著者
松岡 育弘 内藤 哲義 山田 碩道
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.51, no.9, pp.759-765, 2002-09-05
被引用文献数
1 7

数多くの溶媒について水を飽和した状態で,溶媒のアクセプタ性を示す E_T値と水の溶解度を測定した.水の溶解度は,カールフィッシャー法により電量滴定で測定した.用いた溶媒は,7 種類のアルカン,3 種類の芳香族溶媒,3 種類の塩素化炭化水素,4 種類のエステル,6 種類のケトンと5 種類のアルコールである.各溶媒のE_T値は 1,2- ジクロロエタンを除いて対応する水の溶解度とかなりよい直線関係が成立することが分かった.これらの溶媒の中でデカン酸による銅 (II) イオンの抽出に関して研究してきた溶媒に対して,水の溶解度とこれらの抽出系に含まれる種々の平衡定数との間にかなりよい直線関係があることを示した.このことは,これらの抽出平衡が水和の影響を受けていることを示唆している.本研究で用いた溶媒への水の溶解度は 2.36×10^-3から 4.74 mol dm^-3であり,E_T値と比べて広い範囲にわたっている.このことは,有機溶媒への水の溶解度は,溶媒抽出における溶媒効果を研究する際,有機溶媒の性質を示す高感度な尺度として有用となることを期待させる.
著者
フリン ジェームズ R. Flynn James R. 山田 陽樹 Yamada Haruki 杉山 崇 Sugiyama Takashi
出版者
心理相談センター
雑誌
心理相談研究 : 神奈川大学心理相談センター紀要
巻号頁・発行日
vol.7, pp.49-57, 2015-03-31

この50年間,IQ上昇とテストの再標準化によって,知能指数70以下のアメリカ人の割合が劇的に変化してきた。さらには,知的障害の評価基準が,白人だけに対して標準化された70から,すべてのアメリカ人に対して標準化された70に変更された。実際,知的障害に分類した方が適しているとされる人の割合は,23人中1人という高値から213人中1人という低値に変化した。このような大きな変化があったにも関わらず,心理臨床家は何の反応も示さず,また,テスト発行者も十分な反応を示さなかった。適応行動の障害との相関関係において,知的障害のIQ評価基準はその根拠をまったく示していないと結論づけざるを得ない。この相関関係があればこそIQ評価基準が合理的であるといえるのであり,IQテストはやめて適応行動の障害の直接試験を支持することも十分考慮する必要がある。実際,心理士がクライエントのニーズに合わせてテストを実施することによって,人々は異なるIQテストからまったく違うスコアを得ることができるのである。資料
著者
山田 健司
出版者
社会政策学会
雑誌
社会政策 (ISSN:18831850)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.19-26, 2012-06-10

2011年3月11日の東日本大震災によって甚大な被害をうけた被災3県(岩手・宮城・福島)の被災死亡者は約1万5000人である。このうちの約9割の死因が津波による水死であった。3県合計の被災死亡者年齢構成比は,50歳以上77%,60歳以上65%等となっていて,通常の中高年齢構成比の2〜3倍に及んでいる。また県別の年齢構成比も3県とも同様の比率を示しており,さらに各県の市郡域においてもほぼ全部で類似した比率となっている。被災地域の地形は異なり,これにより死亡率や津波の波高には大きな差が生じているが,死亡者の年齢構成比は一様に類似している。一方,人口減少高齢化地域の平日昼間の人口年齢構成比が,被災死亡者年齢構成比と酷似していることから,被災死亡者は平日昼間に家屋内にいた中高年者であると類推する。この推理は線形回帰分析結果による高い関連性によって裏づけられる。死亡者の群像は高齢化地域の特徴を転写したものといえる。
著者
水野 正雄 山田 豊章 野口 哲男
出版者
公益社団法人日本セラミックス協会
雑誌
窯業協會誌 (ISSN:18842127)
巻号頁・発行日
vol.86, no.996, pp.359-364, 1978-08-01
被引用文献数
2 14

ヘリオスタット式太陽炉を用いて試料を溶融後急冷し, その冷却曲線から試料の凝固点を求め, Al<sub>2</sub>O<sub>3</sub>-Dy<sub>2</sub>O<sub>3</sub>系の液相線を決定した. 溶融後急冷した試料についてX線回折及び化学分析を行い生成相を調べた.<br>ガーネット構造の3Dy<sub>2</sub>O<sub>3</sub>・5Al<sub>2</sub>O<sub>3</sub>, ペロブスカイト構造のDyAlO<sub>3</sub>及び単斜型の2Dy<sub>2</sub>O<sub>3</sub>・Al<sub>2</sub>O<sub>3</sub>の単一相は, 1600℃に加熱処理した試料と溶融後急冷した試料のいずれにも観察された.<br>溶融後急冷して得られた3種の化合物の格子定数は, 3Dy<sub>2</sub>O<sub>3</sub>・5Al<sub>2</sub>O<sub>3</sub>: <i>a</i><sub>0</sub>=12.034Å DyAlO<sub>3</sub>: <i>a</i><sub>0</sub>=5.204Å, <i>b</i><sub>0</sub>=5.308Å, <i>c</i><sub>0</sub>=7.413Å 2Dy<sub>2</sub>O<sub>3</sub>・Al<sub>2</sub>O<sub>3</sub>: <i>a</i><sub>0</sub>=7.403Å, <i>b</i><sub>0</sub>=10.487Å, <i>c</i><sub>0</sub>=11.143Å β=108.68°であった.<br>これらの化合物は高温X線回析を行った結果, 結晶転移は認められず安定相である.<br>3Dy<sub>2</sub>O<sub>3</sub>・5Al<sub>3</sub>O<sub>3</sub>, DyAlO<sub>3</sub>及び2Dy<sub>2</sub>O<sub>3</sub>・Al<sub>2</sub>O<sub>3</sub>の凝固点は, それぞれ1920±20℃, 2000±20℃及び1954±20℃であった.<br>Al<sub>2</sub>O<sub>3</sub>-Dy<sub>2</sub>O<sub>3</sub>系における共晶点は, Dy<sub>2</sub>O<sub>3</sub>が18mol% (1760℃), 42mol% (1890℃), 60mol% (1920℃) 及び79mol% (1830℃) 組成で認められた.<br>Dy<sub>2</sub>O<sub>3</sub>の冷却曲線は, 冷却の過程において凝固点と固相における構造変化を示す4個の発熱ピークが認められた.<br>これらの結果から, Al<sub>2</sub>O<sub>3</sub>-Dy<sub>2</sub>O<sub>3</sub>系に対する高温平衡状態図を推定した.
著者
芹川 忠夫 山田 淳三
出版者
Japanese Association for Laboratory Animal Science
雑誌
Experimental Animals (ISSN:00075124)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.665-671, 1993-10-01 (Released:2010-08-25)

LAS公開シンポジウム「実験動物科学の使命と新たなる展開」の講演要項中, 「獣医学は実験動物科学のなかで何をなすべきか (光岡知足) 」の7ページ, 21行目~25行目に, 記述が不十分なところがあったので, 24行目, 「微生物学的研究・開発の重要性について言えば, 昨年11月から今年1月, 京大医学部附属動物実験施設で起きたラットの腎症候性出血熱とそれに対する対応のしかたに問題があったことからも明らかである。」のあとに, 「このような事件の再発を防止するためにも, また, 適正に行うべき動物実験を, とかく安易に考えがちな実験動物使用者に対して警告を与える意味においても, 本病原体がどのような経路で侵入し, 本事件をどのように処理したか, さらに, 今なお, どのような問題が残されているかについて関係者の見解を表明すべきであったと思う。」を挿入・加筆することを考えたが, 上記のような関係者の報告が掲載されることとなり, ここに7ページ, 21行目~25行目の記述のすべてを削除する。関係者から問題点として指摘された項目を含め, 人畜共通伝染病としての微生物学的研究・開発ならびに情報システムの一層の進展を望むとともに, 同様の事件発生の際には, 積極的に会員に事件についての情報を提供していただくことを切望する。
著者
京泉 秀明 山田 純嗣 鈴木 敏光 久光 久
出版者
特定非営利活動法人日本歯科保存学会
雑誌
日本歯科保存学雑誌 (ISSN:03872343)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.259-268, 2011-08-31
被引用文献数
1

フロアブルレジンは材料学的な改良に伴い,物理的性質が向上し,操作性も良くなっている.そしてさらに審美性や強度などの向上を目的として,フィラーのサイズをナノレベルにしたフロアブルレジンや,ナノハイブリッドタイプのフロアブルレジンが相次いで開発,市販されてきている.そこで本研究では,ナノフィラーが混入されているフロアブルレジンを含めた各種フロアブルレジンの歯ブラシ摩耗性について検討することを目的とした.また併せて,表面硬さ,表面粗さ,フィラーの含有量と歯ブラシ摩耗との関連性についても検討を加えた.9種類のフロアブルレジンおよび1種類のペーストタイプのコンポジットレジンを実験に使用した.歯ブラシ摩耗試験は炭酸カルシウム飽和水溶液を使用し,繰り返し回数は5万回とした.1万回ごとに表面粗さ輪郭形状測定機にて摩耗面の最大深さを計測し,歯ブラシ摩耗量とした.表面硬さは#1000シリコンカーバイドペーパーの研磨面においてビッカース硬さを測定した.表面粗さは研磨面および摩耗面において測定し,Raを用いて評価した.表面性状の観察は,摩耗試験後にSEMを使用して行った.その結果,使用したすべての材料で摩耗回数とともに摩耗深さが直線的に増加していく傾向を示した.5万回後の歯ブラシ摩耗量に関しては,9種類のフロアブルレジンのなかでテトリックN-フローが最大の摩耗深さを示し,続いてパルフィークエステライトLVハイブローが大きな深さを示した.逆に最小の摩耗深さを示したのはクリアフィル^[○!R]マジェスティ^[○!R]LVで,続いてフィルテック_<TM>シュープリームフローコンポジットレジンであった.また,歯ブラシ摩耗量と表面硬さ,摩耗試験前の表面粗さおよび製造者公表のフィラー含有量との間に密接な関係は認められないが,摩耗量が少ない材料では摩耗後の表面粗さが大きいことが判明した.SEM観察からも,フィラーあるいはナノクラスターが大きい材料ほど摩耗量は少ない傾向が認められた.
著者
石澤 祐介 イシザワ ユウスケ Ishizawa Yusuke 白子 智康 シラコ トモヤス Shirako Tomoyasu 味岡 ゆい アジオカ ユイ Ajioka Yui 上野 薫 ウエノ カオル Ueno Kaoru Do Tan Hoa Tran Van Thanh 山田 祐彰 ヤマダ マサアキ Yamada Masaaki 南 基泰 ミナミ モトヤス Minami Motoyasu
出版者
中部大学生物機能開発研究所
雑誌
生物機能開発研究所紀要 (ISSN:13464205)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.33-54, 2012-03

ヴェトナム国内最大級の熱帯雨林を保有するカッティエン国立公園において,2011年3月8日から16日の間,国立公園内の17箇所でネズミ科の生息及び餌資源について予備調査を行った.ネズミ科2属3種(4個体)(シナシロハラネズミNiviventer confucianus,ヒマラヤクリゲネズミN.fulvescens,クマネズミ属Rattus sp.)を捕獲することができた.特に,種同定のためにミトコンドリアDNA のD-loop 及びCOI を利用したDNA バーコーディング法は,従来の外部形態及び頭骨形態による種同定に比べ,熟練した鑑定技術を必要としない技術であることが確認できた.このことから,種特異的な形態的特徴の判定が困難なネズミ科の種同定のためのツールとしてDNA バーコーディング法は有効であると考えられた.また,餌資源推定についても胃腸内容物より全DNA を抽出し,DNA バーコーディング法を用いて植物性(rbcL)及び動物性(COI)被食物共にBLSAT 検索を行い,植物由来被食物ではツルアカメガシワ(Mallotus repandus)(Euphorbiaceae トウダイグサ科),キデナンツス属一種(Chydenanthus excelsus)(Lecythidaceae サガリバナ科),ハマビワ属一種(Litsea timoriana)(Lauraceae クスノキ科),アメリカハマグルマ(Sphagneticola trilobata)(Compositae キク科)の4 種が,動物由来被食物としてシロアリ科 (Termitidae シロアリ科),ミドリゼミ属(Dundubia nagarasingna)(Cicadidae セミ科),ウデムシ目(Amblypygida)の3 種が推定され,今後餌資源推定のためには有益なツールであることが確認できた.また,罠捕獲地点の植生データと照合することによって,餌資源となる植物や動物性餌資源に寄与する植生などの推定が可能となるので,今後の哺乳類相保全のための熱帯林保全指針として活用できると期待された.A preliminary field survey of Muridae species and their food resources in Cat Tien National Park, Vietnam was conducted between March 8 and 16, 2011, during which three species of mice were collected and identified. Species were identified through both DNA barcoding using polymorphic DNA within the mitochondrial D-loop and COI sequences as well as examination of external morphological features such as body and skull shape. Three species of mice, Niviventer confucianus, N.fulvescens and Rattus sp., were identified using the methods outlined above. In order to estimate plant and animal food resources available to Muridae species within the study area, total DNA was extracted from the gastric contents of each mouse specimen collected. Chloroplastic rbcL and mitochondrial COI within extracted gastric contents were amplified by PCR and used to identify plant and animal food resources, respectively. Homology search using BLAST was also conducted in order to identify food resources within extracted gastric contents. Results indicated that genetic material from four plant species, Mallotus repandus (Euphorbiaceae), Chydenanthus excelsus (Lecythidaceae), Litsea timoriana (Lauraceae), and Sphagneticola trilobata (Compositae), as well as genetic material from three animal species, an unidentified species from the Termitidae family, Dundubia nagarasingna (Cicadidae), and Amblypygida sp., were present. DNA barcoding methods were able to provide valuable information that assisted in the identification of Muridae specimens as well as their food resources, both plant and animal. The methodology used in the present study could be applied to the management of sustainable use of mammalian food resources within tropical forest environments.
著者
山田直三郎 編
出版者
山田芸草堂
巻号頁・発行日
vol.上巻, 1903
著者
山田 道夫
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.60, no.6, pp.434-440, 2005-06-05
参考文献数
13

今から40年前, 今井先生は流体力学を通じて数学を理解・研究することを「流体数学」として提唱された.その後の数値的技術の発展は, 数学だけでなく, 多くの諸分野と流体力学の関係に大きな影響を与えつつある.数値解析や新しい実験・観測によって, さまざまなマクロな物理現象において多様な流体運動が発見され続けており, その物理的機構には未解決なものが多い.それら多様な分野における流れに物理的理解を与えることは, 基礎科学としての流体力学/物理学の大きな課題となっている.
著者
宮澤 修平 岡野 和夫 下村 直之 / 川原 哲也 浅野 修 吉村 寛幸 宮本 光明 佐久間 義範 村本 賢三 尾葉石 浩 原田 耕吉 梶間 隆 山田 浩司 角田 創 片山 敏 阿部 信也 浅川 直樹 左右田 茂 堀江 透 里 忠 町田 善正 片山 幸一 山津 功 Isao YAMATSU
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.39, no.12, pp.3215-3220, 1991-12-25 (Released:2008-03-31)
参考文献数
27
被引用文献数
6 9

A series of triazolodiazepines was synthesized and evaluated for anti-platelet activating factor (PAF) activities. Structure-activity relationship (SAR) studies on this series revealed that the introduction of a methyl group into the 8-position of the thienodiazepine nucleus can lead to a lengthening of the duration of action. Introduction of a methyl group produced an asymmetric center and the enantiomers so formed were separated with an optical resolving column. In the in vitro assay system, the (+)-isomers displayed 50-200 times more potent anti-PAF activity than the (-)-isomers. After comparison of toxicology and pharmacokinetics, (+)-6-(2-chlorophenyl)-3-cyclopropanecarbonyl-8, 11-dimethyl-2, 3, 4, 5-tetrahydro-8H-pyrido[4', 3' : 4, 5]thieno[3, 2-f][1, 2, 4]triazolo[4, 3-a][1, 4]diazepine (35(+)-isomer, E6123) was selected from among the compounds synthesized as a candidate for clinical study.
著者
名取 良太 岡本 哲和 石橋 章市朗 坂本 治也 山田 凱 ISHIBASHI Shoichiro 坂本 治也 SAKAMOTO Haruya 山田 凱 YAMADA Gai
出版者
関西大学総合情報学部
雑誌
情報研究 = Journal of informatics : 関西大学総合情報学部紀要 (ISSN:1341156X)
巻号頁・発行日
no.44, pp.31-42, 2016-08

地方議会は,民主主義において重要な役割を担う存在である.しかしながら,日本の地方議会は,多くの市民から信頼されず,その役割を十分に果たしていないと考えられている.ところが,「地方議会が十分に役割を果たしていない」と主張するための定量的な根拠は,ほとんど示されていない.その原因の一つは,地方議会に関する膨大な資料から,適切なデータを取得するのが困難なことにある.そこで我々は,会議の開催状況や議案の審議過程,各議員の属性・発言内容・議案への賛否態度などを,定量データとして格納した地方議会データベースを開発した.本論文では,会議録や広報紙などから,どのようにデータテーブルを作成したかを説明するとともに,データベースを活用してどのような分析が可能になるかを紹介していく.Although the local assembly is one of the key organizations supporting the democratic system, many Japanese recognize that the local assemblies do not perform their expected roles. However, there is no quantitative evidence for this inadequate performance due to the difficulties in collecting quantitative data about the local assemblies. In this study, we explain the database system that we developed regarding local assemblies and present the data files for use in quantitative analysis.
著者
木村 紗矢香 山田 如子 町田 綾子 杉浦 彩子 鳥羽 研二 神崎 恒一
出版者
The Japan Geriatrics Society
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.264-265, 2013

本研究の目的は,高齢者の耳掃除の実態を調査し,CGAとの関係を検討することである.当院もの忘れセンターの外来患者116名を対象に耳掃除の有無,認知機能,基本的ADL,抑うつ,意欲,周辺症状,介護負担について調査した.その結果,28%の患者が1年以上耳掃除をしておらず,耳掃除をしていない患者は耳掃除をしている患者よりも認知機能,基本的ADL,意欲,周辺症状が有意に低下もしくは悪化していた.<br>
著者
山田 義智 赤嶺 糸織 伊波 咲子 浦野 真次
出版者
一般社団法人 セメント協会
雑誌
セメント・コンクリート論文集 (ISSN:09163182)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.661-668, 2013-02-25 (Released:2013-12-02)
参考文献数
6
被引用文献数
1 2

本研究では、ペーストからモルタルさらにコンクリートへと展開する新たな粘度式を提案した。そして、この粘度式を用いて、ペースト、モルタル、コンクリートのレオロジー定数を調合(配合)から推定する手法を示した。ここで、提案手法で求めたペーストとモルタルのレオロジー定数の有効性については、既往の実験結果との関係を比較・検討することで確認した。一方、コンクリートのレオロジー定数の有効性については、提案手法で求めたレオロジー定数を入力値として有限要素法でスランプシミュレーションを行い、実測結果と比較することで確認を行った。
著者
山田 千明 山田 千明 YAMADA Chiaki ヤマダ チアキ Yamada Chiaki
出版者
山梨県立大学
雑誌
山梨県立大学人間福祉学部紀要 Bulletin of Faculty of Human and Social Services, Yamanashi Prefectural University (ISSN:21874344)
巻号頁・発行日
no.9, pp.37-44, 2014

人間形成の基礎を培う乳幼児期を中心に、アメリカのアンチバイアス教育を手がかりに異質なものへの理解と寛容について検討するため、『幼稚園教育要領解説(2008 年)』及び『保育所保育指針解説書(2008 年)』から、国際化対応、異質なものへの理解と寛容に深い関わりがある箇所を整理した上で、日本でどのような固定観念や偏見、不正確な情報があるか質問紙調査を実施した。調査協力者はアンチバイアス教育についての概説を聴いた後、質問紙に回答した。一番多かった回答は洋服や紙おむつの色等、ジェンダーに関するものであったが、物事をクリティカルに見る「気付き」の感性が敏感でないと、知らず知らずのうちに差別や偏見のある行為をとってしまう危険があることが見出された。ヘイトスピーチ(憎悪表現)と呼ばれる動きが増えている状況の中、家庭の教育力が低下している現代において、幼稚園や保育所等で異質なものへの理解と寛容の心を育む教育が重要であると結論づけた。This paper is intended as an investigation of understanding different people and tolerance in early childhood. It is based on anti-bias educational considerations. First, passages about internationalization, the understanding different people, or tolerance are extracted from two Japanese governmental missives such as "The Commentary on Course of Study for Kindergarten" and "The Commentary on Guidelines for Nursery Care at Day Nursery." Second, after a lecture on anti-bias education in USA, university students are given a questionnaire about stereotypes,bias, and incorrect messages in Japanese society.The most answers of students are concerned with gender issues related to the color of clothes or paper diapers. And it is also demonstrated that people are prone to unwittingly behave discriminately or with bias if they lack the critical or sensitive awareness.Recently, hate speeches are increasingly being made in Japan. It is concluded that nowadays to teach understanding different people and tolerance at kindergarten or day nursery in early childhood is becoming more important because of less educational function at home in Japan.
著者
イリーイン パーヴェル 山田 晴通
出版者
Japan Cartographers Association
雑誌
地図 (ISSN:00094897)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.13-41, 1995-06-30

ボリシェヴィキ革命から1991年12月の消滅に至る旧ソ連について, 人名が付けられた都市地名の改称の流れを, 長老都市地理学者が検討する. 特に注目される改称の波には,(a)政治的・軍事的指導者を讃えた1920年代・1930年代,(b)スターリン色を払拭し, 自国の作家・作曲家・詩人を讃え, 社会主義圏諸国との友好関係を持ち上げた1950年代,(c)共産主義時代の好ましくない痕跡を消し去ろうとする1980年代後半から現在に至る時期のものがある.
著者
山田 真知子 大坪 繭子 多田 邦尚 中野 義勝 松原 賢 飯田 直樹 遠藤 宜成 門谷 茂
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
pp.16-00040, (Released:2016-12-22)
参考文献数
36
被引用文献数
6

我が国5海域における珪藻Skeletonema属の種組成を,遺伝子解析(LSU rDNA D1-D3)と微細形態の特徴から種を同定し,明らかにした。亜熱帯域の沖縄海域ではS. grevillei,温帯域の有明海,富山湾,女川湾および亜寒帯域の噴火湾ではS. dohrniiが優占し,S. japonicumが混在した。高水温期に塩分の低かった有明海や富山湾ではS. costatumが,塩分30以上の女川湾や噴火湾では順にS. grevilleiとS. pseudocostatumが出現した。