著者
江川 香奈 内田 聡 野田 五十樹 依田 育士 堀内 義仁 小林 健一 筧 淳夫 長澤 泰
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.76, no.669, pp.2057-2064, 2011
被引用文献数
2

The study aims at finding out potential capacity for admitting casualties suffering from devastating disasters occurred in the vicinity of hospitals within a limited time frame during ordinary day to day hospital services. Three stages of analysis on admitting casualties were carried out. As the results, quite significant implications were obtained, inter alia, number of CTs / X-rays as well as the treatment space are found to be critical factors in order to complete the treatment of casualties in limited period of time.
著者
齋藤 岳人 樋口 大樹 井上 和哉 小林 哲生
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
pp.93.20237, (Released:2022-02-10)
参考文献数
24

Perimetric complexity, which is a simple metric of character (letter) complexity defined by an image’s area and peripheral length, has been widely used, especially in alphabetic orthographies. We examined whether perimetric complexity is also a valid index for Japanese kana characters (hiragana and katakana) by comparing it with subjective complexity. We obtained evaluations of subjective complexities from Japanese and English speakers and calculated the mean of each character for each type of speaker for character-based analyses. The analyses revealed three main findings: (a) Perimetric complexity was highly correlated with subjective complexity (rs > .85), and its correlation was higher than that between the subjective complexity and other measures for character complexity (i.e., stroke count). (b) The perimetric complexities were highly correlated across different typefaces, except for significantly different typefaces. (c) Subjective complexity was highly correlated between Japanese and English speakers. These findings suggest that perimetric complexity can also be used as an index for Japanese kana character complexity.
著者
田島 聖士 園田 央亙 小林 誉
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.119-128, 2021-09-30 (Released:2021-09-30)
参考文献数
59

AI(Artificial Intelligence)を用いたダブルチェックを行うことが医療の標準化に寄与できるとされている。歯科および口腔外科診療において日常的に撮影されるパノラマエックス線画像は,顎口腔領域の状態を把握できる標準化された画像である。今回われわれはパノラマエックス線画像を用いた根分岐部病変を検出するAIシステムを開発したので報告する。教師用データとして,根分岐部病変を認めるパノラマエックス線画像10,640枚を用い,深層学習アルゴリズムの転移学習により,根分岐部病変を自動検出するDCNN(Deep Convolutional Neural Network)を構築した。評価用データとして下顎大臼歯に根分岐部病変の所見が認められるパノラマエックス線画像170枚を用いた。正答率,感度,特異度,適合率,再現率,F値を評価した。結果は,正答率は96.4%,感度は95.6%,特異度は97.1%,適合率は96.3%,再現率は95.6%,F値は0.96であった。パノラマエックス線画像を用いたDCNNの深層学習により根分岐部病変を検出するAIシステムは,歯科医療従事者および患者にも有益なものと考えられる。
著者
山本 誠子 鈴木 和歌子 鈴木 香緒里 山岸 冨美江 谷口 沙奈絵 小林 三智子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.242-249, 2002-08-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
16
被引用文献数
1

The physical properties were investigated and a sensory evaluation was carried out on imo-mochi containing various starches and starch gels.Textural and tensile rupture measurements were made with a Rheoner, and the sensory evaluation was rated by the scoring method.The physical properties of Imo-mochi containing a starch gel vary according to the kind of starch. Imo-mochi is considered to have a texture like rice cake because of its higher elasticity than that of a starch gel.The results of physical measurements showed that imo-mochi containing different starches could be classified into two groups: it had higher cohesiveness and extension when mixed with potato, tapioca, sweet potato or kuzu starch than with corn or wheat starch.The former group of imo-mochi is considered to be preferable.The sensory evaluation clarified that imo-mochi containing potato starch was the most preferable among four in the first group, having high transparency, extension, a texture like rice cake and low stickiness.
著者
本谷 亮 松岡 紘史 小林 理奈 森若 文雄 坂野 雄二
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.13-20, 2011-01-31 (Released:2019-04-06)
被引用文献数
1

本研究の目的は、緊張型頭痛患者を対象として、痛みの臨床症状と心理的要因である痛みに対する認知的要因・感情的要因が、緊張型頭痛患者の抱える生活支障度の身体的側面、社会的側面、精神的側面をそれぞれどの程度予測しているか明らかにすることであった。成人の緊張型頭痛患者73名を対象に質問紙調査を行い、重回帰分析を用いて、緊張型頭痛の生活支障度の各側面に対する予測要因を検討した。その結果、生活支障度の中でも身体的側面に関する生活支障度に対しては痛みの臨床症状が予測しているが、社会的側面や精神的側面に関する生活支障度に対しては、痛みに対する破局的思考や逃避・回避行動といった痛みに対する認知的要因・感情的要因が強く予測していることが明らかとなった。キーワード:緊張型頭痛頭痛症状痛みに対する破局的思考逃避・回避行動生活支障度
著者
吉岡(小林) 徹
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.31-40, 2021-09-20 (Released:2021-10-15)
参考文献数
61

イノベーション研究の定量研究は,そのデータ源が多様化しつつある.本稿は,イノベーションの計測,イノベーションをめぐるアクター間の関係性の操作化の新潮流を,2010年以降に行われた国内外のイノベーション研究のレビューから描き出した.とくに,イノベーションの計測におけるテキスト情報の利用,そして,ユーザーの手によるデータの利用,また,アクター間の関係性を計測可能なデータの利用が,イノベーション研究の展開を豊かにしている傾向がうかがわれた.
著者
フォード・丹羽 順子 小林 典子 木戸 光子 松本 哲洋
出版者
筑波大学留学生センター
雑誌
筑波大学留学生センタ-日本語教育論集 (ISSN:13481363)
巻号頁・発行日
no.15, pp.1-12, 2000

既存の中上級者向け日本語教材の多くは、読解を中心にした総合教科書や、4技能の養成を主眼とした教材である。これらの教材は、文法シラバスに基づいたものではないために、文法に関しては、偶然その中に出てきた表現(および関連表現)を取り上げるというやり方になっている。日本語を母語としない学習者には、このような教材だけではなく、基本的構造に関わる文法を体系的に教える文法の教科書も必要だと考える。本稿は、なぜその文法形式を使って頭の中にある概念を言語化するのかという「構文動機」を、日本語教育のための文法記述の中に示すことを提案する。
著者
伊藤 寿宏 押木 守 小林 直央 加藤 毅 瀬川 高弘 幡本 将史 山口 隆司 原田 秀樹 北島 正章 岡部 聡 佐野 大輔
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G(環境) (ISSN:21856648)
巻号頁・発行日
vol.72, no.7, pp.III_305-III_313, 2016 (Released:2017-04-03)
参考文献数
25

本研究では、流入下水中のヒト腸管系ウイルス濃度分布、及びWHOが推奨する許容年間疾病負荷(10-6 disability-adjusted life years per person per year)に基づいて、定量的微生物リスク評価(quantitative microbial risk assessment: QMRA)の手法を用いて下水再生水の利用用途ごとにウイルス除去効率の目標値を算出する手法を構築・提案する。代表的なヒト腸管系ウイルスとしてノロウイルスに着目し、流入下水中のノロウイルス濃度モニタリングデータを使用することで、6種類の下水再生水利用シナリオにおけるノロウイルスの下水再生水中許容濃度及び除去効率の目標値を試算した。本研究で提案した方法により算出したヒト腸管系ウイルス除去効率目標値を使用する際には、下水再生システム稼動後においても未処理下水中のヒト腸管系ウイルス濃度をモニタリングすることが求められる。また、用量反応モデル情報の更新と、下水再生利用が行われる地域の状況に基づいた曝露シナリオとパラメータの更新についても継続して取り組むことが重要である。
著者
藤原 雄太 佐々木 翔 岩倉 敏夫 松岡 直樹 小林 宏正 日野 恵 古川 裕 石原 隆
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.45, no.9, pp.1101-1109, 2013-09-15 (Released:2014-09-17)
参考文献数
20

背景:アミオダロンはヨードを大量に含有するため,甲状腺機能異常をしばしば起こす.さらに末梢および下垂体でサイロキシン(thyroxin;T4)の代謝と甲状腺刺激ホルモン(thyroid stimulating hormone;TSH)分泌に影響するため,甲状腺機能の正確な解釈が困難になる.対象:2009年6月から2010年6月までにアミオダロンを1カ月以上処方されていた341名を対象とした.方法:対象患者の2003年1月から2010年6月までの甲状腺機能検査結果を調査し,また診療録より臨床的特徴を検討した.結果:測定キットの正常域では血中FT4とTSHはともに高値となり解釈不可能な異常値を呈する症例が多数あったため,両者の分布に基づき基準域を1.0≦FT4<2.4 ng/dL,1.0≦TSH<20.0 µU/mLと設定した.機能低下症例は疑いを含めて34名(10.4%)認めた.中毒症例は17名(5.2%)認め,type 1(機能亢進)例はなく,ほとんどの例がtype 2(破壊性)であった.死亡例とバセドウ病合併例を認めた.考察:アミオダロン治療中には甲状腺機能低下症も破壊性中毒症も高頻度に発症するが,軽症例では通常の正常域を用いて正確な診断を行うことは非常に難しい.アミオダロンによるT4代謝とTSH分泌への影響が大きく,甲状腺機能解釈時には従来の正常域にとらわれず本病態を考慮した特別の基準域を用いたほうが甲状腺機能を正しく評価でき,適切な対応が可能になると考えられる.
著者
角野 浩史 ウォリス サイモン 纐纈 佑衣 遠藤 俊祐 水上 知行 吉田 健太 小林 真大 平島 崇男 バージェス レイ バレンティン クリス
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.64, 2017

<p>四国中央部・三波川変成帯に産する変泥質岩、エクロジャイト、蛇紋岩、かんらん岩のハロゲン・希ガス組成は一様に、深海底堆積物中の間隙水と非常によく似た組成を示す。同様の組成は島弧火山岩中のマントルかんらん岩捕獲岩や深海底蛇紋岩でも見られることから、沈み込み前に屈曲したプレートの断層沿いにプレート深部に侵入した間隙水がスラブマントルを蛇紋岩化する際に、ハロゲンと希ガスが組成を保ったまま蛇紋岩に捕獲されて沈み込み、水とともにウェッジマントルへと放出されている過程が示唆される。</p>
著者
小林 清典 齋藤 友哉 松本 育宏 川岸 加奈 迎 美幸 横山 薫 佐田 美和 小泉 和三郎
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.1737-1746, 2018-12-25

要旨●大腸癌の内視鏡診断に際してEUSは,深達度を客観的に評価できる利点を有する.特に早期大腸癌に対しては,内視鏡的摘除の適応判定などに活用できる.EUS診断を行った早期大腸癌866病変の検討では,治療法の選択という面での正診率は90%と良好であった.また,潰瘍性大腸炎関連腫瘍に対するEUSの診断成績も良好であった.EUS診断は,描出困難病変が多いなどの問題点があるが,大腸腫瘍に対するESDの普及もあって大腸pT1b癌に対する内視鏡治療の適応拡大が議論されており,EUSの意義が再評価されている.なお,大腸癌に対してEUSがその能力を十分発揮するためには,大腸用のEUS機種の改良が必要である.