著者
細田 耕 荻原 直道 今西 宣晶 名倉 武雄 清水 正宏 池本 周平 菅本 一臣 成岡 健一 MACEDO ROSENDO Andre Luis 伊藤 幸太
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究課題では,脳やせき髄からの投射がない場合の,歩行状態における人間の足部の機械的特性を計測するために,歩行状態を再現するための歩行シミュレータを作成し,これに屍体の足部を取り付け,二方向エックス線透視撮影装置の中で歩行させることによって,足部内部の骨の動きを観察するためのプラットフォームを開発した.これに関連して,歩行状態を再現するための歩行シミュレータの制御や,透過画像から各骨の三次元運動を精密に再構成するための画像処理技術などを開発した.足部に存在する機械的特性のうち,中足骨関節に着目し,同等の機能の足部をもつ二足歩行ロボットを開発,実験によって中足骨関節の歩行安定性への寄与を調べた.
著者
宮内 翔子 諸岡 健一 辻 徳生 宮城 靖 福田 孝一 倉爪 亮
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.410, pp.143-148, 2014-01-26

本研究では,幾何特徴量を保存しつつ,生体組織の三次元表面メッシュモデルを目標曲面へ写像する方法を提案する.この写像は,自己組織化可変モデル(Self-organizing Deformable Model: SDM)の変形法に基づいており,組織表面上の特徴点を,目標曲面上の特定の位置へ移動させることが可能である.これまで,脳表モデルを対象とし,写像前後でモデルの三角パッチの面積比を保存する等面積写像法を構築した.本発表では,我々の写像法を拡張し,パッチの角度を保存する等角写像法を提案する.これにより,等面積か等角,あるいはこれら両方を保存しつつ,モデルを目標曲面上へ写像することが可能となる.両方の性質を保存することにより,任意の頂点間の相対位置関係が保存できる.脳表以外の組織モデル,特に球面へ歪みなく写像することが難しい組織に対しても,本手法は,各組織の形状特徴に適した目標曲面へ写像できる.また,この写像結果を用いることで,頂点数の異なる複数の同一組織モデルを,同じ頂点数と位相構造を持ち,かつ元モデルより均一なメッシュで再構築することができる.特徴点の位置を制御しつつ,元モデルを歪みの少ないメッシュ構造で再構築できていることを,複数の実験を行い検証した.
著者
大川 裕司 宮川 和典 鈴木 四郎 高畠 保 江上 典文 谷岡 健吉 小楠 功一 小林 昭 平井 忠明
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 25.39 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.25-30, 2001-06-20 (Released:2017-06-23)

新Super-HARP(High-gain Avalanche-Rushing amorphous Photoconductor)膜は、アモルファスセレンを主成分とする光電変換膜で、膜内での電子のアバランシェ増倍現象を利用することで超高感度を実現している。この新Super-HARP膜を使用した撮像デバイスは、非常に暗いシーンの撮影に使用されるが、その際にはショットノイズによる画質劣化が問題となる。そこで、このショットノイズの影響を軽減するため、新Super-HARP膜の緑色光に対する量子効率の改善に取り組んだ。新しい膜構造の設計にあたっては、アモルファスセレン層の一部にテルルを添加した領域を設けるとともに、このテルル添加領域を入射光(信号電極側)寄りに挿入することでその増感効果を一層高めることとした。これによって、カラーカメラの画質に大きな影響をおよぼす緑色光での量子効率を従来の約2倍に高めることができた。また、ショットノイズのみを考慮したS/N_<shot>を評価した結果、緑色光で約3dBの改善が認められた。
著者
野村 俊之 杉岡 健一 徳本 勇人 木下 卓也
出版者
大阪府立大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

本研究では、バイオフィルム形成メカニズムの解明と、磁場を利用したバイオフィルムの形成制御技術の開発を行った。その結果、バイオフィルムの形成パターンは、微生物が固体界面に付着するときの自由エネルギー変化の値により異なることを明らかにした。また、流れ場においてバイオフィルムが形成されやすい場所に、予め分解酵素を吸着させた磁性粒子を磁場により固定化しておくと、バイオフィルム形成を抑制できることを明らかにした。
著者
今岡 健治
出版者
皇学館大学人文学会
雑誌
皇学館論叢 (ISSN:02870347)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.25-38, 2013-06
著者
丸山 純一 桶 隆太郎 村社 智宏 石井 正宏 檜山 郁夫 加藤 剛久 梅澤 康昭 佐藤 達弥 高橋 通 山下 紘正 谷岡 健吉 千葉 敏雄
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.72, no.10, pp.J136-J141, 2018 (Released:2018-09-26)
参考文献数
7
被引用文献数
1 1

3D偏光フィルタ方式を採用した8K-3D IPS液晶ディスプレイを開発した.近年,医療分野では,カメラとディスプレイにより医師の目をサポートする技術の開発が進んでいる.今回われわれは,立体視による奥行感の把握が可能な,内視鏡/顕微鏡手術向け「3D対応8K手術システム」の実現を目的に,3D偏光フィルタ方式8K-3D液晶ディスプレイの開発に取り組んだ.55インチ8K IPS液晶パネルの採用により,高精細,高画質な立体視を可能とした.手術室のレイアウトを考慮し,視距離1.0~1.5 mの範囲で使用することを目標に3D偏光フィルタを設計した結果,3D視野角8.6゜の範囲で3Dクロストークのない立体視を可能とした.本論文では,同ディスプレイの開発におけるポイントについて報告する.
著者
埴岡 健一
出版者
日経BP社
雑誌
日経メディカル (ISSN:03851699)
巻号頁・発行日
vol.35, no.7, pp.75-81, 2006-07

日本では今、医療法の改正による患者への情報提供の本格開始、専門医制度確立への再チャレンジ、がん対策基本法を生んだ患者の声の高まりなど、大きな環境の変化が起きている。こうした波を先にかぶった米国はどのような経験をしてきたのか。そして、そこにはどんな教訓があるのか。3つのキーワードにしてお届けする。
著者
松原 智樹 大川 裕司 宮川 和典 鈴木 四郎 高畠 保 江上 典史 谷岡 健吉 小楠 功一 小林 昭 平井 忠明 河合 敏昭 本坊 正典 吉田 哲男 内田 徹也 盛 英三
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.35-38, 2002
参考文献数
7
被引用文献数
2

超高感度・高画質と高信頼性とを両立させたハイビジョンカメラを実現するため、厚さ15μmの新Super-HARP膜でのハイライトきず(強いスポット光が入射したときに生じる白きず)の発生防止に取り組んだ。膜の動作温度ときず発生との関係を調べた実験から、膜の動作温度を従来(約25℃)よりも高温側にシフトさせることでハイライトきずの発生が抑制できることを見い出した。この動作モードでの実用化を目指して耐熱性向上の研究に取り組み、不純物添加濃度の最適化で、きず発生を抑制できる温度での安定動作を可能とした。本膜を適用した超高感度ハイビジョンハンディカメラは信頼性や機動性にも優れ、夜間緊急報道等の放送用途のほか医学研究や科学分野等で活用されている。
著者
北川 英裕美 片岡 健司 駒谷 喜代俊
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌D(産業応用部門誌) (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.116, no.8, pp.874-882, 1996-07-20 (Released:2008-12-19)
参考文献数
12
被引用文献数
1 1

This paper presents a computer aided system for making the train timetable, DIAPLAN-II (Train Diagram Planning Support System). It is designed to prepare the timetable of complicated lines including junctions and sections with different number of tracks such as single, double and four. We have already developed the DIAPLAN for double-track lines. It has employed the integrated framework of simulation and scheduling to emulate human experts' scheduling process on a computer, and it has been successfully applied to the co-operative work between man and computer in the timetable planning. Based on this experience, we employ the same framework to develop our new system. In this system, we define some additional functions to adjust the arrival and departure order of trains at a station in our framework, because it is the critical point for making the timetable of those complicated lines. A timetable generated by DIAPLAN-II shows its usefulness in the co-operative timetable planning.
著者
村岡 健一 吉田 哲 長谷川 和正 中西 信夫 福沢 勲 冨田 昭雄 丁 宗鐵
出版者
和漢医薬学会
雑誌
和漢医薬学雑誌 (ISSN:13406302)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.30-37, 2003
参考文献数
19
被引用文献数
2

In this study, using dogs as experimental models, we observed body temperature rise following administration of "Kakkon-to" preparation, and investigated the average number of macrophages and average rate of phagocytosis of macrophages in blood using the latex microparticles. The body temperature of the Kakkon-to-treated dogs significantly increased 30 minutes after administration (p<0.05). After that, the body temperature was still high until the next administration at 8 hours. When the difference in body temperature before and after administration was compared with that of the control group, a significant in crease was maintained from 1 to 12 hours after administration. The phagocytotic activity of macrophages was also increased. The average number and the average rate of phagocytosis were significantly increased 1 (p<0.05) and 2 (p<0.01) hours after administration, respectively, in comparison with the activity before administration. The significant increases (p<0.01) in both the number and the rate of phagocytosis were continuously found at every measurement point from 2 to 24 hours after administration. In addition, when compared with the control group, the test group showed a significant administration in both the number and the rate of phagocytosis at 3 hours after administration (p<0.01). These results demonstrated that administration of "Kakkon-to" not only increased the body temperature but also enhanced the phagocytic activity of macrophages, the in vivo defensive factors, suggesting that "Kakkon-to" may contribute to the suppression of multiplication of common cold viruses and influenza viruses, which consequently results in improvement of various symptoms during infection with common cold syndrome.
著者
辻 義弘 吉岡 健太郎 河野 麻実子 鈴木 尚紀 田尻 伸弘 人見 泰正 加藤 かおり 吉田 俊子 水野 (松本) 由子
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.48, no.7, pp.413-422, 2015 (Released:2015-07-30)
参考文献数
22
被引用文献数
1

腸溶性カプセル化ビフィズス菌製剤 (以下, カプセル化ビフィズス菌製剤) を透析患者に服用させ, 便秘症状の改善とそれに伴うQOL, および血液検査結果の変化について検討した. 透析患者24名を対象とし, カプセル化ビフィズス菌製剤を1日1包8週間服用させた. 便秘の尺度評価には日本語版便秘評価尺度を用い, QOLの変化にはThe Patient Assessment of Constipation Quality of Life Questionnaire (PAC-QOL) を用いた. カプセル化ビフィズス菌製剤摂取前と比較して, 21名 (87.5%) に便秘症状の改善とQOLの向上が認められた. また, 早期に便秘が改善した群では血清リン値が有意に低下した. カプセル化ビフィズス菌製剤摂取の効果が早発性に出現する透析患者では, 便秘症状の改善に伴うQOLの向上, および血清リン値の低下に有用であることが示唆された.
著者
安岡 健一
出版者
日本農業史学会
雑誌
農業史研究 (ISSN:13475614)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.61-75, 2010 (Released:2017-03-23)

After the Japanese colonial occupation of Korea, the number of the Korean migrants to the mainland of Imperial Japan increased rapidly. Many of them lived in cities or near coal mines, but only a few lived in villages. The purpose of this paper is to examine how Korean farmers lived in Japanese villages and how their situation changed in the postwar era. On the one hand, there are many historical studies that examine the agricultural labor problem, but they do not focus on the ethnic problem. On the other hand, studies concerning Korean residents have not yet focused on the agriculture problem. Since 1920 agricultural labor wages in Japan rose sharply. As a result, Japanese land owners were eager to use cheap-labor Korean agriculture workers in order to keep their management costs low. This was particularly observed in the north Kyushu area, where there were many coal mines. After 1937, even in the south area of Kyoto Prefecture, a progressive agriculture area, more and more Korean people begun to work as tenants. Such was the situation in Terada village(寺田村). However, the agriculture administration found a very serious national problem in those days. The agriculture administration secretly made an effort to restrain the Korean people's transition, a reaction from their nationalistic agrarianism. However, some of the Korean farmers obtained their land ownership. Korean farmers in Terada village were excluded from the Community Agricultural Association (部落実行組合), but they were organized in Kyowakai (協和会). Although the integration policy of the Korean people denied their traditions, they continued to do "Pumasi"(プマシ); a traditional labor exchange system of the Korean agriculture. This paper analyzes/describes these events and their evolution to the present.
著者
岡 健太郎 高橋 志達 神谷 茂
出版者
公益財団法人 日本ビフィズス菌センター
雑誌
腸内細菌学雑誌 (ISSN:13430882)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.177-185, 2015 (Released:2015-11-03)
参考文献数
44

Clostridium difficileは芽胞形成性のグラム陽性偏性嫌気性細菌で,主に抗菌薬投与後に下痢や偽膜性大腸炎(pseudomembraneous colitis, PMC)などのC. difficile関連下痢症/疾患(C. difficile-associated diarrhea/disease, CDAD)を引き起こす原因菌として知られている.本菌は一部の健常者の腸内に定着する常在菌の一種であり,通常は他の腸内細菌により抑制されているが,抗菌薬の投与により正常腸内細菌叢が撹乱されると異常増殖と毒素(トキシンAおよびトキシンBなど)産生を引き起こしCDADが発症する.抗菌薬関連下痢症(antibiotic-associated diarrhea, AAD)のうち,5-20%が本菌によるものと考えられており,治療には原因抗菌薬の中止とバンコマイシンまたはメトロニダゾールの経口投与が有効であるが,10-35%に再発が認められ,近年では再発を繰り返す症例が問題となっている.CDADは,腸内に定着した常在性C. difficileによるものの他に,保菌健常者やCDAD発症者の糞便を介した接触感染が主な感染経路であり,特に芽胞を形成する菌であることから,芽胞が長期間にわたって環境中に生残して院内感染や再発の感染源となることが考えられる.特に入院患者では,本菌の検出率は入院期間と相関することが知られている.また,芽胞は抗菌薬に抵抗性であることから,再発例の一部では,治療後に芽胞の形態で腸内に生残して再発を引き起こすものと考えられる.従って,CDADあるいは再発性CDADの治療および予防法としては,原因抗菌薬の中止やバンコマイシンまたはメトロニダゾールの経口投与による治療や接触感染予防策や環境清掃などによる一般的な感染予防法に加え,抗菌薬の使用制限による正常腸内細菌叢の撹乱防止や,何らかの方法による正常腸内細菌叢の維持および早期回復が重要となる.これまでに,正常腸内細菌叢の維持および早期回復を目的としたプロバイオティクスによる予防の有効性が多数の研究者により報告されており,CDADの治療および予防においては,主に抗菌薬の補助療法としてプロバイオティクス製剤等が使用されている.プロバイオティクスには病原性細菌の生育阻害作用と腸内細菌叢の改善作用があることから,C. difficile腸炎の予防や治療補助に有効であると考えられるが,その効果や作用機序はプロバイオティクスの菌種や菌株によって異なり,菌種あるいは菌株ごとの大規模臨床試験による科学的検証が望まれている.