著者
上岡 真紀子
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.41-47, 2000
参考文献数
27

日本における金融に関する統計について紹介する。日本の金融市場の種類と金融政策について説明し,統計との関係について述べる。金融に関する包括的な統計書として日銀が提供する「金融経済統計月報」を取り上げ,そこに掲載される主要な指標についてもふれる。さらに,金融政策の中間目標としてのマネーサプライ統計と,金融全体を烏瞰する統計として資金循環表を取り上げる。それぞれ統計の定義,枠組み,利用例について紹介する。また,最近の金融をめぐる環境の変化を反映し,今年相次いで発表された両統計の見直しについても紹介する。
著者
秋田 喜代美 無藤 隆 藤岡 真貴子 安見 克夫
出版者
一般社団法人 日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.58-68, 1995-07-15 (Released:2017-07-20)

本研究は幼稚園年長, 年中, 年少児計129名に絵本を読んでもらう課題と内容の理解を問う質問を実施し, 課題の遂行を横断的比較と1年間の3期の縦断的比較によって検討したものである。その結果, 絵を見て話すことから文字を読むことへの変化は, かなもじ清音を約半数習得した頃から起こり, 文字を読む反応の初期には文字を指さすなどの補助的方略を用いる者が一部みられるが, これは読みの熟達と共に消失すること, 拾い読みから文節読みへと移行するにつれ話の筋の理解がよりできるようになること, ただし文字を読むようになっても挿し絵からも情報を得ていることが明かとなった。また文字は読めても縦書きの本を左から読む者がおり, この誤りは必ずしも読字数の少ない者に発現するわけではないことから, 本を読めるためには文字に関する知識のみではなく, 読書に関する慣習的な手続き的知識の習得が必要であり, 文宇知識と慣習的知識は独立に習得されることが示唆された。
著者
星原 徳子 岡 真由美 山本 真代 金永 圭祐 森 壽子 長島 瞳 河原 正明 藤本 政明
出版者
公益社団法人 日本視能訓練士協会
雑誌
日本視能訓練士協会誌 (ISSN:03875172)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.59-65, 2013 (Released:2014-03-13)
参考文献数
29

【目的】発達障害の早期発見は、社会生活での自立の促進において重要である。視能訓練士(以下CO)は小児の視覚だけでなく他機能との関わりにも注目し、成長発達の支援に関わる必要がある。今回、COと他院耳鼻科言語聴覚士(以下ST)が連携し、発達障害の評価と支援が可能であった症例を報告する。【対象・方法】2004年6月~2012年6月にK眼科で弱視または斜視と診断された18歳未満の症例412例中、発達障害を疑いSTが所属する専門医療機関への受診を促した12例であった。症例は未就学児8例(2歳5か月~5歳8か月)、就学児4例(6歳6か月~14歳3か月)であった。発達評価には遠城寺式・乳幼児分析的発達検査表、同旧版(以下遠城寺式発達検査表)を使用した。【結果】生活年齢に相応した視機能検査ができなかったのは5例であった。発達障害を疑った視機能検査時の特徴は、発音不明瞭6例、多動4例、クレーン現象1例、コミュニケーション不良2例であった。12例全例の親が現状を否定する言動をし、ペアレントトレーニングを要した。STによる積極的訓練を開始できたのは7例、STによる6か月毎の経過観察を要しているものが2例だった。ST受診を拒否または一度受診したが訓練拒否したものが3例であった。【結論】遠城寺式発達検査表の項目を考慮して視機能検査を施行することは、小児の発達状態の評価に有用であった。COがSTと連携することで発達障害児の早期発見と就学前後での支援につながった。
著者
森安 竜大 松森 唯益 永岡 真
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.83, no.854, pp.17-00144-17-00144, 2017 (Released:2017-10-25)
参考文献数
26

A topology optimization method is proposed for the design of shallow-flow channels based on quasi-three-dimensional flow models of laminar and turbulent flows. The models for laminar flow and turbulent flow are derived from the Navier-Stokes equations and the Reynolds-Averaged Navier-Stokes (RANS) equations, respectively, by integrating along the direction of channel thickness. The thickness is employed as the design variable in the topology optimization. The design variables are updated using a time-dependent diffusion equation with a design sensitivity which is calculated by a discrete adjoint approach. Numerical examples for minimizing dissipation energy or variance of flow velocity magnitude using the topology optimization demonstrates that the proposed method is capable of finding optimal solutions that satisfy the KKT conditions. In the former example, the design domain was clearly divided into domains where the thickness was either near the upper limit or near the lower limit. However, in the latter example, the thickness was at an intermediate level in almost the whole the design domain. The distribution of the thickness varied depending on the Reynolds number in both examples.
著者
藤堂 恵美子 樋口 由美 北川 智美 今岡 真和 上田 哲也 安藤 卓 高尾 耕平 村上 達典 脇田 英樹 池内 俊之
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2016, 2017

<p>【はじめに,目的】</p><p></p><p>訪問リハビリテーション(以下,訪問リハ)の効果はエビデンスが確立されているものの,ADLのみを指標にした研究が多く,活動・参加を含めた生活機能への効果は十分明らかではない。また,先行研究では訪問リハプログラムの違いによる効果は検証されていない。しかしながら,実際は評価に基づき優先順位をつけ複合的に介入している。そこで本研究は,訪問リハプログラムの優先性が生活機能に与える影響を検証することを目的とした。</p><p></p><p>【方法】</p><p></p><p>対象は,平成26年4月~平成28年3月にA訪問看護ステーションの介護保険による訪問リハを開始し,3ヶ月間追跡可能であった30名(平均年齢82.4±7.5歳,女性24名)とした。全介助の者,本研究の主旨を理解できない者は除外した。調査項目は基本属性に加え,生活機能として身体機能(立ち座り動作テスト),精神機能(GDS5,転倒自己効力感,主観的健康感),ADL(FIM),IADL(老研式活動能力指標),生活空間(LSA)を調査した。訪問リハプログラムは身体機能,活動,環境因子の3つに対して最も優先した介入を,担当理学・作業療法士に記入させて追跡後に集計した。</p><p></p><p>統計解析は,ベースラインの群間比較にはχ2検定またはMann-Whitney U検定を用い,p値が0.1未満の項目を説明変数,介入の優先性を目的変数としたロジスティック回帰分析を行った。ベースラインと3ヶ月後の比較にはχ2検定またはWilcoxonの符号付順位和検定を用いた。有意水準は5%未満とした。</p><p></p><p>【結果】</p><p></p><p>主疾患名は運動器疾患19名,脳血管疾患6名,その他5名であった。なお,入院歴がある者は15名であった。</p><p></p><p>訪問リハの優先プログラムは,全訪問回数のうち50%以上が活動であった者は19名,環境因子は11名で,身体機能への介入が50%を超えた者はいなかった。そこで,活動優先群と環境優先群の2群で分析した結果,ベースラインでは基本属性や身体機能,活動に差はなく,GDS5得点のみ環境優先群は有意に高かった。探索的に年齢とFIMの移動項目で調整しても,GDS5は環境因子への介入優先に対する独立関連因子であった(調整オッズ比3.34)。ベースラインと3ヶ月後の生活機能の比較では,LSAで両群共に有意な改善がみられ,活動優先群は15.3点から29.3点に,自宅圏外へ外出可能な者が6名から15名に増加,環境優先群は16.5点から28.3点に,自宅圏外へ外出可能な者が5名から9名に増加した。加えて,活動優先群では立ち座り動作で上肢支持が不要な者が有意に増加し,環境優先群では転倒自己効力感が有意に改善した。その他の項目では有意差を認めなかった。</p><p></p><p><b>【結論】</b></p><p></p><p>訪問リハ開始から3ヶ月間では,活動および環境因子への介入の優先性が高かった。介入の優先性によって身体機能や精神機能への効果が異なるが,生活空間は介入の優先性に関わらず拡大することが示唆された。</p>
著者
福山 千代美 加藤 栄子 普天間 歩 大久保 恵里 後藤 祐子 平岡 真砂代 今井 洋子
出版者
公益社団法人 日本視能訓練士協会
雑誌
日本視能訓練士協会誌 (ISSN:03875172)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.145-152, 1998-07-10 (Released:2009-10-29)
参考文献数
12

我々は,調節緊張を起こした症例の,診断,背景ならびに治療法について検討したので報告する。対象は,調節緊張と診断され,症状の改善に長期間を要した9症例である。観察期間は,2~29(平均12.0)ヵ月であった。年齢は,9歳から11歳の小学校高学年の6名と,22歳から27歳の20歳代の成人3名の2つの分布を呈し,性別では女性に多かった。主訴は,学童群では視力障害が多かったが,成人群では羞明が多かった。初診時の裸眼視力は0.3以下が多く,矯正不良の症例が過半数を占め,全ての症例でマイナスレンズで矯正された。調節麻痺下では+1D程度の遠視が検出され,多くは+1D以上の戻りが認められた。このため調節緊張の症例では,潜伏遠視を背景とすることが多く,調節麻痺下の視力検査が有用であると考えられた。治療の原則は遠視の眼鏡常用と調節緩和で,予後は良好であるが,きめ細かな対処が必要である。
著者
鄭 椙元 堀越 哲美 福岡 真由美 水谷 章夫
出版者
人間-生活環境系学会
雑誌
人間と生活環境 (ISSN:13407694)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.20-28, 1996-06
被引用文献数
3

本研究は,都市の暑熱時における緑がもたらす人体の熱的快適性への暑熱緩和効果を知ろうとするものである。予備調査として名古屋市の都市気温の水平分布の実測調査を行った結果,緑が多く見られる鶴舞公園と東山公園で周囲より低温域が観測された。周囲より低い気温が観測された都心部にある鶴舞公園と,周囲の市街地の樹木の繁茂状況や都市空間の性質が違う6カ所を選び,1994年8月22日から29日の間,温熱環境要素測定とともに,被験者を用いた心理反応を測定した。熱的快適性は屋外では日射の影響を受ける。人体の放射熱授受は気温・表面温・日射に基づいて算出された。作用温度は日射熱授受量で修正された。この修正した作用温度で新有効温度を計算した。緑陰・市街地日向の間に,等しい新有効温度でも温冷感に有意差があった。本研究によって,暑熱時における都市緑地空間の有効性が検証された。
著者
藤岡 真樹
出版者
史学研究会 (京都大学大学院文学研究科内)
雑誌
史林 (ISSN:03869369)
巻号頁・発行日
vol.99, no.3, pp.419-456, 2016-05

本稿は、ハーヴァード大学ロシア研究センターが空軍の人材開発研究所との契約研究に基づいて実施したソ連研究である難民聞き取り計画(RIP、一九五〇年~五四年) の歴史的経緯を大学と軍部との人的ネットワークに注目しつつ解明しようとするものである。一九五〇年、人材開発研究所とロシア研究センターは、ソ連空爆にあたっての都市選定を目的とした研究契約を締結し、ドイツとオーストリア等に居住していたソ連人難民への聞き取り調査を開始した。しかし研究者達が人々の行動に関する行動科学研究への強い関心を抱いていたことから、RIPは「ソ連の社会制度の研究」へと変貌した。これに対し連邦議会をはじめとする反共主義者が激しい攻撃を浴びせた結果、RIPは中止に追い込まれた。RIPの研究成果はその後に刊行されたものの、それらは軍部との人的ネットワークの緊密さゆえに、ソ連人難民に関する貴重な資料を用いながらもソ連の制度や社会に対する画期的な視座や知見を提示することができないという意味で、学術的な「停滞」に陥ったことを示すものとなった。ただし、こうした「停滞」状況は軍部とのネットワークが消滅することで大きく変わることになる。
著者
長岡 真吾
出版者
富山大学ヘルン(小泉八雲)研究会
雑誌
ヘルン研究 (ISSN:24328383)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.36-39, 2017-03

ラフカディオ・ハーン(1850-1904)の研究者である牧野陽子は『神々の国の首都』(平川祐弘訳)の「解説」のなかで、ハーンが日本人読者に受け入れられる理由について次のように述べている。「ハーンの叙述には、日本を見る目の暖かさと、外見ではなしにその奥の心までくみとる深い理解力がにじみでており、彼の描く明治日本の風物は魂の郷愁に似た懐かしさを読者に覚えさせ、そこには現代日本人の忘れかけた古き良き日本の姿があるといえる」(387)。しかし、日本からすれば異文化出身であるハーンが、なぜ日本人読者に「奥の心までくみとる深い理解力」があると感じさせるのであろうか。あるいは、そのように読者に感じさせるハーンの文章にはどのような特徴があるのだろうか。
著者
岡田 一馬 中田 衛樹 山崎 裕司 山下 望 青木 早紀 山崎 倫 大森 貴允 冨岡 真光
雑誌
高知リハビリテーション学院紀要 = Journal of Kochi Rehabilitation Institute (ISSN:13455648)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.17-22, 2017-03-31

高次脳機能障害を合併した高齢の重症片麻痺患者のベッドへの移乗動作練習に応用行動分析学的技法を取り入れた. ベースライン期(第93病日から106病日)には,総課題提示法による移乗動作練習を実施した.移乗動作手順の忘れや立ち上がり,ベッドへのピボッドターンに介助を要し,移乗動作能力得点は停滞していた.介入では,車椅子のブレーキ操作,フットレスト操作についてベットサイドに文字教示を行った.立ち上がり,ピボットターンの練習では,段階的な難易度設定を実施した.介入開始後,動作能力得点は上昇しはじめ, 16セッション目で満点の45点に到達した.発症から3か月以上を経過した本症例がわずか16日間の介入によって監視下の移乗動作が自立したことから,今回の介入は移乗動作能力を向上させるうえで有効に機能したものと考えられた.
著者
利岡 真帆
出版者
関西大学国文学会
雑誌
國文學 (ISSN:03898628)
巻号頁・発行日
vol.101, pp.462-444, 2017-03-01
著者
吉岡 真緒
出版者
翰林書房
雑誌
太宰治はがき抄 : 山岸外史にあてて = Sa Correspondance; Osamu Dazai
巻号頁・発行日
pp.197-210, 2006-03-01

近畿大学日本文化研究所編
著者
平岡 真寛
出版者
一般社団法人 日本生体医工学会
雑誌
BME (ISSN:09137556)
巻号頁・発行日
vol.6, no.5, pp.40-47, 1992-05-10 (Released:2011-09-21)
参考文献数
7
被引用文献数
4