著者
鈴木 幹三 岸本 明比古 山本 俊幸 足立 暁 山本 和英 白井 智之
出版者
The Japanese Respiratory Society
雑誌
日本胸部疾患学会雑誌 (ISSN:03011542)
巻号頁・発行日
vol.24, no.10, pp.1078-1082, 1986-10-25 (Released:2010-02-23)
参考文献数
18

剖検で確認した高齢者肺炎102例を臨床病理学的に検討した. 60歳以上の剖検180例中102例 (57%) に肺炎が認められ, このうち53例 (52%) は肺炎が直接死因となった. 基礎疾患は脳血管障害後遺症, 心疾患が大半を占めた. 病理学的な肺炎病巣の拡がりは肺炎死因率と正の相関を示した. 肺炎は両下葉および右上葉に好発し, 病理学的に炎症病変は巣状分布を示す例が最も多く, これらのなかに沈降性肺炎, 嚥下性肺炎の関与する例がみられた. 大葉性肺炎, 嚥下性肺炎, 肺化膿症は直接死因となる頻度が高く, 肺うっ血水腫は49%にみられた. 病変発現部位では, 肺胞性肺炎が70%を占め, 混合型肺炎は10%であった.
著者
Pontell Henry N. Geis Gilbert 小西 暁和
出版者
埼玉大学経済学会
雑誌
社会科学論集 (ISSN:05597056)
巻号頁・発行日
no.123, pp.49-63, 2008-01

日本では, 強盗・脅迫・不法侵入のような街頭犯罪は賞賛すべき低い率にあるが, ホワイト・カラー犯罪は高い率にある。日本文化の諸特徴が日本社会に見られる違法行為の水準を説明してくれると期待している者達は, 二つの犯罪率の食い違いによって試されている。本稿は, 日本社会の上層にいる者達の犯罪に関するエピソードを概観し, 街頭犯罪を抑制している共同体主義のエートスがこの国の商業や政治の領域にまでは及んでいないことを示す。The discrepancy in Japan between the admirably low rate of street crimes, such as robbery, assault, and burglary, and the elevated rate of white-collar offenses challenges those who look to the characteristics of Japanese culture to explain the levels of law-breaking in the society. The article reviews episodes of upperworld crime in Japan and suggests that the communitarian ethos that inhibits street offenses does not carry over into the country's commercial and political realms.
著者
坂田 暁洋 加藤 嘉宏 鈴木 広隆 中村 芳樹 小泉 隆
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会環境系論文集 (ISSN:13480685)
巻号頁・発行日
vol.71, no.603, pp.17-23, 2006
被引用文献数
1

Jyodoji-Jyododo is one of the religious architectures that express the nobility of the Land of Happiness making use of daylight. The mechanism how the daylight reaches a statue of Amitabha-Tathagata in Jyodoji-Jyododo, it has peculiar luminous environment that no other historic architectures have, has not proved yet. Then, for the purpose of proving the mechanism of daylight that influence a statue of Amitabha-Tathagata, we conducted following 3 simulations; 1) Inter-reflection simulation with Jyodoji-Jyododo architectural model and simplified Amitabha-Tathagata model to obtain distribution of illuminance. 2) Specular reflection simulation for identifying the parts of the architecture which principally contribute to glitter of the statue. 3) Simulation of changing the angle of ceiling to make clear the relationship of the phenomenon and the architecture. From the results, we found that the daylight from the back of a statue of Amitabha-Tathagata repeats diffuse reflection, and a statue of Amitabha-Tathagata is shined by the daylight gathered at the ceiling. And the reason of a steeply slanting roof is infered that the daylight is took in a statue of Amitabha-Tathagata.
著者
遠藤光暁著
出版者
白帝社
巻号頁・発行日
2001
著者
三隅 将吾 高宗 暢暁 庄司 省三
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究では、以下のような成果を得た。1)ウイルスの外被糖タンパク質に対する抗体やCCR5に対する抗体を粘膜面に誘導できた。2) CCR5および外被糖タンパク質に対する抗体価を維持するための交叉免疫抗原を見つけることができた。3)本邦におけるHIV/AIDS経膣感染霊長類モデルの構築を試みたところ、ヒトの性周期と類似するカニクイザルを用いて、SIV10000TCID_<50>/ml(1ml)をSIV感染細胞及び精液とともに複数回接種するモデルが妥当であるという結論に至った。
著者
李 穎 郭 暁峰 姚 長青 喬 暁東 久保田 壮一
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.52, no.6, pp.355-365, 2009 (Released:2009-09-01)
参考文献数
7
被引用文献数
1 1

2007年3月,中国科学技術情報研究所(ISTIC)と万方数据(Wanfang Data)は共同でIDFの中文DOI登録管理機関を創設,運営を開始した。ISTIC & Wanfang Dataは中国語DOIの普及,推進のため,中文DOI登録センターというプラットフォームを研究開発した上で,国内外機関との提携によって幾つかの関連研究プロジェクトを実施してきた。本稿において,まずはISTIC&Wanfang Dataを始めとした中国語DOIに関連するプロジェクトの戦略全体図を紹介し,次に個々のDOIに関連する国家プロジェクト,国内外の協力と標準化活動を紹介する。ここでは中文DOIシステムの研究開発,米国CNRI Handle Systemとの国際連携,中国科学技術部の主要学術雑誌プロジェクト,中国新聞出版総署の「デジタルオブジェクト識別子」標準体系の予備的研究,中国版権保護センターのDOIによる著作権保護研究を取り上げた後,課題と展望をまとめる。
著者
田畑 暁生
出版者
一般社団法人 社会情報学会
雑誌
社会情報学 (ISSN:21872775)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.67-81, 2013

丹後半島は近畿地方の最北端に属する半島であり,近畿の中では南紀地方と並んで,京阪神から最も時間距離の遠いところと言えるだろう。平成の大合併を経て丹後半島地域は,それまでの1市10町体制から,広域合併を行った京丹後市,3町が合併してできた与謝野町と,合併をしなかった宮津市,伊根町の2市2町体制となった。本稿はこれらの自治体の地域情報化政策の特徴を調査で明らかにする。合併で成立した京丹後市,与謝野町の方が,宮津市,伊根町よりも積極的な情報化施策を行っている。京丹後市では,2006年の『京丹後市地域情報化計画』に謳われた情報基盤の整備,CATVやコミュニティFMの開局などを実現,日経の「e都市ランキング2006」では全国50位にランクインしている。与謝野町では,合併前の旧加悦町で敷設されていたCATVを全町に拡大する方針を決定,通信・放送・防災に利用し,また,2009年に策定された『与謝野町地域情報化計画』では情報ネットワークやCATVの活用を謳った。宮津市は,市が補助金を出すプロポーザル入札によって,条件不利地域に2007年度からADSLを,2009年度から光ファイバー整備を行った。また,総務省の地域ICT利活用事業で,島根県海士町と組んでソフト振興策としての映像発信事業を始めたが,残念ながら持続的な事業には至っていない。伊根町は最も小規模かつ余裕のない自治体のため,特筆すべき地域情報化政策はなく,また,自治体が行った住民アンケートでも情報化への関心は低かった。
著者
柳 正純 門田 暁人 高田 義広 鳥居 宏次
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SS, ソフトウェアサイエンス
巻号頁・発行日
vol.94, no.334, pp.9-16, 1994-11-17
被引用文献数
3

我々は,プログラマーのキーストロークを監視・分析するシステムにより,人手を介さずに,バグの混入を報告する方式について検討している.ところが,キーストロークより得られるデータの上に,バグの混入に関連する行動の特徴が現れるかどうかは,従来,ほとんど調査されていない.そこで,そのようなキーストロークデータを収集し,プログラマの行動の特徴を検出するためのシステムを設計し試作した.試作したシステムを適用した例から,本システムがデータの収集に有効に働くことがわかった.また,バグ混入時の特徴をいくつか発見し,上述のような警告方式が実現可能であることを示唆するデータが得られた.
著者
久米 暁
出版者
京都大学哲学論叢刊行会
雑誌
哲学論叢 (ISSN:0914143X)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.14-28, 2006

In response to Mr. Watanabe’s review of my Hume’s Scepticism, this paper elucidates Hume’s “sceptical solution” of his own “total scepticism”. Sceptical solution in general intends to solve scepticism or sceptical doubt by showing that the logical step from sceptical argument to scepticism makes use of some assumption external to our ordinary beliefs or common assertions. However, Hume’s Scepticism characterizes Hume’s “total scepticism” as an internal one, which is deduced only from some assumptions internal to our common sense. Instead of pointing out some external assumption, Hume’s “sceptical solution” of internal “total scepticism” states that it is proper we should indulge our emotive inclination to judge and believe, notwithstanding our rational scepticism.
著者
岡田 暁生
出版者
美学会
雑誌
美學 (ISSN:05200962)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.58-68, 1993-06-30

Der sog. musikalische Neuklassizismus, als dessen Vertreter Igor Strawinsky gilt, ist eine Bewegung, die mit dem Klassizismus von Picasso oder mit den Bearbeitungen der griechischen Tragodien von Jean Cocteau vergleichbar ist. Er versucht namlich, den Mythos der Originalasthetik seit dem 19. Jahrhundert zu uberwinden und statt dessen die Asthetik der Bearbeitung (bzw. Parodie oder Pastiche) zur Geltung kommen zu lassen. Und Strawinskys <Pulcinella>, das eigentlich nichts mehr als 'Bearbeitung' der Werke von J. B. Pergolesi (einem neapolitanischen Komponisten aus dem 18. Jahrhundert) ist, stellt ein paradigmatisches Werk dieser Stromung dar. In dieser Studie sei versucht, durch den Vergleich zwischen dem Original und Strawinskys Bearbeitung einige Aspekte der Musikasthetik des Neuklassizismus herauszukristallisieren. Ins Zentrum geruckt werden dabei u. a. die folgenden drei Punkte. 1. Das Verfahren, das Original-ohne seine Struktur im Geringsten zu verandern-mit einer ganz charakteristischen, verfremdenden Gestik und Instrumentation zu bearbeiten und es dadurch ganzlich zu deformieren. 2. Abkehr von der Originalasthetik des 19. Jahrhunderts zur alten Asthetik des Handwerks, d.h. die Tendenz, durch ganz unauffalligen Korrekturen dem Original Prazision des Ausdrucks zu verschaffen. Und 3. Strawinskys anti-historistische Haltung und seine besonderen Spezifika in der Geschichte der Bearbeitung im 20. Jahrhundert.
著者
井上 暁子
出版者
熊本大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-28

旧ドイツ領にあたるポーランド北部/西部国境地帯が、1980年代以降に書かれたドイツ語・ポーランド語文学においてどのように表象されるかという問題を、とくにその独特な「わたし語り」による記憶の描かれ方に注目して分析した。当該国境地帯は、この地域在住のポーランド語作家の文学においては多層的な記憶のテクストとして表象されているが、社会主義末期西ドイツへ移住し、体制転換後両国を行き来する作家の文学においては、国境地帯をめぐる様々なディスクールが移動者の視点から脱構築される。さらに、体制転換に伴う創作環境・流通形態の変化と、題材・テーマ・手法への影響に関して、10名の作家にインタビューを行った。