した微細なサンプルについても,樹種同定の結果,選別が可能と考えられた。これらの検討の結果,明らかな混入サンプルは,追試実験と,考古学的層位などから,除くことが出来た。また,9トレンチと14トレンチと2つのトレンチでは堆積速度に極端な差が存在するものの,相対的な層の推移は概ね彦崎Z1式層→彦崎Z2式層→中期層→彦崎K2式層→晩期ハイガイ層となることがわかった。今後,本遺跡でみられたコンタミネーションの出現率などに留意しつつ,年代測定試料を選別していく必要がある。そういった意味で本遺跡の事例は,サンプリングを考えるうえでの重要なモデルケースとなろう。