著者
武田 由比子 河村 葉子 山田 隆
出版者
Japanese Society for Food Hygiene and Safety
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.266-271_1, 1998
被引用文献数
7

アルミホイル片を酸性21種類, アルカリ性6種類の食品から調製した溶液へのアルミニウム移行は, 酢類, 梅干し類, アルカリ性食品で多かった. 酸性食品では, 95℃30分でぽん酢, レモン酢及び梅干し漬汁10.02~13.83μg/cm<sup>2</sup>, りんご酢, かぼす酢, ワインビネガー6.85~3.11μg/cm<sup>2</sup>, 果汁及び乳製品0.66~0.92μg/cm<sup>2</sup>であった. 穀物酢は0.20μg/cm<sup>2</sup>と低く, 4%酢酸の約200分の1であった. アルカリ性食品では, 95℃30分でこんにゃく煮汁13.72~16.24, しらたき煮汁88.03~107.4, 中華麺煮汁10.55~10.97μg/cm<sup>2</sup>と高かった. 食塩は溶出を高めるが, 糖, タンパク質, アミノ酸及び脂肪は溶出抑制の傾向があり, 特にタンパク質, アミノ酸類は4%酢酸95℃30分の溶出を10%以下に抑えた.
著者
山田 祐司 康 敏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題
巻号頁・発行日
vol.97, no.531, pp.59-66, 1998-02-06

本研究では、4彩色問題の解法として、マキシマムニューロンを用いた解法を提案する。この問題に関する従来の解法では、地図を構成する領域の各々に、4色を表わす4つのニューロンを割り当て、発火したニューロンに対応する色で領域を彩色する。この場合、領域毎に1つのニューロンのみが発火する必要があるが、マキシマムニューロンはこのような条件を、常に満たすニューロンモデルである。48〜430領域の5種類の地図に対してシミュレーションを行い、従来の解法との性能比較を行ったところ、本解法は非常に優れた性能を示した。更に本研究では、ニューロンの出力値の更新タイミングについても、議論する。
著者
山田 由佳子 西澤 陽子 重田 美智子
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要. II, 社会科学・生活科学 (ISSN:03893456)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.49-62, 2004-02-20

この研究の目的は, 大学生における衣服の処分および古着の入手の実態を明らかにし, 古着の所持に影響を与える要因をさぐる事であった。調査は,関西の大学に在学中の男女を対象に2002年に行われ,全体で352の有効票が分析に用いられた。その結果, 不用となった衣服をゴミとして廃棄する者が全体の約7割であり, 有効利用する者より多い事がわかった。又, 廃棄の理由は, 有効利用の具体的な方法がわからない事が多く挙げられた。衣服総数に占める古着の割合が多い者ほど, 古着を積極的に購入し, その着用頻度が高い。女性において古着を所持しない者は潔癖性が高く, 男性では古着の所持は潔癖性と関連が無い事がわかった。全体の7割の者がペットボトル再生繊維衣服を知っているものの, 着用経験者は1割程度で, 着用経験の無い者はマイナスイメージが強く, 今後の着用意向も消極的である。全体ではもらう古着は買う古着よりイメージがよい事が明らかとなった。The purpose of this research was to clarify actual condition of university students as to handing disused clothes and getting used clothes, and also to investigate the factor that affects their decision when they get used clothes. The questionnaire was conducted in 2002 on men and women at university in Kansai area and 352 valid answers were used for the analysis. The main resultsobtained by the survey are as follows. With regard to the way of handling disused clothes, 67% of valid answers dispose of them, whose percentage is more than that of those who can utilize them effectively. The main reason of disposing of clothes is that it is difficult to find how to make effective use of disused clothes. It is found that those who own used clothes at higher rates in their all clothes tend to purchase used clothes more positively and wear them more frequently. It is also found that women who do not own used clothes tend to be more fastidious and, as for men, it has nothing to do with the fastidiousness. Moreover, although 70% have known the clothes made from fiber of recycled plastic bottle, only about 10% of them have put it on ever and they tend to be negative to try it on in future. As a whole, it became clear that used clothes got from an acquaintance has a better image as to cleanliness than one they buy.
著者
足立 隆弘 山田 玲子 山田 恒夫
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.93-101, 2006

外国語の聞き取りや発音の学習教材では,数多くの音声サンプルを学習者に呈示する.その際,さまざまな通信速度に適応したり,限られた容量に多くの音声サンプルを格納したりするために,音声を圧縮して使用する場合が多い.しかし,音声のききとりや発音の学習では,圧縮による音質低下が学習効果に影響を及ぼす可能性がある.本論文では,日本語母語話者にとって聞き取りが困難な英語音声を対象に,それらを圧縮することにより明瞭性がどのように変化するかを,現在一般に広く使用されている音声圧縮形式を対象として検討した.その結果,音韻の種類によって明瞭性が低下する圧縮形式が存在し,同音声形式の音声を用いて聞き取り訓練を行った場合,その訓練効果が圧縮前の原音声の聴取能力に般化しにくい場合があることが明らかとなった.この結果から,CALL教材で使用する音声は,明瞭性が高いものを使用することが望ましいことが示唆された.
著者
友田 博通 斎藤 英俊 福川 裕一 山田 幸正
出版者
昭和女子大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1999

ベトナムの伝統住居は、最近の経済発展と生活近代化の影響で消滅の危機に瀕している。ベトナム文化情報省と共同し、年2省、省内全域を対象に民家を体系的に探索整理した。第一次調査では村落単位に1~2件を抽出して悉皆調査を行い、第二次調査ではこの約1割を抽出し詳細調査を実施している。また、ベトナムの民家史に不可欠の中国の概略調査を併せて実施している。平成11年度はナムディン省・ゲアン省、平成12年度はティエンザン省・カンガイ省、平成13年度はタインホア省・カンナム省を対象に調査した。ハノイ周辺の中国の影響が強い住居形式から、フエに見られるベトナム独自の住居形式がどのような形で変遷し成立したかを確認できた。さらにフエ省より南に位置するティエンザン省カンガイ省では、フエ省以北に見られない棟木を支える中柱形式が見られ、これは南部に土着的にあった形式か、中部山岳部に居住する少数民族の影響かなど、新たなベトナム民家史上の謎が議論された。また、中国南部からハノイまで概略調査を実施、広東省広州市の漢民族住居・広東省広西省の北部のトン族住居・広西省沿海部に居住するベトナム人と先祖を同じくする欽族住居、ベトナムに入ってランソン省タイ族・トゥー族住居を調査した。中国南部の伝統的住居はベトナム中部の形式に近く、バクニン省等のハノイ圏の住居との類似性は福建省の伝統住居との類似性が高かった。これらの結果から、3年間でベトナム民家史上重要と考えられる中心的省を取り上げた概ねベトナムの民家史の大筋は明確になった。また、毎年3月実施した意見交換会ではベトナム側からも熱心な議論がでて、民家研究者が広範に育ってきたと実感している。さらに、2000年にJICA開発パートナーに採用され、この調査結果を受け、年2省、各省1件の修復と5件の文化財指定を実施することになった。調査研究が実際に行政によって実施される貴重な事例にもなった。
著者
千田 二郎 山田 耕司 藤本 元 三木 英雄
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.53, no.485, pp.176-182, 1987-01-25 (Released:2008-03-28)
参考文献数
19
被引用文献数
1 2

The purpose of this paper is to obtain fundamental information concerning the heat transfer process and breakup behavior characteristics of individual small droplets impinging upon a hot surface. A uniform sized water droplet array at room temperature under atmospheric pressure was produced by the vibratory method to impinge upon a heated flat copper surface. And then, heat transfer from a surface to the droplets is assessed by a transient technique. Further, the deformation and the breakup behavior owing to the impingement of the droplet is observed by means of a drum camera recording high-speed microscopic photographs. Heat transfer effectiveness in a low temperature range of less than 125°C decreases as droplet impingement frequency increases because of interference between the impinging droplet and the remaining liquid film on a surface. It is possible that heat transfer per droplet is transfermed into a heat transfer coefficient by use of droplet residence time and film contact area on a surface. And Variations in the heat transfor coefficient for a droplet array with surface temperature are measured by difference calculus of the one dimensional unsteady heat conduction equation.
著者
吉田 正典 養父 志乃夫 山田 宏之
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 = / the Japanese Society of Revegetation Technology (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.183-186, 2006-08-31
被引用文献数
1 3 1

新潟県上越市,和歌山県かつらぎ町,香川県満濃町において,産卵と幼生生息地の地形と水深,水質,植生条件,ならびに,幼生の成長経過を調査した。その結果,産卵前の1月から変態時期である6月までの期間,少なくとも5~10cmの水位を維持する必要があること,また,水域のpH は,5~7,溶存酸素(mg/l)は, 5.00~5.99,電気伝導度(μs/m)は,7.00~10.00の水準に維持する必要があること,さらに,水域内の植生については,定期的に除草や刈払によって,植被率と群落高を低い状態に抑制する必要のあることが判明した。
著者
山田 隆二 井上 公夫 苅谷 愛彦 光谷 拓実 土志田 正二 佐野 雅規 李 貞 中塚 武
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2016年大会
巻号頁・発行日
2016-03-10

赤石山地鳳凰山東麓小武川支流ドンドコ沢に大量に分布する花崗岩質の巨大な角礫群は、堆積層から採取した樹幹試料等の放射性炭素(14C)年代測定に基づいて、奈良-平安時代に発生した大規模岩屑なだれに由来し天然ダムを形成したと考えられている(苅谷, 2012, 地形, 33: 297-313)。本研究では、酸素同位体比年輪年代測定法を用いて、岩屑なだれの誘因や堆積過程の解明に迫った。年代測定用の試料は、ドンドコ沢天然ダム湖堆積物の地表下約1 mの砂泥層に含まれるヒノキ(樹幹直径約50 cm、年輪計数による推定樹齢約400年)からディスク状に切り出して採取した。切り出したディスクから木口面に平行な厚さ1 mm、幅1 cmの薄板をスライスして板のままセルロース化し、最外年輪を53年分切り出して、総合地球環境学研究所が所有する熱分解元素分析計付きの同位体比質量分析計で測定した。測定結果の経年変動パターンを木曽ヒノキの標準変動曲線と対比したところ、ヒノキはAD 883+α(αは1年以上、数年程度)以降に倒伏・枯死したと考えられる。岩屑なだれの誘因を地震による強震動であると限定した場合、同じ露頭から採取した樹幹の14C年代測定結果は809-987(CalAD, 2σ; 苅谷, 2012)であることから、既往文献(宇佐美ほか, 2013, 日本被害地震総覧599-2012, 東京大学出版会)によると誘因となる可能性のある歴史地震が4つ程度考えられる(AD 841 信濃、 AD 841伊豆、AD 878 関東諸国、AD 887 五畿七道)。一方、酸素同位体比年輪年代のレンジはAD 883+αであるため、誘因となる可能性のある歴史地震はこれらのうちAD 887 五畿七道地震に絞られる。苅谷ほか(JPGU 2014, HDS29-P01)は同じ樹幹試料より年輪幅を計測し、AD 887晩夏の枯死年代を得ており、五畿七道地震(仁和三年 = AD 887夏)に関連して枯死したと指摘したが、酸素同位体比年輪年代測定の結果はそれに矛盾しない。この研究は、平成27年度砂防学会の公募研究会の助成を受けた。