著者
横串 算敏 成田 寛志 瀧内 敏郎 山下 敏彦 野坂 利也
出版者
社団法人日本リハビリテーション医学会
雑誌
リハビリテーション医学 : 日本リハビリテーション医学会誌 (ISSN:0034351X)
巻号頁・発行日
vol.33, no.7, pp.488-491, 1996-07-18
被引用文献数
3

5例の下腿切断者を対象に, ICEROSSを使用したTSB義足とPTB義足の比較検討を行った.歩行時の安定感, 総合評価の点では, 全例がTSB義足はPTB義足より優れていると評価した.運動学的評価では, TSB義足歩行時の遊脚後期と立脚初期での加速度垂直成分は, PTB義足歩行時に比べ有意に減少していた.歩行時の膝関節屈曲角度は, 両義足間で差はなかった.
著者
吉澤 一巳 成田 年 鈴木 勉
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.142, no.1, pp.22-27, 2013 (Released:2013-07-10)
参考文献数
40
被引用文献数
1

オピオイド鎮痛薬による薬物療法は,がん性疼痛に限らず非がん性疼痛に対してもその有用性が報告されている.しかしながら,米国では慢性非がん性疼痛患者に対するオピオイド鎮痛薬の使用量が急増するとともに精神依存をきたす患者も増えていることが問題となっている.一方,幅広い臨床経験からがん性疼痛治療にオピオイド鎮痛薬を適切に使用する限り,精神依存は問題にならないことが知られている.また我々は,これまでの基礎研究において疼痛下ではオピオイド鎮痛薬に対する精神依存の形成が著明に抑制されること,さらにその抑制機序も明らかにしてきた.従って,「オピオイド鎮痛薬は安全な薬」という安易なメッセージではなく,オピオイド鎮痛薬の適正使用の本質を理解することが重要と考える.そこで本稿では,オピオイド鎮痛薬の非疼痛下における精神依存形成機構と疼痛下における精神依存不形成機構を中心に,臨床における依存の発現状況と予防・治療に関する知見を交えて概説する.
著者
成田 真紀 福田 眞人 平井 勝利 氏原 暉男
出版者
信州大学農学部
雑誌
信州大学農学部紀要
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.59-64, 1998-09-30

本論文はケシ(Papaver spp.)の起源と伝播やその栽培や利用について精査し,また薬物の一つで法的には麻薬として扱われている阿片(あへん:けしの液汁が凝固したもの及びこれに加工を施したもの[医薬品として加工を施したものを除く]をいう)について論考したものである。原料となるケシの植物学的記載や日本への伝来・栽培の歴史的変遷についても言及し,更に阿片の医薬品あるいは薬物としての利用及び法的規制の歴史についても考察を試みた。本稿では(1)ケシの原産地と植物学的記載(2)阿片の医薬あるいは薬物としての特性に関する歴史的考察(3)日本でのケシ栽培と阿片の歴史という三項目を立て,今までのケシと阿片の起源と伝播に関する研究を取りまとめ,先行研究ではいまだ解明されていない日本の阿片について史実を明らかにすることを研究の目的としている。
著者
成田 穂 木村 大毅
出版者
人工知能学会
雑誌
2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)
巻号頁・発行日
2019-04-08

AlphaZeroに代表されるようなモンテカルロ木探索と深層強化学習の組み合わせにより、素晴らしい高い性能が達成されているが、その計算コストは高く、また長い計算時間がかかるという問題点がある。本研究では、MCTSをベースとして、「失敗度」の概念を取り入れたアルゴリズムを提案する。失敗度は効率的な探索を可能にし、学習時間を削減する。これにより、エージェントは勝敗を分ける重要な局面を重点的に探索することが可能になる。我々の手法は最初の数イテレーションでAlphaZeroを超える性能を示した。
著者
成田 亮子 加藤 和子 長尾 慶子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.18, pp.153, 2006

[目的]食事が多様化されるなかで、正月の雑煮として欠かすことのできない餅について、家庭における行事と餅がどのように受け継がれてきているかの摂取状況調査を行った。<BR>[方法]調査対象は、本学家政学部栄養学科並びに短期大学部栄養科に在籍する学生170名である。調査期間は、2004年5月から9月とした。<BR>[結果](1)鏡餅について:正月に鏡餅を供える家庭が82%、供えない家庭が18%であった。入手方法の内訳では、スーパーで購入が66%、家庭で作るが30%、米店・和菓子店で購入が4%である。また、鏡開き後の餅を食する家庭が75%であり、食べ方としては、汁粉など小豆を使用する料理が27%、次いで焼く(磯部巻き・あべかわ)が14%、雑煮(12%)、揚げ餅(10%)であった。その他にチーズ巻き餅、ピザ餅といった回答も少数みられた。(2)雑煮について: 100%の家庭において食されていた。餅の種類では角餅の餡なしが87%を占め、餅の加熱方法では焼いてから入れるが76%と多く、次いで茹でる(12%)、生(11%)、電子レンジ(1%)であった。(3)餅を食する機会:正月のみが35%であり、年間を通して20回以上食する家庭も25%と多い。その餅を常備している家庭が25%、必要に応じて購入する家庭が67%であった。(4)餅に対する嗜好・イメージ:餅が好きと回答した学生が92%と多く、好きな餅料理では、雑煮、磯部巻き、あべかわ、汁粉、納豆餅と和風料理が94%を占めた。その他に、バター海苔餅、チーズ巻き餅、ピザ餅、ピザ餅グラタン、キムチ餅、キムチ鍋などの洋風アレンジが5%みられた。学生に餅から受けるイメージ語を自由記述させると、'雑煮'、'正月'、'おいしい'が多く出現した。
著者
浅川 満彦 織田 銑一 原田 正史 成田 裕一 子安 和弘 チェチューリン A. I. ドブロトボルスキー A. K. パノフ V. V. ボロデイン P. M. フェドロフ K. P.
出版者
日本生物地理学会
雑誌
日本生物地理學會會報 = Bulletin of the Bio-geographical Society of Japan (ISSN:00678716)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.11-14, 1995-11-20
被引用文献数
1

As a part of the Science Exchange Program between Nagoya University and Russian Academy of Sciences, heligmosomid nematodes of the small mammals captured in the adjacent area of Akademgorodok City, West Siberia, Russia was investigated in summer, 1994. The host materilas of the survey were 27 individuals of the Soricidae and 60 individuals of the Muridae, and its specific names were shown below; Sorex araneus, S. caecutiens, S. isodon, S. minutus, S. tundrensis, Apodemus agrarius, A. peninsulae, Clethrionomys glareolus, C. rufocanus, C. rutilus, Microtus agrestis, M. arvalis, M. gregalis and M. oeconomus. Among them, Longistriata depressa was obtained from S. araneus, S. isodon, S. minutus and S. tundrensis, and Heligmosomoides neopolygyrus was obtained from A. agrarius and A. peninsulae, respectively. However, there was no heligmosomid obtained from the genera Clethrionomys or Microtus. This is the first host record of L. depressa from S. isodon and S. tundrensis, and the locality record of H. neopolygyrus from West Siberia.
著者
渡邊 博之 成田 祐一 大山 勝徳 加瀬 澤正 武内 惇 竹中 豊文
雑誌
研究報告 高度交通システム(ITS)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.3, pp.1-8, 2011-06-17

災害時に現在地から避難所までの最短経路を地図上に提示することは,安全で迅速な避難を行うために重要である.本研究では,国土地理院発行の数値地図 2500 を基に ID とグループ番号を付けて道路を作成する方法を提案している.避難所や通行不能箇所は XOOPS をプラットホームとしてデータベースに登録している.現在地は,携帯電話では GPS や基地局,WiFi 付ノート PC ではアクセスポイントを基に測位し,避難所までの最短経路をダイクストラ法で求め,移動経路と共に提示している.実験運用の結果,GoogleMapsAPI 関数では公道を辿るが,数値地図 2500 では実際の避難経路に近い提示ができた.本手法と実測値との誤差は 6% であり,実測値は横断歩道や道路の 凸凹 で長めとなることを示した.It is important to present the shortest path from the current location to the shelter on the map for finding shelters safely and rapidly in the case of a disaster. In this research, the method of making many paths is proposed by the assignment of ID and group number based on the digital map 2500 of the Geospatial Information Authority of Japan. XOOPS is one of the platforms used for the registration of shelters, paths, and broken paths to data base. The present location is estimated by a cellular phone, or estimated by a laptop computer with WiFi, based on the access point. The shortest path by Dijkstra method, and the walking path are presented. As a result of experimental use, it could be shown that the path of the digital map 2500 gives better matches for the actual walking paths more often than the GoogleMapsAPI function. The relative error by the calculation value and the measurement value was 6%, and it showed that the measurement value was longer than the calculation value due to bumps in the crosswalk and the slope.
著者
成田 泉 関 理恵 澤田 美佳 水内 豊和
出版者
富山大学人間発達科学部発達教育学科発達福祉コース
雑誌
とやま発達福祉学年報 (ISSN:21850801)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.33-44, 2017-05-31

本研究では、保育所で行われている保育カンファレンスと保育実践の循環とその効果から、障害のある子どもに関する保育カンファレンスのあり方について検討した。その結果、「多様な意見やアイディアがでる保育カンファレンスであり、さらに子どもの姿から、保育実践を再考することができるような保育カンファレンスであること」、「園全体の共通理解を促進し、保育者が共通した保育方針をもつことができる保育カンファレンスであること」、「子どもの興味や関心から保育方法を探り、保育実践につなげることのできる保育カンファレンスであること」の3つが障害のある子どもを支援し保育者の効力感在高める保育カンファレンスのあり方として重要であることが示唆された。
著者
仁枝 元良 吉田 敦 片岡 通明 有馬 政登 鳴海 馨 成田 久雄 笹崎 郁雄 宮城島 実香
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.第41回, no.人工知能及び認知科学, pp.85-86, 1990-09-04

AI開発環境として開発される多くのツールは,従来開発に利用されてきたシステム構築のためのツールや技法とは異なった文化を背景としており,知識処理システムは従来のシステムと独立して開発される場合が多かった.そのためにエキスパートシステム(以降ESという)開発ではLISP,PROLOGベースで固有のモデルを構築するため以下の問題が発生していた.・省資源,高性能の知識処理システムの構築が難しい.・データベース,ネットワークなどの既存システムとの融合が難しい.これらの問題を解決するために,COBOLベースのES構築支援ソフトウェアーYPS/KR(YacII Programming System/Knowledge Representation)を開発し,既存システムとESの自然な融合を実現した.YPS/KRのシステム構成は以下のとおりである.・WS上でのモデル編集/構築を行う開発環境・ホスト上で実行するために知識表現形式をCOBOLに変換するYPS/KRであり,COBOLのプリプロセッサである.本論文ではオブジェクト指向とイベント駆動型推論を中心にYPS/KRの概要について述べる.
著者
成田 爽子 牧野 美里
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.48100262-48100262, 2013

【はじめに、目的】厚生労働省の平成22 年の国民生活基礎調査によると、12 歳以上の者(入院者は除く)について、日常生活での悩みやストレスの有無別構成割合をみると「ある」46.5%となっている。運動とストレスの関係について論文検索をしたところ、運動によりストレス軽減効果が得られるとしている文献が多数みられた。その評価指標として、主観的指標を用いているものが多く、客観的指標を用いているものは比較的少なかった。そこで、今回の研究では運動によりストレスの改善ができるかどうかを客観的に評価することを目的とした。【方法】健常男子学生16 名(年齢:21.5 ± 2.27 歳、身長:175.13 ± 3.93cm、体重:68.69 ± 9.41kg) を対象とした。主観的指標として日本語版Profile of Mood States短縮版(以下POMS短縮版)、客観的指標として心拍変動周波数成分(LF/HF:交感神経活動指標、HF:副交感神経活動指標)の2 分間の平均と唾液アミラーゼ活性を用いた。対象者はPOLAR社製スポーツ心拍計RS800<sub>CX</sub>(以下:心拍計)を装着し、安静閉眼座位にて10 分間の休憩を取った。自転車エルゴメーターにて20 分間の運動と1 分間のクールダウンを行い、運動前後で、上記の評価を行った。尚、運動強度は、50%HRmax、50 回/分を目安として快適に運動を続けることができる負荷量を事前に決定した(52.5 ± 14.76W)。周波数解析は付属のソフトを用いて行い、統計処理にはStatcel3 を用い、対応のあるt検定(抑うつ−落ち込み、怒り−敵意、唾液アミラーゼ活性、LF/HF)及びWillcoxon符号付順位和検定(緊張−不安、活気、疲労、混乱、HF)により行った。有意水準は5%未満とした。【倫理的配慮、説明と同意】全ての被験者には事前に本研究の目的や方法、参加への同意・撤回の自由、プライバシー保護の徹底について説明を行い、書面にて同意を得た。【結果】POMS短縮版の各項目において運動前後で有意差は見られなかったが、緊張−不安(前43.44±9.68点、後40.69±7.28点)、抑うつ−落ち込み(前45.44 ± 8.55 点、後44.19 ± 7.84 点)、怒り−敵意(前41.88 ± 7.85 点、後40.5 ± 5.92 点)、混乱(前46.19 ± 5.39 点、後44.31 ± 4.67 点)の項目のT得点の減少が見られ、活気(前42.06 ± 14.27 点、後44.50 ± 14.42 点)の項目でT得点の上昇が見られた。唾液アミラーゼ活性(前40.88 ± 41.97KU/L、後20.25 ± 24.06 KU/L)においても、運動前後で有意差は見られなかったが、数値の減少が見られた。つまり、これらの項目ではストレスを改善する傾向がみられた。また、有意差は見られなかったが、POMS短縮版の疲労(前44.88 ± 10.36 点、後47.56 ± 9.99 点)の項目のT得点が増加した。副交感神経の指標であるHF成分(前447.99 ± 429.42ms <sup>2 </sup>、後195.53 ± 184.97ms <sup>2 </sup>)において有意に減少し、交感神経の指標であるLF/HF(前570.14 ± 1248.07、後499.84 ± 317.05)は、ほぼ変化はなかった。【考察】本研究では、運動によりストレスの改善ができるかどうかを客観的に評価することを目的として実験を行った。「リラクセーション状態=ストレスのない状態」と解釈され、心身のリラクセーションの評価法については未だに十分に整理されているとは言い難いとされており、ストレスの評価法についても同様であると考えられる。本研究においても、主観的評価や唾液アミラーゼ活性ではストレス改善傾向を示しているが、有意差は見られていない。また、副交感神経の指標であるHFの減少に関しても、運動によって副交感神経活動が減少することは既に示されている。今回は運動直後のHFを解析したためにHFが有意に低下したと考えられ、それ以降のHFの推移を追っていくことが重要だったのではないかと思われる。また、50 〜80%HRの運動によってストレス軽減効果が得られるとされているが、乳酸性作業閾値以上の運動によりストレスホルモンである副腎皮質刺激ホルモンが亢進し、交感神経系が亢進すると言われているため、低負荷の運動でもストレス軽減効果が見られるか等、運動強度についても再検討する必要があると考えられる。これらのことから、客観的にストレスを評価できたとは言い難いが、運動強度や評価指標、評価を行うタイミング等の実験方法を再検討することで、ストレスを客観的に評価することができる可能性があると考えられる。【理学療法学研究としての意義】現代ではストレスを抱える人が多く、運動療法を行うことによって身体的な障害のみでなく精神的なストレスを改善することができるならば、QOLの向上につながると考える。そのためには、運動とストレスの関連を把握し、ストレスを評価する指標が必要であり、本研究はその一助となると思われる。更に、運動強度や評価指標など、実験方法を再検討することで、患者への臨床応用も可能となると考えるため、理学療法学研究として意義があると思われる。
著者
仁枝 元良 吉田 敦 片岡 通明 有馬 政登 鳴海 馨 成田 久雄 笹崎 郁雄 宮城島 実香
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.41, pp.85-86, 1990-09-04

AI開発環境として開発される多くのツールは,従来開発に利用されてきたシステム構築のためのツールや技法とは異なった文化を背景としており,知識処理システムは従来のシステムと独立して開発される場合が多かった.そのためにエキスパートシステム(以降ESという)開発ではLISP,PROLOGベースで固有のモデルを構築するため以下の問題が発生していた.・省資源,高性能の知識処理システムの構築が難しい.・データベース,ネットワークなどの既存システムとの融合が難しい.これらの問題を解決するために,COBOLベースのES構築支援ソフトウェアーYPS/KR(YacII Programming System/Knowledge Representation)を開発し,既存システムとESの自然な融合を実現した.YPS/KRのシステム構成は以下のとおりである.・WS上でのモデル編集/構築を行う開発環境・ホスト上で実行するために知識表現形式をCOBOLに変換するYPS/KRであり,COBOLのプリプロセッサである.本論文ではオブジェクト指向とイベント駆動型推論を中心にYPS/KRの概要について述べる.