著者
上山 さぎり 若原 正明 鴫原 孝佳 駒田 匡史 野尻 昌利 山田 宜伸
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.240-245, 2022 (Released:2022-02-11)
参考文献数
13

風切音の透過経路ではドアガラスの寄与が大きい.このガラス透過音は,従来,板厚増やアコースティックガラスの設定等で低減されてきたが,質量・コストが増加する対策である.そこで本研究では,ガラスランの減衰に着目し,ガラスとのインピーダンスマッチングを活用してガラス透過音を低コストで低減する方法を提案する.
著者
薬袋 淳子 野末 波輝 山田 裕加 福澤 大樹 橋本 廣子 成 順月 舩戸 恵子
出版者
一般社団法人 日本在宅薬学会
雑誌
在宅薬学 (ISSN:2188658X)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.3-10, 2022 (Released:2022-04-25)
参考文献数
14

要旨:本研究は,地域在住高齢者が認知症に移行しないことを目指して,地域包括支援センターと連携し,MCIの早期発見および回復に向けた取り組みを行う.方法は,日本の高齢者を対象に認知症関連リスク要因を検証した研究をシステマティックレビューし,その要点をチェック表にまとめ,本研究参加者約300名に1年間実施してもらう.同時にタッチパネルを用いて認知機能得点の変化を把握する.結果を分析し,取り組みの成果をまとめていく.認知症を薬により根本から治すことが確立されていない現在,地域在住高齢者が認知症に移行しないことが最重要となる.また,MCIからの回復が見込めない場合は,域包括支援センターに繋げていく仕組みを作る.これらの流れについて,本総説で概説する.
著者
末永 隆次郎 前田 勝義 山田 統子 沖 真理子 照屋 博行 高松 誠
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.134-146, 1986-07-30 (Released:2011-08-11)
参考文献数
27
被引用文献数
2 2

過去のいちごハウス栽培者の健康調査成績から, いちご栽培作業では、腰部等への負担の大きいことが推測された。そこで、年間を通してのいちご栽培者の生活時間構造を明らかにするとともに、収穫i期における収穫作業と選果・箱詰作業について、腰部を中心とした労働負担の調査を実施した。作業姿勢の面からみると, 収穫作業においてはいちごの生物学的制約から中腰姿勢を強いられ, 選果・箱詰作業では畳の上などでの坐位姿勢が中心であった。そして, いちご栽培者の腰部等への負担を明らかにするために, なす栽培者を対照として自覚症状および疲労部位調査を実施するとともに, 脊柱の柔軟性の測定を行なった。その結果, いちご栽培者は腰部に関する疲労症状の有訴率が高く, 脊柱の柔軟性も劣ることが明らかとなった。次に, いちごの収穫時と選果・箱詰時の代表的.な作業姿勢を実験室内で再現し, 表面筋電図を用いて筋負担の程度を検討した。また, 収穫時に無意識にとられていた “肘一膝” 中腰姿勢については, 腰部等への負担軽減姿勢と考えられたが, 筋電図による解析結果と生体力学的解析結果とから判断して, この姿勢は筋負担の軽減よりも, むしろ腰仙関節にかかる力のモーメントの軽減, すなわち骨, 関節, 靱帯などに対する負担の軽減によるものと推測された。最後に, いちご栽培者の腰部を中心とする慢性局所疲労の軽減策について考察を加えた。
著者
栗駒 かおり 池 康平 畑 知宏 久木 はる奈 堀 晋之助 河合 春菜 服部 暁穂 山田 めぐみ
出版者
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
雑誌
理学療法学Supplement Vol.36 Suppl. No.2 (第44回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.A3P3052, 2009 (Released:2009-04-25)

【目的】 有酸素運動として一般的にはウォーキング(速歩)、ジョギング、サイクリング、水中運動等が挙げられる.しかし、臨床では心疾患及び骨・関節疾患等の身体的なリスクがある場合において、自転車エルゴメーター(以下エルゴ)及びリカンベントを用いることが多い.それらを使用するにあたり、それぞれの特性を把握しておくことは重要である.しかし、エルゴとリカンベントを比較した報告は少ない.そこで我々は、双方に心肺運動負荷試験(以下CPX)を実施し、駆動姿勢の変化が有酸素運動に及ぼす影響について検討した.【方法】 対象は同意を得た健常成人10名(男性6名女性4名、年齢24.6±5.4)とした. エルゴを使用し、起立座位及び、リカンベント様姿勢にて回転数60rpmのRamp負荷法(男性20watts/min、女性15watts/min)でCPXを施行した.呼気ガス分析はミナト医科学社製エアロモニターAE300Sを用いた.比較項目は、運動開始から嫌気性代謝閾値(AT)までの負荷増加に対する酸素摂取量(AT-V(ドット)O2)・時間(AT-Time)・負荷量(AT-Load)とした.また、同様に呼吸性代償点(RC)までの、酸素摂取量(RC-V(ドット)O2)・時間(RC-Time)・負荷量(RC-Load)・ATからRCまでの酸素摂取量(AT- RC V(ドット)O2)、及びボルグスケールも算出・比較した.統計処理はスチューデントのt検定を用いて検討した.有意水準は5%未満とした.【結果】 CPXから得られた双方の各指標は有意な差を認めなかった.また、V(ドット)O2及びボルグスケールは有意差を認めなかったが、リカンベント様姿勢での施行が高値傾向であった.【考察】 本研究において駆動姿勢の変化は、CPXの各指標には有意な差を認めなかった.このことから、身体的なリスク(肥満、高齢者、長時間の端坐位が困難な腰部疾患や体幹が不安定な片麻痺)を有し、エルゴ使用困難な場合、リカンベントを使用することで、エルゴと同様の有酸素運動が実施出来ることが示唆された. しかし、ボルグスケールや動員筋活動に影響すると言われているV(ドット)O2はAT及びRCにおいて有意な差を認めないが、リカンベント様姿勢が高値傾向であり、被検者からは下肢の疲労の訴えが多かった.その原因として、リカンベント様姿勢は体幹が固定され下肢を中心とした運動が多い、また、駆動時の下肢の運動方向がエルゴでは従重力位に対し、リカンベント様姿勢は水平方向であったため、筋活動に違いを生じたのではないかと考える.このことから、リカンベントの使用は有酸素運動に限らず機能訓練にも有効であると考えられる.本研究では双方の下肢筋活動量は測定していないが、今後それらを比較・検討する必要がある.【まとめ】 本研究により、エルゴ使用時の駆動姿勢の変化は双方ともに同様の有酸素運動効果が得られると示唆された.
著者
森内 幸美 山田 恭暉 朝長 万左男
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.66, no.10, pp.1444-1448, 1992-10-20 (Released:2011-09-07)
参考文献数
20
被引用文献数
6 3

成人T細胞白血病 (ATL) 患者の易感染性を確認するために, 最近10年間に当科に入院したATL患者 (112例) と類縁疾患である非ポジキンリンパ腫 (NHL) 患者 (109例) について, 合併した感染症の検討を行った.感染症を合併した症例は, ATLの80.4%, NHLの46.8%に認められ, 有意差を認めた (p<0.001).Documentedinfectionを合併した症例は, ATLの62.5%, NHLの27.5%に認められ, 有意差を認めた (p<0.001).個々の感染症については, 肺炎 (p<0.05), 膿皮症 (p<0.05), 真菌感染症 (p<0.05), Pneumocystis carinii肺炎 (p<0.05), サイトメガロウイルス感染症 (p<0.05), 単純ヘルペスウイルス感染症 (p<0.01) が有意にATL群に高頻度に認められた.結核症, リステリア症, サルモネラ感染症もATL群にのみ認められた.死因については, 2群間に有意差を認めなかった.
著者
山田 弘之 久保 将彦 村井 須美子 坂倉 康夫
出版者
耳鼻咽喉科臨床学会
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.80, no.7, pp.1163-1168, 1987-07-01 (Released:2011-11-04)
参考文献数
12

Large doses of metoclopramide as an antiemetics were administered to 9 patients recieving cisplatin (CDDP) (50mg/m2) for head and neck cancers. Metoclopramide, 2mg/kg was administered four times intravenously on the first day of CDDP therapy and once a day on days 2-7. Neither emesis nor nausea occurred in 8 of the 9 patients (89%). Side effbcts were minimal: mild sleepiness(66.7%)and diarrhea(22.2%). It is concluded that the antiemetic effect of intravenous metoclopramide in large amounts can prevent cisplatin-induced emesis.
著者
池田 洋一郎 山口 哲生 山田 嘉仁 篠原 翼 河野 千代子 青柳 哲史 天野 裕子 鬼島 正典 黒瀬 信行 宮本 和人
出版者
日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
雑誌
サルコイドーシス/肉芽腫性疾患 (ISSN:13450565)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.65-69, 2004-10-01 (Released:2010-08-06)
参考文献数
9

小径線維ニューロパチー (small fiber neuropathy, 以下SFN) を認めたサルコイドーシス (以下サ症) の2症例を経験した. 71歳と67歳の女性が当院に紹介され, 2症例とも手足のシビレなどの症状を呈していた. 神経学的所見として, 両側上下肢遠位部に対称性の温痛覚低下を認めたが, 触覚, 関節位置覚, 振動覚は正常であった. 両者に発汗の低下と便秘がみられた. 神経伝導速度と針筋電図検査では異常は認められず, これらの所見は小径線維ニューロパチーに合致していた. 生検皮膚組織の末梢神経のPGP9.5とP75による免疫染色により, 皮膚組織の末梢神経軸索密度が正常と比して有意に減少し軸索障害が有意に増加していることが確認されSFNと確定診断した. 症例1は, ジクロフェナクや塩酸メキシレチンによって, 症例2は, 塩酸アミトリプチリンの投与で症状は軽減された. 従来, サ症の末梢神経病変は脳神経麻痺と多発単神経炎で代表されるとされていたが, この2症例の経験から, これまで考えられていたよりもSFNの合併の頻度は高いことが推測される. サ症にともなう多彩な神経障害の診断において, 神経伝導速度と皮膚生検はその中からSFNを鑑別する有意義な検査方法といえる.
著者
佐藤 航 土屋 修一 山田 正
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会研究発表会要旨集 第19回(2006年度)水文・水資源学会総会・研究発表会
巻号頁・発行日
pp.76, 2006 (Released:2006-09-11)

1990年代から関東地方では,夏季に集中豪雨などのごく短時間に30_-_50mm/hrの雷をともなう激しい雨が頻発しており,それにより都市河川の氾濫や交通網の麻痺といった災害が社会問題とされている..著者らは,ドップラーレーダを用いて約10年間の降雨観測を行い,関東平野で発生するメソβスケール降雨の発生から消滅までの一連のメカニズムについて明らかにしてきた.本研究は,夏季の集中豪雨の降雨特性を明らかにするためドップラーレーダによる観測から,関東平野における雷雨性降雨の発生時間・発生地点,降雨強度32mm/hr以上の強雨の降る地域分布,強雨域の移動について解析を行った.結果をしめすと 雷雨性の降雨は東に移動するものが多く,他の方向に移動する降雨域よりも移動速度は早く,降雨強度も大きい傾向がある.
著者
北住 順一 谷口 佳文 星出 敏彦 山田 敏郎
出版者
公益社団法人 日本材料学会
雑誌
材料 (ISSN:05145163)
巻号頁・発行日
vol.38, no.434, pp.1254-1260, 1989-11-15 (Released:2009-06-03)
参考文献数
20
被引用文献数
5 6

In order to study the characteristics of static strength of ceramics, 3-point bending tests with a constant loading rate were carried out at room temperature in air, by using sintered silicon nitride, partially stabilized zirconia and two kinds of alumina. The effects of specimen geometry and temperature on the strength were also investigated by conducting ring compression tests for the silicon nitride at room temperature and 1300°C in air.In the 3-point bending tests, better fitness for the two-parameter Weibull distribution was found when the data were correlated with the true fracture stress evaluated at the fracture point of specimen, rather than the maximum nominal stress. The effect of specimen geometry on the strength was small for the case investigated in this study. The mean strength and the coefficient of variation of the strength at 1300°C were reduced to about half and one-third of those at room temperature, respectively.The fracture surface of the tested specimens was observed through a scanning electron microscope, and the predominant flaws were identified which were preexisting in the specimens. The equivalent crack length was evaluated taking account of the crack geometry and the stress state associated with the crack location. The fracture stress was correlated with the equivalent crack length. The results showed that the strength decreased with decreasing flaw size, compared with the estimate expected from the linear fracture mechanics concept. The tendency in the relation was explained by the modification that a material constant should be added to the original equivalent crack length.The fractographic observation suggested that the fracture of the silicon nitride at elevated temperatures followed the formation of semi-circular damage-region due to the slow crack growth. Another fracture mechanics approach was required in the analysis of the fracture of ceramics with inelastic behavior at elevated temperature.
著者
山田 碩道
出版者
The Resources Processing Society of Japan
雑誌
資源処理技術 (ISSN:09124764)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.241-247, 1987-12-25 (Released:2009-06-05)
参考文献数
13
著者
山田 悦 清水 光 布施 泰朗
出版者
大学等環境安全協議会
雑誌
環境と安全 (ISSN:18844375)
巻号頁・発行日
vol.5, no.3, pp.191-198, 2014-09-30 (Released:2014-10-10)
参考文献数
23

フッ化物イオンとホウフッ化物イオンの混合溶液の分析は、フッ化物イオン電極を用いたグランプロット標準添加法により、ホウフッ化物イオンの分解に用いるアルミニウムイオンの妨害を受けずにフッ化物イオンを定量することができ、その値からホウフッ化物イオンの分解率を求めることができた。難分解性であるホウフッ化物イオンは、常温においてアルカリ性や中性条件下ではほとんど分解せず、pH 3という酸性条件下でも2カ月後に20 %残存していたが、pH 3~4でアルミニウムイオンを添加すると約48時間で定量的に分解できることがわかった。アルミニウムイオンを添加するとフッ化アルミニウムを生成するためホウフッ化物イオンの分解が促進されると考えられる。 ホウフッ化物分解後のフッ化物イオンの処理は、カルシウム添加法とフッ素吸着樹脂を用いるカラム吸着法を組み合わせた二段階処理法を用いると、洗煙廃水のような複雑組成中のフッ化物イオンでも排水基準の 8 ppmをクリアして処理することができる。
著者
山田 雄司 青田 庄真
出版者
関東甲信越英語教育学会
雑誌
関東甲信越英語教育学会誌 (ISSN:21858993)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.71-84, 2015 (Released:2017-07-20)
参考文献数
17

Studies have been accumulated on individual policies related to English language education in Japan or on Japanese society as a determinant of these individual policies. Few studies, however, have ever been done on the discussion in the Japanese Diet, which connects the policies and the society. This is because the society, or the view of the Japanese people, affects what and how to discuss in the Japanese Diet, based on which new policies must be developed. The aim of this study is to investigate thoroughly what and how the actors, who are the participants of the Diet, have discussed English education in the Japanese Diet. For this purpose, we gathered all the statements made in the Japanese Diet about English education from 1947 to 2013, and analyzed the data using the method of quantitative content analysis. We divided the post-war era into four periods based on the number of the conferences mentioning English education and defined five actors. The main findings are: (1) each period has its own prominent topics; (2) there are some words or types of statement more frequently used by each actor. We believe this research will open a new field of study, which would enhance the historical studies of English education.