著者
後藤 幸弘
出版者
関西医科大学医学会
雑誌
関西医科大学雑誌 (ISSN:00228400)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.353-383, 1983-06-20 (Released:2013-02-19)
参考文献数
71

The purpose of this study is to examine the relationship between the amount of muscle electrical activity and oxygen requirement as to the speed changes in walking and running, and also to determine electromyographically the optimum speed and the metabolic intersection speed of walking and running, that were reported by former investigators.Twenty-two young trained male adults participated in the experiment. They were all athletes who belonged to university sports clubs.EMG activity in the right leg w as measured through two surface electrodes placed 2.5cm apart on the belly of each muscle as shown below. The following muscles were monitored in all subjects.Tibialis anterior (T.A.), Soleus (So.), Gastrocnemius (L.G.), Vastus medialis (V.M.), Rectus femoris (R.F.), Biceps femoris (B.F.), and Gluteus maximus (G.M.).The subjects O.O. and U. E. had additional muscles monitored as described below:Rectus abdominis (R.A.), Sacrospinalis (Sac.), Deltoid anterior portion (D.A.), Deltoid posterior portion (D.P.), Triceps brachii (T.B.), and Trapezius (Trape).The EMG signal was amplified and recorded by a multipurpose electr oencephalograph (San-ei Type IA-14) (paper speed: 3cm/sec, sensitivity: 6 mm/O.5mV, time constant: 0.01 sec). Simultaneously it was integrated with a Miller's circuit (Nihonkouden Integrator RFG-5).
著者
後藤 幸大 岡 英輝 横矢 重臣 橋本 洋一 越後 整 塩見 直人 武澤 秀理 田邑 愛子 藤井 明弘 日野 明彦
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.40, no.5, pp.357-361, 2018 (Released:2018-09-25)
参考文献数
9

頭痛・頸部痛など解離に伴う痛みで発症した椎骨動脈解離は比較的予後良好とされるが,その中にくも膜下出血(subarachnoid hemorrhage: SAH)を来し予後不良となる例がある.いずれの例がSAH を来すのか予め把握するのは困難だが,痛みで発症した椎骨動脈解離を初診時に確実に診断することが重要である.当院初診時に診断に至らず,SAH を発症し再受診した4 例を検討し報告する.4 例は年齢層,頭痛や頸部痛が中等度以上かつ悪化すること,時間外に救急外来を受診していることが一致していた.再診後は速やかに血管内治療を行い,退院時mRS 0 が2 例,mRS 4 が2 例だった.日常診療において上記のような患者に遭遇した場合,椎骨動脈解離を念頭にbasi-parallel anatomical scanning を含めた頭部MRI/MRA,頭部造影CT を考慮すべきである.SAH を来し再受診した場合,速やかな治療で予後良好となる可能性がある.
著者
後藤 幸生 中川 隆 重見 研司
出版者
日本循環制御医学会
雑誌
循環制御 (ISSN:03891844)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.180-189, 2018

大脳皮質が損なわれ意識がなくても、その皮質下の脳内情報中継基地としての視床や各種の核といった箇所からの下行性伝達情報は心臓にも反映している。そこで、重篤状態で終末期を迎えた患者で、生命が燃え尽きる寸前に一時的に高まる生命反応を分析するため、それぞれ特殊性を有する4 つの「バランス指数」を用いて、各々の角度から、これを通常の睡眠REM 期の夢みる状態や全身麻酔中の無意識状態を分析した場合と比較し検討してみた。まず、その測定分析法として、自然界の '1/f ゆらぎ音波' が我々の体内にあるゆらぎ現象に同期すると 'こころ' が癒され '心地よい気分' になるという音響学的理論をヒントに、脳中枢から心臓へ伝達されている情報に注目し、そこで生命そのものである心臓の '心拍リズムのゆらぎ変動' に隠された情動因子を検出し 'こころ' の面を分析することを考えた。その目的で、小型メモリー心拍計で1 ms という微細な時間単位で検出したゆらぎの時系列数値データをパソコンに取り込み、一定のソフトによる1/f-like spectrum analysis 法によってエクセル化した時系列数値を一定の手順で処理し、生命調節力を示す指標としての4 つの「バランス指数」を算出した。その結果、従来からの交感、副交感神経機能という2つの指標でみた反応では不明確であったが、この4つのバランス指数の中の一つSV-Bal-I(Sympatho-Vagal-Balance index)値が死直前になると急激に高まり、同時に情動反応を意味するAs-Bal-I(All-spectrum-band-Balance index)値もSV-Bal-I 値の上昇をしばしば急激に大きく上回り、情動反応が大いに高まっていることを示すものと考えられた。また、この現象が睡眠REM 期の夢現象によく似た反応であること、このAs-Bal-I 値が1.5 以下でかつ低目のSV-Bal-I値を示していた場合は平穏な終末を迎えたこと、他方SV-Bal-I 値も高くかつAs-Bal-I 値が2.0 以上と高まっていたものは、何らかの苦痛を伴う幻想を抱いての終末だった可能性が推測された。この様に、「バランス指数」は錐体外路系情報をも含む幅広い脳中枢全体からの情報を分析するための有意義な指標となると考えられた。
著者
松本 靖 後藤 幸弘
出版者
Japanese Society of Sport Education
雑誌
スポーツ教育学研究 (ISSN:09118845)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.89-103, 2007

小学校5年生児童を対象に、戦術の系統に基づいて考案した7つの「課題ゲーム」を中心とする学習過程を適応した実験群 (TG群) と、「5対5のミニゲーム」とゲームで発見した課題を練習する学習過程を適応した対照群 (NG群) を設定し、両群の学習成果を比較した。結果は以下の通りである。<br>1) 個人的技能 (8の字ドリブルの得点、ボールリフティング回数、トラップ回数、ならびにパスの正確性) は、両群ともに向上が認められた。<br>2) 集団的技能 (攻撃完了率、仲間との関わり率、連係シュート率) は、両群ともに向上した。しかし、TG群では単元後半に顕著な向上を示し、NG群との間に有意差がみられるようになった。<br>3) シュートに至るプレーパターン (8種類) の出現種類には、両群間に差はみられなかった。しかし、スルーパス、ワンツー、ポスト、およびオーバーラップからのシュートの出現頻度は、TG群では増加したが、NG群には増加はみられなかった。また、相手クリアーミスとドリブルからのシュートの出現頻度は、TG群では減少したが、NG群では前者は増加し、後者には変化はみられなかった。<br>4) 単元終了時における戦術行動の出現頻度は、いずれもTG群の方が多く、スルーパス、ポストにおいて顕著な差がみられた。<br>5) 授業の自己評価は、TG群の方がNG群よりも有意に高値を示した。さらに、記述内容においても、「技や力の伸び」では、TG群はパスの正確性に関することが多く、NG群は個人技能に関することの多いことが認められた。また「新しい発見」では、TG群はボール非保持者の動きに関することが多く、NG群は守備の仕方に関することが多く認められた。さらに、「楽しさ」では、TG群は、集団技能に関するものが多いのに対して、NG群は、精一杯の運動、勝敗に関するものが多かった。<br>6) 態度測定の「価値」ならびに「評価」尺度の得点は、TG群の方が高いことが認められた。<br>7) 戦術行動の認識度は、両群ともに有意に向上したが、単元終了時の成績は、攻撃に関わる成績の差によってTG群の方が高値を示した。<br>8) 学習ノートにみる作戦は、TG群では 『スローガン的作戦』 から 『パスパス作戦』 『状況把握攻撃作戦』 に変化した。これに対し、NG群では 『スローガン的作戦』、『役割分担守備作戦』 から 『守備を固めて速攻作戦』 に変化し、守備に焦点化された作戦に終始していた。<br>9) サッカーの学習が楽しかったと答えた児童は、両群ともに増加した。また、その増加は、TG群の女子において顕著に認められた。<br>10) 戦術行動認識度テストと授業の楽しさ得点の間には、有意な相関関係が得られ、戦術に関わる認識が高まり、それをゲームで発揮できるようになれば、児童はサッカーの授業を楽しめるようになることが示唆された。<br>以上のことから、戦術行動の系統を基に考案した「課題ゲーム」を中心とする学習過程は、児童に戦術行動を認識させることによって、個人技能や集団技能を高め、楽しさを感じさせ得ることができ、体育授業に対する愛好的態度をも高め得ることが認められた。<br>ところで、本研究で用いた「課題ゲーム」は、攻撃に焦点をあてて作成し、攻撃の認識の高まりとともに守備の認識の高まりを期待した。しかし、攻撃に関する認識は高め得たが、守備に関する認識度をNG群以上に向上させ得なかったという問題が認められた。これには、守備は受動的になるためゲーム状況を記憶できにくいことに加え、攻撃側に数的優位を保障した本研究の「課題ゲーム」では、完全な防御が不可能であったことの影響が考えられた。この点については、今後さらに検討する必要がある。
著者
江木 盛時 内野 滋彦 森松 博史 後藤 幸子 中 敏夫
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.21-26, 2009-01-01 (Released:2009-07-25)
参考文献数
30
被引用文献数
2 1

過去に報告された無作為化比較試験(randomized controlled trial, RCT)で有効であるとされた治療法が,その後に行われたRCTで否定されることがある。その原因として,過去のRCTが有意差の得られやすい条件で施行されていることが挙げられる。RCTは,この条件を踏まえた上で考察することが重要である。その三要素として,(1)subgroup analysis, (2)single center open label study, (3)early terminationが挙げられる。(1)Subgroup analysisは,統計学的検討回数を増やすことで,(2)single center open label studyは,ホーソン効果と治療の浸透性により,(3)early terminationは,random highと統計学的検討回数の増加により,偽陽性の確率を高める。これらの手法を用いて得られたRCTの結果は,慎重に吟味する必要がある。
著者
後藤 幸生 山原 武
出版者
The Japanese Respiratory Society
雑誌
日本胸部疾患学会雑誌 (ISSN:03011542)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.155-161, 1975-03-25 (Released:2010-02-23)
参考文献数
14

In this report, a resuscitated case of 54 year old female who developed the pneumothorax following the asthmatic attack and led to acute asphyxic state was described in detail.At first, the dangerous course to acute asphyxic death resulted in regarding the psychosomatic factors seriously and the withdrawal of steroid hormone. The general conservative treatment for the attack of serious bronchial asthma was done. But this attack became very serious because of the rupture of the alveolar wall caused by the increase of intrapulmonary pressure. In this circumstance, it is an only lifesaving method to do the controlled ventilation and bronchopulmonary lavage under the intratracheal intubation as the limit to conservative treatment. Therefore the prolonged respiratory management in ICU is needed to release the airway resistance rised. In this case, the control of the continuous oxygen humidification therapy, the maintenance of acid-base balance and the administration of some neuromuscular blocking agent and sedativa during mechanical ventilation were required. In addition, the importance of nutrition must be emphasized during the management of long time intensive respiratory therapy. The patient was succeeded in lifesaving after prolonged respiratory management such as controlled respiration for six days and assisted respiration continuously under the tracheotomy done in the third day, though the movement of extremities were disturbed. And her consciousness was recovered in half a month. It is known that the sitting position are more comfortable to patient than supine in asthmatic attack. This fact was confirmed in this case by the data of both the respiratory and circulatory functions.
著者
灘本 雅一 山下 将貴 日高 正博 後藤 幸弘
出版者
日本教科教育学会
雑誌
日本教科教育学会誌 (ISSN:02880334)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.71-82, 2017

本稿は,ベースボール型ゲームの戦術の系統に基づいて考案された三つの「課題ゲーム」の積み上げ単元学習の有効性を明らかにすることを目的とした。すなわち,小学校5年生を対象に「フォースアウト・ハンドベース」,「ラケット・ベースボール」,「シフトプレイ・ソフトボール」の三つの「課題ゲーム」の技能的側面(個人的技能・集団的技能),戦術の認識的側面,情意的側面および態度的側面の学習効果についてノーマルゲームを中心に学習する対照授業との比較から検討した。その結果,「課題ゲーム教材」の積み上げ単元学習は,個人的・集団技能を向上させ,戦術行動の認識度を対照授業よりも向上させることが認められた。また,情意的側面及び態度的側面の成果を高め,体育授業に対する愛好度を高め得た。以上のことから,課題ゲーム教材の積み上げ単元学習は,有効性が高いと考えられた。
著者
大田 典之 藤野 裕士 後藤 幸子
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

免疫細胞に対する代表的な鎮静薬であるベンゾジアゼピン系薬物の影響を解析する過程でヒトとマウスの細胞に対する影響を評価した。ヒトのマクロファージの細胞株であるTHP-1とマウスの単球マクロファージ細胞株であるRAW264用いた解析を進めた。ベンゾジアゼピンの代表として水溶性の鎮静薬であるミダゾラムを用いた。ミダゾラムはLPSによってTHP-1, RAW264に生じる炎症性サイトカインの分泌と副刺激分子の発現が抑制された。ミダゾラムの作用分子であるGABA受容体ともう一つの作用分子であるTSPOの関与を解析した。TSPOの分子を欠損させた細胞株を作成してTSPOの関与を分子レベルで明らかになった
著者
後藤 幸 加藤 聡之 橋本 理恵 榊原 隆志 足立 守
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.236-241, 2008-12-29 (Released:2016-12-28)
参考文献数
8

吸入薬を使用中の呼吸器疾患症例では吸入再指導が重要である.今回,吸入継続中にどういう点ができなくなるのかを検討した.その結果,(1)吸入器の一連の操作を確認し,できていない点のみを是正する,(2)「吸入前の深呼気」,「吸入後の息止め」を再徹底する,(3)薬剤の効果と病態を再教育する,が再指導時の重要ポイントと考えられた.多忙な日常業務のなかではこれらに重点を置けば有効な再指導につながると思われる.
著者
後藤幸功 長野 央 荒木 啓二郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.104, pp.115-120, 1997-11-06
参考文献数
6
被引用文献数
8

インターネットを使用した動画像アプリケーションは,品質が保証された通信を必要とするためRSVPなどを用いて資源予約を行なう必要がある.しかし,RSVPとIntegrated Serviceで規定されている品質のパラメータはユーザが動画像が要求する品質パラメータと異なるため,動画アプリケーションはRSVPを使用して要求するパラメータとは他にユーザから動画アプリケーションに要求する品質パラメータの値を送信者に送る必要がある.本稿では,ユーザが動画アプリケーションに対して要求するパラメータを考察し,RSVPを用いて資源予約可能な動画アプリケーションを実装するための機能のモデルを提案した.Movie applications on the internet need to use RSVP (Resource Reservation Protocol) which is one of reservation protocol on the internet to guarantee of QoS. However, QoS parameters which are described in drafts of RSVP and Integrated Service by IETF differ with QoS parameters which are required from users to movie application. "Therefore it is need the system which send QoS parameters required user to the movie server beside RSVP. In this paper, we discuss QoS parameters which are required by users and proposed the model of system for the implementation of movie application which guarantees QoS using RSVP.
著者
後藤 幸夫 駒谷 喜代俊 福田 豊生
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌. D, 産業応用部門誌 = The transactions of the Institute of Electrical Engineers of Japan. D, A publication of Industry Applications Society (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.116, no.5, pp.569-577, 1996-04-20
参考文献数
16
被引用文献数
25 6

Increasing vehicular traffic are causing traffic jam and social economic loss in recent years. Dynamic traffic management systems based on actual traffic conditions are expected to reduce these problems. Computer simulation is a powerful tool to evaluate the system performance of new traffic management system, since it is difficult to evaluate it under various traffic conditions in the real world due to huge costs and safety concerns.<br>In this paper, we propose a new microscopic traffic simulation model by object-oriented programming style. In this model, the street network is composed of nodes and links and vehicles run autonomously in the street network. The autonomous vehicle movement model is composed of decision model that depends on the driver's character and vehicle motion model that depends on the attribution of the vehicle. Then, we analyze the quality of our proposed model and show the effectiveness for evaluating the performance of the traffic management systems.
著者
松本 充弘 平尾 収 木岡 秀隆 大橋 祥文 大田 典之 後藤 幸子 内山 昭則 藤野 裕士
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.185-189, 2010-04-01 (Released:2010-10-30)
参考文献数
11

患者は18歳女性。神経性食思不振症(anorexia nervosa, AN)のため,当院精神科に入院した。入院後,低血糖発作による意識レベルの低下を認めた。ブドウ糖液投与にて意識は改善したが,心臓超音波検査(ultrasonic echocardiogram, UCG)にてたこつぼ型心筋症の像を認めた。また血液検査にて血清リン値が0.9 mg·dl−1に低下していたため,refeeding syndromeと診断され,ICU入室となった。入室後,血清リン値をはじめ適宜電解質の補正をしながら徐々に投与カロリーの増加を図った。電解質,体重の改善を認め,入室後16日目にICU退室となった。長期間低栄養状態にある患者に対して栄養投与をする場合,バイタルサインや水分バランス,リンを含めた電解質異常を注意深く観察しながら治療すること,また投与カロリーの増加を緩徐に行うことが重要である。