著者
馬場 暁 山崎 亮輔 大平 泰生 新保 一成 加藤 景三 金子 双男 サマンタ サチャ ロックリン ジェイソン
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.33, no.12, pp.7-11, 2009-03-06
参考文献数
8

グレーティングカップリング表面プラズモン共鳴法は、金属で覆われたグレーティング基板上に入射した光の波数にグレーティングベクトルが足し合わさることによりプラズモンの波数と一致してSPを共鳴励起する方法であり、プリズムを必要としないことなどから、実用的なセンサーへの応用が検討されてきている。本研究では、金属グレーティング上での白色光照射多重励起型表面プラズモン共鳴現象を利用したセンサーへの応用を行ったので報告する。また、可視域で大きなエレクトロクロミズムを持つPEDOT-PSS/テルピリジン鉄錯体ポリマーを用いて、センシング感度の向上を試みた。
著者
田中 創 山崎 博司 寺地 誠喜 瀬川 大資 角田 敏一
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.71, no.702, pp.690-695, 2005-02-25
参考文献数
10
被引用文献数
3

An experimental study has been carried out to reveal the statistical characteristics for the onset of micro-explosion of an emulsion droplet burning on a hot surface. Detail measurements of the waiting time for the onset of micro-explosion are made for various properties of base fuel, water contents and surface temperatures. The Weibull analysis is applied to obtain the distribution function of the waiting time for the onset of micro-explosion and to derive the empirical formula for the rate of micro-explosion as a function of water volume and emulsion temperature. The base fuels employed are n-decane, n-dodecane, n-tetradecane and n-hexadecane. The results show that the waiting time is correlated well with the Weibull distribution of the wear-out type. The mean waiting time decreases with an increase in the boiling point of base fuel, water content and surface temperature. An empirical formula is proposed for the rate of micro-explosion as a function of water volume and emulsion temperature.
著者
山崎 古都子 田中 宏子
出版者
滋賀大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究の目的は、日本の住宅の長寿化と、減災を促進することである。本論では生活実務に内在するジェンダー性が、住宅管理行動の減衰と技術低下の傾向を生み、それが住宅の長寿化の阻害要因であることを検証した。また、居住者には根強い建て替え意識があることが減災に対する無関心を生んでいることを明らかにした。従って、住宅の長寿命化、減災両側面から住宅の管理責任意識を発揚する必要がある。そのために本研究では、地域と、学校が連携して居住者を育てる減災教育カリキュラムを開発した。
著者
大橋 謙策 山崎 美貴子 上野谷 加代子 福山 和女 対馬 節子 本田 芳香
出版者
日本社会事業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

地域ケアシステムにおけるソーシャル・ケア実践の効果、ケアマネジメント及びコーディネイト機能を評価する枠組みとして、ソーシャル・ケア・スタンダードの構築を試みた。1.ソーシャル・ケア・スタンダードの概念及び分析枠組みの構築のために、モデルとして英国の「ソーシャルケアワーカーのための行動規範(2002)」についてカテゴリー分類を行い、1)実践のプロセス2)実践における責任の所在3)サービスの提供方法4)サービス提供の結果5)実践の根幹にあるものという5項目が明確になった。2.日本、米国、英国の特定地域での保健福祉職対象の聞き取り調査結果について、サービス提供管理者及び従事者の専門的行動の意識化の側面から分析し、その結果をもとに日本版ソーシャル・ケア・スタンダード試案を作成した。[管理者のスタンダードの枠組み]1)組織・事業所の業務を遂行する責務2)ソーシャル・ケア従事者による専門性に基づいた業務遂行の保証3)専門職の業務遂行を評価する責務4)ソーシャル・ケア従事者の技能向上促進の責務5)ソーシャル・ケア従事者間のチームアプローチの促進[従事者のスタンダードの枠組み]1]組織・事業所の一員としての業務責任を遂行する責務2)専門性に基づいた業務遂行の責務3)専門職として業務を評価する責務4)自己の技能向上促進の責務5)チームメンバーとしての業務遂行の責務地域ケアシステムの質を担保するには、サービスが適切に提供されているかという評価と、サポート体制が必要である。サービス評価にあたって実践者それぞれの専門性のもとでの実践行動を明確にする意味においては、この試案の実用性を見出せる。地域ケアシステムのサポート体制としては、社会一般の人々の信頼と信任を促進するために、全国レベルでの第三者評価機構設置の必要性が明確になった。
著者
安田 延壽 余 偉明 山崎 剛 岩崎 俊樹 北條 祥子 松島 大
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

仙台市内の代表的幹線道路である国道48号線(北四番町通り、幅員27m)において、都市キャニオン(道路)内の窒素酸化物濃度(NOとN02のモル和)の高度分布を測定し、その特徴を明らかにしていたが、さらに乱流輸送理論に基づいて、その法則を明らかにした。高度約1.5m以下では、濃度は高さに依らず、等濃度層を成している。それより上空では、窒素酸化物濃度は、高度zの対数1nzの一次関数で表される。即ち接地気層と同様の対数則が成立する。等濃度層は、発生源が地表面より数十cm高いところにあることと、走行する車両によって強制混合されることにより形成されるものである。対数則層の濃度の高度分布より、摩擦濃度が決定される。この摩擦濃度は、等濃度層上端の濃度の関数であることが、大気境界層理論および観測により明らかになり、定式化された。さらに、一般には大気の温度成層は中立ではなく不安定あるいは安定成層をなす。この効果を、接地気層の理論に基づいて取り入れ、窒素酸化物の鉛直輸送量の日変化および地域分布を計算することが可能になった。広域に渡って窒素酸化物の鉛直輸送量を計算するためには、地上付近での窒素酸化物濃度のデータの他に、大気安定度に関する情報が必要である。この問題に対して、従来から東北大学気象学研究室で開発されてきた熱収支モデルをさらに改良して用いた。特に、東北地方では冬季には積雪があるので、そのような場合に対する熱収支モデルも開発し、窒素酸化物の鉛直輸送モデルに組み込んだ。これらの理論体系から、窒素酸化物の鉛直輸送量が評価された。1991年〜1998年の8年間の平均では、発生源である道路の場合、幅27m・長さ100mの道路より、N02換算で、年間625kgの窒素酸化物が上空に輸送されている。道路から離れた地域では、ほぼその1/3であった。
著者
卯木 次郎 井上 洋 山崎 弘道 村田 稔 木村 良一 川淵 純一
出版者
社団法人 日本脳神経外科学会
雑誌
Neurologia medico-chirurgica (ISSN:04708105)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.343-354, 1979-04-15

Prealbumin (PA) and its subfractions were analyzed to find their significance in the central nervous system from ontological and oncological points of view, using 7.5% polyacrylamide gel disc electrophoresis according to Ornstein & Davis. Tissues of 11 cases of normal human cerebrum, ranging from 5 or 6 months gestation to 64 years old, and 26 cases of brain tumor which included 12 gliomas, 8 meningiomas and 6 neurinomas were analyzed. Body fluids of 11 cases of brain tumor cysts, 12 ventricular cerebrospinal fluid with various neurological diseases, and 20 sera from the normal and the diseased were analyzed. 1. Tissue PA was subfractionated into five major peaks in the normal human brain, which we labeled PI through PV from the anodal side to the cathodal. In most of the brain tumors more than five peaks were subfractionated. 2. Concentration of PA subfractions changed in the developmental course in human brain. Among them, PIII and PIV changed remarkably in the fetal brain, namely, higher PIII and lower PIV levels were noted when compared to those of the adult brain. PI and PII showed no change during life. 3. Brain tumor had the same tendency as fetal brain regarding concentration of PIII and PIV subfractions. 4. PA III/IV ratios were compared as an index for showing some similarity in fetal brain and brain tumor tissues, and some tendency between them were observed. 5. PA fraction has been named as "neuronin" by Bowen et al. and as "SPR protein" by Kawakita, and some of its subfractions have been identified, for instance, PI as S 100, PIV as 14-3-2 or antigen α, PV as a sensitive index for hypoxia or neurotubulin protein. PIII as well as PII still have not been identified. Further analysis of these proteins, immunochemically as well as electrophoretically, might answer the question of whether or not therc are oncofetal proteins in the central nervous system.
著者
山崎 岳
出版者
京都大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

明朝と莫朝大越との外交に関わる中越両国の文献を収集し、これを両国国境をまたぐ人々の活動に焦点をあてて読み解くことで、これまでの政府間の外交関係史では注目されていなかった国境地帯の基層社会の実態を明らかにした。特に、現代中国で壮族、ヴェトナムでヌン族やタイー族等に分類されるタイ系の言語を母語とする人々が、歴史的にも両国間関係において重要な役割を果たしてきたことが立証された。
著者
小川 泰右 山崎 友義 池田 満 鈴木 斎王 荒木 賢二 橋田 浩一
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.461-472, 2011 (Released:2011-04-07)
参考文献数
30
被引用文献数
1

It is ideal to provide medical services as patient-oriented. The medical staff members share the final goals to recover patients. Toward the goals, each staff has practical knowledge to achieve patient-oriented medical services. But each medical staff has his/her own sense of value that comes from his/her expertness. Therefore the practical knowledge sometimes conflicts. The aim of this research is to develop an intelligent system to support externalizing practical knowledge, and sharing it among medical staff members. In this paper, the author propose a method to model the sense of value of each medical staff as his/her understanding about medical service workflow, and to obtain the practical knowledge using the models. The method was experimented by an implementation of knowledge-sharing system base on the method and by its trial use in Miyazaki University Hospital.
著者
薬師神 裕子 中村 慶子 山崎 歩 二宮 啓子
出版者
愛媛大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

思春期1型糖尿病患児へのメンタリングを用いた看護介入プログラムを開発し、思春期患児(10名)及び青年期患児(7名)への双方の介入効果を評価した。1年間の継続メンタリングを用いた介入により、思春期患児の自己効力感は介入セッション後6か月まで有意に上昇した。また、血糖値の有意な低下が12か月後まで見られた。思春期患児からのメンタリングに対する肯定的な評価にも関わらず、良好なメンタリング関係を長期間継続することは難しく、信頼関係構築のサポートとメンタリング関係のモニタリングを強化する看護支援の必要性が示唆された。
著者
和田 進 二宮 厚美 山崎 健 岡田 章宏 浅野 慎一 澤 宗則 太田 和宏 橋本 直人 岩佐 卓也
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

日本国内のみならず、グローバル社会全般にわたって不平等、格差、秩序の崩壊などの社会矛盾が広がりつつある。その構造的な要因と打開の方向を検討するのが本研究の目的である。本研究にかかわる研究者はこれまで「人間発達と社会環境」の相互関係、つまり主体と環境の双方向作用に注目しながら共同研究を推進してきた。その成果に立ち、本研究においては現代世界の秩序の崩壊と再構築の現状分析、および、その対抗軸として人間発達human developmentと新しい公共性neo publicnessの分析を行った。国際連合の提唱する「人間開発」やA.K.センの「潜在能力論」の限界をこえる「人間発達」のありかた、J.ハバーマス、U.ペック等の掲げる公共性の内包する矛盾を再検討する形で、現代社会の秩序形成を探求した。なお、その成果は報告書「Human Developmentと新しい公共性を軸とした社会秩序の学際的研究」(総ページ数446頁)としてまとめた。
著者
宮城 昌治 藤岡 道治 山崎 俊二 福永 真佐美 笹原 妃佐子 河端 邦夫 長尾 誠 河村 誠 森下 真行 岩本 義史
出版者
広島大学歯学会
雑誌
広島大学歯学雑誌 (ISSN:00467472)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.24-30, 1993-05-06
被引用文献数
7

本論文の要旨は平成4年6月の日本口腔衛学会近畿・中国・四国地方会総会において発表した。本研究は一部平成3年度文部省科学研究費(一般研究(C)No.01571122)によった。
著者
川瀬 博 井上 公 茂木 透 倉本 洋 山崎 文雄 吉嶺 充俊
出版者
九州大学
雑誌
特別研究促進費
巻号頁・発行日
2006

2006年5月27日インドネシアのジャワ島のマグニチュード(M)6.3の地震によって、死者は5,700名以上、倒壊家屋14万戸以上という大被害が生じた。今回の地震被害の特徴は、地震規模が小さい割には極めて大きな人的、物的被害が発生していることである。そこで本研究では、震源位置を含めた震源特性や地盤構造・地盤特性を明らかにし、構造物の耐震性や被害状況からこのような大きな被害を引き起こした原因を解明することを目的として研究を実施した。研究体制は大きく地震・地震動チーム、地盤構造チーム、被害概要・人的被害調査チーム、建築系調査チーム、土木系調査チームに別れ、現地調査および国内での解析作業を実施して検討に当たった。まず地震・地震動チームでは余震観測を実施して余震の発生域を同定するとともに、地震観測データを利用して、詳細な震源メカニズムを推定した。その結果震源域は被害集中地域の直下もしくはその西側と推定され、Opak断層にはつながらないことが指摘された。地盤構造については、地磁気・地電流法によって基盤形状を含めた堆積構造を明らかにするとともに、微動計測によって表層地盤構造を明らかにした。その結果、場所による被害の差は主に表層地盤構造にあることが指摘された。建築構造物に関しては、まず地震前後に撮影された衛星画像を用いたリモートセンシング技術により、広域被害分布を明らかにした。また建物の地震被害について、実際の施行実態や地盤状況などから分析を行い、特にRC造および煉瓦造のいくつかの建物について原位置での強度試験を行うなどして、建物の耐震性を詳細に調査した。また土木系構造物・地盤・ライフライン等の被害状況も調査しその被害原因について考察した。以上の検討結果から、今回の地震では最大でも震度6弱レベルでそれほど大きな入力ではなかったが構造物が脆弱なために大被害が生じたものと推察された。
著者
朱牟田 善治 大友 敬三 山崎 文雄 石田 勝彦
出版者
地域安全学会
雑誌
地域安全学会論文報告集
巻号頁・発行日
no.4, pp.161-170, 1994-08

1994年1月17日、ロスアンジェルス北方のサンフェルナンドバレー一帯をマグニチュード6.8のノースリッジ(Northridge)地震が襲い、一般建築物やライフライン等に大きな被害が生じた。本文では、その中でも被害の大きかった電力施設に焦点をあて、その被害と復旧について調査、考察した内容について報告する。特に、今回の電力施設の被害を1971年サンフェルナンド地震による設備被害と比較して、耐震設計基準の改訂による効果を確認するとともに、日本の耐震設計基準で設計された電力施設が、今回の地震でもっとも被害を受けたシルマー交直変換所と同程度の地震力を受けた場合、米国の基準で設計された電力施設に比べ、被害が少ないであろうことを示した。
著者
河野 修三 羽野 寛 笹屋 一人 大森 秀一郎 山崎 洋次
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.865-869, 1999-03-01
被引用文献数
2

画像診断で肝嚢胞腺癌と同様の形態を呈した巨大肝嚢胞形成性肝内胆管癌を経験したので報告する. 症例は81歳の男性で有痛性腹部腫瘤を主訴に平成9年3月10日に入院した. 腹部CT検査で肝左葉に大きなlow density massを認めた. 造影CT検査では肝嚢胞性病変内の充実性部分と嚢胞壁が不整にenhanceされた. 肝嚢胞腺癌の診断で手術を施行した. 被膜を有する腫瘍は82×78×72mmで, 肝左葉切除により完全に切除した. 組織学的に腫瘍は壊死により大きな嚢胞を形成した肝内胆管癌と診断した. この症例は, 画像診断上も発育形式も, 肝内胆管癌としては非常にまれで, 肝嚢胞腺癌の所見と類似した所見を呈した. このような症例では組織型によって予後や治療方針が規定されるのか, 発育様式によって規定されるのかが不明であり, 今後の臨床的検討が必要である.