著者
山崎 守一 NORMAN K.R. 宮尾 正大 逢坂 雄美 NORMAN K.R
出版者
仙台電波工業高等専門学校
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1995

本研究は、オックスフォードの「パーリ文献協会」(Pali Text Society=PTS)から刊行されている全パーリ文献の正順・逆順語彙索引の作成及びそのソフトウェアを開発することを目的としている。この研究目的を達成するため、韻文作品の代表として『ダンマパダ』(Dhammapada 423 詩節)を、また、散文作品として膨大な分量を持つ『ヴィナヤ』(Vinaya 全5巻・総ページ数1,588)を選び、パーソナルコンピュータを用いて、これらの完璧な正順と逆順の語彙索引を作成・完成させることを目指して遂行した。初年度は、ノーマン教授とヒニューバー教授により校訂・出版された『ダンマパダ』(PTS 1994)の語彙索引を作成した。ノーマン教授から、教授自身の作成によるパーリ語フォント(ノ-ミンフォント)を使用して入力された『ダンマパダ』を受け取り、われわれが作成したパーリ語フォントに書き換え、語彙(Word)の「正順索引」と「逆順索引」を作成した。さらに、これまでに開発したプラークリット語の詩脚索引作成プログラムを一部改良することによって、詩脚(Pada)の「正順索引」と「逆順索引」をも作成した。このことによって、韻文作品の語彙と詩脚の索引印作成するプログラムの妥当性が確認された。これら4種類の索引、すなわち語彙の「正順索引」と「逆順索引」、それに詩脚の「正順索引」と「逆順索引」は、いずれも写真製版出版が可能な索引であり、これらの索引を、「パーリ文献協会」に投稿した。そして、それらは同協会の評議委員会による査読を受け、1995年にIndexes to the Dhammapadaと題され、単行本として出版された。この書物は、世界中のパーリ文献学者及び仏教学者の研究に稗益することであろう。次に、オルデンベルクによって編纂された『ヴィナヤ』の研究にとりかかった。『ダンマパダ』と同様、語彙索引作成のためのノ-ミンフォントで打ち込まれたフロッピ-を、われわれのフォントに書き変えて解析処理をしたのであるが、このテキストには大量の省略文字があり、さらに明らかなミスプリントも多数存在しており、これらの問題点を解消することが先決事項となった。このため、逢坂の作成したプログラムを走らせることによって、まずプレリミナルな語彙索引を作成した。この出力結果をノーマン教授に送り、ノーマン教授がチェックしたものを、こちらのチェック結果と比較照合する。お互いにミスを見い出すことができなくなるまで何度もこのようなやり取りを繰り返し、コンピュータ上に正確なテキストを形成することを目指した。しかし、この作業が進むにつれて、PTS版『ヴィナヤ』の読みの訂正をどのようにするかの問題も起こり、ケンブリッジで直接討議することによってこの種の問題解決の基本方針を確認した。さらに、教授の来日中に、得られた結果を時間をかけて慎重に吟味し、パーリ語の語順(Word Order)プログラムの確認、同一語彙の異表記の取り扱い、研究者が最も使用しやすい形態にするためのレイアウト等についての共同討議を行った。また、これまでの一連の研究によって開発された、韻文用プログラムと散文用プログラムを使用して、膨大な量の全パーリ・テキストの完全な語彙索引と詩脚索引作成の実現に向けて、解決すべき問題点を建設的に討議した。このようにして、『ヴィナヤ』のテキスト・データベース構築上に横たわる種々の問題を解決し、省略文字の全文字化を行い、コンピュータ上に『ヴィナヤ』の完全なテキストを作成した。そして、このテキスト・データベースに基づいた語彙索引を作成し、独自に開発された語彙プログラムが3.5メガバイトもの大量な散文テキストでも処理できるプログラムであることを確認した。この語彙索引は、『ダンマパダ』と同様の手続きを踏み、「パーリ文献協会」からIndex to the Vinaya-Pitakaと題して出版され、コーン博士の辞書(New Pali-English Dictionary)編纂にも使用されており、その有用性が実証されている。現在、『ディーガ・ニカーヤ』(Digha-nikaya)の語彙索引作成に向けて、このテキストのテキスト・データベースを構築する作業に取りかかっている。
著者
堀江 祐介 山崎 和彦
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第58回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.19, 2011 (Released:2011-06-15)

現在、電子書籍を使う人が増えてきている。電子書籍は機器ごとに使い方が違っている。そこで今回は電子書籍端末として様々なアプリが出されているiPadの電子書籍を対象にユーザビリティテストを行った。3つのアプリを対象に4人の被験者で実験を行った。もっともタスク実行時間が短かったのはiBooksである。次にi文庫HDで、最もタスク実行時間が長かったのはstanzaである。ユーザビリティ評価から以下の6つのことがわかった。1.ツールバーは常に表示する 2.メニューにはアイコンと文字の両方を使うことでわかりやすくなる 3.本のメタファーは適切に使用する 4.ユーザに適切なフィードバックを与える 5.視線の移動を少なくするUIにする 6.使用頻度に応じた情報構造にする
著者
高田 良三 山崎 信 杉浦 俊彦 横沢 正幸 大塚 誠 村上 斉
出版者
Japanese Society of Animal Science
雑誌
日本畜産學會報 = The Japanese journal of zootechnical science (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.79, no.1, pp.59-65, 2008-02-25
参考文献数
20
被引用文献数
7 7

わが国における肥育豚の飼養成績に及ぼす地球温暖化の影響を各地域の月平均気温の変動予測シナリオから推定した.肥育去勢豚(開始体重42.1±5.5kg)を用いて環境制御室において温度と飼養成績との関係を求めたところ,23℃時の日増体量に対して5%,15%,30%低下する時の気温はそれぞれ24.5℃,27.3℃,30.4℃であることが示された.同様に日飼料摂取量に対してはそれぞれ25.9℃,30.3℃,33.8℃であった.6~9月について,その気温域に該当する区域を日本地図上に図示するプログラムにより,肥育豚の日増体量に及ぼす地球温暖化の影響を解析した.「気候温暖化メッシュデータ(日本)」を将来の気候予測データとして用い,約10×10km単位のメッシュで解析を行った.その結果,2030年,2060年と年代の経過と共に日増体量の低下する地域が拡がり,また低下する程度もより厳しくなることが予測された.8月においては現時点ですでに西日本の沿岸部を中心に日増体量の低下が認められるが,2060年になると北海道の一部および標高の高い山間部を除いた大半の地域で日増体量の低下が予測され,特に関東以西では15~30%の厳しい日増体量低下が予測された.以上の結果から,今後予測される地球温暖化の加速化がわが国の養豚生産に大きく影響を与えることが明らかとなった.
著者
山崎 文夫
出版者
産業医科大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2002

暑熱環境下では涼しい環境下に比べて、起立時に血圧の低下が起こりやすく、起立耐性は低下する。動脈圧反射機能は起立時に動脈圧を正常な範囲内に維持するために必要不可欠な機能である。圧反射の反応性を考える際、応答量に加えて、圧受容器が刺激されてから心拍変化が起こるまでの時間など応答時間も考慮する必要がある。すなわち心拍応答が短ければ、変化した血圧を短時間で正常範囲内に回復させる能力が高いと考えられるが、心拍の圧反射応答時間に暑熱負荷がどのように影響するかは明らかでない。そこで本年度は、心拍の動脈圧反射反応時間に及ぼす暑熱ストレスの影響について検討した。被験者は健康な成人9名であり、実験の内容や危険性についての説明を受けた後、同意書に署名した。水環流スーツを用いて被験者の皮膚温を調節し、正常体温時と全身加温時に圧反射機能テストを行った。圧反射機能テストにはネックチャンバーを用い、頚部に+40mmHgあるいは-60mmHgの圧を負荷することによって、頚動脈圧受容器を刺激した。各圧負荷は2-3分間の休息を挟んでそれぞれ5回行った。頚部への圧刺激から心拍反応がピークに達するまでの時間(+40mmHg、正常体温時2.5±0.3秒、加温時3.5±0.3秒;-60mmHg、正常体温時1.2±0.2秒、加温時2.2±0.3秒)は、全身加温によって有意に増加した。全身加温によって、+40mmHgの圧刺激から血圧反応がピークに達するまでの時間(正常体温時4.3±0.5秒、加温時6.7±0.6秒)は有意に増加したが、-60mmHgの刺激に対するその反応時間(正常体温時5.1±0.5秒、加温時4.5±0.6秒)は変化しなかった。これらの結果から、心拍および血管運動の頚動脈圧反射反応は、暑熱ストレスによって遅延することが示唆された。
著者
MINH DUC Nguyen THOI NHAM Nguyen 笠井 良次 伊藤 優子 山崎 和男 田中 治
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
Chemical & pharmaceutical bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.41, no.11, pp.2010-2014, 1993-11-15
被引用文献数
6

From rhizomes and roots of Panax vietnamensis HA et GRUSHV., Araliaceae, commonly known as Vietnamese Ginseng, two new acetylated saponins named vina-ginsenoside-R1 (13) and vina-ginsenoside-R2 (15) were isolated. On the basis of chemical and spectral data, 13 was formulated as monoacetyl 24(S)-pseudo-ginsenoside-F_<11> and 15 was proved to be monoacetyl majonoside-R2.Besides the two new saponins and β-sitosteryl-3-O-β-D-glucopyranoside, sixteen known saponins were also isolated and identified. Dammarane saponins : ginsenoside-Rh_1 and 20(R)-ginsenoside-Rh_1 (1), ginsenosides-Rg_1 (2), -Re (3), -Rd(6), -Rb_3 (7), -Rb_2 (8), -Rb_1 (9), pseudo-ginsenoside-RS_1 (=monoacetyl ginsenoside-Re, 4), notoginsenosides-R1 (5) and -Fa (10). Ocotillol-type saponins : pseudo-ginsenoside-RT_4 (11), 24(S)-pseudo-ginsenoside-F_<11> (12), majonosides-R1 (16) and -R2 (14). Oleanolic acid saponins : ginsenoside-Ro (=chikusetsusaponin V, 17) and hemsloside-Ma3 (18), a saponin previously isolated from a cucurbitaceous plant, Hemsleya macrosperma C. Y. WU.Despite having large horizontally elongated rhizomes, the underground part of this plant contains mainly dammarane saponins and a small amount of oleanolic acid saponins. In addition, the yield of ocotillol-type saponins, especially majonoside-R2,is surprisingly very high (more than 5% and ca. half of the total yield of saponin). This characteristic saponin composition has made Vietnamese Ginseng an interesting species among Panax spp.
著者
寺澤 敏夫 浅野 勝晃 天野 孝伸 羽田 亨 山崎 了
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究では、宇宙空間・宇宙の極限環境におけるさまざまな粒子加速機構について、最新の理論と観測結果を用いた研究を行い、長年の謎である宇宙線陽子・電子比決定メカニズムに迫った。中心的に扱われたのは衝撃波加速機構、乱流統計加速機構であり、それらを共通のキーワードとして、地球定在衝撃波から超新星衝撃波、ガンマ線バーストに伴う相対論的衝撃波まで、広範なパラメタ領域における加速機構の描像の最新化に寄与した。
著者
河野 修三 小林 功 織田 豊 羽田 丈紀 大森 秀一郎 笹屋 一人 羽野 寛 山崎 洋次
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.200-204, 2000-02-01
参考文献数
18
被引用文献数
1

症例は73歳の男性.平成7年12月5日に直腸癌に対して前方切除を施行し, 平成9年8月26日には孤立性肝転移に対して肝S7を部分切除した.術中超音波検査では, 切除域に門脈浸潤などを疑う所見はみられなかった.しかし病理組織検査では, 腫瘍は長径17mmの腺癌の多発結節で, その結節は系統的に胆管の腫瘍浸潤として分布しており, 切除断端は陽性であった.平成10年7月8日に肝右葉切除, 横隔膜合併切除術を施行した.病理組織検査では, 前回の切除部位は壊死を伴い空洞状になっていて, この中に癌細胞の遺残はみられなかった.癌細胞は空洞直下の門脈域胆管内にみられ, 中枢側に向かって発育していたが, 切除断端は陰性であった.肉眼的にも認知される転移性肝癌の胆管内発育はまれである.門脈域胆管浸潤による断端陽性症例では系統的肝切除が有効である.
著者
丸井 英幹 山崎 俊哉 梅原 徹 黒崎 史平 小林 禧樹
出版者
日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.173-182, 2004-12-25
参考文献数
12
被引用文献数
2

兵庫県神戸市に計画された高速道路の予定地で,着工直前になって絶滅危惧種のハリママムシグサが発見された.路線の変更による影響の「回避」は困難で,道路建設の影響圈に自生するすべての個体の移植によって個体数の維特をはかる保全対策をとった.移植に先だって自生地で分布,個体形状,性表現,光環境,土壌条件,植生を,移植先の候補地で光環境,土壌条件と植生を調査した.調査の結果,ハリママムシグサは林冠がうっ閉するまでの早春の光環壌にめぐまれる谷沿いの落葉広葉樹林の林床で,乾きにくい砂質土壌の場所に自生することがわかった.種子繁殖にかかわる性表現は個体サイズに依存しており,雌個体はもっとも明るい場所に自生することから,雌への成長には一定の年限,光環境にめぐまれる必要があると考えられた.調査結果をもとに移植先の候補地から適地をえらび,個体形状を測定して可能なかぎり適期に移植した.
著者
谷口 和成 村田 隆紀 山崎 敏昭 笠 潤平 岩間 徹 萬處 展正 内村 浩 藤田 利光 宮永 健史
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育学会年会物理教育研究大会予稿集
巻号頁・発行日
no.22, pp.62-63, 2005-08-06

アドバンシング物理研究会(京都・和歌山)では,イギリス「アドバンシング物理」について検討を行い,高校生を対象とした公開講座においてそれを実践する中で,日本の物理教育における探究学習の在り方やカリキュラムについての研究を行っている。今年の公開講座では,ASコース前半の「デザイナーマテリアルズ」をテーマとして取り上げる。そこでは,物質(材料)は金属,ポリマー,セラミックス,複合物などのクラスに分類され,機械的,光学的,電気的性質についての簡単な各種材料試験から,最新の「物質科学」の話題に至るまでが取り上げている。これらの内容を実践的に検討した結果,生徒が工学的観点から物質を探究できるような工夫がなされていることが明らかになった。それらの結果をふまえ,今年の公開講座の目標や展開について述べる。
著者
村上 勇介 狐崎 知己 細谷 広美 安原 毅 柳原 透 重冨 恵子 遅野井 茂雄 新木 秀和 幡谷 則子 二村 久則 山崎 圭一 新木 秀和 小森 宏美 後藤 雄介 佐野 誠 幡谷 則子 二村 久則 箕輪 真理 山本 博之 山崎 圭一 山脇 千賀子
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

発展途上地域で最も早い時期から「民主化」と市場経済化を経験したラテンアメリカにおいて、近年、政治が最も不安定化しているアンデス諸国(ボリビア、コロンビア、エクアドル、ペルー、ベネズエラの5ヶ国)に関し、現地調査を踏まえつつ、ポスト新自由主義の時代に突入したアンデス諸国の現代的位相を歴史経路や構造的条件を重視しながら解明したうえで、近年の動向や情勢を分析した。そして、5ヶ国を比較する研究を行い、対象国間の共通点と相違点を洗い出し、事例の相対化を図り比較分析の枠組を検討した。
著者
清水 茂雅 堀口 明日香 山崎 浩司 川合 祐史
出版者
北海道大学大学院水産科学研究院 = Research Faculty of Fisheries Sciences, Hokkaido University
雑誌
北海道大学水産科学研究彙報 (ISSN:13461842)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.37-42, 2009-08-03

Recovery of heat-injured vegetative cells and spores of Clostridium perfringens was evaluated on selective media, CW Egg-yolk agar with kanamycin (ECW+A), Tryptose sulfite cycloserine agar(TSC+A)and modified Handford agar (mHFA). As a result of heat treatment at 54℃ for 15 min, viable counts of C. perfringens vegetative cells on a selective medium (ECW+A)was significantly less than those on non-selective media. This means C. perfringens vegetative cells should be in an injured state. Comparing of the three selective media, TSC+A was the best growth and recovery of heat-injured C. perfringens vegetative cells. Recovery on ECW+A was 1 log CFU/ml less than that on TSC+A. Supplementation of TSC+A with sodium pyruvate (0.1-0.5%) further enhanced recovery and detection of heat-injured C. perfringens vegetative cells, and its efficacy was the highest on TSC+A supplemented with 0.3% sodium pyruvate. Supplementation of TSC+A with sodium pyruvate did not affect recovery of heat-injured (95℃, 2 or 60 min) C. perfringens spores. These findings suggest that TSC+A is the most favorable medium for enumeration of C. perfringens and supplementation with sodium pyruvate improves recovery and detection of heat-injured C. perfringens.
著者
崎村 建司 夏目 里恵 阿部 学 山崎 真弥 渡辺 雅彦 狩野 方伸
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究の目的は、グルタミン酸受容体の発現と安定性、さらにシナプスへの移行と除去が細胞の種類や脳部位により異なった様式で調節され、このことが単純な入力を多様な出力に変換し、複雑な神経機能発現の基礎課程となるという作業仮説を証明することである。この解析ために、4種類のAMPA型グルタミン酸受容体、4種類のNMDA型受容体はじめとして複数のfloxed型標的マウスを樹立した。また、GAD67-Creマウスなど幾つかのCreドライバーマウスを樹立した。これらのマウスを交配させ解析した結果、海馬CA3では、GluN2BがシナプスでのNMDA型受容体の機能発現に必須であることを明らかにした。また、小脳TARPγ-2とγ-7がAMPA型受容体の発現に必須であることを見出した。さらに発達期のシナプスにおいて、GluN2AとGluN2Bが異なった様式でAMPA型受容体を抑制することを単一神経細胞でのノックアウトを用いて示した。
著者
野村 康祐 安部 征哉 福島 健太郎 庄山 正仁 松本 暁 福井 昭圭 山崎 幹夫 二宮 保
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EE, 電子通信エネルギー技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.371, pp.105-109, 2010-01-14

近年、データセンターの規模は年々拡大し、その消費電力は著しく増加している。そのため、データセンターにおける給電システムを従来の交流給電から直流給電へ移行し,消費電力を削減することが検討されている。この直流給電システムにおいて、過電流から系統を保護することは最も重要な事項の一つである。そこで、保護用デバイスとして、高速な遮断が可能である半導体遮断器の適用が検討されている。しかし、遮断の際に発生するノイズ電流により他系統の半導体遮断器に誤動作が発生する。本稿では、ノイズ電流による半導体遮断器の誤動作の発生メカニズムについて検討する。
著者
片岡 一則 山崎 裕一 西山 伸宏 長田 健介 宮田 完二郎 岸村 顕広 石井 武彦
出版者
東京大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2005

本研究では、難治がんの標的治療の実現を目指して、細胞内低pH環境応答性と標的細胞結合能を賦与した制がん剤内包高分子ミセルを開発し、その有効性を担がんマウスを用いた動物実験により明らかにした。また、遺伝子デリバリーに基づくがんの分子治療の実現に向けて、細胞内還元的環境下で選択的に開裂する結合を介して内核が架橋安定化された高分子ミセル型ベクターを構築し、がんの血管新生阻害治療における有用性を明らかにした。
著者
大橋 一智 里中 勝人 山本 哲郎 山崎 正利 木村 貞夫 安部 茂 山口 英世
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
藥學雜誌 (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.113, no.5, pp.396-399, 1993-05-25
被引用文献数
10

The antitumor activity of a preparation of heat-killed cells of Enterococcus faecalis, FK-23. Intraperitoneal injection of the preparation prolonged the lifespan of C3H/He N mice which were intraperitoneally inoculated with MM46 mammary carcinoma. Not only intraperitoneal but also oral administration of the FK-23 preparation inhibited the growth of these carcinomas inoculated intradermally. The tumor-bearing mice produced tumor necrosis factor (TNF) in their sera 2 h after intravenous injection of OK432. This TNF level increased after the mice were fed with food supplemented with the FK-23 preparation. Additionally, the FK-23 preparation inhibited the growth of Meth A fibrosarcoma in cyclophosphamide-treated BALB/c mice.