著者
大山 勝 勝田 兼司 大野 聖 大野 郁夫 山本 真平 谷口 強 肥高 洋
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.779-789, 1979

Two cases of rhinoliths in a male aged 18 years and a female aged 52 years who complained of nasal obstruction with mucopurulent and sometimes, bloodstained discharge were reported. The fresh specimens of nasal calculi removed in the former case weighed 4.5 grammes and 3.0 grammes in the latter.<BR>In the scanning electron micrographs the core like as nucleus with furrow and polous structure were found.<BR>Electron probe X-rays microanalysis showed that S element was concentrically detected in the core and furrow, while Ca, P, Mg, Si, Al and Na levels were recognized much more highly in the surrounding polous or solid parts compared with that of the nuclei.<BR>From these ultrastructural characteristics and chemical composition, the genesis of rhinoliths were discussed.
著者
山本 紀久子 佐藤 麻子
出版者
日本家庭科教育学会
雑誌
日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.55, 2012

Abstract:【目的】   社会が大きく変化する中、教員養成課程の充実のためには教員の資質向上の方策の見直しは緊急の課題となっており、教科指導を行う実践的指導力を身に付けた教員の育成は重要である。家庭科の衣生活技能として、なみ縫い、返し縫い、玉結び、玉どめなどの基礎縫いとならぶボタン付けは、基本的な技能である。そこで、小学校教員養成において、小学校の家庭科の授業実践を想定し、学習指導要領 2内容 C 快適な衣服と住まい (1)衣服の着用と手入れ イに記載がみられるボタン付けを取り上げ、ボタン付けの実習・作品の製作で基礎的な技能を身に付けるとともに、実践的指導力を身に付けるために、教材の内容分析、さらに、ボタン付けの内容分析に関連する内容を含む学習指導案と評価問題の作成として具現化することを受講生に求めた。そして、授業後にアンケートを実施した結果を分析することなどを通して、この授業デザインの教育効果を明らかにすることが目的である。【方法】   2011年度I大学後期教職に関する科目「初等家庭科教育法研究C・ D」において、2年次を対象に、90分1コマの講義を3回にわたり実施した。調査対象者は、3回の授業に参加して全てに回答した63人(男21人、女42人)である。具体的内容としては、1)ボタン付けの目標、ボタン付けの要素分析(ボタン・糸・布・針)、ボタン付けに関する目標達成のための教材分析(ボタン付けの下位目標・ボタン付けの教材の分析)、2)ボタン付けの実習、この授業で扱うものと扱わないもの、ボタン付け関連の学習指導案の作成、作品の製作(一部家庭学習)、3)評価問題の作成・まとめである。その後、受講生に、ボタン付け関連の授業デザインについて、5件法による受講生の評価と授業イメージ、自由記述法による感想を求めるとともに、ボタン付けの作品・評価問題の分析を行った。【結果】  教師教育としての授業への導入について、各項目の平均値(標準偏差)を求めた結果、評価問題の作成は4.60(0.53)と最も高く、次にボタン付け・作品の製作4.35(0.70)、ボタン付けの要素分析・教材分析4.17(0.94)、学習指導案の作成4.14(0.78)の順で、平均値で4点以上と、教師教育への導入に好意的評価が得られた。自己評価の平均値(標準偏差)を求めた結果、ボタン付け・作品の製作は4.05(0.83)と最も高く、次に学習指導案の作成3.51(0.88)、評価問題の作成3.40(0.77)の順であった。評価問題の作成の自己評価に比べ、教師教育としての授業への導入は高かった。自由記述法による感想では、評価問題の作成の難しさと初めての評価問題の作成の記述をあげたものが多くみられた。ボタン付け・作品の製作では、ボタン付けの練習のみ16件、小物入れ24件、ティッシュケース7件、ペンケース4件、ブックカバー2件、その他10件で、ボタンは、丈夫に丁寧に付けられていた。自由記述法による感想では、ボタンの内容分析から順を追って子どもの立場、教師の立場の両面から考えることができた、示演用見本についての記述の順で多くみられた。小学校の家庭科授業を想定し、ボタン付けの実習、教材分析・学習指導案・評価問題の作成を取り入れた授業デザインは、有効と考えられる。今後、授業改善に向けて課題を見つけ自分の実践を振り返るなど実践的指導力を向上させる授業デザインとして、相互評価を評価問題に取り入れるなどが課題である。
著者
永田 智子 藤原 容子 山本 亜美 潮田 ひとみ
出版者
日本家庭科教育学会
雑誌
日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.59, 2016

【研究目的】<br>&nbsp;&nbsp;家庭科の研究指定を受けている小学校の教員でさえ,ミシン指導に不安を抱えている(永田・鈴木2014).そこで永田ら(2015)は,将来の小学校教員である初等教員養成課程の学生に対し,ミシン使用の技能と指導の自信を高めるよう工夫した授業を実施した.その結果,ミシン使用の技能と指導の自信を一定程度高めることができたものの,改善の余地はあり,より詳細に検討する必要性が示唆された.そこで授業を改善し,その効果を詳細に検討することとした.<br>&nbsp;【研究方法】<br>&nbsp;&nbsp;研究対象は,2015年度にH大学で開講された小学校教諭の普通免許状授与のための必修科目「初等家庭科教育法」である.この科目を履修した学生(学部2~4年生,大学院生,計217名)のうち,被服実技に関する授業を3単位時間(1単位時間=90分)受講し,事前・事中・事後アンケートのすべてに回答した117人を分析の対象とした.また2014年度受講生の171人分を比較対象とした.<br>&nbsp;&nbsp;2014年度は,第1校時には,基本的なミシン操作に重点をおくため,糸をつけずに紙を空縫いさせる練習をした.第2校時には,糸の通し方から説明をはじめ,糸調子や裏表がわかるようにするため,上糸と下糸で色の違う糸をつけて紙を縫う練習をした.その後,ポケットティッシュケース作りをした.ティッシュの出し口は,手縫いで並み縫いと返し縫いさせ,両端はミシンで直線縫いさせた.<br>&nbsp;&nbsp;2015年度は2014年度に実施した授業の前に,手縫いを中心とする授業を1単位時間増やした.並み縫い・返し縫いに加えて,玉結び・玉どめ・ボタン付けを学習内容として新規に追加した.<br>&nbsp;&nbsp;また2015年度は事中・事後アンケートの質問項目を詳細にし,自信の程度を4件法(自信がある4~自信がない1)で尋ねた.<br> 【研究結果】<br>&nbsp;&nbsp;2015年度は,ミシンに関する自分自身の技能について,授業後は,直線縫いの自信が大きく向上した.一方で,糸かけや糸調節については,事前よりは自信は高まったといえるものの,直線縫いほど大きくは高まらなかった.またミシン指導に対する自信についても同様の傾向であった.直線縫いに関しては,紙の空縫いから始めて,練習を繰り返したことが奏功したと思われる.<br>&nbsp;&nbsp;手縫いに関して,2015年度は自分自身の技能についての自信は,授業後はどの項目も平均3点以上に高まった.これは2014年度に比べて授業時間を1単位時間分増やしたためと思われる.また,指導に対する自信についても,どの項目も高まったが,特にボタンつけについて3点以上に高まった.これは,ボタンのつけ方のみ児童用ビデオ教材を視聴させたことに起因していると考えられる.<br>&nbsp;&nbsp;以上のことから,今回行った3単位時間の授業を通して,ミシン縫いと手縫いの技能およびその指導に対して自信が高まったといえる.特に,紙の空縫い,紙の直線縫い,布の直線縫いと回数を重ねたミシンの直線縫いは,技能への自信を高めることがわかった.また手縫いは,時間を増やしたこともあり,全般的に技能に対する自信が高まった.特に児童用ビデオ教材を用いて説明したボタンつけは指導に対する自信も高まったことがわかった.一方で,実際に体験しなかったミシンの糸かけや糸調節,手縫いの返し縫いについては指導の自信が低いままであった.<br>&nbsp;&nbsp;今後,技能及びその指導に対して自信が低かった内容について効果的な指導法を検討し,さらなる授業改善を図りたい.<br>【引用文献】<br>&nbsp;&nbsp;永田智子・鈴木千春(2014)小学校家庭科教育研究指定校の教員が抱える不安,日本家庭科教育学会第57大会(岡山大学)<br>&nbsp;&nbsp;永田智子・藤原容子・潮田ひとみ(2015)ミシン使用の技能と指導の自信を高める初等教員養成課程『初等家庭科教育法』の工夫,日本家庭科教育学会第58大会(鳴門教育大学)
著者
江里 俊樹 川畑 仁人 今村 充 神崎 健仁 赤平 理紗 道下 和也 土肥 眞 徳久 剛史 山本 一彦
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.36, no.5, pp.331a, 2013 (Released:2013-10-31)

抗核抗体は,全身性エリテマトーデスを始めとする種々の全身性自己免疫疾患の主要な特徴の一つであるが,その産生メカニズムは明らかではない.過去の報告によると,胸腺を欠いたヌードマウスでは抗核抗体産生とループス様の自己免疫が見られ,ヌードマウスにCD4+CD25−細胞を移入するモデルでは様々な自己抗体産生と臓器特異的自己免疫が見られる.我々はこれらのマウスモデルを用いて,lymphopenia-induced proliferation (LIP)を介した移入T細胞のfollicular helper T細胞(TFH)への分化,および腸内細菌の関与,という観点から抗核抗体産生について検討した.BALB/c野生型マウスからCD4+CD25−(conventional T)細胞を移入したBALB/cヌードマウスでは,IgG型抗核抗体を始めとする様々な自己抗体産生が早期に高率に見られた.移入されたconventional T細胞はLIPによってIL-21産生PD-1+TFH細胞へと分化し,germinal center形成と異常なB細胞応答を引き起こすことが観察された.さらに経口広域抗生剤投与によって腸内細菌を除去すると,LIPを介したTFH細胞分化の減少と,自己抗体産生の低下が見られた.腸内細菌が抗核抗体産生に重要な役割を果たしているという今回の新たな発見は,全身性自己免疫疾患の病態解明と新たな治療へつながる可能性がある.
著者
松浦 啓一 後藤 孝信 川口 恭輔 水野 征一 山本 直之
出版者
日本酪農科学会
雑誌
ミルクサイエンス (ISSN:13430289)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.97-106, 2017

<p> <i>Lactobacillus helveticus</i>発酵乳から最初に単離された血圧降下ペプチド,Val-Pro-Pro (VPP)とIle-Pro-Pro (IPP)に関して様々なチーズについて分析した。15種類のヨーロッパタイプのチーズを選び,これら2種類の血圧降下ペプチドをLC-MSを用いて分析した。オランダチーズのライペナーとオールドアムステルダムには高含量のVPP/IPPを,100g当たりに19.9/0.9と10.5/0.9mgづつ含んでいた。スイスチーズのエメンタールとグリュイエールには同様にVPP/IPPをそれぞれ100g当たりに8.0/1.1と5.2/1.2mgづつ含んでいた。注目すべき点として,<i>Penicillium roqueforti</i>で製造される幾つかのフランスチーズ(ブルー・ド・オーベルニュとブルー・ド・カース)にも,高濃度の両ペプチドが,100g当たりにそれぞれ,13.1/31.0と9.9/19.2mgづつ含んでいた。VPPに対するIPPの比はドイツやスイスチーズにおいて,ブルーチーズのものに比べて低かった。ブルーチーズにおける両ペプチドの産生の理由を理解するために,以前, <i>Aspergillus oryzae</i>内のIPPの加工に重要な蛋白質分解酵素であるニュートラルプロテアーゼI(NPI)とロイシンアミノペプチダーゼ(LAP)について <i>Penicillium</i>属での存在をBLAST検索した。その結果,<i>A. oryzae</i>のNPIに36%の相同性をもつホモログが<i>Penicillium subrubescens</i>の菌体外金属プロテアーゼ-4に確認された。さらに,<i>A. oryzae</i>のLAPは<i>P. roqueforti</i>の未同定の蛋白質と同一であった。これらのことから, <i>A. oryzae</i>のNPIとLAPに相同性を持つ<i>Penicillium</i>のプロテアーゼがブルーチーズの熟成中の血圧降下ペプチドの生成に関与することが示唆された。</p>

1 0 0 0 OA 古今類句

著者
山本, 春正
出版者
巻号頁・発行日
vol.[19], 1666
著者
山口 圭三 辻本 広紀 平木 修一 高畑 りさ 小野 聡 山本 順司 長谷 和生
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.823-826, 2014-05-31 (Released:2014-12-19)
参考文献数
10
被引用文献数
1

症例は69歳,男性。持続する腹痛,嘔気を主訴に近医を受診し,腸閉塞の診断で当院に搬送された。既往歴として15年前に直腸癌に対して骨盤内臓全摘術,回腸導管造設,6年前に食道癌に対して開胸・開腹食道切除術を受けた。入院時,腹部は平坦・軟で腹膜刺激症状を認めず,血液ガス分析ではpH 7.175,Base Excess -17.9mmol/L,Cl 114mEq/Lと高クロール性代謝性アシドーシスを認めた。Anion gapは12.6mEq/Lと正常であった。腹部造影CT検査では血流障害は否定的であり,イレウス管挿入と輸液による保存的治療を行った。翌日には腹部症状が軽快し,4病日にイレウス管抜去,5病日に経口摂取を開始し,代謝性アシドーシスも改善したため11病日に退院となった。回腸導管術後には腸管虚血に起因しない代謝性アシドーシスを呈する場合があり,注意を要する。

1 0 0 0 OA [お伽噺]

著者
山本千吉 編
出版者
山本千吉
巻号頁・発行日
vol.舌切雀物語, 1886
著者
山本 恵司 羽場 真一 磯部 晶
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.731-732, 2010

研磨レートは研磨パッドの使用に伴い低下する。硬質発泡ウレタンパッドの場合、表面と内部の構造が一様でありダイヤモンドドレスにより回復出来る。しかしナップパッドでは開口径等が変わるためこのような処理はなされない。したがってナップパッドには研磨レートが低下しにくい特性を付与しておくことが望ましい。そこでナップパッドにおける研磨レートの低下メカニズムの検討を行った。
著者
朝蔭 直樹 原口 美明 鈴木 貴久 塚田 健次 山本 哲朗 小林 滋
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.70, no.8, pp.2416-2420, 2009

症例は69歳,女性.24年前より全身性強皮症と診断されている.1年ほど前から直腸脱が出現し早急に増悪,立っているだけで超手拳大の腸管が脱出し当科を受診した.身長149cm,体重34kgと小柄痩せ型で顔面,手指に茶褐色の光沢を持った皮膚硬化を認めた.怒責診では約10cmの直腸が脱出し,脱出腸管は浮腫状であたかもソフトボール状に緊満していた.怒責時腹部CT検査を施行すると,脱出腸管壁内にガス像が認められ脱出腸管反転部内への小腸陥入を伴う直腸脱と診断した.手術は会陰式直腸S状結腸切除術(Altemeier手術)に肛門挙筋形成術を併施した.術後経過は順調で,現在術後1年半経過したが脱出はなく特に排便機能にも問題はない.全身性強皮症は結合組織の線維性硬化性病変を伴い,直腸脱の発症要因の一つと考えられた.本症例のような基礎疾患を有する場合,侵襲が少なく肛門挙筋形成も行えるAltemeier手術は有効であると思われた.
著者
山本 功 島田 貴仁
出版者
日本犯罪社会学会
雑誌
犯罪社会学研究 (ISSN:0386460X)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.80-97, 2016 (Released:2017-10-31)

従来,わが国の犯罪情勢が論じられるにあたって,人びとの意識を表すものとして「体感治安」や 「犯罪不安」という語が用いられてきた.新聞や行政文書においては「体感治安」が用いられ,学術研 究においては「犯罪不安」が主たる研究対象とされてきたが,これらの差異には関心が向けられてこ なかった. 本稿は,千葉県コンビニ防犯ボックスモデル事業を事例として,この事業が地域住民にもたらした 体感治安とリスク知覚・犯罪不安に対する効果を分析する.異なる2地点で実施された同事業の事前 と事後の2回,地域住民に対する調査が実施された. 分析の結果,同事業は概して体感治安の向上をもたらしたが,部分的に犯罪リスク知覚と犯罪不安 の上昇が観察された.これらの結果から,「体感治安」と「犯罪不安」は異なるものであることが明ら かになった.防犯事業を評価する際には,犯罪不安と体感治安の両者を測定することが必要であるこ とが論じられた.
著者
山本 もと子
出版者
信州大学
雑誌
信州大学留学生センター紀要 (ISSN:13467433)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.19-31, 2004-03

日本語の謝罪表現には様々な種類があるが、代表的なものは「すみません」「ごめんなさい」の二つである。これらはまったく同じ条件の下で発話されるわけではない。話し手は発話する前に、意識的または無意識的に、謝罪するに至った状況や話し手と聞き手との人間関係を判断し、どの表現を使用するか選択している。そこで、テレビドラマのシナリオから「謝罪」と取れる表現をすべて抜き出し、これらをウチ。ソト。ヨソの関係に分類し、次いで性差、年齢差に分けて分類した。その結果、女性より男性、年上より年下の方が謝罪する回数が多いことが分かった。また、社会的立場が弱い方が強い方より謝罪する回数が多く、立場が強い方が謝罪する場合、「すみません」はほとんど使用しないことが分かった。
著者
山本 美佐子 水島 禮子 堀込 和代 木浪 智佳子 萬 美奈子 三国 久美 ヤマモト ミサコ ミズシマ レイコ ホリゴメ カズヨ キナミ チカコ ヨロズ ミナコ ミクニ クミ Misako Yamamoto Reiko Mizushima Kazuyo Horigome Tikako Kinami Minako Yorozu Kumi Mikuni
雑誌
北海道医療大学看護福祉学部学会誌 = Journal of School of Nursing and Social Services, Health Sciences University of Hokkaido
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.7-14, 2007-03-31

本研究の目的は,NICUに入院した子ども(以下NICU児)の母親の対児感情と母性意識の入院中から退院後1年間の経時的変化と,満期産児の母親との比較による特徴を明らかにすることである.接近と回避の下位尺度から成る対児感情評定尺度と育児肯定,育児否定,葛藤,成長志向から成る母性意識尺度を用い,入院中・退院後3ヶ月前後・退院後1年前後の調査を行った結果,以下のことが明らかになった.1)子どもへの接近は,入院中は満期産の母親よりも有意に低く,在胎過数と正の相関が見られたが,退院後は増加し1年後には在胎過数による相関も,満期産との差も見られなくなった.2)成長志向得点は入院中満期産と比較し有意に低く,退院後は職業との相関が見られた.育児肯定得点は入院中のみ初産のNICU児の母親が有意に低かった.NICUに入院する子どもの母親には,特に入院初期,初産で在胎過数が少ないほど母親のこころの回復過程を見守りながら,母子の相互交流を手助けする看護の重要性が確認された.The aim of this study was to determine changes in maternal consciousness and feelings toward babies admitted to Neonatal Intensive Care Unit (NICU) , and to compare their characteristics with mothers who had given birth to full-term infants. Two scales were used in this study : (1) a rating scale of feelings toward babies based on a measurement of approach and avoidance, and (2) a maternal consciousness scale that measured infant care, childcare rejection, complications, and growth. Data was collected three times : during hospitalization, three months after discharge, and one year after discharge. 1) Mothers of NICU infants were significantly less likely to approach their infants during hospitalization than mothers of full-term infant births with a positive correlation with the number of weeks of pregnancy lacking for a full-term birth. However, after hospital discharge, the degree to which mothers of NICU infants approached their infants increased. After one year, there was no correlation with weeks of pregnancy, and the previous difference with full-term infant births became indistinguishable. 2) Growth scores for NICU infants of mothers who had been discharged were significantly lower when compared with those during hospitalization. Furthermore, a correlation between infant growth and employment was found among mothers after hospital discharge. Infant care scores of mothers of NICU infants were significantly lower for mothers who were having their first child. For mothers of infants admitted to NICU, especially for mothers giving birth for the first time or being hospitalized for the first time, it is important for nurses to encourage a mutual exchange between mother and infant while also ensuring that the mother recovers psychologically.
著者
萬 美奈子 木浪 智佳子 三国 久美 山本 美佐子 ヨロズ ミナコ キナミ チカコ ミクニ クミ ヤマモト ミサコ Minako YOROZU Chikako KINAMI Kumi MIKUNI Misako YAMAMOTO
雑誌
北海道医療大学看護福祉学部紀要
巻号頁・発行日
vol.13, pp.51-58, 2006

近年、わが国において肥満傾向児の割合が増加している。これらの児は将来的に、肥満に起因する健康障害を引き起こす可能性が高いことから、小児期からの予防対策が重要である。本稿では、小児肥満の予防と生活習慣に焦点をあて、効果的な予防的介入方法について、それらに関する文献をもとに検討することを目的とし、以下の知見を得た。1.小児肥満を予防するためには、乳幼児期からの一次予防レベルの介入が、必要かつ効果的である。2.学童期以降では、一次予防レベルでの介入を継続するだけでなく、児の発達段階とニーズに応じ、プライバシーに配慮した二次予防レベルの介入が必要である。特に児への動機づけは重要である。3.効果的な介入を行なっていくためには、先行研究で明らかになった肥満に関連する生活習慣の改善を目指した予防活動の実施による評価研究、長期的視野に立った縦断的研究、肥満に対する認識と行動の変化に着目した研究が必要である。In Japan, the ratio of obese children has increased in the past several years. Because of a high possibility of causing health problems that originate in obesity in the future, these children's preventive measures from the infant period are important. This paper aims to investigate effective preventive interventions focusing onto the prevention and the lifestyle of the children's obesity based on the research documents. The results are obtained ; 1. To prevent childhood obesity, primary preventive interventions from early childhood are necessary and effective. 2. At school age, it is important not only to continue primary preventive interventions but also to apply the secondary preventive interventions according to the children's developmental stage and their needs with the consideration of privacy. Especially, the motivation within children is indispensable. 3. In order to actualize effective interventions, the following researches are necessary ; 1). The evaluation research on preventive activities that aim at the improvement of lifestyle related to obesity 2). Longitudinal studies of both process and outcome analysis upon interventions 3). The research focusing on the changes in the perceptions and behaviors from both obese children's and their parents' perspectives
著者
山本 明保 Jeremy WEISS Mark AINSLIE Anatolii POLYANSKII David LARBALESTIER Eric HELLSTROM
出版者
公益社団法人 低温工学・超電導学会 (旧 社団法人 低温工学協会)
雑誌
低温工学 (ISSN:03892441)
巻号頁・発行日
vol.52, no.6, pp.397-404, 2017-11-20 (Released:2017-12-08)
参考文献数
47

This article reviews the recent development of bulk trapped field magnet made with iron-based superconductor (IBSC). A trapped field of over 1 T at 5 K and 0.5 T at 20 K has been measured between a stack of magnetized cylinders of bulk polycrystalline Ba0.6K0.4Fe2As2 superconductors 10 mm in diameter. Magneto-optical imaging revealed a trapped field distribution corresponding to uniform macroscopic current loops circulating through the sample. A standard numerical modelling technique using the measured Jc(B, T) characteristics of a small specimen reproduced the experimentally measured trapped fields well, again indicating the homogeneous current loops in the polycrystalline bulk. Given the untextured polycrystalline nature of the cylinders and their large irreversibility field, it is expected that larger IBSC bulks could trap much higher field.