- 著者
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工藤 崇
小林 淳
- 出版者
- 国立研究開発法人 産業技術総合研究所 地質調査総合センター
- 雑誌
- 地質調査研究報告 (ISSN:13464272)
- 巻号頁・発行日
- vol.64, no.9-10, pp.305-311, 2013-11-25 (Released:2014-04-24)
- 参考文献数
- 39
- 被引用文献数
-
2
12
十和田火山先カルデラ期~カルデラ形成期のより詳細な噴火史編年を目的として,十和田火山及び八甲田火山起源テフラを対象に,フィッション・トラック(FT)及び放射性炭素(14C)年代測定を行なった.その結果,白ベタテフラ(WP)より0.23±0.05 Ma,T-6テフラより0.19±0.05 Ma,ザラメ1テフラ(ZP1)より0.08±0.03 Ma,奥瀬火砕流堆積物より0.09±0.03 MaのFT年代が得られた.得られたFT年代は,いずれも層序と矛盾はしないものの,誤差が数万年と大きい.そのため,より精度良く噴火年代を見積もるためには,他の年代測定法の適用も含めて,今後さらなる検討が必要である.一方,BP2からは17,730 ± 70 BPの14C年代が得られた.この年代は,層序と良く調和しており,BP2の噴出年代を示すものとして妥当と判断される.