著者
山本 真也 中村 高志 芹澤 如比古 中村 誠司 安田 泰輔 内山 高
出版者
公益社団法人 東京地学協会
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.129, no.5, pp.665-676, 2020-10-25 (Released:2020-11-13)
参考文献数
40
被引用文献数
3 5

Lake bottom springs play an important role in maintaining water quality in the Fuji Five Lakes. However, the sources of these springs and the hydrological delivery mechanisms have yet to be identified. To determine the sources of spring water of Lake Kawaguchi, samples were collected directly from lake bottom springs, and oxygen and hydrogen stable isotope ratios were obtained, along with vanadium concentrations. Visual observations and water-quality analyses of the samples reveal that cold and oxygen-rich water is discharged from the lake floor, which is covered by gravel with diameters of 10-50 cm over an area of approximately 9 m (east–west) by about 13 m (north–south). The water temperature of the springs remained relatively constant at around 11.3°C during the stratified period in 2016; however, the temperature fluctuated significantly in 2017, even during the stratified period, suggesting a temporary decrease or stoppage of water being discharged from springs into the lake. Oxygen and hydrogen stable isotopic ratios of lake bottom springs were determined to be higher than those of groundwater in the southern part of Lake Kawaguchi; however, they displayed values close to those of groundwater in the northern part of Lake Kawaguchi, suggesting that spring water primarily originated from groundwater in the Misaka Mountains.
著者
江上 周作 山本 泰智 大向 一輝 奥村 貴史
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2022, no.SWO-056, pp.16, 2022-03-11 (Released:2022-03-24)

COVID-19の感染拡大防止に向けて,日本国政府では「3つの密」(以下,三密)や,「5つの場面」を提言してきた.これらの提言に基づき,各人の感染リスクを自動で評価できれば,追跡調査対象者の順序付けやスクリーニングといった保健所で行われている業務を大幅に効率化できる.本論文では,場所や行動に紐づくCOVID-19感染リスクを整理し,個別の行動事例における感染リスクを推論可能なオントロジー(CIRO)を開発した.また,CIROに基づいたナレッジグラフから,追跡調査に有用な三密リスクの推論とグラフ検索が可能であることを示した.さらに,追跡調査業務の現場における実用化に向けて,データサイズと条件を変更しながら推論実験を行い,CIROの十分性や拡張性,実現可能性を考察した.
著者
河野 貴美子 坂本 政道 世一 秀雄 高木 治 小久保 秀之 山本 幹男
出版者
International Society of Life Information Science
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.34-39, 2013-03-01 (Released:2018-12-11)
参考文献数
7

意識探究プログラムとして知られるヘミシンクは、左右の耳にわずかに異なる周波数の音を聞かせることにより、深くリラックスした状態を作り出し、通常と異なる意識状態に導くことが容易な方法とされている。著者らは、今まで様々な変性意識状態下の脳波を検討してきた。今回、5名のヘミシンクトレーナーの脳波計測からヘミシンク聴取による脳の変化を検討することを試みた。後頭部のα波平均振幅値は、セッション中に減少し、軽眠を思わせたが、各帯域含有率で、α帯域における比率が大きく減少していたわけではなく、通常の入眠時とは異なると思われた。β帯域含有率はフォーカスレベルF10とFl2で、交互に変化する様子が見られ、刺激音のうなり周波数との関係を示唆させた。左右脳波のコヒーレンス値が聴取時に大きくなる傾向が見られたが、セッション中に後頭から前頭にかけて位相同期的な瞑想様脳波が見られた被験者も複数おり、瞑想に近い状態を容易に実現することで、コヒーレンスが高くなっていることも考えられた。
著者
山本俊一著
出版者
本の泉社
巻号頁・発行日
2003
著者
依田 慶正 鈴木 潔 芝 煙彦 山本 郁榮 山本 洋佑 栗山 節朗
出版者
社団法人日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科学会雑誌 (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.38, no.6, pp.1137-1149, 1994
被引用文献数
4

コンタクトスポーツ選手の顎口腔系の保護を目的として,マウスガードが使用されている.近年,そのマウスガードを用いて各個人の運動能力を最大限に導き出すための研究が報告されている. 本研究もそれらの研究に属するが,これまでの研究は一般の人を対象としているためデータの再現性が乏しい短所があった.本研究はその点を考慮して,被験者に世界選手権優勝者あるいは出場者など一流の選手を選択した.さらに多関節運動が測定可能なエリエール・マシーンを用いて測定を行い,マウスガード装着による全身運動への影響を分析,考察したものである.
著者
山本 友子
出版者
日本細菌学会
雑誌
日本細菌学雑誌 (ISSN:00214930)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.1025-1036, 1996-10-15 (Released:2009-02-19)
参考文献数
15
被引用文献数
4 3
著者
和田 直樹 山本 澄子
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.21-28, 2021 (Released:2021-02-24)
参考文献数
35

〔目的〕座位から歩行までの動作において胸郭・骨盤角度の特徴を運動学的に分析し,若年者と高齢者の違いを明らかにすることを目的とした.〔対象と方法〕若年者14名と高齢者12名を対象に,3軸傾斜計・荷重スイッチシステム・ビデオカメラレコーダーにて座位からの歩行動作を計測した.〔結果〕高齢者は若年者と比較して一歩目離地時(foot off: FO)に胸郭・骨盤前傾角度が小さく,離殿からFOまでの時間が長かった.高齢者のFO時胸郭前傾角度・FOまでの骨盤前傾角度変化量とFunctional Reach Testに正の相関があった.〔結語〕両群ともに胸郭・骨盤前傾位で離殿するが,高齢者は前傾位を保持できずFOに至る.起立から歩行に短時間で移行するには胸郭の前傾に加え,骨盤の前傾が必要であることが新たにわかり,バランス機能の低下により若年者と異なる動作戦略に至ったと考えられる.
著者
山本 正信 ピエール・ボランジャー アンジェロ・ベラルディン マーク・リュウ ジャック・ドメイ
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.32, no.9, pp.1129-1141, 1991-09-15
被引用文献数
13

本論文は距離動画像を用いて非剛体物体の運動を解析する手法を述べている本手法は画像間の対応付け操作を必要とすることなく 線形連立方程式を解くことにより物体の運動パラメータを推定することができるこの推定式はヤコビ行列による非剛体運動の表現式を距離動画像用に拡張した時空間勾配拘束式に代入することにより得られるわれわれは既にピデオレートで距離動画像が得られるレンジファインダを開発している。このレンジファインダを使って 実際に紙や布 皮膚やゴム風船などに代表される幾つかの非剛体物体の動きを解析したさらに 距離動画像と同時に得られる濃淡動画像も併用することにより 動きの解釈時に起こる曖昧さの解消が可能になることを示した
著者
山本(前田) 万里
出版者
ファンクショナルフード学会
雑誌
Functional Food Research (ISSN:24323357)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.FFR2020_p11-20, 2020-08-11 (Released:2020-09-10)
参考文献数
19

2015 年に施行された機能性表示食品制度は,生鮮食品も対象となった届け出制で「身体の特定の部位の表現」や「主観的な指標による評価」が認められた.2020 年3 月16 日現在2,801 品目あり,そのうち生鮮食品では,みかん(機能性関与成分はβ-クリプトキサンチン;骨の健康の維持),大豆もやし(イソフラボン;骨の健康の維持),リンゴ(プロシアニジン;体脂肪低減),メロン,ブドウ,バナナ(γ- アミノ酪酸<GABA >;高めの血圧低下,記憶力の維持),カンパチ,ぶり,卵(DHA/EPA;血中脂質低減),米,トマト,ケール(GABA,ルテイン;目の健康の維持),ホウレンソウ(ルテイン),唐辛子(ルテオリン;血糖上昇抑制),メロン(GABA;精神的ストレス緩和),鶏胸肉,豚肉(イミダゾールジペプチド;ストレス緩和)など62 品目が,また,単一の農林水産物のみが原材料である加工食品では,緑茶(メチル化カテキン;ハウスダストによる目や鼻の不快感軽減),冷凍ホウレンソウ,蒸し大豆,大麦,無洗米,みかんジュース,数の子,寒天などが届け出・受理された.2019 年3 月にガイドラインの修正が行われた.生鮮食品に関わる主な修正点は次のとおりである.生鮮食品について,機能性が報告されている一日当たりの機能性成分の摂取量の一部(50% 以上)を摂取できると表示可能になったこと,届け出確認の迅速化,軽症者データの取り扱い範囲の拡大,専ら医薬品として使用される原材料を元から含む生鮮食品や加工品について届け出しようとする食品の機能性関与成分が「専ら医薬品リスト」に含まれる場合の消費者庁における確認過程の明確化(医薬品に該当しなければ上記リストに記載されていても機能性表示食品として届け出可能<成分例:デオキシノジリマイシン,γ- オリザノール>),届け出対象成分の拡大など.今後の生鮮食品開発では,機能性関与成分のばらつきに対する栽培・加工的制御技術開発,農産物の全数検査システムの開発,複合的な作用の検証方法,消費者が「食による予防,医食同源」の考え方を身につけて機能性食品を適正に喫食するための教育と消費者への正しい情報発信などの課題がある.
著者
猪奥 徹也 井上 岳司 九鬼 一郎 今井 啓輔 山本 敦史 長 正訓
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.123-129, 2022 (Released:2022-02-19)
参考文献数
30
被引用文献数
1

16歳男性.発熱,群発型けいれん重積で救急搬送,febrile infection-related epilepsy syndrome(FIRES)と診断した.発作と多発する合併症の管理に苦慮した.超難治てんかん重積状態(super-refractory status epilepticus,以下SRSEと略記)に対し,他の抗けいれん薬とともにケタミン持続静注,デキサメタゾン髄腔内投与を追加した.第170病日に人工呼吸器から離脱,月単位の焦点運動発作と中等度の運動障害を残したが自宅生活が可能となった.SRSEが遷延するFIRESにおいて,より積極的な治療の追加も選択肢となりうる.
著者
菅田 巌 山本 務
出版者
中国・四国整形外科学会
雑誌
中国・四国整形外科学会雑誌 (ISSN:09152695)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.309-313, 1993-09-01 (Released:2009-03-31)
参考文献数
11

Thirtyone patients on chronic hemodialysis developed carpal tunnel syndrome were reported. This syndrome was found in the side of the arterio-venus fistula in 24 hands and the opposite side in 20 hands. All patients complained paresthesia, dysesthesia, nocturnal pain in the hand.The duration of hemodialysis at the time of the operation was 12 years on an average, ranging from 7 years to 22 years. At surgery, the median nerve was found to be compressed under the thicked transverse carpal ligament in all cases.The histological examination of synovia and transverse carpal ligaments obtained at the time of operation revealed pale eosin stained fibrous degenerative material (H-E stain) among the fibrous connective tissue. Congo-red stain was positive. It's regarded as an amyloid material.Surgical decompression of the median nerve at the wrist resulted in the immediate relief of the symptom.
著者
山本湧輝 熊本忠彦 灘本明代
雑誌
2014年度 情報処理学会関西支部 支部大会 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, 2014-09-10

Twitterはその手軽さからユーザの感情が表れやすい。ツイートの中には、顔文字や叫喚フレーズが多く含まれ、ユーザの感情をより表している。そこで本論文ではこれら顔文字や叫喚フレーズをTwitter特有表現と呼び、その特有表現を考慮したツイートの感情抽出手法を提案する。
著者
城野 明子 山本 博香 久保田 功 市川 季佐子 太田 文彦
出版者
耳鼻咽喉科臨床学会
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 補冊 (ISSN:09121870)
巻号頁・発行日
vol.1991, no.Supplement45, pp.151-158, 1991-06-15 (Released:2012-11-27)
参考文献数
15

Three hundred and eighty children were diagnosed as “delayed speech and language development” at our speech clinic in Kinki University Hospital from 1977 to 1989. To investigate the language abilities and the possible causal factors of these children as a group, medical records and speech and language records including case histories of each child were reviewed and statistically analyzed.At the first referral,77 % of the children were under age 6, and 51% were between ages 2 1/2 and 4 1/2 years old. The incidence was higher for the boys than the girls at the ratio of three to one. The average onset of walking was 17 ± 8.0 months, and the average onset of speech was 20.5 ± 11.6 months. Seventy percent of the subjects were normal in their communicative manners,10% were autistic and 20% were in-between.Language abilities were evaluated by using a five level scale, which was proposed by the Committee of Delayed Speech and Language Development in the Japanese Society of Logopedics and Phoniatrics. Abilities of receptive language and of expressive language were evaluated separately. In both abilities, more than one third of the subjects were evaluated at level 3, that is, the child points at the picture card when the object shown on each card is mentioned, or a child answers the name of the object or picture shown to him.Seventy five percent of the subjects showed some kind of anomalies or deficiencies besides speech and language deficiencies. Mental retardation was seen in 43% of the subjects.