著者
櫻井 光広 小林 伸明 北 武司 鈴木 亮一 北村 泰紀
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会誌 (ISSN:09120289)
巻号頁・発行日
vol.66, no.8, pp.1200-1205, 2000-08-05 (Released:2009-04-10)
参考文献数
11

A controller based on inverse system has no countermeasure against modeling error of a control object. On the other hand, one of limiting properties of the linear optimal control by letting a weighting matrix of cost functional tends to infinity has disturbance decoupling property. In this paper, a trajectory tracking control method is proposed by combining an approach based on inverse system with limiting properties of the linear optimal control. The proposed method is applied to trajectory tracking control of two links robot manipulator. Comparative numerical simulations and experiments confirm effectiveness on trajectory tracking control.
著者
小林 賢一 大鎌広 藤原 祥隆
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.23, pp.149-154, 2000-03-02
被引用文献数
2

メッセージプーリング方式のPCクラスタを用いた分散処理システム"Clop"における、プログラム開発を支援するためのリアルタイムログシステムについて論じている。PCクラスタにおけるプログラム開発では、全計算サーバのイベント(計算開始、データ送信等)の実時間上の正確な順序を知り、かつそのイベントの種類と時刻の記録(イベントログ)を得ることが必要となる。しかしながら、分散処理している複数計算機は時刻が一致しているとは限らない。よって、イベントログを正確な順序で得ることは困難である。本稿では、ユーザのプログラム実行中に、計算機間の時刻のずれを計測することで、イベントログの発生時刻を補正できることが示されている。This paper presents a real-time logging system to develop programs on "Clop". "Clop" is a distributed computing system of Message-Pooling for a PC cluster. For developing the programs on the PC cluster, it is required of obtaining the exact sequence of events(starting of computation, sending of the data, etc.) and recording event log that includes type and time-stamp of the occurred events. However, each clock of the computers on the PC cluster is not always equivalent to others. Therefore, it is difficult to obtain the event log with the exact sequence. It is shown to adjust the time-stamps in the event logs by the measuring offset of each of the computers during the execution of a user program.
著者
山口 清次 長谷川 有紀 小林 弘典 虫本 雄一 PUREVSUREN Jamiyan
出版者
島根大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2010

成人には無害でも小児に対して健康被害を起こす薬剤が知られている。そこで、培養細胞とタンデムマス質量分析計を用いるin vitro probe acylcarnitine(IVP) assayという方法を応用して、小児に対する薬物等の脂肪酸β酸化に対する毒性を評価するシステムを確立した。アスピリン、バルプロ酸などは、脂肪酸代謝の脆弱な細胞でβ酸化障害が増強された。ベザフィブレートはβ酸化異常症の代謝を改善した。
著者
小林 剛志
出版者
東京大学大学院教育学研究科
雑誌
東京大学大学院教育学研究科紀要 (ISSN:13421050)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.327-332, 2009

The purpose of this paper is to review the trend of studies in the interaction for music making. In this paper, the inquiry is focused on the linguistic praxis related to musical praxis. The keyword is the languages of craft on the music making process.
著者
永野 元 秦 志新 賈 岸偉 加藤 嘉則 小林 正和 吉川 明彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LQE, レーザ・量子エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.97, no.100, pp.37-42, 1997-06-17

六方晶構造が安定であるGaN(h-GaN)をGaAs(001)や3C-SiC(001)等の立方晶構造の基板上に成長することで, 立方晶構造のGaN (c-GaN)を作製できる. c-GaNはLDデバイス化に際し共振器や電極の形成がh-GaNに比べて容易であると考えられている. しかし基板表面や成長表面に凹凸が存在すると, c-GaN中には元々安定であるh-GaNが混在しやすく高品質なc-GaNを得るのが難しい. そこで, 本研究では原子状水素(H^*)を用いて清浄化及び平坦化を行ったGaAs基板上に, rf-MBE法によりGaNの成長を行った. その結果, GaN(002)X線ロッキングカープにおいてFWHMが90arcsecであるような, 高品質のc-GaNを得ることができた. これは, H^*により処理したGaAs基板表面が, 分子層オーダーで平坦でありそのステップ端に多数のキンクを持つため, 成長初期において成長核が一様, 高密度に生成し, GaNが一様に成長したためと考えられる.
著者
小林 哲 松浦 修平
出版者
日本甲殻類学会
雑誌
Crustacean research (ISSN:02873478)
巻号頁・発行日
no.25, pp.1-6, 1996-12-20

モクズガニEriocheir japonicaの未成体期(甲幅40mm未満)における鉗脚の相対成長を,飼育条件下で明らかにした.甲幅と鉗脚長節高の関係により,雌雄とも甲幅11mm付近の変曲点により分けられる2つのPhaseの存在が示された.回帰直線には雌雄ともphase間に有意差が認められ,また第1Phaseに有意な雌雄差が無いのに対し第2Phaseでは雌雄差が認められた.さらに,より大型個体での結果を加えることで,モクズガニの全サイズにわたる鉗脚の相対成長様式を推定した.雌雄差の無い1つのPhaseのあとに,雌雄差の拡大するPhaseが,さらに雄では3つ,雌では2つのPhaseに分かれて続くことが明らかになった.
著者
岩並 恵一 石原 正隆 坪田 有史 小林 和弘 松山 喜昭 小久保 裕司 福島 俊士
出版者
社団法人日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科學會雜誌 (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.109-113, 1995-02-01
被引用文献数
17 1

日常の臨床における支台築造方法や築造材料の種類について,1977年(昭和52年)と1986年(昭和61年)に実施した調査報告に続く第3報である.特にレジン築造を含む成形材料による築造の頻度に注目したが,前回の28%から8%に減少していた.大学附属病院での調査であるため特殊な環境におけるものとの解釈もあろうが,意外の感は否めない.その他,鋳造体としての銀合金の使用頻度の減少や,合着用セメントとしてのリン酸亜鉛セメントの激減などのデータも得られている.

1 0 0 0 OA 人の心

著者
小林久太郎 著
出版者
光文堂書店
巻号頁・発行日
1921
著者
嶋田 雅子 小林 陽子 坂口 寄子 岡田 加奈子 村山 伸子 佐々木 敏 武見 ゆかり
出版者
JAPANESE SOCIETY OF HEALTH EDUCATION AND PROMOTION
雑誌
日本健康教育学会誌 (ISSN:13402560)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.94-109, 2008
被引用文献数
1 1

目的: 小学生を対象に「弁当箱ダイエット法」を用いたランチバイキング学習を実施した.このランチバイキング学習を通して, 児童の食物選択内容が改善するかを検討した.<BR>方法: 東京都世田谷区の小学6年の児童61名 (男子30名, 女子31名) が2003年秋にこの研究に参加した.ランチバイキング学習は, 年間を通じた食に関する学習プログラムの最初と後半の2回実施された.児童の食物選択内容の変化を, 栄養素, 食品, 料理レベルで検討した.さらに, 児童自身の選択内容の変化の気づきについてワークシートを分析した.<BR>結果: 栄養素では, 脂肪エネルギー比が男子は41%から33%, 女子は42%から29%へと有意に減少した.一方, 炭水化物エネルギー比は男子は40%から51%, 女子は40%から55%へと有意に増加した.食品では, 白飯が男子は108gから192g, 女子は82gから186gへと有意に増加し, 緑黄色野菜, 及び野菜の総重量も有意に増加した.料理では, 「食事バランスガイド」のサービング (SV) 数に基づき評価した結果, 主食と副菜の平均SV数が増え, 主菜のサービング数が減少した.学習時に児童が記入したワークシートの記述内容の分析では, 多くの児童がバランスの良い食物選択について正しい認識をしていた.<BR>結論: このランチバイキング学習を通して, 児童がバランスのよい食物選択のための知識とスキルを獲得したと示唆された.
著者
小林 清吾 田村 卓也 安藤 雄一 矢野 正敏 高徳 幸男 石上 和男 永瀬 吉彦 佐々木 健 堀井 欣一
出版者
一般社団法人 日本口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.192-199, 1993-04-30 (Released:2010-10-27)
参考文献数
30
被引用文献数
1 1

The purpose of this study was to evaluate the effects of a fluoride mouth-rinsing program (FMR) on dental health after the FMR program was completed. The state of dental health, including caries prevalence, was examined under blind recording conditions concerning participation in the FMR for 11th grade students in 10 public high schools, from 11 municipalities in Niigata Prefecture. The procedures of the FMR were carried out in these areas weekly, with 0.2% NaF, or daily, with 0.05% NaF, supervised by the classroom teachers in each school. The subjects, 321 in total, were classified into 3 rinse groups, each of which participated in the FMR for different periods of time, and a control group. The results of the statistical analysis showed increasing benefits in relation to increasing periods of participation. The reduction rate of caries prevention was the highest in the F11-group, subjects who participated in the program for 11 years from 4 to 14years of age. The F11-group was 56.0% lower in the mean DMFT and 81.8% lower in the mean number of highly progressed carious teeth than the control group, with statistical significance in both cases. The percentage of students who had toothaches or who were absent from school in order to visit a dentist was lower in the rinse groups than in the control group. We conclude that, in countries such as in Japan where caries prevalence is relatively high, a school-based FMR program throughout the school years is profoundly effective in preventing the occurrence and the progression of caries, and it could be the foundation of lifelong dental health care.
著者
松本 卓也 小林 聡幸 加藤 敏
出版者
医学書院
雑誌
精神医学 (ISSN:04881281)
巻号頁・発行日
vol.56, no.12, pp.1045-1052, 2014-12-15

はじめに 近年,わが国は世界でも類をみないほどの速度で高齢化を迎えている。精神科医療においても,高齢化は重要な懸案事項である。高齢化と関係するのは,認知症だけではない。大うつ病性障害(以下「うつ病」)の頻度は加齢とともに増加する5)ことが知られており,老年期のうつ病は重症度と致死率が高いことも指摘されている19)。また,高齢の患者は入院が長期化しやすく,わが国の医療費の増大にも拍車をかけていることが知られている。そのため,高齢者のうつ病入院患者の在院を長期化させる因子について検討することは,当該患者に対する適切な治療,および適切な医療資源の配分を考える上で重要であると考えられる。 しかし,うつ病患者の在院日数についての研究は,意外なほど少ない。大学附属病院を中心とした研究では,大うつ病性障害の平均在院日数が64〜94日13),高齢気分障害患者の在院日数の平均が112.3日18),60歳以上の高齢気分障害患者の在院日数の平均は約70日であった14)。ドイツとアメリカでのうつ病患者(全年齢)の平均在院日数はそれぞれ51日と11日であり2),日本は諸外国に比べても入院が長期に渡っていることが分かる。この理由には,国民皆保険制度によって比較的安価な医療費負担で入院治療を継続することが可能なことが挙げられるだろう。 うつ病入院患者の在院の長期化を規定する因子についての研究も,国内・海外ともに僅かしかみられない。Markowitzら15)は,大うつ病障害の入院患者(全年齢)に対して,ECTを施行することによって在院日数が平均13日間短縮されることを示している。国内のデータでは,当院での高齢気分障害患者(うつ病,および双極性障害を含む)について検討した玉川ら18)の研究では,65歳以上の患者は65歳未満の患者と比べて在院日数が約22日間長く,男性であること,合併症があること,および独居世帯に居住していることなどが在院の長期化の因子であった。高齢のうつ病入院患者の在院を長期化させる因子については,カナダのIsmailら11)の研究がある。彼らは2005〜2010年のうつ病入院患者についての検討から,高齢うつ病患者では,入院回数の多さ,独居世帯に居住していること,強制入院であることが長期在院を予測する因子であることを報告している。 先行研究をこのように概観すると,次に挙げるような諸々の点が明らかではないことが分かる。1.ライフイベントと在院日数の関係 高齢者は,本人や近親者が重大な病気を発症したり,ときには死に至ったりすることがある。事実,一般人口を対象とした研究において,死別をはじめとしたライフイベントが高齢者に多いことが知られている9)。また,死別が高齢者のうつ病の発症の重大なリスクファクターとなることは以前から知られている7)。同居家族が死去した後に発症したうつ病の場合,患者はうつ病から回復するという課題だけでなく,家族が喪失した家庭の中で新たな生活と役割を引き受けるという課題をも背負うことになる。この場合,在院が通常より長期化することは十分に考えられる。加えて,退職を契機としてそれまでの生活が一変することも,高齢のうつ病患者が生きる社会環境に大きな変化をもたらすと考えられる。しかし,これまで高齢者のうつ病におけるライフイベントと在院日数との関係は検討されていない。2.治療薬と在院日数の関係 うつ病患者がもともと居住していた自宅に退院するためには,ほとんどの場合で,薬物療法の効果によってうつ病を寛解ないし回復させる必要がある。このため,治療薬と在院日数には強い相関があると想定されるが,この論点についてもこれまでの研究では検討されていない。3.高齢初発うつ病の異種性 Ismailらが検討しているのは入院時に60歳以上であった「高齢うつ病患者」についてである。しかし,高齢うつ病患者には,若年初発群と高齢初発群が存在し,後者の高齢初発うつ病は重症度が高く,自殺既遂率が高く,予後も悪いことが知られており,両者を病因論的に区別するべきとされている21)。そのため,在院日数の研究についても,若年初発の高齢うつ病と高齢初発うつ病を区別することが必要だと思われる。 そこで我々は,対象を高齢初発うつ病入院患者に絞り,その在院を長期化させる因子を,患者背景や合併症,家庭環境,職歴,ライフイベント,うつ病の重症度と種類,薬物療法やECTなどの治療との関係から多角的な検討を行った16)。本稿では,以下にその研究から得られた10年分のデータを紹介することにしたい。
著者
小林 哲郎 弥生 恵司 梶 正博 宮内 昭 神前 五郎
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科医学会雑誌 (ISSN:03869776)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.127-131, 1983-02-25 (Released:2009-02-10)
参考文献数
13

われわれは最近3年間に4例の男子乳癌症例を経験し,同期間における老年期女性化乳房症52例と比較し,以下の結果をえた. (1) 男子乳癌は,傍中心性に発生することが多く,比較的早期より皮膚および乳頭の変化を来しやすい. (2) 一方,老年期女性化乳房性は,腫瘤が大きくなっても皮膚および乳頭の変化を来すことはまれで,内分泌療法によく反応する.
著者
小林 富士男 富田 将英 坪井 始 田中 始男 美咲 隆吉
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.98, pp.65-70, 1996-10-09

人間がものを見る際、どのように、どの程度その対象物が見えているかを評価するには、最終的に視覚実験によることが多いが、人間の感覚は主観的で、心理的要素など不確定で複雑な要素も多く、客観的に評価するにはこれらを定量的に表現する必要がある。本研究では、従来あるデータから網膜の出力分布を仮定することで、視対象が網膜上に結像したときの像の濃度分布と、それに対する網膜の感度分布をもとに確定的な視覚情報量を算定する方法を提案している。また、この方法を実際の視標に適用し、それぞれの視標の持つ視覚情報量を計算機シミュレーションによって計算し、その結果について考察を行った。When we gaze the object, how much the amount of visual information is obtained. When the illumination condition and the object are changed, how the amount of visual information is changed. There is a problem how to decide the relation berween these quantitatively. In this paper, the theory to calculate the amount of visual information is proposed. Next, it has been applied to the characters concretely. The various effects on the amount of visual information have been calculated by the computer simulation.
著者
池田 俊也 小林 慎
出版者
特定非営利活動法人 日本医療マネジメント学会
雑誌
日本医療マネジメント学会雑誌 (ISSN:18812503)
巻号頁・発行日
vol.8, no.4, pp.521-525, 2008-03-01 (Released:2011-03-14)
参考文献数
15

60歳男性の高コレステロール血症患者 (HL患者) の予後に関するマルコフモデルを構築し、一般的なHL患者と重症HL患者の2種類の患者に対する複数のHMG-CoA還元酵素阻害剤 (スタチン) 治療の費用対効果を評価した。一般的なHL患者に対するスタチンは、ロスバスタチン2.5mg/日、アトルバスタチン10mg/日、ピタバスタチン2mg/日、プラバスタチン10mg/日を分析対象とした。重症HL患者に対しては、ロスバスタチン5mg/日、アトルバスタチン20mg/日、ピタバスタチン4mg/日を分析対象とした。分析は、支払い者の立場で実施し、医療費と質調整生存年を推計した。一般的なHL患者を対象とした場合の質調整生存年は、アトルバスタチンが最も大きかったが、ロスバスタチンに対するアトルバスタチンの増分費用対効果比は11億円と非常に高額であった。重症HL患者を対象とした場合は、ロスバスタチンは他の2つの薬剤よりも費用が小さく、かっ質調整生存年が大きかった。一般的なHL患者及び重症HL患者ともに、費用対効果の観点からは、ロスバスタチンが最も好ましい薬物療法であると評価された。