33 0 0 0 OA 人工地震の役割

著者
早川 正巳
出版者
Tokyo Geographical Society
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.81, no.1, pp.27-47, 1972-02-25 (Released:2010-02-25)
参考文献数
7

人工地震・地震探査あるいは地震探鉱という言葉はすでに我々には耳なれたものであるが, 案外, その利用や現状については知られていないこともある。編集委員会からの要望に応えて, ここに筆をとつた。利用などかなり広範囲なので不充分な点があると思う。おゆるしいただきたい。上にしるした三つの言葉の意味は, 大体同じようなものであるが, はじめの方ほど広い意味ぐらいにとつてもらえばよかろう。本文でははじめの人工地震を用いることにする。人工地震はどのようにして発展してきたのであろうか, 最初は石油, 石炭などの地下資源をしらべることから始まつたのであるが, 次第にその応用も広まり, 更には地殻の構造解明にまで発展してきた。そのためには陸地のみならず, 海洋においての人工地震の技術が大いにあずかつて力となつたのである。ここではまず, 前半ではこれらの人工地震の歴史をひもとき, またその歴史と関連して, その技術の進歩が如何にその時々の関連学問, 技術の発展や社会情勢の影響をうけたかをふり返つてみる!後半では人工地震でしらべられる構造をその規模の大小に応じて, 小さな方から順次大きな方に実例を用いて説明してゆくことにする。
著者
服部 尚道 黒岩 俊之 早川 正 吉住 陽行
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 = Concrete journal (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.275-281, 2012-03-01
参考文献数
11

京急蒲田駅付近連続立体交差事業における高架橋築造工事では,営業線直上に高架橋を構築するため,移動式直接高架施工機とハーフプレキャスト(以下,HPCa)工法を組み合わせた直接高架工法を適用した。移動式直接高架施工機は,基礎杭打設と部材架設が行える施工機である。HPCa工法は工場製作のプレキャスト部材を現地で組み立てラーメン高架橋を構築する技術で,梁とスラブに適用した国内2件の工事実績がある。本稿では,柱に初めてHPCa工法を適用した本事業における,工法選定理由,HPCa工法の概要,工事概要および施工概要について報告する。
著者
早川 正祐
出版者
日本哲学会
雑誌
哲学 (ISSN:03873358)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.59, pp.261-276,L20, 2008-04-01 (Released:2010-07-01)
参考文献数
12

Until now, mainstream philosophers of action have never taken seriously the fundamental fact that human agents are beings who care. Most philosophers have attempted to clarify the features of human agency mainly by analyzing intending, planning, and policy-making. In this paper, however, by introducing and analyzing the concept of care, I have tried to analyze human agency in the light of caring. Recognizing that the meanings of care are manifold, I focus first on one of the most central meanings of caring about/for X; if we care about/for X, we are continuously interested in X, and we consider X as important and significant to ourselves over an extended period of time. I then elucidate the distinctive features of caring by considering what kinds of patterns caring is embedded in, and explaining how these patterns are distinguished from the patterns that characterize future-directed intention, and particularly policy.The common aspect between care and policy is that both involve a commitment to the repetition of various kinds of activities that concern their intentional object. However, there are important differences between care and policy. One of the essential aspects of policy is to fix the understanding of the object of policy, and to control beforehand the activities that concern the object. In contrast, one of the essential aspects of care is to deepen the understanding of the object by trial and error, and to change our activities flexibly, according to our developing understanding of the object. These features of caring enable us to recognize and understand the receptive modes of human agency, which mainstream philosophers of action have disregarded. We will obtain a more well-balanced conception of human agency if we analyze these receptive modes, as well as the regulative modes which most philosophers of action have concentrated on.
著者
早川 正祐
出版者
The Philosophical Association of Japan
雑誌
哲学 (ISSN:03873358)
巻号頁・発行日
no.59, pp.261-276,L20, 2008

Until now, mainstream philosophers of action have never taken seriously the fundamental fact that human agents are beings who care. Most philosophers have attempted to clarify the features of human agency mainly by analyzing intending, planning, and policy-making. In this paper, however, by introducing and analyzing the concept of care, I have tried to analyze human agency in the light of caring. Recognizing that the meanings of care are manifold, I focus first on one of the most central meanings of caring about/for X; if we care about/for X, we are continuously interested in X, and we consider X as important and significant to ourselves over an extended period of time. I then elucidate the distinctive features of caring by considering what kinds of patterns caring is embedded in, and explaining how these patterns are distinguished from the patterns that characterize future-directed intention, and particularly policy.<br>The common aspect between care and policy is that both involve a commitment to the repetition of various kinds of activities that concern their intentional object. However, there are important differences between care and policy. One of the essential aspects of policy is to fix the understanding of the object of policy, and to control beforehand the activities that concern the object. In contrast, one of the essential aspects of care is to deepen the understanding of the object by trial and error, and to change our activities flexibly, according to our developing understanding of the object. These features of caring enable us to recognize and understand the <i>receptive</i> modes of human agency, which mainstream philosophers of action have disregarded. We will obtain a more well-balanced conception of human agency if we analyze these receptive modes, as well as the regulative modes which most philosophers of action have concentrated on.
著者
中村 貴弘 早川 正士
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌. B, 電力・エネルギー部門誌 = The transactions of the Institute of Electrical Engineers of Japan. B, A publication of Power and Energy Society (ISSN:03854213)
巻号頁・発行日
vol.124, no.8, pp.1012-1020, 2004-08-01
参考文献数
17
被引用文献数
1 3

Mesospheric optical phenomena(including sprites) are becoming an interesting subject from the standpoint of atmosphere-ionosphere coupling. This paper deals with our observation of sprites associated with winter thunderstorms in the Hokuriku area and we show the characteristics of those sprites and their parent lightning discharges. Although the scale of Japanese lightning in winter is very small as compared with the MCS (Mesoscale Convective System) for the summer continental lightning, the essential quantities (polarity, charge transfer etc.) are found to be nearly the same as those for those MCS. However, there might be required an additional factor, such as the self-organization of the lightning.
著者
Cong Liu 坂地 泰紀 和泉 潔 早川 正亮 塚本 和哉 加藤 大輔
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2022, no.FIN-029, pp.28-31, 2022-10-08 (Released:2022-10-01)

近年、中国経済の躍進に伴い、中国の各国経済に与える影響が高まっている。そのため、米国経済を中心に把握するだけではなく、中国経済の動向を把握することがより重要になっている。しかしながら、中国経済に言及した英語記事は中国語媒体よりも少なく、また、中国語で記載された中国経済に関する膨大な記事から選別してトピックを抽出することは現状難しい。そこで本研究では、中国語記事と英語記事の両方からセンチメントを獲得し、これらを合わせて利用することで、中国市場インデックスを予測する新たなモデルを提案する。
著者
早川 正士
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J89-B, no.7, pp.1036-1045, 2006-07-01

近年地震に伴って各種の電磁気現象が発生することが報告されている.すなわち,地圏から直接放射する電磁気現象や地震に伴う大気圏や電離圏のじょう乱などである.本論文では,地震の短期予知の観点から極めて注目されている二つの観測項目;(1) ULF電磁放射(地圏から直接放射される極低周波電磁放射);(2)電離層じょう乱(VLF/LF送信局電波の伝搬異常として検出)を取り上げ,その計測手法や最新の成果までをレビューする.
著者
早川 正祐 竹内 聖一 古田 徹也 吉川 孝 八重樫 徹 木村 正人 川瀬 和也 池田 喬 筒井 晴香 萬屋 博喜 島村 修平 鈴木 雄大
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究は、従来の行為者理論において見落とされてきた、人間の「脆弱性」(vulnerability)に着目することにより、自発的な制御を基調とする主流の行為者 概念を、より相互依存的・状況依存的なものとして捉え直すことを目的としてきた。その際、行為論・倫理学・現象学・社会学の研究者が、各分野の特性を活か しつつ領域を横断した対話を行った。この学際的研究により、個別領域にとどまらない理論的な知見を深め、行為者概念について多層的かつ多角的な解明を進めることができた。
著者
伊東 哲也 早川 正士
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.97, no.377, pp.33-36, 1997-11-17

地震前兆の電磯気現象のうち、最も有効と考えられるのが (1) VLF送信局電波の電離層・大地導波管伝搬波による伝搬異常と(2) ULF電磁放射 (震源からの自然放射) が挙げられる。本報告ではインドネシアのビアク地震 (1996年2月17日、Ms〜8.0、深さ20km) に対して、(1)、(2)の観測項目の結果を報告する。先ず、オーストラリア(メルボルン)のオメガ電波を受けている千葉県犬吠観測所での観測データにも顕著な伝搬異常が発見されている。夜間での位相変動に顕著な前兆が現われている。次に、震央から90kmの地点に名大STE研のビアク地磁気観測所があり、それでの磁界3成分観測データ(1秒サンプリング)を用いてた解析から、ULF電磁放射についても報告する。一つの地霞に対して多項目の観測に開する異常解析は極めて少ない。
著者
渡邊 紳一郎 木村 文宏 喜屋武 淳 鈴木 智史 中島 史雄 早川 正道 中村 宏
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.86, no.6, pp.1137-1141, 1995-06-20
被引用文献数
11 1

1991年から1994年の間に経験したFournier's gangrene患者5名について, 年齢, 基礎疾患, 誘因, 病変の範囲, 検出された細菌, 治療法及び予後について検討した.患者の平均年齢は47歳で, 基礎疾患として糖尿病2名, 全身性エリテマトーデス1名, 慢性アルコール中毒1名, 末期の多発性骨髄腫1名であった.発症の誘因は創感染が2名, 尿道留置カテーテルが2名であり, 1名では明らかなものはなかった.外科的処置として, 2名に広範囲のデブリードマンを施行し, 後に分割植皮術を要した.3名では, 最小限の壊死組織除去後に罹患部皮下に多数のペンローズ・ドレーンを留置し, 消毒液で洗浄した.このうち2名は病変の発赤, 腫脹が急速に軽減し, 皮膚欠損を残さずに治癒した.1名は末期の多発性骨髄腫患者で全身状態は極めて不良であり, ドレーン留置後, 炎症所見は軽減傾向にあったが, 敗血症, DICを併発して死亡した.外科的処置として広範囲のデブリードマンが一般的に施行されているが, 皮膚欠損を生じることが多く, 皮膚移植の必要性や二次的創感染等の欠点を有する.壊死組織の限局的な除去と皮下への多数のドレーンの留置の組み合わせは, 皮膚欠損も最小限で済み, 治療効果も広範囲のデブリドマンと比べて遜色がなかった.本法は, 広範囲デブリードマンに変えて選択しうる有効な治療法であると思われた.
著者
服部 克巳 早川 正士 湯元 清文 長尾 年恭 上田 誠也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.97, no.377, pp.37-42, 1997-11-17
被引用文献数
2

1997年3月26日(Ms=6.3)および 5月13日(Ms=6.2)に発生した鹿児島県北西部地震について央震から約40kmに雛れた地点で観測された ULF磁場データの解析を行い, 地震関連 ULF電磁気現象の特徴をスペクトル解析等で調査した. その結果, 周波数0.01Hzにおいて地震の2週間前から鉛直成分と水平成分の比 Z/Hの値が大ぎくなり, 約1週間継続し, その値が小さくなり, 地震が発生している. その後の余震活動や 5月13日(Ms=6.2)に関連するULF活動がその後のデータに出現していると推察される.
著者
武藤 史弥 吉田 麻里 堀江 匠 早川 正士 PARROT Michel
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.210, pp.13-18, 2007-08-30

近年地震にともなって電離層が擾乱を受けることが明らかになってきている.本報告では仏国の地震電磁気専用衛星DEMETER上での送信局VLF/LF電波の強度測定に基づき,地震に伴う前兆的電離層擾乱の検出を目指す.2005年の日本国内での比較的大きな(マグニチュード5.5以上)地震(特に,8月16日の宮城県沖地震を中心に)に伴う前兆的電離層擾乱を日本の標準電波JJY局(40kHz)電波の受信により明らかにした.地震の一週間前後前より信号強度が顕著な減少を示している.これはLF電波のホイスラモードでの擾乱電離層(特にD層での異常)透過に伴う吸収増加として説明できる.
著者
木村 正人 野矢 茂樹 早川 正祐 竹内 聖一 吉川 孝 古田 徹也 池田 喬 河島 一郎 星川 道人 島村 修平 筒井 晴香 八重樫 徹 萬屋 博喜
出版者
高千穂大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

分析哲学者を中心に昨今注目を集めている共同行為論の諸理論について紹介・検討し、さらに現象学、社会学理論等による知見を加えて、共同行為の構成要件、共同行為特有の意図性の諸原理、還元主義アプローチの当否、共同行為論における因果的解釈の射程などについて明らかにした。若手研究者を中心として組織された「行為論研究会」は学問分野を越える各学会等で注目を集め、一般公開の研究大会において報告されたその成果は、雑誌『行為論研究』にまとめられた。
著者
浜島 良吉 勝山 邦久 橋本 学 金折 祐司 長尾 年恭 早川 正士 勝山 国久 呉 智深 鈴木 隆次 古宇田 亮一 竹村 友之 西村 進
出版者
埼玉大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1994

不連続体場での弾性、弾塑性、粘弾性の進行性破棄に応用できる解析法が浜島により開発された。本解析手法は熱・流体・応力の連成解析にも適用された。本解析手法は結晶構造のような多角形要素にも適用可能である。変位関数として3角形要素の定ひずみ要素を用いているため、そのままでは結晶構造モデルに対しては変形を十分表現することができない。ハイブリット仮想仕事の原理は、弱形式のつり合い式と弱形式の変形の連続条件となるが、本研究では、変形の連続条件に関して、要素内と要素間の剛性にそれぞれα、βをかけ、これらの値がつり合い式を満足し、かつ変形の誤差が最小となるように定められた。ただし、α、βの間にはα=β/(β-1)の関係がある。1995年1月17日に兵庫県南部地震が発生し、多くの人名が失われた。地殻変動解析の重要性が再認識されたが、本研究では、日本列島をブロック構造に分割し、本研究で開発された不連続体解析手法を用いて解析が行われた。その結果、本解析手法により、日本列島内陸の断層の動きを比較的良く表現できることを明らかにした。本解析ではせん断破壊と引張り破壊を同時に考慮しているが、引張り破壊時には断層面上の応力を全て解放している。引張り破壊領域は危険断層とされている部分に良く対応していることが明らかとなった。本研究では、種々の方法により地殻変動解析がなされたが、目的によりそれらを使い分けて利用することが必要である。今後はこれらの解析手法をうまく融合して、地球規模の地殻変動解析まで適用可能とするようにしたい。
著者
安藤 芳晃 早川 正士
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.393, pp.7-11, 2004-10-22

周波数領域における有限差分法を用いてシューマン共振の解析を行い、その結果を基底関数系として用いて観測点からの雷活動分布の推定を行った。φ方向を一様とした2次元球座標系において、離散化した磁界を用いて有限差分方程式を定式化できる。解析領域内の媒質である大気と下部電離層の電子密度及び中性大気密度・温度はそれぞれ観測より得られたモデルを用いる。チホノフの正則化を用いた逆問題を定式化し、雷活動の活発な領域を観測点からの距離の関数として推測する。実際の観測データに適用し、衛星観測の結果と比較する。
著者
浦野 茂 喜多 加実代 早川 正祐
出版者
三重県立看護大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2021-04-01

現在の日本の精神医療は、精神障害当事者の意思と価値に基づく支援・治療・研究開発の意義が認められつつあるが、その実現にとって多くの障壁が残されている。数あるこうした障壁のうち、本研究は精神医療にそなわる認識方法である病識評価に着目し、これが精神障害の経験を理解し表現するための概念的資源を構造化し、制約してきた状況を解明する。解明の対象には、戦後から現在までの日本の主要精神医学雑誌記事と当事者による手記を設定し、その叙述における関連概念の用法を分析する。これを通じて本研究は、精神障害の経験を理解し表現するための既存の概念的資源にそなわる倫理的問題を明らかにし、その改良に向けた提言を行う。