著者
松原 斎樹 藏澄 美仁 澤島 智明 合掌 顕 大和 義昭 飛田 国人 松原 小夜子 柴田 祥江 福坂 誠 吉岡 むつみ 宮川 鮎子 叢 志超 馬 豫 岩垣 裕紀 桑野 朝子 山崎 彩乃 高見 初音 大塚 弘樹
出版者
京都府立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

ライフスタイルの変更による省エネルギー策の一つとして,視覚・聴覚要因を活用することに注目して,アンケート調査,被験者実験,熱負荷シミュレーション等を行った。視覚・聴覚要因による省エネルギーの可能性は実験室実験だけでなく,実態調査・アンケート調査でも可能性が示唆され,行動が変容できれば,暖冷房エネルギーは約7~8%削減され,また設定温度の変更を想定するとより大きな削減が予想できた。
著者
山崎 俊彦 相澤 清晴
出版者
東京大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2010

実写3次元映像の圧縮と処理に関する研究を行った。実写3次元映像は各フレーム独立に生成されることが多く、時間的に連続するフレームにおいても頂点数や結線関係が保存されていない場合が多いため、圧縮が困難であった。そこで、研究代表者が考案したパッチマッチング法に基づき、実写3次元映像の頂点情報、結線情報、色情報を同時に圧縮可能な技術を研究した。具体的な手法について述べる。まず、測地線距離を用いて各フレームの3次元メッシュモデルをほぼ等面積になるようにパッチに分割し、それを圧縮処理の基本単位とした。各パッチの幾何情報、色情報に対してキルヒホッフ行列によるメッシュ周波数解析やベクトル量子化を施すことによりフレーム内圧縮を実現した。さらに、隣接フレーム間でもっとも類似するパッチを探索し、対応パッチからの残渣情報のみを符号化することでフレーム間圧縮を実現した。これにより、フレーム内圧縮で1/8程度、フレーム間圧縮で1/12程度の圧縮率を実現した。
著者
山崎 恭 小松 尚久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B-1, 通信1-情報通信システム・理論 (ISSN:09151877)
巻号頁・発行日
vol.79, no.5, pp.373-380, 1996-05-25
参考文献数
7
被引用文献数
14

日常的なコミュニケーション手段の要素となる筆跡,音声,顔といった個人の身体的特性に着目し,それらを用いて本人の確認を行う個人認証システムの一構成法を提案する.提案する個人認証システムでは, これまで認証時に必要とされてきた利用者のIDや個人の特徴を記録したICカードを必要とせず,利用者が提示する本人の身体的特性のみで本人確認を行うことが可能であり,従来手法に比べてよりユーザフレンドリなヒューマンインタフェースを提供できる点に特徴がある. また,認証システムの中核をなす個人性の抽出手法に関しては,個人の特徴を反映するパラメータを複数のカテゴリーに分類し,個人の特徴の現れ方に応じてパラメータに重み付けを施す手法を提案しており, これにより身体的特性を多面的にとらえることの可能な信頼性の高い個人認証システムの実現を図っている.更に本論文では,提案する個人認証システムの適用例として,身体的特性の一つである筆跡情報に着目した場合について言及し,筆跡情報からの個人性の抽出手法について述べると共に,実際の筆記データを用いたシミュレーション実験により,提案手法の信頼性を評価した結果について報告する.
著者
武岡 成人 栗原 誠 岡崎 正倫 及川 靖広 西川 明成 山崎 芳男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.136, pp.25-30, 2005-06-17
被引用文献数
1

3次元音場の再生手法としてキルヒホッフの積分公式に基づく境界面制御が知られているが膨大な制御点が問題となってきた.しかしながら近年のディジタル技術の発展により大容量の伝送が可能となってきた.そこで本稿では実現可能な範囲の多数の制御点を用いた境界面制御による音場再現システムを提案する.コンデンサスピーカの特性を生かし, 同一の振動板で録音・再生が可能である制御素子の基礎実験を行ったので報告する.
著者
水野 貴規 林 敏浩 富永 浩之 山崎 敏範
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.583, pp.179-184, 2007-03-02

ネットワークを利用したe-ラーニングは自由な時間,場所で学習することが可能である.しかし,学習教材作成者の負担が大きく,十分な質,量を用意するには問題がある.本研究では,学生が自主的に学習教材を作成レ共有する「投稿方自主学習素材共有システム」を提案する.本稿では,システムが扱う具体的な対象領域を情報処理技術者資格の試験対策学習とし,目標達成に特化した学習システム作成の提案と設計を行う.本研究は自主学習を目的に学習者が教材作成を行うため,システムの積極的利用が求められる.システム参加を促進させるために資格取得を外的報酬として提示する外発動機付けを行う.また,問題作成を促進させるために,作成問題の利用状況のランキング化と,コメント機能により満足感を抱かせる内発動機付けを行う.
著者
林 敏浩 水野 貴規 富永 浩之 垂水 浩幸 山崎敏範
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.42, pp.9-16, 2008-05-10
被引用文献数
3

ネットワークを利用した e-learning は自由な時間,場所で学習することが可能である.しかし,学習教材作成者の負担が大きく,十分な質,量を用意することが難しい.我々は,この問題に対して,学生が自主的に学習教材を作成し,共有する「投稿型自主学習素材共有システム」を開発した.本稿では,システムが扱う具体的な学習の対象を情報処理技術者資格の対策学習として運用テストを行った.システムの機能として提供する問題演習は,知識確認を効率的に行うことができ,解答履歴の閲覧と併せて効果的な学習環境を提供することができた.しかし,このような e-learning 環境を提供しても必ずしも積極的な利用に至らないことが分かった.E-Learning which uses information networks provides learning environments in free time and place. However, teachers who must make learning materials cannot prepare sufficient quality of e-learning contents, because making them becomes heavy task to the teachers. In our research, we develop "Self Study Material Contribution and Sharing System" that students can create study materials and share them independently. In this paper, we targeted a concrete study to the information technology engineer certifying examination, and did the implementation test. We found that our system provided an effective learning environment with efficient problem ma neuver and confirmation of answer history. However, we also found that students did not always use our system positively even if our system provides such effective learning environment.
著者
大浜 和憲 下竹 孝志 石川 暢己 廣谷 太一 宮本 正俊 岡田 安弘 山崎 徹
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.199-205, 2009
被引用文献数
1

【目的】漏斗胸は胸郭異常の中で最も多く,胸骨と下部肋軟骨が陥凹している状態である.2005年私たちは漏斗胸治療にVacuum Bellを用いた保存的治療(VB療法)を導入した.本稿では今までの治療経験を報告し,VB療法の有用性を検討する.【対象と方法】対象は漏斗胸11例,男性9例,女性2例で,年齢は6歳から29歳であった.11例中4例ではNuss手術が行われており,1例はバー感染のためバーが早期に抜去された症例で,3例はNuss手術後も前胸壁の陥凹を認めた症例であった.残る7例は未治療例であった.VB療法はベル型をしたVacuum Bellを患児の前胸壁陥凹部に押しあてて,持続的に大気圧より15%低い値まで陰圧をかけて陥凹部を持ち上げるものである.装着時間は朝夕30分ずつから開始して,副作用のないことを確認して,装着時間を徐々に延長する.【結果】経過観察期間は4か月から2年8か月(平均1年5か月)であった.治療前の胸骨陥凹は2mmから30mmで平均18mmであった.3か月後には0mmから20mm,平均10mm,そして経過中に0mmから20mm,平均9mmとなり,胸骨は有意に持ち上がった.副作用は1例で軽度の皮膚炎を認めただけで,重篤な副作用は認めなかった.【結論】漏斗胸11例に対してVB療法を行い,未だ観察期間は短いが,良好な結果を得た.適応を選べば有効な治療手段と考える.
著者
山崎 健一朗 和田 浩卓 桜田 伊知郎 門之園 一明 佐伯 宏三
出版者
横浜市立大学
雑誌
横濱醫學 (ISSN:03727726)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.197-200, 2005-05-31

背景:脈絡膜破裂を伴った外傷性黄斑円孔に対し硝子体手術を行った一例を経験したので報告する.症例と所見:26歳女性,うちあげ花火が直接右眼にあたり鈍的外傷となった.初診時の矯正視力は0.01であり,白内障,前房出血,黄斑円孔,脈絡膜破裂に伴う黄斑下出血と網膜浮腫がみられた.3週間後黄斑円孔は拡大した.6週後の蛍光眼底造影にて黄斑部に及ぶ網膜循環障害を認めた.受傷6週間後にインドシアニングリーンを用いた内境界膜剥離術を行った.黄斑下手術は行わなかった.結果:術後黄斑円孔は閉鎖し,視力は0.5に改善した.重篤な術後合併症は見られなかった.結論:脈絡膜破裂のある外傷性黄斑円孔に対しても硝子体手術は有効であると考えられた.
著者
山崎 竜二 藤波 努
出版者
日本創造学会, 北陸先端科学技術大学院大学
雑誌
第五回知識創造支援システムシンポジウム報告書
巻号頁・発行日
pp.24-31, 2008-03-14

近年、急増する認知症高齢者をめぐり、行政課題として認知症・介護の予防事業が喫緊のものとして浮上してきた。市と連携した事業の検討からアクション・リサーチを進め、コミュニティ・ケアの方法論を探る。本研究の目的は高齢者の秘めた力を引き出し有効に活用すると同時に、認知症高齢者が地域に受け容れられる仕掛けとしての社会システムを構築することにある。プロジェクト全体の流れをつくる第一段階と、予防事業における問題の本質を探る第二段階に分かれる。まず回想法を発展させ、児童が校区高齢者の体験談を作品化し、創作劇を媒体に認知症高齢者とのセッションを行う手法を取った。高齢者の思い出という知識資源を子どもの教育に活用し、認知症高齢者の秘めた力を発揮できる環境を整えて身近な理解が地域の人々に浸透する仕組みを築いた。認知症やその状態にある人に対して、実際セッション前に児童の多くは病態としての理解を得てもなお恐怖や哀れみを記述していた。この検討課題を考慮し、プロジェクトの第二段階として論点の深化を図る。認知症の病気としての説明以前に、さまざまな不自由を抱えていく老いの捉え方を主題として取り上げ、高齢者と子どもと共に老いゆくことの価値を探る。本プロジェクトにおける地域社会のシステム構築はその枠組みに加え、この臨床哲学の取組みを内実として予防事業に本質的な方向性を付与するものである。人々が世代を越え、認知症の人と共に生きるなかで価値観を成熟させる創造的なコミュニティのあり方を検討し、少子高齢社会に対応する社会システム構築の根底的な論点を追究する。 : In Japan, dementia prevention is an urgent issue and the importance of the prevention is emphasized by Government policy. We explored the possibility and direction of the prevention project. The purpose of our study is to investigate how the latent ability of elderly people can be brought out and the elderly with dementia can be accepted by neighbours without prejudice. Our approach is to shape a community with children at its centre. Making use of knowledge resources of elderly people can be promoted by transmitting their experience to children. Moreover, creative dramas collaborated by children and elderly become media by which they communicate with the elderly with dementia. Through the inter-generational communication project, children's conception of the elderly with dementia may be spread to their parents and those around them. As a first step, we constructed a framework of the social system which realizes this process of the project. It was shown by statistics that the children's images towards the elderly with dementia changed positively through the project. However, it remained a difficult issue how to take up the theme of dementia. Most of the children wrote their feelings of fear about dementia and pity for the person, even after they understood dementia as disease separated from the person. As a second step, we introduced a program for children and their related adults to think about the values of ageing, in which we face with various inconvenience. We approach the investigation of the point at issue philosophically, and focus on the viewpoint which is required to accept the elderly with dementia.
著者
曽田 三郎 岡 元司 松浦 章 山崎 岳 太田 出 佐藤 仁史 藤田 明良 岸田 裕之 曽田 三郎 鹿毛 敏夫 佐藤 亜聖
出版者
広島大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2005

本研究の目的は、国家間の次元ではなく、よりミクロな地域に視点を置き、東アジア海域における交流の歴史を、多角的に分析することにある。これまで、海は国境という観点からとらえられることが多かった。我々は、多くの地域を相互につなげる交流の場という海の役割に注目した。具体的には、浙江省の寧波と江蘇省や福建省の海港地域に着目して、文化的・経済的交流の諸相を分析し、東アジア海域における日中交流の歴史的展開を解明した。
著者
寺川 貴樹 石井 慶造 古本 祥三 菊池 洋平 松山 成男 酒見 泰寛 山崎 浩道
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

陽子線治療と腫瘍血流遮断剤を併用する新規治療法の開発を目的とし,マウス固形腫瘍による治療実験を実施した.本研究の高精度照射のために、マイクロパターンガス検出器による新規ビームモニターの開発に成功し治療実験に用いた。治療効果を[18F]FDGと[18F]FMISOを用いた超高分解能PETと、腫瘍増殖遅延測定から評価した。その結果、単回併用治療において、腫瘍増殖遅延に相加的効果があるだけでなく、腫瘍中心部の広範囲に細胞死が誘発されたが、腫瘍の辺縁部に低酸素状態を含む腫瘍細胞の生存領域が認められた。よって、単回治療後の2回目の併用治療が腫瘍細胞を完全に死滅されるために必要であることが示唆された。