著者
大井 暁
出版者
The Japanese Society of Insurance Science
雑誌
保険学雑誌 (ISSN:03872939)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.622, pp.622_183-622_203, 2013

赤信号無視の加害車両に衝突された被害車両の運転者は,通常信頼の原則により無過失とされる。運転者が同乗の幼児にチャイルドシートを使用させなかったため幼児が重度後遺障害を負った場合,保有者に自賠法3条の責任が生じるか。チャイルドシート不使用を「運行」とする見解には賛成できない。自動車の走行を「運行」とすれば,運行と事故発生との間に相当因果関係は認められる。しかし,チャイルドシート不使用の過失は,人身事故発生との間に因果関係がないから,保有者には自賠法3条但書の免責が認められる。東京地判平成24年6月12日を題材に検討した。
著者
衣川 隆生 田中 典子 内山 喜代成 近藤 行人 松尾 憲暁
出版者
日本語教育方法研究会
雑誌
日本語教育方法研究会誌
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.94-95, 2016-03-19

Nagoya University created teaching materials centered on social issues when they became a popular topic in modern Japanese society. These materials aim to foster academic literacy required from international students. This study examines a practice led by teaching materials on "Black baito", and analyzes what kind of dialogic activity and students' interpretation has occurred. The results of the analysis show that students created their own interpretation through the act of redefining the term "Black baito" as part of an explanation activity that entails looking at the working environment from both the employers' and employees' points of view.
著者
山内 暁彦
出版者
徳島大学
雑誌
言語文化研究 (ISSN:13405632)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.17-42, 2015-12

This essay examines the role of the raven Moses and the solicitor Mr Whymper inGeorge Orwell's Animal Farm, focusing particularly on the change of animal languagefrom mere bleating or grunting to the human language English. Moses is seen asrepresenting the religious situation on the farm, with attention paid to the historicaland mythological background of crows, rooks and ravens, birds that have beenconsidered to be gloomy and sinister since Aesop. There is mention of ravens'remarkable ability to mimic human voice and how Poe's "The Raven" and Grip inDickens' Barnaby Rudge influence Orwell's characterization of Moses, whosupposedly speaks English after coming back to the farm. Mr Whymper is viewed asan intermediary between the farm and the outside world, showing how Orwell avoidedspoken language in order to suggest that human beings cannot possibly speak toanimals. The impact of the description that some pigs, including the leader Napoleon,speak English, wear clothes and stand upright while holding a whip in their trotters isseen as the result that Whymper's role is not merely in trading but also in concealingthe pigs' gradual transformation from beasts to humans.
著者
村上 暁信 アルマンド・M パリホン
出版者
日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.72, no.5, pp.693-696, 2009
被引用文献数
1 1

アジア大都市の多くは、住環境の劣悪化、大気汚染、洪水被害の増大など様々な環境上の問題を引き起こしつつ、拡大を続けている。このような状況に対して、環境調整機能を有する都市緑地を計画的に整備していく必要があるとの指摘がなされている。しかし、緑地計画を立案するためには、まず都市化の過程で緑地がどのように変化するかについて検討をする必要があるが、アジア地域の都市においてはこの点が十分には明らかにされていない。特に、緑の環境調整機能を活用するためには、農地や森林といった土地利用タイプの一つである緑地の変容だけでなく、土地被覆の変容、すなわち緑被の変容について知見を積み重ねていく必要がある。しかし、都市化と緑被の変容については研究例が少ない。そこで本研究では、人口増加の激しい巨大都市のひとつであるフィリピン・メトロマニラ近郊に位置するパテロス(町)を対象として、地域の緑地や緑被が都市化のプロセスの中でどのように変化しているかについて考察することを目的とした。
著者
井尻 暁
出版者
独立行政法人海洋研究開発機構
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2009

極微小珪質プランクトンの殻(生物源オパール)の酸素同位体比を,精度良く簡易かつ安全に測定する新しい分析システムを開発し,この結果,従来の分析手法の1/10以下の試料量で,測定精度を落とすことなく短時間で珪質プランクトンの酸素同位体比分析を行うことが可能となった。この手法を用いて放散虫殻化石の種別同位体分析に成功。また国際統合掘削計画(IODP)で得られた試料の分析を行った。
著者
畔上 由佳 内山 友里恵 笠原 ひとみ 上田 ひろみ 吉田 徹也 宮坂 たつ子 長瀬 博 藤田 暁
出版者
長野県環境保全研究所
雑誌
長野県環境保全研究所研究報告 (ISSN:1880179X)
巻号頁・発行日
no.7, pp.57-61, 2011

1992年から2010年までの間,長野市におけるスギ・ヒノキ科花粉の飛散状況調査を継続して実施した.その結果,長野市でのスギ花粉飛散開始は,前年11月の日最高気温が平年よりも高いシーズンでは1月1日からの日最高気温積算値が295℃から388℃を超えるころに確認された.一方,前年11月の日最高気温が平年並みから平年より低かったシーズンでは,229℃から317℃で飛散開始が確認された.スギ花粉最高飛散日の平均は3月27日であった.飛散開始から最高飛散日までの日数は,平均23日であった.スギ花粉総数の中央値は1988.4個/cm2であった.スギ花粉総数が1000個/cm2を超える年では「環境省花粉観測システム(はなこさん)」のデータと,ダーラム型花粉捕集器によるデータは高い相関が認められた.
著者
和田 裕文 光田 暁弘 浅野 貴行 光田 暁弘
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

MnAsは室温で巨大磁気熱量効果を示す物質である. 最近ブラジルのグループによってMnAsに圧力を加えると磁気熱量効果が極めて大きくなることが報告された. 本研究ではこの超巨大磁気熱量効果の検証を行った. その結果超巨大磁気熱量効果は測定の問題で生じた現象で本質的な性質でないことが明らかになった. また, 超巨大磁気熱量効果の起源といわれている格子のエントロピー変化を定量的に評価することに成功した, その値は全エントロピー変化の高々10%であることも明らかになった.
著者
青木 拓也 廣江 圭史 鈴木 暁 平賀 篤 上出 直人
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.43 Suppl. No.2 (第51回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0934, 2016 (Released:2016-04-28)

【はじめに,目的】脳卒中のリハビリテーションにおいて,患者教育は科学的にも意義が認められている(日本脳卒中学会,2015)。実際,脳卒中患者に対して教育的介入を行うことで,患者の生活の質が向上することが認められている(Karla, et al., 2004)。しかし,脳卒中患者に対する教育的介入の方法論は明確にされていない点がある。本研究の目的は,脳卒中患者に対する教育的介入の具体的方法論を構築するための基礎情報を得るため,自宅退院前の脳卒中患者が抱く在宅生活への考えや不安について,質的研究手法を用いて明らかにすることとした。【方法】対象は,回復期病棟入院中の脳卒中患者男性5名,女性4名とした。自宅退院直前に,自宅退院に際して抱いている生活への考え方や不安について半構造化面接を行い,面接内容をICレコーダーで録音した。録音内容は逐語録としてテキスト化しテキストマイニングを行った。具体的な方法として,まず分析用ソフトウェアKH coderにてテキストを単語に分解し,各単語の出現頻度を分析した。次に,各単語の出現頻度から階層的クラスター分析を行い,単語をクラスターに分類した。クラスターに分類した単語について,その単語が含まれる文脈からクラスターの名称と内容を,共同研究者と協議しながら決定した。なお,患者が抱く不安や考えには,性差が生じる可能性が高いため,分析は男女別に実施した。さらに,患者の基礎情報として,Function Independence Measure(FIM)を調査した。【結果】対象者の年齢は男性65.2±13.2歳,女性60.3±16.3歳,調査時FIMは男性118.8±12.9点,女性114.0±14.2点であった。クラスター分析の結果から,在宅生活への考え方や不安について,男性では「退院後の社会復帰に対する不安」,「退院後の生活習慣の見直し」,「障がいとともに生活をしていくという心構え」,「活動範囲の拡大への不安」,「入院生活からの解放感」,の5つのクラスターが得られた。一方女性では,「家族の協力に対する不安」,「入院生活からの解放感と不安」,「活動範囲の拡大への不安」,「食習慣の見直し」,の4つのクラスターが得られた。【結論】男女共通の考えや不安として,制限された入院生活から解放されることへの期待感や活動範囲が病院内から院外へ広がることへの不安が認められた。男性固有の考えや不安としては,社会復帰へは不安を持つ一方で,生活習慣の見直しや生活の心構えなど,前向きな考えを持つことが認められた。一方女性では,家族の協力に対する不安や食生活などの生活変化による自覚と不安など,これからの生活への不安を男性よりも抱えていた。脳卒中患者への教育介入では,患者が抱く生活への不安や考えを明確化したうえで,それらに応じた内容を実施することが重要である。
著者
久保島 暁
出版者
日経BP社
雑誌
日経情報ストラテジ- (ISSN:09175342)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.12-15, 2005-02

規模で国内3位の川崎汽船も、上位2社とともに、2005年3月期に連結経常利益1000億円超えを見込む。CIO(情報戦略統括役員)を長く務める久保島暁氏(55歳)は、経営環境と技術動向の両面で鋭い嗅覚を持つ。荷動きなどの情報が生命線である同社のシステムを、文字通り「かじ取り」してきた。
著者
暁烏敏 著
出版者
一生堂書店
巻号頁・発行日
1942