著者
小林 直弥
出版者
日本大学
雑誌
日本大学芸術学部紀要 (ISSN:03855910)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.13-23, 2005

日本の芸能の深層には、常にその担い手である芸能者に「巫=シャーマン」の要素を求めてきた歴史がある。中でも一年間の節目に、山や他界から来訪する鬼神の存在は、「翁」を創造し、後に七道者(しちどうもの)を通し芸能化していった過程を考察することもできる。本論ではそうした「翁」の創造と芸能との関係を考察する一方、折口信夫が唱えた「まれびと論」を参考に、芸能における演じる側の役割はいったいなんであったのかについて研究した。
著者
羽生 宏人 和田 英一 丹羽 崇博 近藤 靖雄 川村 尚史 丸山 信也 岡村 彩乃 山科 早英良 永井 康仁 中道 達也 上道 茜 田中 成明 小林 直樹 笠原 次郎 森田 泰弘
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
航空宇宙技術 (ISSN:18840477)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.15-21, 2010 (Released:2010-05-14)
参考文献数
6
被引用文献数
1

The educational hybrid-rocket was successfully launched and it also landed within the predicted area. Aerodynamic characteristics of the rocket designed by students of Tsukuba University were evaluated by the wind tunnel testing with the support of Tokai University. The flight path affected by the environmental condition, especially wind direction and velocity, was simulated with the original calculation program. The altitude of the rocket was measured with the optical equipment and the apex was 123 m although the calculation indicated 198 m. We expected that the insufficient filling or the volatilization of Nitrous oxide as an oxidizer led to this result. And then, the apex was verified with a function of the oxidizer filling ratio. The results showed that 81.2 % of the oxidizer volume in comparison with the firing test condition was accumulated in the tank at the launch.
著者
小林 三郎
出版者
日経BP社
雑誌
日経ものづくり (ISSN:13492772)
巻号頁・発行日
no.715, pp.83-87, 2014-04

本当のところは葛西選手に聞いてみないと分からないが、個人よりもチームを大切に思う心は、日本人にとって不自然ではない。日本が世界的に評価されているものとして、漫画やアニメ、ゲームソフトがよく引き合いに出されるが、これらは全てチームプレーだ。…
著者
鈴木 蕃 佐藤 勝春 小林 秀彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.335-338, 1975-04-15

1970年2月の国際固体回路会議における米国のインテノレ及びハネウェル両社のPチャンネル1k ビットMOSメモリ発表以後,同種のICメモリをコンピュータのメインフレームメモリに導入することが全世界的になってきた.この理由としては,(1)従来のコアメモリより小型で,(2)安く,しかもコアメモリより,今後はるかに大幅な値下りの潜在力を秘めた,(3)低消費電力で,(4)信頼性の高いメモリが,(5)CPU等とほぼ同じ方法で製造でき,(6)同じ方法で保守できる等が挙げられよう.ACOS シリーズ77のメイン・メモリは,全面的にMOS メモリを採用し,上記のような長所を持っている.
著者
矢来 博司 小林 知勝 森下 遊 山田 晋也 三浦 優司 和田 弘人 仲井 博之 山中 雅之 攪上 泰亮 上芝 晴香
出版者
一般社団法人 日本写真測量学会
雑誌
写真測量とリモートセンシング
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.6-11, 2016
被引用文献数
2

噴火に伴う被害の軽減のためには,火山活動のモニタリングが重要である。近年,地殻変動の空間分布を詳細に把握できる利点から,SARを搭載する「だいち2号」の活用が期待されている。この「だいち2号」の干渉SARにより,箱根山や桜島などで火山活動の活発化に伴う地殻変動が捉えられた。箱根山では大涌谷で地殻変動が検出され,継続的な観測により変動の推移が捉えられた。桜島では,捉えられた地殻変動から昭和火口の直下へのマグマ貫入が推定された。これらの情報は火山噴火予知連絡会などに報告され,評価に活用されている。
著者
足立 久子 岩崎 淳子 小林 和成
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.118-126, 2015-07-06 (Released:2015-07-22)
参考文献数
35

目的:家族から支援のある通院中の糖尿病患者の自己管理へのやる気に,家族による支援,動機づけ要因(満足,自己効力感),糖尿病自己管理行動への患者による主観的な総体的評価が与える影響を検討した.方法:通院中の糖尿病患者208名に無記名自己式質問紙調査を行った.結果:家族から支援のある患者数は,55名(26.4%)であった.患者の平均年齢は59.8歳,HbA1c値の中央値は6.4%(JDS)であった.パス解析の結果,家族からの支援に対する満足から,自己管理へのやる気へのパスは有意(p<.05)であった.糖尿病自己効力感との間に有意(p<.01)なパスを示した糖尿病自己管理行動に対する主観的な総体的評価から,自己管理へのやる気へのパスは有意(p<.05)であった.結論:通院中の糖尿病患者の自己管理へのやる気に,家族からの支援に対する満足と糖尿病自己効力感と関係のある糖尿病自己管理行動に対する主観的な総体的評価が肯定的な影響を与えることが示された.
著者
市川 貴大 高橋 輝昌 浅野 義人 小林 達明
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.623-626, 2002-05-31 (Released:2011-02-09)
参考文献数
19
被引用文献数
5 5

簡易かつ精度よく雨水や塩化カリウムによる土壌抽出液に含まれるアンモニア態窒素を定量するために, 水質分析で用いられているインドフェノール青法 (原法) の試料・試薬を少量化し, 簡易化した。すなわち, 試料2mlを25mlの試験管にとり, 水を10ml加える。つぎにフェノール・ニトロプルシッドナトリウム溶液を2ml加えたのちに, すばやく次亜塩素酸ナトリウム溶液を2ml加えて混和し, 室温で一・定時間放置する。この液の吸光度を635nmで測定する (試験管法)。本研究では, 吸光度に及ぼす試料の塩化カリウム濃度, 反応させた温度, 反応時間の影響について検討した。その結果, 吸光度は塩化カリウム濃度, 反応させた温度, 反応時間の上昇に伴い高まる傾向にあった。また, 測定結果を原法と試験管法で比較したところ, 両者はよく一致し, ほぼ1: 1の直線で回帰できた。このことから, 試験管法は簡易かつ原法と同様の精度で雨水や塩化カリウムによる土壌抽出液に含まれるアンモニア濃度を測定することができる。
著者
小林 将太
出版者
日本教育方法学会
雑誌
教育方法学研究 (ISSN:03859746)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.93-103, 2010-03-31 (Released:2017-04-22)

本稿は,L.コールバーグのジャスト・コミュニティにおける現実生活の意味を解明することを目的とした。コールバーグ理論における道徳性の捉え方を解釈し直すために彼の自我発達の理論を検討し,そのうえで自我発達の観点からジャスト・コミュニティの授業について考察した。その結果,第一に,コールバーグ理論における道徳性の捉え方が,彼が初期から仮定として与える自我発達の観点から包括的に解釈されることを示した。道徳性発達が他の社会的認知の変容とともに社会性発達の一部として自我発達のなかに包摂されること,加えて道徳性それ自体も自我の他の領域との関係のなかで捉えられていることを明らかにした。第二に,自我発達の理論の強調に伴い,コールバーグにおける教育の目的観が道徳性発達から自我発達へと変容したことを示した。これは,コールバーグ道徳教育論を解釈する際に自我発達の観点に立つ必要性を意味する。第三に,ジャスト・コミュニティの授業において社会の現実生活が提示されること,そしてそれが学校の現実生活について議論することと行為変容とを結びつけることに寄与すると考えられることを解明した。授業は元来,学校の現実生活の議論を通した生徒の学習と社会の現実生活とを結びつける場として構想されていた。授業は,学校と社会に関する社会的認知を結びつけることで,生徒の自己を社会に向けて再構築させることを可能にすると考えられていたといえる。
著者
小林 哲夫 早川 由紀夫 荒牧 重雄
出版者
The Volcanological Society of Japan
雑誌
火山.第2集 (ISSN:24330590)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.129-139, 1983-07-01 (Released:2018-01-15)

大隅降下軽石堆積物は, 約22, 000年前に鹿児島湾最奥部で起こった一連の巨大噴火の最初期のプリニアン噴火の産物である.灰白色の軽石と遊離結晶および少量の石質岩片からなる本堆積物は, 全層にわたってほぼ均質な見かけを呈するが, 多くの場合, 上方に向かって粒径がやや大きくなる逆級化層理を示す.層厚分布図(Fig.3)と3種の粒径分布図(軽石の平均最大粒径・石質岩片の平均最大粒径・堆積物の中央粒径;Figs.5, 6, 7)は, いずれも本堆積物の噴出火口が姶良カルデラの南縁, 現在桜島火山の位置する地点付近にあったことを示している.分布軸は火口からN120°E方向に伸びるが, 分布軸から60 km以上離れた地点にも厚く堆積している.又, 堆積物は分布軸の逆方向すなわち風上側にも20 km以上追跡できる.分布軸上で火口から30 km離れた地点での層厚は10 mに達するが, 40 km地点より遠方は海域のため層厚値は得られない.そのため噴出量の見積もりには多くの困難が伴うが, すでに知られている他のプリニアン軽石堆積物の層厚-面積曲線(Fig.4)にあてはめて計算すると, 総体積98 km3(総重量7×1016g)が得られ, 本堆積物は支笏-1軽石堆積物(116 km3)に次ぐ最大規模のプリニアン軽石堆積物であることがわかる.3種の粒径分布図から得られる粒径-面積曲線(Fig.8)は, 噴出速度・噴煙柱の高さ・噴出率などで示される噴火の「強さ」を比較する上で有効である.それにより, 大隅降下軽石噴火の「強さ」はけっして例外的なものではなく, プリニアン噴火の平均あるいはそれをやや上回る程度であったことが判明した.