著者
香西 みどり 島田 淳子
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.32, no.5, pp.360-364, 1985-05-15 (Released:2010-01-20)
参考文献数
16
被引用文献数
14 10

ジャガイモ煮熟時の最適加熱時間を予測する方法を開発することを目的とした。(1) 軟化の官能評価に良く対応するテクスチュロメーターの硬さを軟化のパラメーターとした。軟化率xは以下のように表わした。y0:硬さの初期値;ye:硬さの平衡値;y:硬さの測定値(2) 軟化は1次の速度式に従い,速度定数kは次式によって示された。k=7.49×1019exp(-1.74×104/T) [min-1]T:絶対温度(°K)(3) 試料の中心から表面までの距離の0.55倍の位置を全体の代表点とし,その位置で軟化率が0.9となる時間を最適加熱時間としたところ,官能評価と良く一致した。更に,0.2~5cm立方のジャガイモ試料を仮定し最適加熱時間と大きさの相関を調べると次式が得られた。Θ=0.98LL2+0.67L+6.15Θ:最適加熱時間(min);L:立方体の1辺の長さ(cm)である。この式で求めたθはL=1~4.6cmの範囲で官能評価と良く一致した。
著者
藤川 日出行 井岡 達也 高安 徹雄 関口 弘道 中山 敏夫 島田 和幸 夏目 隆史 金井 信行 斎藤 建
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.163-167, 1995-02-15 (Released:2013-05-24)
参考文献数
10

慢性期に外傷を契機として心房リードの穿孔を起こした永久ペースメーカー植え込み例を経験したので報告する.症例は70歳女性で,63歳蒔に完全房室ブロックを指摘され,68歳時にtorsades de pointes(TdP)によるAdams-Stokes発作を起こすようになり当科入院した.完全房室ブロック,徐脈によるQT延長のためDDDペースメーカーを植え込んだ.70歳時にパーキンソン症候群による歩行障害にて転倒し,左肩を強打した後より全身浮腫と呼吸困難が出現し近医入院した.心不全にTdPと肺炎を合併し当科転院となったが,心房のペーシング不全,センシング不全が認められた.呼吸不全加療中にTdP,VF出現し死亡した.剖検にて心房リードの右心房壁穿孔を認めた.経過より外傷を契機としたリードの心房壁穿孔と考えられ,病理所見等報告する.
著者
島田 真衣 松田 真季 藤江 亮太 野村 悟 粟飯島 辰樹 藤井 菜穂子
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2013, 2014

【はじめに,目的】厚生労働省よるとVDT(Visual Display Terminals)作業者の7割以上が首・肩のこりや痛みを感じていると報告し,それらの労働衛生管理上の問題点を指摘している。また昨今,携帯情報端末が急速に進歩・普及し,携帯やスマートフォンは日常生活に欠かせないものとなっている。携帯情報端末が身体・精神機能に及ぼす影響は少なくないと思われるが,それらについてほとんど報告されていない現状である。そこで今回我々は,姿勢への影響に着目し,携帯とスマートフォン利用時の写真撮影による画像および脊柱形状分析器を用いた姿勢評価を行い検討した。【方法】1.対象被験者は健常成人男性9名(平均19.9±0.78歳 平均身長170.7±7.38cm平均体重65.7±8.11kg平均座高92.5±3.86cm)で,携帯・スマートフォンともに使用歴のある者とした。2.方法1)計測環境と条件設定被験者は座位となり,膝関節90°屈曲位,体幹回旋0°で下腿後面を椅子の端と密着させた。足部は肩幅に開き足底全面接地とした。上半身裸で下半身はスパッツを着用し,骨指標にマーカー(耳垂,C7棘突起,肩峰,上前腸骨棘,上後腸骨棘,S3棘突起,大転子)を貼付した。デジタルカメラ(EX-Z800:CASIO)は被験者から115cm離れた場所に設置し,基準線をともに撮影した。上記姿勢を保持後,以下4条件を行った。・被験者は操作端末を持たず真っ直ぐだと思う任意の点を見つめる。(通常姿勢)・携帯を片手で操作し課題を行う。(携帯)・スマートフォンを片手で操作し課題を行う。(スマホ片手)・スマートフォンを両手で操作し課題を行う。(スマホ両手)課題は「自己紹介文を打つこと」とした。操作端末として,携帯(W51T/約103×51×21mm/142g),スマートフォン(iPhone4S/115.2×58.6×9.3mm/140g)を用いた。2)計測手順上記4条件を安定して遂行していることを確認後,矢状面から写真撮影し,その後,脊柱計測分析器(スパイナルマウス:Index社製)を用いてC7~S3棘突起側部の筋膨隆部をなぞることで,脊柱・骨盤のデータを採取した。撮影した写真よりソフト(計測シートforデジカメ写真)を用い以下の①~④,スパイナルマウスより以下の⑤~⑦のデータを得た。①<u>頭部屈曲角度</u>(耳垂-外眼角点を結ぶ線と水平線のなす角度)②<u>頸部屈曲角度</u>(水平線と肩峰点-耳垂を結んだ線のなす角度)③<u>画面角度</u>(携帯情報端末の画面と水平線のなす角度)④<u>画面と座面との距離</u>(携帯情報端末の上端と座面との距離)⑤<u>骨盤傾斜角度</u>⑥<u>胸椎後弯角度</u>⑦<u>腰椎後弯角度</u>【倫理的配慮,説明と同意】被験者には本研究の目的と方法を説明し研究協力の賛同を得た。本研究は国際医療福祉大学倫理委員会の承認を得て実施した。(承認番号13-Io-110)【結果】頭部屈曲角度(①)および頸部屈曲角度(②)は,片手操作である「携帯」および「スマホ片手」よりも両手操作である「スマホ両手」で有意に低値を示し,頭頸部をより屈曲していた。画面角度(③)は,「携帯」,「スマホ片手」,「スマホ両手」の順に有意に減少し(p<0.01),画面をより水平位に保持していた。画面と座面との距離(④)は,片手操作である「携帯」および「スマホ片手」よりも両手操作である「スマホ両手」で有意に低値を示し(p<0.05),操作端末が座面へ近づいていた。骨盤傾斜角度(⑤)は,「携帯」より「スマホ両手」で有意に減少し後傾していた(p<0.05)。胸椎後弯角度(⑥)は,「携帯」より「スマホ片手」で有意に増大し後弯していた(p<0.05)。【考察】携帯情報端末利用時の空間内における操作端末の位置は,「片手操作」よりも「両手操作」で,より座面に近く水平位に保持していたことがわかった。それに伴い「両手操作」では,頭・頸部をより屈曲しており,操作端末の位置が姿勢に影響を及ぼしていることが示唆された。骨盤と胸椎において,「携帯」よりも「スマートフォン」操作で骨盤をより後傾し,脊柱は円背する傾向を示すことがわかった。本研究から,携帯情報端末利用による姿勢への影響の全体像をとらえることができた。今回は,被験者への自由度が高い状態で評価を行ったため,姿勢変化の詳細な影響因子を特定するまでに至らなかった。今後は,条件設定を検討するとともに,どのような因子が姿勢へ影響するかさらに特定する必要がある。【理学療法学研究としての意義】本研究により,携帯情報端末利用時の姿勢変化が明らかとなった。現在,端末の小型化・軽量化が進み,タブレットや小型PCなどの普及とともに,いつでもどこでも長時間VDT作業を行える環境となっており,身体への影響は増大していると思われる。不良姿勢となる詳細な因子を特定し,そのリスクや疾患との関連性を検討することで,理学療法の立場から予防や治療につなげることができると考える。
著者
水島 宏一 島田 貴也
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.69, pp.194_2, 2018

<p> 本研究の目的は、平行棒の懸垂前振り上がり開脚抜き伸身かつ水平位で懸垂(以下「バブサー」と略す)の運動経過を分析し、その類似技である倒立から伸膝で振り下ろし懸垂前振り上がり開脚抜き倒立(以下「チッペルト」と略す)の技術と、異種目である鉄棒の懸垂前振り伸身背面とび越し懸垂(以下「トカチェフ」と略す)の技術の類似点をバイオメカニクス的視点から探り、高難度の技を効果的に習得するための基礎資料を得ることである。</p><p> 被験者は、バブサー、チッペルト、トカチェフの3つの技を実施できる3名と、バブサー、チッペルトは実施できるが、トカチェフを実施できない1名である。各技をビデオカメラで撮影して角度、軌跡、速度を算出した。各技の離手局面までの運動経過を比較したところ、バブサー、チッペルト両者の肩関節及び股関節角度の変化と肩、腰、膝の軌跡は、鉄棒のトカチェフともかなり類似していた。また、肩、腰、膝、足首の速度もトカチェフと類似した変化が見られた。これらのことから、同種目の同系統の技だけでなく、異種目間であっても同系統で類似する技術を有する技であれば、効果的に技を習得するための指標になることが示唆された。</p>
著者
島田 薫 柄澤 智史 田中 久美子 松村 洋輔 大島 拓 織田 成人
雑誌
第46回日本集中治療医学会学術集会
巻号頁・発行日
2019-02-04

【背景】集中治療室(ICU)における特発性腸腰筋血腫は抗凝固薬や抗血小板薬の投与、腎代替療法、高齢がリスク因子と考えられており、発生頻度は0.3%と稀ながら、致死率は30%との報告もある。当科でも診療機会が増えているが、典型的な臨床所見が明確でないことから、診断に苦慮することも多い。【目的】当院ICUで経験した症例から特発性腸腰筋血腫の臨床的特徴を明らかにする。【対象と方法】2016年4月1日から2018年9月15日の期間に当院ICUに入室した患者のうち、特発性腸腰筋血腫と診断された患者を診療録から後方視的に抽出した。【結果】対象期間中のICUの延べ入室患者数は4529例で、うち6例(男性4例)で特発性腸腰筋血腫を認めた。発症頻度は0.1%だった。平均年齢は66歳、いずれも片側発症で、右側5例、左側1例だった。発症前から全例でヘパリン、4例でステロイドが投与されており、4例で腎代替療法が施行されていた。自覚症状から診断に至った症例は4例で、呼吸困難、腰痛と腹部膨満、右側腹部痛、腹部緊満を認めた。他の2例は意識障害を伴う出血性ショック、原因不明の貧血進行から判明した。いずれの症例でも同時に貧血が進行していた。5例に出血性ショックを呈し、4例に血管内治療を施行し止血が得られた。1例は輸血で止血は得られたが腸管虚血を含めた臓器不全が進行し死亡した。血管内治療を施行した例では出血による死亡例はなかった。【結論】特発性腸腰筋血腫は稀な病態で、診断が遅れれば致死的になりうる。ICU患者は自覚症状に乏しい上に、確定診断に有用なCT検査の実施が容易でない場合が多い。一方で、早期に診断できれば止血術により救命できる可能性が高い。自験例では高率にリスク因子を認めた一方で貧血の進行以外に共通する臨床所見はなかったが、ショックを呈した症例は適切な止血術により救命し得た。リスク因子のある症例で貧血が進行した際には、腸腰筋血腫も念頭に置いた原因検索をすすめることが重要である。
著者
島田 義之 広瀬 盛行
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.457-462, 1983-10-25 (Released:2020-09-01)

This study proposes an estimating model of work trips to the metro center by an easy method. This also analyses how the changing patterns of urban structure (population and job distribution) affect the number of work trips to metro center, taking Tokyo metropolitan region as an example.
著者
島田 京司 庄司 雅紀 藤原 篤子 恩田 光子
出版者
日本社会薬学会
雑誌
社会薬学 (ISSN:09110585)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.98-104, 2021-12-10 (Released:2022-02-08)
参考文献数
13

Depression requires continuous long-term treatment. However, many patients drop out from their treatment program. The purpose of this study is to investigate the current status of pharmacists’ support for depressed patients at higher risk of self-discontinuation of medication. This was a cross-sectional study of community pharmacists’ support for depressed patients using a web-based questionnaire. The survey items were 1) pharmacists’ basic attributes and 2) pharmacists’ support to prevent patients from dropping out of their treatment. Morphological analysis was performed using text mining to analyze the free responses, and the relationships between the extracted categories were examined using hierarchical cluster analysis. Free responses were obtained from 77 pharmacists. The morphological analysis extracted 26 categories from their responses, and the category with the highest frequency of occurrence was “explain” (44 times). The extracted categories were stratified into clusters 1 to 6 using hierarchical cluster analysis.
著者
島田 裕之
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.48, pp.E-17-E-17, 2021

<p> 人口の高齢化に伴い疾病構造も変化し,認知症の問題が大きくなってきている。令和元年には認知症施策推進大綱が関係閣僚会議により取りまとめられ,認知症基本法案が衆議院閉会中審査の段階に入っており,国家戦略として認知症に対する施策が推進されようとしている。認知症施策推進大綱では認知症との共生と予防を両輪として推進するとしており,認知症者や家族に対するケア,認知症の重度化予防や発症遅延の取り組みが,今後推進されることになるだろう。ただし,財源は限られているので,有効かつ効率的な対策が求められており,実証研究によるエビデンスに基づいた標準的なケアや予防のあり方を示していく必要がある。それを基盤としつつ,対象者の状況に応じた柔軟な対応ができるのは理学療法士であると考えられ,認知症分野における理学療法士の役割は大きい。</p>
著者
谷川 聡 島田 一志 岩井 浩一 尾縣 貢
出版者
一般社団法人 日本体育・スポーツ・健康学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.75-85, 2008-06-30 (Released:2008-09-13)
参考文献数
34
被引用文献数
7 1

Walking, jogging and sprinting occur repeatedly in daily life and also many sports events. The present study was undertaken to clarify whether the different kinematic characteristics of sprinting movements between sprint-skilled athletes and non-athletes are common to the those of walking and running movements. Nine male athletes and eleven untrained male students were asked to perform walking, fast-walking and jogging at set speeds (walking: 1.5 m/s; fast-walking, jogging: 2.4 m/s), and sprinting at maximal speed. Walking, fast-walking and jogging movements were recorded by digital video camera and sprinting movement by high-speed video camera. Kinematic variables obtained from video analysis were compared between two groups and within each group. Double support time of fast-walking and contact time of jogging and sprinting were significantly shorter in athletes. Minimal knee angles in jogging and sprinting were significantly larger, and knee angular displacements and hip angle at left foot contact in fast-walking, jogging and sprinting were significantly smaller in athletes. Touch down distances were significantly shorter in all movements and right hip joint angle was small at right foot contact in fast walking, jogging and sprinting. Leg scissors movement was a characteristic of athletes. During the support phase, non-athletes tended to flex not only the knee joint but also the hip joint at foot contact, while athletes tended to keep on extending hip and knee joints. These results suggest that differences exist between two groups and that there are common characteristics of the movements in each group, which could be technically significant from a coaching viewpoint.
著者
岡崎 哲司 三原 敏敬 JoAnne S Richards Zhilin Liu 島田 昌之
出版者
日本繁殖生物学会
雑誌
日本繁殖生物学会 講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.102, pp.2, 2009

【目的】我々はブタ精液中の細菌数と精子運動性には負の相関関係が存在し、細菌感染の悪影響は細菌増殖抑制作用を示す抗生物質では効果はなく、グラム陰性菌膜成分のLPSを不活化させるPMBにより抑制可能となることを明らかとした。このことから、細菌から放出されるLPSが精子に直接的に影響を与えていると推察されるが、精子の細菌認識について、全く報告がない。そこで、本研究ではLPS及びグラム陽性菌膜成分を認識し、初期免疫応答を司るTLR4及びTLR2の精子での発現と、そのKOマウスを用いて、精子における自然免疫能の役割を解析した。【方法】8週齢の雄マウスの精巣上体から精子を回収し、LPSまたはTLR2リガンドPam3Cysで処理し、精子機能性解析のためのサンプルを経時的に回収した。また、一部の精子は体外受精あるいは人工授精に供試した。【結果】マウス精子においてTLR4とTLR2の発現がmRNA及びタンパク質レベルで認められ、TLR4は先体及び尾部に、TLR2は尾部に局在していた。WTマウスではLPSまたはPam3Cysの添加濃度依存的に運動・生存率は低下し、培養3時間までに先体損傷が観察された。さらに、これらの精子ではNFkBのリン酸化、Caspase-3の活性化が生じ、アポトーシスを誘起していた。一方で、<I>Tlr4-/-</I>マウス精子ではLPS、<I>Tlr2-/-</I>マウス精子ではPam3Cysによる運動性低下、先体反応は全く起こらず、Caspase-3によるアポトーシスも完全に抑制されたが、<I>Tlr4-/-</I>マウス精子にPam3Cys,<I>Tlr2-/-</I>マウス精子にLPS処理するとWTと同様の結果を示した。リガンドを暴露したWTマウス精子を用いた体外受精および人工授精では、受精・卵割率が有意に低下したが、KOマウスでは、それぞれのリガンドに対して受精能低下は起こらなかった。さらに、両遺伝子欠損マウスでは、精子の運動性は長期にわたり維持され高い受精率を示した。以上の結果から、精子は自然免疫能を司るTLR4、TLR2により精液中の細菌感染を認識し、自己の機能性低下やアポトーシスを起こすことで、受精能を低下させていることが初めて明らかとなった。
著者
林 幸 渡邊 玄 永田 和宏 島田 幸一
出版者
公益社団法人 日本金属学会
雑誌
まてりあ (ISSN:13402625)
巻号頁・発行日
vol.47, no.7, pp.364-367, 2008-07-01 (Released:2011-08-11)
参考文献数
15
被引用文献数
1 1
著者
島田 誠
出版者
公益財団法人 史学会
雑誌
史学雑誌 (ISSN:00182478)
巻号頁・発行日
vol.97, no.7, pp.1201-1220,1319-, 1988-07-20 (Released:2017-11-29)

From the late Republic to the early Empire there lived some people called provinciales in the Mediterranean World. And sometimes they were juxtaposed to Italici, who had originated from Italy or still dwelled in there. Most scholars think that they were peregrini (foreigners), who dwelled in the provinces. But a few scholars oppose them and assert that provinciales were the Roman citizens who resided in the provinces, and that Roman citizens who dwelled in Italy were called Italici. This paper is concerned with the following three problems : I.What was the status of provinciales? II.Were the Roman citizens who dwelled in Italy called Italici? And what is the nature of privilege called ius Italicum? III.Under what conditions could both provinciales and Italici exist? I.The author examines the usage of provinciales in the Latin literature and finds that some Roman citizens were called provinciales, but no foreigners were called provinciales. In turn the author scrutinizes the usage of the designations of foreigners, and concludes that in the Latin literature provinciales is carefully distinguished from the terms for the foreigners. This confirms that the term provinciales designates those Roman citizens who dwelled in the provinces. II.In the Latin literature, there are some Italici juxtaposed to provinciales, and they seem to be Roman citizens who dwelled in Italy. But under the Republic, some negotiatores doing business in provinces were also called Italici. So they might be thought of as men of Italian origin who resided in the provinces. The author investigates the designation of the Italian negotiatores in provinces using Latin inscriptions. He finds that they referred to themselves in two ways, 'Italici' and 'cives Romani (Roman citizens)'. Also he finds that the former designation was used before the 60's B.C. and the latter appeared after the 30's B.C. Hence, the author concludes that Italici from the late Republic were not men of Italian origin in provinces, but Roman citizens who dwelled in Italy. Next, the author attempts to reconsider the nature of ius Italicum. It usually is considered as (1)a communal privilege granted to communities whose status was identified with that of Italian municipalities, (2)communities, on which the privilege was conferred, which were regarded as the highest in the provinces, and which enjoyed autonomy, immunity, and the special right that their land could be held ex iure Quiritium by Roman citizens, (3)a privilege which was devised in the age of Augustus, in order to compensate the inhabitants of some communities for their loss of Italian status. However, the privilege appeared first in the middle of the 1st century A.D. And a Greek inscription records a Roman citizen woman as a person of Italian right without any mention of her community. Hence the author makes the following assumptions : i)The privilege granted to the groups of Roman citizens whose status was identified with that of those who dwelled in Italy ; ii)The privilege was devised in the middle of 1st century A.D., in order to reconcile the conflict between provinciales and Italici ; iii)From the 2nd century the discrimination between them became obsolete, so the ius Italicum began to be thought of as a communal privilege. III.Finally, the author considers the historical and social conditions on which both provinciales and Italici could exist. The distinction between them requires certain conditions ; i.e., that almost all inhabitants in Italy were Roman citizens but in provinces Roman citizens dwelled among foreigners. Under these conditions the idea that Roman citizens had to dwell in Italy became fixed, and Italici began to discriminate against provinciales. This discrimination soon disappeared, and in A.D.212 almost all the inhabitants of the Roman Empire became Roman citizens. After that, provinciales came to mean the inhabitants in provinces.
著者
石井 亮 土基 善文 稲場 道明 上原 北斗 島田 伊知朗 木村 俊一
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

A型クライン特異点の極小解消上の例外集合に台を持つ連接層の導来圏に関して, Bridgelandの定義した安定性条件の空間を決定し, 特にそれが連結かつ単連結であることを示した. また, ダイマー模型にそれぞれ適当な条件を課すと, 付随する箙の表現のモジュライ空間が, 対応する3次元特異点のクレパント解消になり, 箙の道代数はその非可換クレパント解消であることを示した. 特殊McKay対応との関係も明らかにした.
著者
富永 篤 西川 完途 中田 友明 島田 知彦
出版者
琉球大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

アカハライモリ5遺伝集団の分類学的関係の解明のため、集団遺伝学的解析に加えて、飼育下での配偶行動の観察と比較、性フェロモンの地理的変異の把握を行った。また、各系統の潜在的な生息適地を推定した。その結果、北日本と中部日本系統、中部日本と西日本系統は交雑帯を形成しつつも独自性を維持していること、北日本系統の東北集団と関東集団間には遺伝的にも形態的にも緩やかなクライン状の変異がみられることを確認した。系統間の分布境界では境界を挟んで配偶行動と性フェロモンの組成に明瞭な地理的変異がみられることを確認した。生息適地解析では、現在の交雑の実態と各系統の潜在的生息適地に関連がありそうであることを確認した。