著者
杉原 正顕
雑誌
情報処理学会研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)
巻号頁・発行日
vol.1991, no.26, pp.1-10, 1991-03-15

本稿においては,交代級数の収束加速法に関する4つの話題について述べる.第一の話題はEuler変換の振動的関数の無限積分計算への適用可能性である.第二の話題は交代級数の部分和に対する(漸近)展開公式である.第三の話題はEuler変換vs Aitken加速(ler変換とAitken加速では,どちらが交代級数の加速法として有効か?)最後の話題は交代級数に対する普遍的加速法の非存在(すべての交代級数の収束を加速することはできない.)である.In this note we discuss four topics on convergence acceleration methods for alternating series. The first is applicability of the Euler transformation to numerical integration of oscillatory functions over the infinite interval. The second is an asymptotic expansion of the partial sum of alternating series. The third is the Euler transformation versus the Aitken δ^2-process (Which is the better acceleration method for alternating series, the Euler transformation or the Aitken δ^2-process?). The last is non-accelerability of alternating series (All alternating series are not accelerable.).
著者
杉原 多公通 山口 雅彦 西沢 麦夫
出版者
社団法人 有機合成化学協会
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.158-169, 1999-03-01 (Released:2009-11-16)
参考文献数
23
被引用文献数
5 7

Cyclic cotrimerization of an alkyne, an alkene, and carbon monoxide mediated by dicobalt octacarbonyl, which is well known as the Pauson-Khand reaction, was promoted by the addition of certain Lewis bases. Primary amines with secondary alkyl groups, such as cyclohexylamine, promoted the stoichiometric Pauson-Khand reaction to give the desired cyclopentenones in good yields. The same reaction can be conveniently carried out in 1, 4-dioxane-aqueous NH4OH biphasic system. Some reactive cobalt complexes might be produced as the coproduct in the reaction mixture and decomposed the substrate and/or the product in some cases. To overcome this disadvantage, alkyl methyl sulfides were introduced as the promoter. The catalytic Pauson-Khand reaction was also promoted by the addition of a tiny amount of DME or water. A novel decomplexation method of alkyne-dicobalt hexacarbonyl complexes by using ethylenediamine and a hydrocarbamoylation reaction were also presented.
著者
白砂 寛基 谷口 敬道 杉原 素子
出版者
国際医療福祉大学学会
雑誌
国際医療福祉大学学会誌 (ISSN:21863652)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.14-22, 2015

経験年数の少ない作業療法士に対して,介入のための視座を与える急性期作業療法の介入戦略の構築を目指し,事例文献の評価項目,介入方針,実施内容について整理,分析することで,現在の急性期作業療法の実態を調査した.調査対象とした日本作業療法士協会事例報告集には583 事例が掲載されており,そのうち身体障害領域の回復状態が急性期の事例は132 事例であったが,介入期間が1 ヵ月以内の事例は19 事例であり,長期的な介入が多かった.19 事例からは,機能改善,早期離床,ADL の改善を基本方針とし,座位訓練や,本人・家族指導,他職種と連携したADL 訓練を行い,その結果,上肢機能やバランス,起居・移乗動作の改善をしているという標準的な急性期作業療法の状態が示されたが,同時に,心身機能だけでなく,入院生活に関わる様々な活動の何ができ,何ができないかという事例に応じた評価・介入がなされていた.急性期作業療法の介入は身体機能に限らず,病院内でできる様々な活動の数を増やすという介入戦略の可能性についての示唆を得た.
著者
三浦 元喜 杉原 太郎 國藤 進
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.279-287, 2010
参考文献数
15
被引用文献数
1

本稿では,一般教室における無線デジタルペンを利用した授業システムを,日常的な運用を可能とするために行った2つの改良について述べる.まず我々が構築してきた超音波方式ペンとPDAによるシステムの操作と準備作業を軽減するため,近年利用されているアノト方式によるデジタルペンを利用可能とし,両システムを比較した.その結果,後者のシステムによる簡便性および誤差の減少が,理解度の低い生徒の積極的参加を阻害せず,またシステムが筆記をチェックすることに対する,理解度の高い生徒の緊張感を緩和することを確認した.次にアノト方式デジタルペンを用いた授業実践時に,ペンIDと受講者,およびその座席の対応関係を管理する際の教師負担を軽減する「筆席マップ方式」を提案し,システムに導入した.小学校における実践を通じて,筆席マップ方式の可用性と有効性を確認した.
著者
水野 寛隆 Jordan Shane 杉原 興浩 戒能 俊邦 岡本 尚道 大濱 元嗣
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OME, 有機エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.136, pp.11-16, 2004-06-16

簡単で低コストな大口径高分子光導波路の作製方法及びプラスチック光ファイバ(POF)に対するパッシプアライメントを可能にするレプリカ構造の簡単な作製、高分子光導波路とPOFとの簡単な接続方法を提案する。高分子光導波路は凸形状のフォトレジストオリジナルマスタから三回の複写工程を経て作製した。作製したコア径500μmと1000μmの光導波路は、0.21-0.23dB/cm(650nm)の低い伝搬損失を実現した。コア部とファイバガイド部を持つオリジナルマスタから、パッシブアライメントを実現するためのコア部とファイバガイド部用溝を有するレプリカ構造が簡単に形成できた。また高分子光導波路は、POFをファイバガイド溝中に取り付けることにより簡単に結合することができ、980μmコア径のPOFと接続する場合、光導波路のコア幅が900μmのとき結合損失が最小(1.6dB)となった。
著者
杉原 たまえ 石田 裕 三津浜 三栄子 鈴野 弘子 豊原秀和
出版者
東京農業大学
雑誌
東京農業大学農学集報 (ISSN:03759202)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.186-192, 2008-03-15

本研究は,南西諸島のような物理的・環境的条件の限定された地域における在来的な自生植物資源の有用性に関する研究である。沖縄県伊江村(伊江島)では,アブラナ科のハマカブラBrassica campestris L.を,マーナと称し,島の人々はかねてから利用してきた。この植物は日本全国で確認されているが,沖縄県においては自生地が限られ,またこれを日常的に食しているのは伊江島だけといわれている。雑草であるがゆえに,この植物の生産に取り組んでいる農家は,2戸に過ぎない。われわれはこのマーナに関する一般的特性に関する聞き取り調査をおこない,さらに栄養分析をおこなった。その結果,特にマーナのポリフェノール含有量は比較的高い数値で,一般的な野菜の10倍程度であった。日常的に利用されながら雑草的な扱いにとどまっているが,成分的には機能性に加え,栄養学的な面でも優れていることが示され,今後食用化が進められるべき素材であることが示唆された。伊江島では製糖工場が閉鎖され,農家の高齢化も伴って耕作放棄が目立ちつつある中で,ラッカセイ,トウガン,花卉につぐ,マーナの特産化が模索されるべきであろう。
著者
三浦 加代子 今西 あみ 西川 有香 坂内 綾乃 藤井 千紗 守山 由佳理 杉原 正治
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.25, 2013

【目的】手動の泡だて器や電動ハンドミキサーで撹拌した場合、ホイップクリームの含気率(オーバーラン)には限界がある。しかし、撹拌器「キスワン」は、圧力を調節しながら撹拌ができ、通常よりも大きなオーバーランが得られ、通常の器械ではいくら撹拌しても泡立たないものでも泡立てることができるという特徴をもっている。この器械を用いて新規食品開発を行うための基礎的なデータを得ることを目的として研究に着手した。今回は、生クリームを試料として圧力をかけて撹拌し、どのような特性をもったホイップクリームができるのかを検討した。また、ホイップクリームの保存性についても調べた。【方法】ステンレス製ボールに生クリームを一定量入れ、圧力を加えて5℃で撹拌した。撹拌回数は70回転/minとし、圧力は0.2MPa, 0.4MPaで行った。同様に常圧で撹拌したものを対照とした。生クリームの種類を変え、撹拌時間とオーバーランの変化を調べた。また、調製したホイップクリームの保存性をオーバーランおよび色調の変化等で検討した。【結果】生クリームの種類により、撹拌時間ごとのオーバーラン値は大きく異なった。例えば、乳脂肪分47%(種類別名称:乳等を主要原料とする食品)では、最高オーバーラン値が、常圧では撹拌時間6分で146%となったが、0.2MPaにすると105秒で約330%、0.4MPaでは105~120秒で約400%となった。即ち、1/3の時間で2倍以上の最大オーバーラン値が得られることがわかった。また、乳脂肪分35%(種類別:クリーム)の生クリームを圧力(0.2MPa)を加えて撹拌し、250%のオーバーランになったホイップクリームを調製し、その泡の安定性を経時的に調べた結果、保存温度が重要であることがわかった。
著者
宇津川 徹 細野 衛 杉原 重夫
出版者
日本ペドロジー学会
雑誌
ペドロジスト (ISSN:00314064)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.p134-144,図4p, 1979-12
被引用文献数
1

The morphologies of animal opal, "Opal Sponge Spicules" in the tephras, distributed in Ichihara districts in Chiba prefecture were investigated. The results obtained were summarized as follows ; 1) The tephra deposits at the localities of Figure 1. in Ichihara terrace land were Anegasaki Formation (mainly AW type tephra) (AF), Shimosueyoshi Loam (SL), Musashino Loam (ML) and Tachikawa Loam (TcL). 2) The contents of animal opal were rich in Anegasaki Formation and Shimosueyoshi Loam, as shown in Figure 2. 3) The animal opals found in tephras were morphologically divided into eight types. They are diaxon type, tryaxon type, tetraxon type, polyaxon type, sterrasters type, desma type, lattice type and anthasters type in table 1. 4) The size of diaxon type animal opal was 100-1100 μ in length, 20-100 μ in width, tryaxon type animal opal was 100-400 μ. in length, 30-80 in width, tetraxon type animal opal was 500-800 μ in length, 70-120 μ in width, polyaxon type animal opal was 150-750 μ in length, 40-70 μ in width, sterrasters type animal opal was 100-200 μ in length, 100-220 μ in width, desma type animal opal was 400-800 μ in length, 30-100 μ in width, lattice type animal opal was 400-900 μ in length, 30-100 μ in width, anthasters type animal opal was 100-500 μ in length, 10-30 μ in width. 5) Except for sterrasters type, there were wide and narrow openings in tubes, some were stuffed with foreign materials. Fragments of spicule type had tubular form the diameter of which was 2-30μ. 6) Optical character of animal opal was distinguishable under microscope, colorless or pale pink color, dark in cross nicols (indirect procedures). The refractive indices of diaxon type animal opal was ; n=1.452-1.453, the refractive indices of sterrasters type animal opal was ; n = 1.440-1.446. Spicules of Recent opal sponge (Sponge spicules of a opal sponge of Sagami Bay) was colorless and transparent. The refractive indices of diaxon type spicules of Recent opal sponge was ; n = 1.441±, the refractive indices of sterrasters type of Recent opal sponge was ; n = 1.440±. From these facts the animal opals were non-crystalline (amorphous).
著者
緒方 秀教 杉原 正顯
出版者
一般社団法人 日本応用数理学会
雑誌
日本応用数理学会論文誌 (ISSN:09172246)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.223-256, 1998
参考文献数
7

Quadrature formulae for oscillatory infinite integrals involving the Bessel functions are proposed. Those formulae are obtained by the so-called double exponential type of variable transformations followed by an application of quadrature formulae whose abscissae are the zeros of the Bessel functions, which are developed in [3]. Numerical examples are included.
著者
杉原 丈史
出版者
早稲田大学法学会
雑誌
早稲田法学 (ISSN:03890546)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.93-175, 1997-01-30
著者
雪永 敏志 杉原 達哉 廣瀬 研二 榎本 俊之
出版者
社団法人 砥粒加工学会
雑誌
砥粒加工学会誌 (ISSN:09142703)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.116-121, 2013-02-01 (Released:2013-09-18)
参考文献数
11

被削材と工具とが連続的に接触する旋盤加工においては,加工中に工具-切りくずの界面へ切削液を供給することが困難であるため,工具へ高い熱的・機械的負荷が加わる.さらに旋盤加工で排出される繋がった切りくずは,被削材や工作機械・工具へ絡み付くことが問題となっており,自動運転を実現する上での妨げとなっている.そこで,本研究ではこのような現状を打破することを目的に,工具へ低周波数域の振動を付与し加工を行うという,低周波振動切削加工に関する検討を行っている.ここで,低周波振動切削加工では1振動中における加工時間および工具離脱時間が,加工能率・加工特性に大きな影響を与える.そこで,切りくずの凝着が大きな問題となっているアルミニウム合金の旋盤加工に対してNCプログラムにより工具への低周波振動の付与を行い,その基本的な加工特性を評価するとともに,1振動あたりの切削距離と工具への切りくず凝着量の関係を明らかにした.また,得られた結果を基に振動切削における切削液の効果に関する検討を行い,微細な3次元周期構造を表面に有する切削工具を本手法に適用した結果,より加工能率の高い振動条件下においても切りくず凝着を著しく抑制できることを示した.
著者
杉原 利治
出版者
日本ニュージーランド学会
雑誌
日本ニュージーランド学会誌 (ISSN:18839304)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.5-16, 2012-06-23

In New Zealand Maori-medium education has developed greatly under the Maori principle, kaupapa Maori promoting unique school systems such as Te Kohanga Reo or Kura Kaupapa Maori. The principle depends on the critical theory that awakens suppressed people by colonial western culture and leads them to the resistance and praxis for their liberation. However the progress of the Maori education appears to be less in the new millennium as ethnic diversity among Maori people as well as that in New Zealand society has become prominent. The decline of Maori education by kaupapa Maori comes partly from the limited application of critical theory to the decolonization but not to the post-colonization. The inspection of the Maori education at an early stage indicates cross-cultural elements in Maori initiatives without any influence of the critical theory. The innovation of kaupapa Maori and tikanga Maori could be attained through the cross-cultural struggles retaining intrinsic Maori values and protocols.