著者
山田 道夫
出版者
一般社団法人 日本応用数理学会
雑誌
応用数理 (ISSN:24321982)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.141-151, 2001-06-15 (Released:2017-04-08)
参考文献数
16

Weakly nonlinear theory of fluid motion is discussed in relation with pattern formation phenomena in fluids. In nonlinear stability theory of parallel flows, Landau-type equation is obtained by growth-rate expansion method around the critical point, while in subcritical case it is obtained by amplitude expansion method in which the solvability condition is replaced by an exact definition of the 'amplitude'. In the case of falling film flow, amplitude equations derived so far do not agree well with experiments, and a new expansion method of Pade type proposed by Ooshida is successful although the method is not yet fully understood in mathematical sense. In the Benard convection problem, an order-parameter equation describes the weakly nonlinear stage, and some reduced amplitude equations are derived from this equation. Even in strongly nonlinear stage, pattern formation phenomena are often observed as in the two-dimensional turbulence on a rotating sphere where a circumpolar jet appears from a turbulent initial flow field.
著者
林 海平 楊 舒淇 山田 宏 粟野 隆 Hai-ping Lin Suchi Yang Hiroshi Yamada Takashi Awano
出版者
東京農業大学
雑誌
東京農業大学農学集報 = Journal of agriculture science, Tokyo University of Agriculture (ISSN:03759202)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.47-56, 2020-09

本論文では,日本統治時代における台湾の日本人住宅・宿舎の庭園の保存・修復の今後に資することを目的に,残存事例が台湾でも数多い台北の日本人住宅・宿舎の庭園について調査した。その結果,以下のことを明らかにした。庭園規模は,建物面積の2~7倍が理想とされ,現地調査では多くの庭園が2倍程度であり,平均では2.2倍であったこと。庭園配置は,台北市内の風向きと住宅への通風が考慮された結果,南北方向,あるいは南西・北東方向に前庭・主庭を配置する傾向があったこと。庭園構成は,芝生が太陽の輻射熱を緩和し,植栽は建物の壁体への直射日光を緩和する役割を担い,ベランダ,テラス,パーゴラが防暑のための特徴的な施設であったこと。外囲いは住宅敷地内の通風を考慮して生垣が推奨されたこと。床下通風の観点から床は高床に設定され,沓脱には自然石ではなく人造石が多用されたこと。
著者
座間 信作 畑山 健 西 晴樹 山田 實
出版者
一般社団法人 日本高圧力技術協会
雑誌
圧力技術 (ISSN:03870154)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.4-10, 2013-01-25 (Released:2013-07-15)
参考文献数
3

The 2011 off the Pacific coast of Tohoku Earthquake (Mw9. 0) occurred on 11 March2011 caused various damage to oil storage tanks in wide area. At Sakata, Niigata, Kashima and Tokyo Bay area, we found damage due to the liquid sloshing excited by the long-period ground motions such as sinking of floating roofs, failure of pontoons, deformation of gauge poles, leakage of oil onto the floating decks, and so on. Many strong motion records were obtained in and around tank sites and their velocity response spectra Sv in the long-period range hardly exceed the regulation in the Fire Service Law at all. Therefore, the floating roofs reinforced in compliance with the technical standard of the Fire Service Law revised in consideration of the damage in the 2003 Tokachi-oki earthquake suffered no severe damage. On the other hand, unreinforced floating roof of a tank located in the Tokyo Bay area sank after 3 days of the event because of the failure of pontoons by the liquid sloshing, although Sv near the tank is not more than 100cm⁄s in the previous regulation.
著者
山田 雅之 栗林 賢 諏訪 正樹
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第26回 (2012)
巻号頁・発行日
pp.1O1OS66, 2012 (Released:2018-07-30)

スポーツフィッシングにおいて,勝敗の行方を左右する大きな要因の一つにポイント移動が挙げられる.ポイント移動は「なぜ移動するのか?どこへ移動するのか?」といった問題に対し,状況を総合的に考慮し決断される.このような過程は暗黙的であり,その決断は極めて身体的な感覚によってなされている.本研究では,元プロの湖上での振る舞いを記録し,身体知獲得を支援するツールのデザインを実施した.
著者
山田 昇司
出版者
朝日大学
雑誌
朝日大学一般教育紀要 (ISSN:13413589)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.27-66, 2014-02-28

I started teaching English about thirty-five years ago. First I taught just as my teachers taught. But I had to give up my teaching style at my second workplace, a techinical high school. The students hated my teaching and my class almost broke down. But luckily I met TM Method then, which was invented by Mr. and Ms. Terasima. It is a quite unique way of English teaching. It says, for one, in reading why not give a syntactical marker to the sentence and a meaning for every word, and in pronouncing add a rhythm marker and katakana for each word. After adopting this method they began joining the class and even feeling happy in learning. Here in this university, where I started teaching eight years ago, I have been designing my English lessons on the basis of TM Method.In this article I analyzed my oral classes of Les Miserables in the first semester of 2013, quoting some of my students' essays on their own learning. Here are some of the doctrines of this method whose efficacy I reaffirmed in this article-(1)Teach not all, but only the basics of English grammar (text or sound), especially for those who have had defeated experiences in their English learning. (2)Choose a moving and enlightening subject matter appropriated for university students. (3)Make the most difficult but motivating tasks and arrange them in a proper order. (4)Put in some collaborative tasks so that the students can enjoy learning together. (5)Design the 90-minute period with a change enbedded in the fixed pattern. (6)Give the learners repeated chances to try for the skill tests so that they can feel that they have done enough. I hope that I am successful in showing in this article how this method worked out to grow the motivated learners of English.
著者
丹野 宗彦 山田 英夫 村木 俊雄 田渕 博己 村田 啓 千葉 一夫 浅津 正子 小野寺 洋子 千田 麗子 染谷 一彦
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.32, no.6, pp.271-274, 1983-06-15 (Released:2010-09-07)
参考文献数
6

ラットを用いて絶食時の飼育温度が甲状腺ホルモンの代謝, 動態にどのような影響を及ぼすか検討した。その結果, 23℃, 5日間の絶食では, 血清サイロキシン (T4) , 3, 5, 3'-トリヨードサイロニン (T3) , free T4およびreverse T3 (rT3) 値は対照群に比して有意の低下を示した。絶食群間でT4, free T4およびrT3値を比較してみると, free T4値は低温になるほど増加傾向を示したのに反して, T4値は, 23℃, 18℃, 15℃絶食群間では有意差を認めなかった。また, rT3値は寒冷になるほど増加傾向を示した。30℃絶食群ではいずれの甲状腺ホルモンも対照群に比して著明な低下を示した。これらの実験結果より, 絶食時の甲状腺ホルモンの代謝は, 絶食時の気温により変動し得ることを示唆するものである。
著者
岩上 貴幸 山田 創 小笠原 禎文 孫 宰賢
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
pp.cn-001656, (Released:2022-02-25)
参考文献数
18

症例は生来健康な全く既往のない31歳男性.コロナウィルス修飾ウリジンRNAワクチン(トジナメラン)接種翌日より頭痛および繰り返す嘔吐を認めた.接種4日後には左半身の痺れも自覚し,当院救急外来受診.MRIで脳静脈洞血栓症と診断し,抗凝固療法を開始した.治療開始後症状は徐々に改善を認め,フォローアップのMRIでは閉塞静脈洞の大部分で再開通を認めた.採血上明らかな血栓性素因はなく,コロナウィルスの感染も否定的であった.ワクチン接種24時間以内に発症した脳静脈洞血栓症の1例を経験したが,両者の因果関係については今後より大規模な症例の蓄積から判断を行う必要がある.
著者
森岡 悦子 金井 孝典 山田 真梨絵
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.328-336, 2012-06-30 (Released:2013-07-01)
参考文献数
20

左一側性病変により連合型視覚失認を生じ, 経過中に視覚失語に移行した例について検討した。症例は, 65 歳の右利き男性で, 頭部 MRI で, 脳梁膨大部を含む左後頭側頭葉内側部に病変を認めた。初回評価時, 触覚性呼称, 聴覚性呼称, 言語性定義による呼称は良好であったが, 視覚性呼称は不良であった。また, 形態知覚は保たれていたが意味に関する課題は不良であったことから, 連合型視覚失認と考えられた。初回評価 2 ヵ月後, 視覚性呼称は不良であったが, 意味に関連する課題は改善し, 視覚失語に移行したと判断した。視覚失語への移行は, 右半球の意味記憶の機能の活性によると考えられたが, 右半球処理による視覚性認知は, 左半球で処理される言語性認知ほど詳細ではなく単純である可能性が示唆された。視覚失語において, 視覚性呈示により物品の概念が想起されても視覚性呼称に至らないのは, 右半球処理によって想起される概念が浅く脆弱なためではないかと考えられた。
著者
中村 考伸 出光 俊郎 塚原 理恵子 小山 尚俊 中村 哲史 飯田 絵理 正木 真澄 梅本 尚可 加倉井 真樹 山田 朋子 堂本 隆志 中川 秀己 伊東 慶悟
出版者
The Japanese Skin Cancer Society
雑誌
Skin Cancer (ISSN:09153535)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.350-354, 2013

33歳,女性。10年前から左足底に褐色斑があり,受診した。初診時,左足底に径7×5 mm大の黒褐色斑があり,辺縁不整で色調に濃淡がみられた。ダーモスコピーではparallel furrow patternとirregular fibrillar patternを示した。臨床的にはmelanoma <i>in situ</i>を疑う所見であったが,ダーモスコピーでは良性病変を示唆する結果であり,切除生検を施行した。病理組織では表皮内にメラノサイトが孤立性,あるいは胞巣を形成し,一部は付属器浸潤もみられるなどmelanoma <i>in situ</i>の可能性が否定できず,切除瘢痕辺縁から5 mm離して,再切除を施行した。<br> 病理組織像を再検討したところ,Saidaの提唱したpseudomelanomaに一致する良性の色素性母斑の可能性が高いと診断した。類似の診断名としてはmelanocytic acral nevus with intraepidermal ascent of cells(MANIAC)などが報告されている。足の色素性病変におけるダーモスコピー上の良性所見と組織学的にメラノーマに類似する所見の解離についてはさらに周知しておく必要がある。
著者
齋藤 裕 居村 暁 宮崎 克己 山田 眞一郎 池本 哲也 森根 裕二 島田 光生
出版者
一般社団法人 日本移植学会
雑誌
移植 (ISSN:05787947)
巻号頁・発行日
vol.55, pp.207_1, 2020

<p>【背景】医療系学生の移植医療に対する理解促進、意思表示率向上のための啓発活動の有用性について検討する。 【対象と方法】2010年~2019年の期間に、Donor Action(命の授業)を徳島大学の医療系学生 (医学科、看護学科、薬学科、栄養学科)を対象に実施した。授業の前後にアンケートを実施し、アンケート調査からみえる医療系学生の現状を解析した。【結果】2019年参加人数は4学科の272名に達した。約半数の生徒が中高で『いのち・死』についての授業を受けている状況であったが、講義前の時点で、移植医療に関する知識として「脳死と植物状態との違い」「日本のドネーションの世界との比較」などは約10%未満の生徒で無知であった。臓器提供意思表示率は、10-15%前後を推移しており、Donor Action後では、ほぼ100%の学生が意思表示すると回答した。Donor Action後、一部の医学生たちは、大学祭で意思表示の重要さを訴えたり、母校の高校に移植レシピエントを招いて講義をしたりと、学生から自ら呼びかけるDonor Actionへと変わりつつある。最近では、高校生がボランティア活動の一環で移植啓発運動することも試みている(高校生ボランティアアワード; 主催 さだまさし)。【結語】医療系学生の移植医療に対する知識理解は乏しく、継続的なDonor Actionが必要である。</p>
著者
岡田 悟 山田 優樹 伊從 慶太 古家 優
出版者
日本獣医皮膚科学会
雑誌
獣医臨床皮膚科 (ISSN:13476416)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.3-9, 2022 (Released:2022-03-12)
参考文献数
15

7ヶ月齢の猫が,左後肢足底部からの反復性の出血を主訴に来院した。患部のパンチ生検による病理組織検査より,脈管奇形が示唆された。パンチ生検後に生検部位からの出血が止まらなかったため,電気メスを用いた焼灼処置を行った。出血量は減少したものの,その後も出血は改善と再発を繰り返した。第30病日に造影CT検査を行ったところ,患部周囲の血管新生および血管拡張が認められた。第37病日に止血を目的として,左後肢第4趾と第5趾を断趾した。断趾後の組織を用いた免疫組織化学による病理組織診断の結果,この脈管奇形は皮膚リンパ管奇形と診断された。病理組織学的マージンは確保されていた一方で,術後1ヶ月の肉眼所見では皮膚表面の小嚢胞が少数残存しており,完全切除に至っていない可能性が考えられた。しかし,術後20ヶ月の時点において出血は認められず,日常生活も問題なく送れている。本例は猫で報告の少ない皮膚リンパ管奇形の報告であり,その診断と治療について考察する。
著者
藤崎 洋子 島瀬 初美 五十嵐 隆夫 山田 康子 小林 收 佐藤 尚
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.25, no.9, pp.668-677,692, 1976-09-30 (Released:2017-02-10)
被引用文献数
3

マツ花粉飛散の多い新潟市に約20年間居住した後発症したマツ属花粉症の2症例を報告した.2症例はマツ属のほかイネ科, ヨモギ属の複合感作をうけているが, 毎年マツ飛散期に一致した4月より6(7)月まで眼, 鼻症状がおこり, クロマツ, アカマツが主要抗原であると診断し, 各花粉液による減感作両療法で著効をえたものである.症例1の皮内反応はクロマツ10^<-3>液でlateの反応を示し, 症例2の皮内反応陽性閾値はアカマツ10^<-5>であった.症例1のP-K反応は8時間後に最大となる皮膚反応を示し, 症例2のP-K反応は陽性であった.2症例ともマツによる鼻粘膜試験は陽性, 結膜試験は陰性であった.新潟市におけるマツ属花粉飛散期間は4月ないし6(7)月で, 5月初旬に最高飛散となる.新潟県内居住の小児気管支喘息患者について皮内反応を行い, クロマツ1.6%, アカマツ1.7%の陽性率をえた.また両者の共通抗原性は特に認められなかった.これらの結果から, マツ属花粉は抗原性が弱いとはいえわが国における花粉症抗原の1つとして検索をすすめるべきものと考えられる.
著者
山田 昌弘
出版者
関東社会学会
雑誌
年報社会学論集 (ISSN:09194363)
巻号頁・発行日
vol.1989, no.2, pp.95-106, 1989-06-17 (Released:2010-04-21)
参考文献数
25

There have been few articles on the sociological analysis of love. In this paper, it is tried to make framework of sociological analysis of love in with reference to ‘Sociology of Emotions’, and to understand the character of the love institution in modern society by using the fruits of Social History. It is understood that love is constructed subjectively by feeling rules regulating the relation between situations, desires to act, emotional words. And love is institutionalized by the several types of norms. In modern society, the love institutions are characterized by the enclosure in marriage.
著者
瀬古 章雄 武藤 高義 山田 宏尚 田中 克典
出版者
社団法人 日本フルードパワーシステム学会
雑誌
日本油空圧学会論文集 (ISSN:13434616)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.42-47, 1999

The purpose of this study is to improve the facilities of BDSP into a more convenient one. As regards the first improvement, we have introduced a high-speed calculation method with a fluid line algorithm using a recursive formula. The recursive formula was derived analytically from each of the modal approximation models of the fluid rigid lines and fluid viscoelastic lines. As regards the second improvement, we have introduced a method for simulating the dynamic responses at the arbitrary position of the fluid line, in stead of the conventional method that allows calculation only at both ends of the fluid line. It could be verified in this study that simulation could be done much faster compared with the conventional ones, without any decrease in accuracy. Consequently, BDSP may be concluded to be a convenient and accurate tool for carrying out hydraulic system simulations.
著者
瀬古 章雄 武藤 高義 山田 宏尚
出版者
社団法人 日本フルードパワーシステム学会
雑誌
油圧と空気圧 (ISSN:02866900)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.307-314, 1996

In this study, a simulation program for hydraulic control systems has been developed. By using this program, the operator is capable of simulating the dynamic performance of systems without the need of any special knowledge as regards software or control engineering. The program was developed for use on personal computers that are most commonly used today. The simulation is carried out according to each operation in a very simple manner based on the block diagram representation of the systems. For these procedures, a graphical user inter-face was successfully incorporated into the program. Regarding the main features or functions of the program, it is possible to simulate pipeline elements, various kinds of nonlinear elements and even discrete time control systems.