著者
槌野 正裕 荒川 広宣 小林 道弘 中島 みどり 高野 正太 山田 一隆 高野 正博
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.42 Suppl. No.2 (第50回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.1750, 2015 (Released:2015-04-30)

【背景】我々は,大腸肛門病の専門病院として,第42回当学会より,理学療法士の視点で直腸肛門機能についての研究を継続している。研究結果から得られた知識を基に,治療の質向上を図っている。今年度は,大腸肛門リハビリテーション科による便秘外来の開設に伴い,理学療法士も排便障害を主訴として受診された方に対して,バルーン排出訓練を行っている。特に,ROMEIIIF3領域の症例に対して介入し,排便姿勢や骨盤底筋群の弛緩方法,腹圧の加え方などを指導して,快適な排便を目指して治療を行っている。今回,医師から指示された症例に対して,バルーン排出訓練をポータブルトイレで実施し,訓練の際に直腸内の圧変化と息み時間を評価したので以下に報告する。【対象と方法】バルーン排出訓練を理学療法士も介入して実施した女性6例(平均年齢77.7±9.6歳)を対象とした。バルーン排出訓練では,患者はシムス体位で臥床し,シリコン製のバルーンを肛門から挿入する。肛門管を過ぎて直腸内にバルーンを留置し,airを50ml送気したものを疑似便に見立て,通常の排便のごとく息んで排出する。訓練中には,一連の圧変化をスターメディカル社製直腸肛門機能検査キットGMMS-200で評価する。訓練は下記の方法で行い,1.から5.を比較検討した。患者は,1.airを送気して便意を感じた状態で起き上がり,ポータブルトイレへ移動する。移動が完了したら,2.背筋の伸ばした伸展座位で排出する。3.排出ができなければ前屈座位で排出する。4.伸展座位で排出できた症例も前屈座位での排出を同じように実施する。訓練終了後に,パソコンのモニターを用いて,5.排出までの息み時間を計測した。また,一連の排便動作における圧の変化を説明し,腹圧の加え方や骨盤底筋群の弛緩を促した。【結果】1.臥位からポータブルトイレへ着座した時点で,直腸圧が21.8±6.9cmH2O上昇した。2.伸展座位での排出では,2例が可能(94.9±161cmH2O)であり,4例は不可能(90.5±44.1cmH2O)であった。不可能な4例は,直腸圧が高まっていても排出ができない症例が2例,直腸圧が高まっていない症例が2例であった。3.前屈座位での排出では,4例が可能(120.8±22.5cmH2O)であり,2例が不可能(73.1±28.1cmH2O)であった。伸展座位で直腸圧が高まっても排出できなかった2例は排出可能であった。また,排出不可能であった2例のうち,1例は伸展座位でも排出できない症例であり,1例は普段から伸展座位でしか排出できない症例であった。臥位,伸展座位,前屈座位の全ての姿勢で排出できた症例の息み時間は,臥位10.5秒,伸展座位5秒,前屈座位3秒でバルーンの排出が可能であった。5.伸展座位と前屈座位で,排出までに息んだ時間は,排出が可能な場合は9.0±5.7秒,9.5±4.4秒,不可能な場合は15.1±10.5秒,9.8±3.2秒であった。全体で排出可能な場合は,9.5±4.4秒,不可能な場合は13.3±8.7秒であった。【考察】今回,バルーン排出訓練での直腸圧の変化と息み時間を比較した。まず,着目したことは,臥位と座位では直腸圧が変化している点である。臥位よりも座位では,直腸圧つまり腹圧が21.8±6.9cmH2O上昇した。このことは,オムツを着用したままの臥位での排便ではなく,便意を逃さずトイレへ誘導し,便座へ着座してから排便を促すことが重要であることの根拠になると考える。また,伸展座位では排出可能,不可能にかかわらず同程度の直腸圧であったが,前屈座位では排出が可能な例で直腸圧が高く,不可能な例では低い傾向であった。排出までに息んだ時間は,排出可能な場合は9秒,不可能な場合は伸展座位で15秒,前屈座位では10秒と伸展座位で排出できない場合は長く息んでいた。我々の過去の研究では,肛門内圧は骨盤前傾位で高く,後傾位で低くなること。前屈座位では伸展座位よりも肛門直腸角が鈍角になりやすいことを報告しており,出口である骨盤底筋群は伸展座位で弛緩が困難なため息みが長くなり,前屈座位では弛緩し易いために息みが短かったと考えられる。これらの結果から,前屈座位では腹圧が適度に上昇し,骨盤底は弛緩するため排出が行い易くなったと考えられる。【理学療法学研究としての意義】理学療法士が排泄についての生理を知識として持つことで,在宅生活を送るための支援につながり,生活の質を高めることが出来ると考えている。
著者
山田孝雄, 高木武 著
出版者
東京寳文館
巻号頁・発行日
1915
著者
金子 晃 笠原 勇二 竹尾 富貴子 菊地 文雄 山田 道夫 三村 昌泰 成田 希世子 塚田 和美 真島 秀行 松崎 克彦 山本 昌宏 北田 均 バランディン アレクサン 薩摩 順吉
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1995

偏微分方程式の基礎理論の研究においては,ジェブレイ級の解の接続問題において,接続可能性を方程式の特性帯の重複度とジェブレイ指数に関連付けた新しい結果を得た.解の漸近挙動・スペクトルの研究では,定数係数線型偏微分方程式が劣指数的増大度の解を持つための条件を追求し,リウビユの定理の拡張を得た.また,枯草菌のコロニーパターン形成過程の数理モデルを提出し,計算機によるシミュレーションにより2次元パターンを再現し,それが相転移的メカニズムで起こることを明らかにした.さまざまな逆問題の研究では,双曲型方程式に対する逆問題の一意性を係数の正則性を弱めた形で導き,逆問題のリプシッツ安定性を最も望ましい形で示した.また,密度一定の2次元図形について,2方向からの投影データによる再構成問題の一意性が成り立つ場合に,その離散化版の実用的な再構成アルゴリズムを与え,安定なことを示した.一意性が成り立たない場合に適当な重み函数を見出してそれを最大にする解を計算機により探索し,非常に面白いパターンが得られることを発見した.偏微分方程式の数値解析的研究では,中厚平板のモデルであるライスナー-ミンドラン平板に対して新しい安定化混合型4辺形有限要素を開発し,ロッキングを起こさずに薄板モデルに漸近することを検証した.また,乱流のシェルモデルにおいて,相似則を満たすカオス解を追跡しリヤプノフスペクトルを得,それが波数空間において特徴的な波数の周辺にのみ大きな値を持つことを見出した.このアトラクタ次元が大きな極限での漸近表式を導き,数値計算との良い一致を検証した.更にスケール変換に対して不変な積分作用素に適合する双直交ウェーブレットを構成し,応用を与えた.また,修正8節点セレンディピテイ要素が3次の補間誤差を持つことを示し,具体的な問題に対する有効性を確認した.
著者
今野 卓哉 山田 慧 笠原 壮 梅田 能生 小宅 睦郎 藤田 信也
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.9, pp.657-660, 2015 (Released:2015-09-11)
参考文献数
10
被引用文献数
1

症例は69歳男性である.ネコ咬傷により発症した蜂窩織炎と敗血症の治療中に,頭痛,軽度の喚語困難と右不全片麻痺が出現した.頭部MRI拡散強調画像(diffusion-weighted image; DWI)で左大脳半球の硬膜下に三日月形の低信号病変を認め,慢性硬膜下血腫が疑われたが,7日後に神経症状が増悪し,硬膜下病変はDWI高信号に変化した.ネコの口腔内常在菌であるPasteurella multocidaによる硬膜下膿瘍の報告があり,本例は,既存の硬膜下血腫に血行性に細菌が感染して膿瘍化した感染性硬膜下血腫と考えられた.本例は,血腫から膿瘍への変化を画像的に追跡し得た貴重な症例である.
著者
飯島 崇士 毛利 圭宏 提箸 正義 山田 大士 服部 恭尚 濱渦 康範 加茂 綱嗣 廣田 満 清田 洋正 真壁 秀文
出版者
天然有機化合物討論会
雑誌
天然有機化合物討論会講演要旨集
巻号頁・発行日
no.51, pp.289-294, 2009-09-01

1. Synthesis of procyanidin B1-B4(1-4). Stereoselective synthesis of catechin and epocatechin under intermolecular condensation of equimolar amount of catechin derivatives catalyzed by Yb(OTf)_3. The coupled products were successfully converted to procyanidin B1 (1), B2 (2), B3 (3), and B4 (4), respectively. 2. synthetic of (-)-epicatechin 3-(3"-O-methylgallate) (13) and (+)-catechin 3-(3"-O-methylgallate) (14) A concise synthesis of (-)-epicatechin 3-(3"-O-methylgallate)(13, ECG3"Me), which is a minor constituent of tea, and (+)-catechin 3-(3"-O-methylgallate)(14, CG3"Me) via condensation of equimolar amount of catechin and gallate derivatives has been achieved. The anti-inflammatory effect of the synthetic compounds on TPA-induced inflammation of mouse ears was examined. Compounds 13 and 14 suppressed the TPA-induced inflammation of mouse ears by 50% and 43%, respectively, at a dose of 200μg. 3. Short step synthesis of resveratrol derivative. An efficient synthesis of trimethoxylated resveratrol (20) is presented using advanced Heck reaction promoted by Pd(dba)_2 in the presence of P(t-Bu)_3.
著者
田口 宗太郎 中村 友彦 山田 孝子 髙御堂 弘 道勇 学 髙橋 昭
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.29-32, 2015 (Released:2015-01-19)
参考文献数
13

症例は61歳の男性である.感冒様症状に続き,便秘,座位での眼前暗黒感,嘔気が出現.座位にて顕著な血圧低下あり.末梢神経伝導検査(NCS),心電図CVR-R,MIBG心筋シンチ心縦隔比は正常.血中LD,IL-2Rの高値と脊椎MRIから腫瘍がうたがわれた.傍腫瘍性自律神経ニューロパチーを考えたが原発巣不明.発症2ヵ月後,四肢遠位部手袋靴下型感覚障害と筋力低下が発現し増悪,発症4ヵ月後のNCSで異常を呈し,免疫グロブリン療法を施行したが無効.発症5ヵ月後,顔面皮疹からT細胞性悪性リンパ腫と診断.本例は自律神経不全で初発,末期に感覚運動障害を併発.T細胞性悪性リンパ腫の傍腫瘍性神経症候群としては稀有である.
著者
山田 里奈
巻号頁・発行日
pp.1-455, 2015 (Released:2016-11-23)

早大学位記番号:新7112
著者
渡邉 武 李 明哲 水谷 潤 山田 哲雄 佐藤 秀一 竹内 俊郎 吉田 範秋 北田 哲夫 荒川 敏久
出版者
日本水産學會
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.681-694, 1991
被引用文献数
12 59

Red seabream broodstock were fed various diets of different nutritional quality for either 26 days or shortly before spawning to clarify the effective components in cuttlefish meal and raw krill which aid in quality egg production.<br> The percentage of buoyant eggs was lowest in the control group receiving the white fish meal diet, and was elevated by the addition of 200mg DL-α-tocopheryl acetate. The value was also effectively improved by replacement of white fish meal with defatted or intact cuttlefish meal as a protein source. Feeding broodstock with frozen raw krill after previously being fed control diet resulted in elevation of the percentage of buoyant eggs and normal larvae. Equally good results were obtained by substitution of cuttlefish liver oil in the control diet with 2.5% krill polar lipid or 2.5% krill nonpolar lipid. However, neither defatted krill meal nor fat-soluble fraction of cut-tlefish meal showed the good effect on the egg quality.<br> Consequently, the superior quality of cuttlefish meal to the white fish meal as a protein source for red seabream broodstock diets was reconfirmed. And the effective components in raw krill, aiding the reproduction of red seabream, are suggested to be the polar and nonpolar lipid fractions. In addition, vitamin E was also found to have the same efficiency for improvement of the egg quality.
著者
邵 桂鳳 姚 鳳会 山田 博章 加藤 清史
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. CVIM, [コンピュータビジョンとイメージメディア] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.125, pp.1-11, 2001-01-18

我々はコンピュータによるジグソーパズルを解くための一方法を提案する。この方法では、ジグソーピースの形状情報と画像情報の両方を用いる。まず、入力画像からジグソーピースを切り出して、各ピースのコーナーポイントを検出する。次に、ジグソーピースモデルに基づいてジグソーピースの分類と認識を行う。そして、ジグソーピースの形状マッチングと画像融合に基づいてジグソーピース間の接続関係を計算する。最後にジグソーピース間の接続関係を復元する。本論文は、第1部としてジグソーピースの切り出し、ジグソーピースモデルの作成、コーナーポイントの検出、そしてジグソーピースの分類と認識について述べる。
著者
五十嵐 芳暢 中津 則之 青枝 大貴 石井 健 山田 弘
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本毒性学会学術年会 第42回日本毒性学会学術年会
巻号頁・発行日
pp.P-197, 2015 (Released:2015-08-03)

アジュバントデータベースプロジェクトでは、各種アジュバントを投与した動物の網羅的遺伝子発現情報を取得解析したデータベースを構築している。アジュバントとは抗原とともに投与することで、抗原に対する免疫原性を増強、加速、延長する免疫増強製剤の呼称である。しかし、これまでアジュバント自体の作用メカニズムについては、明らかではない部分が大きかった。そこで、アジュバント単体を投与したラットの脾臓、肝臓等の網羅的遺伝子発現情報を取得することによって、アジュバントの副作用や毒性および作用メカニズムを探索、評価することを目指している。一方、これまでトキシコゲノミクスプロジェクトでは、薬剤を投与したラット肝臓や腎臓の遺伝子発現情報を用いた毒性予測モデルを構築してきた。これら毒性予測モデルにアジュバント投与の遺伝子発現情報を適用することによって、アジュバント単体の安全性や毒性、作用メカニズムを評価できる可能性がある。本報告では上記毒性予測モデルに改良を加え、外部データによって再評価したモデルと、その予測モデルにアジュバント投与の遺伝子発現情報を適用した例について紹介する。
著者
山田 昇
出版者
奈良女子大学
雑誌
學習研究 (ISSN:09116117)
巻号頁・発行日
vol.290, pp.65-69, 1984-08-15
著者
山田 一 苅田 充二 三田村 好矩 阿久津 哲造
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.783-788, 1991-06-15 (Released:2011-10-07)
参考文献数
5

筆者らは, リニアパルスモータを人工心臓用アクチュエータとして基礎研究を続けてきた。今回, 試作したリニアパルスモータ(LPM-S90)の両側にそれぞれ血液ポンプを取り付けた両心式人工心臓を開発した。リニアパルスモータは, 2相励磁, 2(A)において107(N)の静推力を発生し, 65(N)の動推力を得た。本両心式人工心臓は体積520(mL), 質量1.2(kg)であり, 一回拍出量は60(mL)である。また, 人工弁にはオムニカーボン弁を用いている。本人工心臓の模擬循環試験の結果, 拍動数100(bpm), 大動脈圧80(mmHg)において5.3~5.7(L/min)の分時流量が得られた。
著者
山本 悦治 山田 芳文 阿部 善右衛門
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.163-170, 1978-04-30 (Released:2009-03-27)
参考文献数
14

Previously we proposed a new application of NMR to measure biological materials in human body noninvasively, using the magnetic focusing technique on the measuring target (MT).The present paper considers how to generate the magnetic focus and demonstrates this technique by using the low-field NMR spectrometer.In the first parts of this paper, the signal error due to the fringe region of MT is evaluated theoretically and the constant field contours for several arrangements of multiple coils are calculated so as to generate the magnetic focus.Simple results are obtained analytically for the axisymmetric field especially. Furthermore, a new approach which enlarges the zero-flux region is proposed to achieve a high S/N ratio.In the latter parts, the construction of 100kHz NMR spectrometer, whose static field H0 is generated by the main solenoid 70cm long and 40cm in diameter with two compensation windings, is described. The proton resonance signals from 1cm3 sample water are obtained with a S/N ratio of 15, which is more than ten times better than the value estimated from the relation S/N∝H02/3.By using the separate samples under the gradient field, a separate signal corresponding quantitatively to each sample is obtained. The signal from a certain specified area near the surface of a large sample has a shifted resonant frequency and an emphasized magnitude when the magnetic focusing technique is applied.
著者
山田 朋子
出版者
人文地理学会
雑誌
人文地理 (ISSN:00187216)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.428-450, 2003
被引用文献数
2 2

Hideaki Ishikawa was one of the most important Japanese modern city planners. He was convinced that cities had to enrich people's lives, and he wanted to establish modern city planning as a discipline. Ishikawa was well-known as a man of unique ideas and he enthusiastically studied amusement places (sakari-ba). In this paper, I focus on how he developed his ideas on amusement places and how he put them into practice in designing amusement places for rich people's enjoyment during the period of time he worked in Nagoya (1920-1933).To better understand Ishikawa's practices, I refer to H. Lefebvre's conception of recognition of space. Lefebvre's conception has three dimensions. "Representations of space": conceptualized space, the space of planners; "Space of representation": space as directly lived, the space of "inhabitants" and "users"; and, "Spatial practice": creation of space by the interaction of the other two dimensions. From this, therefore, city planning would be regarded as "representations of space", while amusement places in which people enjoyed their lives would be regarded as "space of representation." "Space of representation" has the possibility of creating a new movement of thought to counter the control of space by city planning.Ishikawa always criticized Japanese city planning as being just a plan for land use which did not significantly consider people's lives. So he searched for a way to create a city planning for the people. He wrote a series of thirty-four articles on "The story of a Local City" in the magazine, Creation of the City (Toshi Sousaku). He explained his vision of the modern city and about how city planning should be conducted. Ishikawa was gradually able to create his own theory of amusement places in his planning.The following four keywords characterize his modern city planning in his serial writing. The keywords are: "city planning for the night", "small city doctrine", "a bustling and lively square", and "hometown city". The first one, "city planning for the night", was an idea to restore the functional role of the night. Ishikawa thought that many planners made a plan for the "industrious time" when people worked during the daytime, but, at night, people were set free from their labors and relaxed. Ishikawa changed this idea and reorganized a plan for people to enjoy their leisure time at night. He paid attention to street lighting, especially lighting for buildings, the layout of amusement facilities, and so on.The next idea is "small city doctrine". Ishikawa rejected the big city. He insisted that an ideal city should be within the scale where people could feel intimacy among neighbors. Though a city may be big, each town in a city should have a center which would be a psychological anchor for people, which should be combined organically, and in which the center should be a lively square.The next idea is "bustling and lively square". Ishikawa recognized that people tend to gather in a square to look for closeness with one another, and also a square should offer people some way to satisfy their desires. Thus, he noted the importance of shopping and regarded shopping malls as "an casting vote". He therefore combined squares with shopping malls.The last keyword is "hometown city". Ishikawa recognized the importance of the square in Western cities, but stressed that Japanese city planning should not blindly imitate Western cities without considering the character of each city. Ishikawa thus decided to transform the Western square into an amusement place (sakari-ba in Japanese) where people could enjoy flowing down the street.
著者
木寺 奈織子 山田 響子 有村 隆明 西村 秀紀
出版者
信州医学会
雑誌
信州医学雑誌 (ISSN:00373826)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.11-15, 2010 (Released:2010-07-12)
参考文献数
17
被引用文献数
2
著者
山田 浩二郎 山本 五十年 宮田 敬博 有嶋 拓郎 澤田 祐介 島田 康弘 橋本 俊賢
出版者
Japanese Association for Acute Medicine
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.5, no.3, pp.261-270, 1994

わが国における医師常駐型ドクターカー制度導入の可能性と救急搬送システムの問題点を検討する目的で,フィールド研究を施行した。調査は,1991年1月21日から1月30日(10日間),愛知県名古屋市中区消防本部に医師が常駐し,すべての救急搬送要請事例について救急車に同乗し行った。搬送要請事例は55例(外因性30例,内因性24例,誤報1例),うち52例を搬送した。患者は男33例,女21例,平均年齢44.5±21.3歳であった。現場または救急車内における処置施行例は37例,救命処置施行例は1例であった。搬送時間は覚知~現場到着が4.8±2.2分,現場到着~救急車収容が8.4±85分,覚知~医療機関搬入が22.2±9.0分であった(平均±標準偏差)。重症患者,深夜帯(午前2時から午前6時)では全搬送時間が増大する傾向を認めた。全搬送時間は現場時間(現場到着~救急車収容)と救急車内時間(救急車収容~医療機関搬入)とおのおの正の相関(p<0.0005)を認めた。相関係数の差の検討の結果,p<0.05をもって救急車内時間がより深く関係していた。本調査により,以下の結論を得た。(1)搬送事例の98.1%は現行の救急隊員の技能で対応可能であり,1日あたりの出動件数は5.5回であることより,今回の調査地域において1消防機関1医師常駐型ドクターカー制度導入は非効率的である。効率と効果を考慮するならば,(1)搭乗医師の確保,(2)覚知より10~15分以内に到達可能でしかもより広い管轄範囲の設定,(3)出動システムの整備など救急司令をも含む抜本的な救急搬送システムの改善が必要である。(2)救急車内時間の増大は,搬送医療機関決定の遅れ,搬送距離の増大を反映するものと推察された。(3)現行の救急司令情報では現場到着前に患者の状態の推測は困難であり,救急救命士制度,ドクターカー制度のいずれの導入においても救急司令システムの高度化が必要であると思われた。