著者
越本 幸彦 山崎 祥光
出版者
医学書院
雑誌
病院 (ISSN:03852377)
巻号頁・発行日
vol.77, no.10, pp.812-815, 2018-10-01

■宿日直許可とは 連載第1回で記述した通り,「労働時間」とは「労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間」であり注1,例えば,宿直の際に仮眠中の時間があっても,「労働からの解放が保障されていない場合には労基法上の労働時間に当たるというべきである」とされ注2,実労働が発生していなくても,指示に従い,業務への即応が求められる場合には仮眠時間も労働時間と判断されることになる. そのため,宿日直の中で,軽微な業務であっても,労働からの解放が保障されていると言えなければ,それは労働時間であり,(仮眠時間も含めて)日勤時間帯と同じ賃金が発生し,宿直時間が時間外労働や深夜労働に該当する部分は,所定の割増賃金を支払わなければならない.
著者
山崎 幹泰
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.65, no.535, pp.239-245, 2000-09-30 (Released:2017-02-03)
参考文献数
41
被引用文献数
1 2

The Restration of Todai-ji Daibutsu-den in the Meiji Era began in 1891 and was completed in 1913. The design of restoration changed many times, but the last they designed "Katetsutyu", it put steels into wooden pillars and fasten steel truss. This paper introduces these designs, and analyzes the last plan based on 1) the plan of wooden truss designed by Suketaro Kagotani and others, and 2) the hoop-iron construction it was also known as Tsumakishiki-koho. It is the transitional technique in the first stage of introducing steel structures to Japan.
著者
大渕 友暉 山崎 俊彦 相澤 清晴 鳥海 哲史 林 幹久
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

定性的にしか語られなかった不動産物件の快適度の定量化を目指す. 温度, 湿度, 明るさ, におい, 振動, 騒音, 物件の前の人通りを快適度の要因として定義し, それらをまとめてかつリアルタイムに計測できるIoTセンサを実装した. 実際にあるマンション物件で計測を行い, 高層階と低層階の日当たりや窓のある部屋と窓のない部屋の室温の違いなど, 同じ建物でも部屋ごとで快適度に違いがあることを示した.
著者
二瓶 信男 佐々木 亨 山崎 慎一
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.1967, no.6, pp.94-100, 1967-12-25 (Released:2009-12-17)
参考文献数
3
被引用文献数
1 2 8

(1) スギナの生態について調査した。(2) 胞子の発芽試験を5月の室温で試みた。接種後7日目に一斉に発芽し, 43日後には栄養茎の発生がみられる。(3) 地下茎の発根伸長は4月上旬より始まる。栄養茎の最も繁殖するのは地下30cm以内の地下茎からである。(4) 栄養茎は一節さえあれば発根可能である。スギナの生育はNによつて左右される。pHは7前後がよかつた。発生深度は5~10cmがよい。土性は壌土がよかつたが, 土壌中の養分, pHなども関係すると考えられる。(5) 地下茎の繁殖力は旺盛で, 1年で総重は33~37倍, 長さは165~182倍となる。(6) スギナの防除は, 麦畑の場合, 跡作のない時はスギナ発生期から麦刈取り15日前の間に, a当りリニュロン 10g+2,4-D20g の混合液をスギナの草体に散布すればよい。間作や跡作に大豆, 陸稲がある場合は, 残効の問題から, スギナの発生最盛期頃に散布することが必要である。
著者
山崎 一穂
出版者
日本印度学仏教学会
雑誌
印度學佛教學研究 (ISSN:18840051)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.1276-1281, 2015-03-25

Ksemendraの仏教説話集Bodhisattvavadanakalpalata (Av-klp)第59, 69-74章はアショーカ王に関する伝説の叙述にあてられている.うち第73章はアショーカ王による龍調伏伝説を主題とする.この伝説を伝える並行資料はチベット大蔵経テンギュル書翰部所収Asokamukhanagavinayapariccheda (AsM),漢訳『天尊説阿育王譬喩経』(T no. 2044, vol. 50),『雑譬喩経』(T no. 205, vol. 4)及び17世紀のチベット僧ターラナータが著した史書に存する.これらのうちターラナータの史書はAv-klpとAsMに依拠したことを第六章末で明らかにしている.本論はターラナータの史書を除く四伝本とAv-klp所収話が伝える内容を比較し,Av-klp所収話の材源を明らかにすることを目的とする.Av-klpは漢訳二本に欠損,もしくは両者と食い違う物語要素をAsMと共有しており,両者の間には複数の字句の一致が確認され得る.従ってKsemendraが材源とした「龍への伝令物語」がAsMのそれに最も近いものであったことが推定される.しかしAv-klpにはAsMに対応部分を持たない物語要素が二箇所存在する.うち「アショーカ王による仏陀への帰依文」(第16-17詩節)はその文体的特徴から判断してKsemendra独自の創作と考えられる.これに対し「ウパグプタの招来」(第25-27詩節)は文脈,文体上彼の創作とは見倣し難い.この物語要素については(1)Ksemendraが何らかの材源からこれを知り得て自らの「龍への伝令物語」に挿入した,或いは(2)彼が自身の材源とした「龍への伝令物語」に既に挿入されていたという二つの可能性が考えられる.
著者
井上 薫 山崎 正之
出版者
東海大学
雑誌
東海大学紀要. 工学部 (ISSN:05636787)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.19-22, 2006-03-31

Some students in their study of wave motion have asked us "could you explain the contradiction that exists between the principles of superposition of waves and the energy conservation law?" We will answer the question in this paper. This question arises from their focusing only on either the constructive or destructive aspect of superposition of waves. They must pay attention to both aspects of superposition.
著者
山崎 久道
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.46-51, 2008-02-01

図書館や情報サービスにおいて,分類はどんな位置づけにあるのか,あるいは分類的思考というものがあるとすれば,それにはどんな意義があるのか。こうした点に関連して,分類することの意義,時間という経営資源の節約,情報検索における分類的思考の意味,情報サービスにおける分類的思考の効果,予見可能性を提供することの重要性,学問分野の俯瞰,語からの検索の限界,OPAC利用の問題点など,さまざまな視点から述べる。最後に,一般社会における分類的思考の問題点を示す。分類的思考は,図書館や情報サービスにおいて基盤的位置を占めるものと結論付ける。
著者
國岡 崇生 田村 友紀 山崎 文枝 堀内 美穂 坂内 悟
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.55, no.9, pp.662-669, 2012-12-01 (Released:2012-12-01)
参考文献数
3
被引用文献数
3

科学技術振興機構(JST)は,科学技術文献データベースにおける統制語索引に用いる「JST科学技術用語シソーラス」,同義語,異表記語を収録した「大規模辞書」など複数の用語辞書を所有している。これらの辞書が持つ,各用語の上位下位関係や同義関係など用語間のさまざまな関係性をもとに統合的に可視化を行うJSTシソーラスmapを開発した。JSTシソーラスmapの持つ機能,開発の目的などを紹介する。
著者
山崎 正勝 菅 耕作 日野川 静枝
出版者
東京工業大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1988

(資料収集)今回、新たに入手した文書としては、米国ではロスアラモス研究所関係、英国ではO.フリッシュ、R.パイエルスの第二メモ、仏国ではジョリオ・キュリ-関係のものが代表的なものである。このうち後二者は、本研究でわが国では初めて入手されたもので、原爆問題をそれぞれの国の科学者たちがどのように考えていたかを知るうえで重要な文書である。また、日本の資料にもついても、GHQ関連の文書を入手した。(資料分析)(1)上記資料の入手により、シラ-ドら米国科学者と、仏、英の科学者の原爆に体する対応の共通性と相違点が明らかにされた。(2)シカゴ大学治金研究所の成立過程については、従来不明な点が多かったが、原資料の分析を通じて幾つかの重要な側面、例えば、同研究所が軍事研究所であったにもかかわらず、大学附置となったことによって、それまでの大学内の自治的な研究慣行が維持された、などが明らかにされた。(3)ロスアラモス研究所での原爆の研究開発過程についても、技術的開発過程を追うことによって、ウラン爆弾とプルトニウム爆弾の開発の競合の基本的過程が明らかになった。その中でとくに重要な点は、初期の砲撃型プルトニウム爆弾、スインマンの開発の挫折とその放棄で(44年夏)、これによって対独使用が技術的に不可能となり、対日投下が決定的となったことが示された。
著者
山崎 歌織 河村 フジ子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.122-126, 1997-05-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
15
被引用文献数
2

We evaluated the quality of fish preserved in white miso, red miso or single soybean miso, keeping the sodium chloride and water contents of miso at definite levels. The results were summarized as follows:The percentage of decrease in the weight of miso-preserved fish was highest in single soybean miso, and lowest in white miso. There were no differences in the quantity of sodium chloride permeated into fish and the hardness of fish in different kinds of miso. The reducing sugar level was markedly high or for the fish preserved in white miso, which was followed by the fish in red miso and then by the fish in single soybean miso. Formol nitrogen level for the fish preserved in single soybean or red miso, was twice as high as for fish in white miso.when the fish was preserved in miso, its protein changed to low molecular weight protein regardless of the kinds of miso. A marked lipid oxidation-inhibiting effect was noted, with single soybean miso showing the highest inhibitory effect, followed by red miso and white miso in order.
著者
平田 義郎 山崎 裕子 金子 芙弥 野中 真美
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.73, no.8, pp.318-323, 2023-08-01 (Released:2023-08-01)

冊子で定期購読をしていた学術雑誌は,1990年代に電子ジャーナルが登場すると,大学図書館ではビッグディール契約と呼ばれるコレクション契約を締結するようになった。ビッグディール契約はシリアルズクライシスに歯止めを掛ける一定の効果があったが,学術雑誌の価格上昇問題は解決しておらず,その対応策として注目されてきたのがオープンアクセスである。そうした流れから,転換契約と呼ばれる,出版社に対して行われる支払いを購読料からオープンアクセス出版料にシフトさせることを意図した契約を締結する大学図書館が増えてきた。本稿では,転換契約やその課題等を解説すると共に,論文公表実態調査等のオープンアクセスに関する大学図書館コンソーシアム連合(JUSTICE)の取り組みを紹介し,今後の展望等を述べる。
著者
栗田 慎也 髙橋 あき 髙橋 忠志 久米 亮一 山崎 健治 尾花 正義
出版者
日本義肢装具学会
雑誌
日本義肢装具学会誌 (ISSN:09104720)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.69-73, 2021-01-01 (Released:2022-01-15)
参考文献数
15

脳卒中発症早期より長下肢装具(Knee-Ankle-Foot-Orthosis : 以下,KAFO)を使用する報告は増えているが,KAFOの使用や作製に伴う有害事象の報告はない.そこで,急性期病院である当院で,脳卒中発症早期患者に対するKAFOの使用や作製に伴う有害事象を後方視的に調査し,それに対する対策を行った.対象は2017年8月から2019年7月までの間に報告された有害事象データとした.この調査期間内の有害事象は376件あり,そのうちKAFOに関するものは25件(6.6%)であった.有害事象の多くは備品KAFOで生じており,最も多かった内容は医療関連機器圧迫創傷(Medical Device Related Pressure Ulcer : 以下,MDRPU) 6件であった.急性期病院での備品KAFOの使用には,MDRPUの発生予防対策や創傷に対する知識獲得が重要と考える.