著者
福田 滿 杉原 好枝 伊藤 みどり 堀内 理恵 浅尾 弘明
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.195-199, 2006-04-15
被引用文献数
5 11

乾燥オカラが付加価値の高い機能性食品素材であることを明らかにするために,オカラの脂質代謝改善効果を調べた.高コレステロール食摂取ラットにオカラを投与したところ,血中コレステロール値の上昇に対する抑制効果,肝臓中性脂肪蓄積抑制効果が認められたが,血中中性脂肪濃度の低下作用はなく,肝臓コレステロール濃度は低下の傾向を示した.血中コレステロール濃度低下に要する期間は4週間であった.以上の結果から,オカラ成分は緩慢ではあるが,血中コレステロール上昇抑制,肝臓脂質蓄積抑制という脂質代謝改善作用を示すことが確認された.
著者
杉原 厚吉 小柳 義夫 山本 博資 室田 一雄 今井 浩 杉原 正顯 村重 淳
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2003

本研究の目的は,従来から開発されつつある分野ごとの個別のロバスト計算技術を横断的に整理し,分野の境界を超える共通で普遍的なロバスト計算のためのアルゴリズム設計パラダイムを構築することであった.この目的のために,本研究参加者がそれぞれの手法を持ち寄り,交流をくり返す中で,五つの設計原理を抽出することができた.その第一は,「計算対象の背後に存在する構造不変性の利用」で,位相構造の優先による幾何不整合の防止,物理法則を継承する数値解法,因果律に反しない計算順序の選択などの技術を含む.第二の原理は,「対象世界の拡大による計算の安定化」で,図形を超図形へ拡張することによるミンコフスキー演算の安定化,離散対象の連続緩和による整数計画法の高効率化,記号摂動による例外解消などの技術を含む.第三の原理は,「対象世界を制限することによる計算の安定化」で,連続関数の格子点への制限による計算の安定化,実数計算を整数計算へ制限することによる幾何計算の無誤差化,などの技術を含む.第四の原理は,「不確定性のモデル化による計算の安定化」で,物理パラメータを値から領域へ置き換えることによる制御安定化,値を区間に置き換えることによる特異積分方程式の解法などの技術を含む.第五の原理は,「仮定の排除による汎用性の確保」で,発生確率に関する仮定を排除することによるユニバーサル符号技術や異常検出技術などを含む.さらに,抽出した原理を指針に用いて,新しいロバスト計算技術も開発できた.その中には,第一の原理に基づいて,対象の背景構造をディジタル画像近似を介して統一的に抽出して利用する「ディジタル位相優先法」,第二の原理に基づいて,望みの例外のみを選択的に解消することによって摂動の副作用を防ぐことのできる「超摂動」などの技術がある.これらの活動を通してロバスト計算技術を新しく生み出すことのできるパラダイムが構築できた.
著者
稲垣 宏 杉原 厚吉
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告アルゴリズム(AL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.26, pp.41-48, 1994-03-17
被引用文献数
1

筆者らは,文献[1][2]において,位相構造を優先することで数値的安定化を図った3次元Voronoi図構成法を提案した.また,文献[3]では,このアルゴリズムを利用して,双対図形である3次元Delaunay図を生成する方法を提案した.本稿では,位相構造を優先させたVoronoi図構成法が,制約つきDelaunay図の構成にも利用できることを示す.ここで提案する算法では,制約を満たすように数値判定をねつ造しているために,正しいボロノイ図は出力されない.しかし,その双対を求めると,制約つきDelaunay図になっているのである.また,本算法を適用した3次元の制約つきDelaunay図構成プログラムを作成し,計算機実験により,その有効性を実証した.In our previous paper[2], we proposed a numerically robust algorithm for constructing the three-dimensional Voronoi diagram. In this paper, we show that this algorithm can be applied not only to the construction of the ordinary Delaunay triangulation but also to the construction of the constrained Delaunay triangulation. In order to construct the constrained Delaunay triangulation, we invent numerical results on the way to the construction of the Voronoi diagram in such a way that they satisfy the constraints. Moreover we implemented the algorithm as a computer program, and verified the validity of the algorithm by computational experiments.
著者
杉原 久仁子
出版者
桃山学院大学
雑誌
桃山学院大学社会学論集 (ISSN:02876647)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.307-336, 2011-03-28

People with dementia in the prime time of life are faced with many problems, one of which is the working problem. This paper aims to quest for better methods of the working support for people with dementia in the prime time of life. First, I introduce some working problems by referring to findings of an opinion survey for families of persons with dementia, talking of a person with dementia, and an interview with a person who has experiences of supporting a person with dementia at a working place. Second, tasks in the working support are extracted from a case study of a person with dementia who works while being supported by working support centers. Third, I try to show new directions in methods of the working support for people with dementia through examining first and second discussions.
著者
相島 健助 松尾 宇泰 室田 一雄 杉原 正顕
出版者
一般社団法人日本応用数理学会
雑誌
日本応用数理学会論文誌 (ISSN:09172246)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.97-131, 2007-06-25
被引用文献数
3

Convergence theorems are established with mathematical rigour for two algorithms for the computation of singular values of bidiogonal matrices: the differential quotient difference with shift (dqds) and the modified discrete Lotka-Volterra with shift (mdLVs). Global convergence is guaranteed under a fairly general assumption on the shift, and the asymptotic rate of convergence is 1.5 for the Johnson bound shift. This result for the mdLVs algorithm is a substantial improvement of the convergence analysis by Iwasaki and Nakamura. Numerical examples support these theoretical results.
著者
今岡 洋二 杉原 久仁子 藤原 和美 小坂 淳子
出版者
大阪健康福祉短期大学
雑誌
創発 (ISSN:13481576)
巻号頁・発行日
no.7, pp.133-142, 2008-03

増加傾向にある介護職員の離職率の高さや心身に蓄積する疲労の原因の所在を明らかにする目的で、現在介護の仕事に従事している本学および大阪総合福祉専門学校の卒業生に対するアンケート調査をもとに、介護職場における夜間勤務、残業実態について考察を行った。夜勤に関しては、多すぎる回数、人員配置の不備・不足、長い労働時間に加え恒常的な残業があるなど、心身の健康を維持しながら、長年にわたって継続できる内容の労働ではないと考えられるような実態が浮き彫りになった。また単独での夜勤という勤務形態には、物理的にも心理的にも根本的で重大な欠陥があり、これは虐待事例などの要因ともなる問題である。データから浮かび上がった諸問題の大半は、社会的・構造的な問題がその核となっており、介護の職場は情報の開示を行うことで横につながり、共通の問題に取り組んでいく必要がある。
著者
小坂 淳子 今岡 洋二 杉原 久仁子 藤原 和美
出版者
大阪健康福祉短期大学
雑誌
創発 (ISSN:13481576)
巻号頁・発行日
no.7, pp.111-123, 2008-03

2007年は、介護の専門職としての介護福祉士が誕生してから20年を迎えている。介護福祉士は看護師や保育士と比較して浅い歴史しかない。本学は、すでに700名余りの卒業生(前身の専門学校を含む)を送り出し、15年経過している。そこで、介護福祉の創設期を担った卒業生がどのように考え、働いているか、仕事を継続できる条件は何かを明らかにする目的で調査を行った。調査では、施設での夜勤を伴う介護は、心身ともに緊張感が高いことや、6割近くの介護職が入浴介助を負担となっている実態等が明らかになった。しかし、介護福祉士は生活をする上で援助が必要な人へのかかわりを通して、自らの成長を実感できる仕事であると、回答も得ている。介護福祉士養成は基本的には国の義務である。介護福祉の仕事が若者に敬遠されることの無いよう、心身ともに健康で働き続けることができる労働条件の確保が不可欠である。現行の職員配置基準や夜勤体制の規制など、国や自治体、施設が行うべき課題は多い。養成校としての教育内容の検討も必要である。希望に燃えて介護福祉士職を選んだ若者の仕事を継続できる環境づくりが急務である。
著者
山西 輝也 大熊 一正 杉原 一臣
出版者
福井工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究は,次世代を担うICT人材を育成するために,ロボカップサッカーの競技部門の一つであるMixed Realityシミュレーションリーグで用いられたマイクロロボットを小・中・高校生向けの教材として利用し,学校間の垣根を越えた協調学習を通じて協働作業の大切さを理解させるような体験授業の考案を目的として実施された。この結果,ロボットシステムの整備とサッカーエージェントの開発が行われ,小学生でもグラフィカル・ユーザ・インターフェースを利用することにより,ロボット動作のプログラムが生成できる環境が整備された。
著者
金川 克子 山岸 映子 田村 須賀子 西村 真実子 大木 秀一 杵淵 恵美子 伴 真由美 浅見 洋 曽根 志穂 梅山 直子 高窪 美智子 杉原 敏雄 田中 理 吉村 香代子
出版者
石川県公立大学法人 石川県立看護大学
雑誌
石川看護雑誌 (ISSN:13490664)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.1-9, 2007

石川県立看護大学はJICAの依頼のもとに,タジキスタン共和国の母子保健の向上に資する目的で,2005年から概ね3年間の予定で「母と子の健やか支援プロジェクト」の企画,運営を通して,支援活動に加わることになった.その一環として2005年10月から12月まで,タジキスタンより研修員6人を受け入れ,県内の他機関との協力のもとで,研修を実施した.本旨は研修プログラムの企画,内容,評価等の実施状況と,研修のありかたについての考察についての報告である.研修の目的はわが国における母子保健や公衆衛生活動の現状を理解するのみでなく,研修員がこれらの成果を生かして,自国での母子保健の改善や新しいプログラム開発に向けてのアクションプランを作成し,実践することが課せられている.われわれもその目的に向けての研修のあり方の工夫が必要である.(著者抄録)
著者
松田 博貴 井龍 康文 中森 亨 佐藤 時幸 杉原 薫 佐々木 圭一
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

本企画調査は,「気候・海洋環境変動に伴いサンゴ礁分布域の北限・南限(「サンゴ礁前線」)は移動する」というモデルに立脚し,琉球列島を調査対象域として,1)「サンゴ礁前線」の移動に基づくサンゴ礁形成の規制環境要因の解明および気候・海洋環境変動の復元,2)種々の時間スケールでの環境変動に対するサンゴ礁生態系の応答,ならびに3)全球的炭素循環におけるサンゴ礁の機能と影響,を解明するための科学提案「第四紀気候変動に対するサンゴ礁の応答」の実現を目的として実施された.企画調査では,国内外関連研究者13名により,現在のサンゴ礁北限近傍に位置する喜界島でのワークショップ(2003年8月),ならびに東京での公開シンポジウム"氷期にサンゴ礁の北限はどこだったのか??-I0DP/ICDP掘削プロジェクト「サンゴ礁前線の移動に基づく氷期・間氷期の環境変動解析」の実現に向けて-"(2004年1月)を通じて,1)様々な生物指標・化学プロキシーからの気候・海洋情報の抽出・解析法の総括,2)仮説検証に最大効率を生みだす最適掘削地点の選定,3)コア試料を補完する検層の選定と検層計画の最適化,4)サンゴ礁性堆積物における掘削ツールと掘削計画の最適化,について,炭酸塩堆積物,造礁生物,地球化学,年代決定などの観点から,多角的に検討を加えてきた.今後は,これらの討議により明らかにされた問題点や技術的課題について検討していくとともに,データ蓄積の乏しい北限域のサンゴ礁ならびに礁性堆積物の調査を継続し,早期の科学掘削の実現を図る.なお本企画調査の成果については,特集号として出版する予定である.
著者
岩本 純明 大鎌 邦雄 坂下 明彦 松本 武祝 加瀬 和俊 坂根 嘉弘 藤田 幸一 生方 史数 仲地 宗俊 杉原 たまえ
出版者
東京農業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

共有資源の管理システムを、林野・漁業・水利に焦点を当てて比較制度論的に検討した。調査地は、海外 8 カ国、国内 12 カ所で行った。主な知見は以下の通りである。(1)共同体をベースにした共有資源管理制度は、市場経済の浸透のもとでもまだ広汎に残っている。(2)しかしながら、共同体的関係の弛緩とともに、従来は内部で吸収できていたコストが顕在化している。(3)資源管理に関わる技術革新も制度変容の重要な要因となっている。
著者
伊理 正夫 今井 敏行 久保田 光一 室田 一雄 杉原 厚吉
出版者
東京大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1988

本研究は,代表者伊理正夫が1983年に発案した高速自動微分法のためのソフトウェア試作と実際問題への応用を発展させ,実用技術として確立することを目的とした。本研究によって得られた成果をその目的に沿って述べると次のようになる。(1)プリプロセッサの改良:C++による処理系を試作し,既に製作してあったFORTRANによるものとともに改良を重ね,実験用ソフトウェアとしては一応の完成をみた。それらを移植し,種々の計算機上で高速自動微分法を利用可能にした。さらに,勾配の誤差も計算できるようにするなど改良を加えた。現在,サブル-チン等の副プログラムに対する処理,ベクトルプロセッサ向けの処理を導入すべく,処理系をさらに改良中である。(2)丸め誤差の推定の理論の厳密化,丸め誤差の推定値を積極的に利用する算法の開発・実験,実際的な問題への応用:理論的に従来の区間解析よりも優れていることを証明しただけでなく,応用時に問題になる計算グラフの作成方法の改良の必要性を指摘し,解決のためグラフの縮小法を開発した。実用面では,演算増幅器の直流解析などを例にした非線形方程式系解法への応用や,幾何的アルゴリズムを利用した地理的最適化問題に適用し,精度,速度,特に収束性を詳しく調べることを通じ,従来の方法に比べて高速自動微分法が有効であることを確認した。(3)高速自動微分法と数式処理システムとの融合:プリプロセッサが改良中であること,実用面での高速自動微分法の有効性の証明を精密に行なうのに時間と労力を費やしたため,この方面に関する研究は,完成しておらず,今後の課題として残された。上記の成果をふまえて,国際数理計画シンポジウム,京大数理解析研研究集会,情報処理学会研究会,SIAM Workshopなどでの発表,内外の研究者との交流を行い,本研究の成果が国際的に先導的地位にあることを確認した。
著者
杉原 久仁子 Kuniko Sugihara
出版者
桃山学院大学総合研究所
雑誌
桃山学院大学社会学論集 (ISSN:02876647)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.19-47, 2010-02

For the youth with dementia who has physical strength and physical functions, activities of daily living are almost possible in the early terms of dementia. Though it is difficult by the appearance for them to be recognized as the disabled, they need supports in outdoor actions. But their families cannot always respond to needs of supports. Therefore, the guide helper service as a public institution is necessary. In the present time, this service is not well known to families needing it, and they are not familiar with using guide helpers. Guide helpers also are faced with many problems. This paper, based on interviewing some guide helpers, aims to find problems with which they are faced in supports for outdoor actions, and examine skills which are necessary to accomplish tasks of the guide helper.
著者
鈴木 秀美 山田 健太 砂川 浩慶 曽我部 真裕 西土 彰一郎 稲葉 一将 丸山 敦裕 杉原 周治 山本 博史 本橋 春紀 岩崎 貞明 笹田 佳宏
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

日本の放送法は, 放送事業者の自律を前提としているため, 放送事業者が政治的に偏った番組や虚偽の事実を放送して番組内容規制(番組編集準則)に違反しても, 放送法には制裁がなく, 電波法による無線局の運用停止や免許取消は強い規制であるためこれまでに適用されたことがない。結果として, 違反があると, 行政指導として, 実質的には行政処分である改善命令に近い措置がとられているが, このような手法には表現の自由の観点からみて重大な問題があることが明らかになった。日本では現在, 通信・放送の融合に対応するため通信・放送法制の総合的な見直しが行われている。本研究は, 現行法制が内包している憲法上の問題を新しい法制に積み残さないために, 問題点を整理・分析したうえで, ありうる改善策を提示した。
著者
杉原 興浩 岡本 尚道 小松 京嗣 戒能 俊邦 白井 宏政 芦高 秀知 江上 力 秋月 隆昌
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

情報通信分野における急速な情報量の増加により、光導波路を用いたモジュール間あるいはボード間の光インターコネクションの研究が活発に展開されている。本研究では、高耐熱性・優れた透明性を備えた樹脂を開発し、それを用いて光導波路デバイスを作製・評価することを目的とする。材料として高いガラス転移温度を有するポリアリレート樹脂を開発し、現行樹脂の欠点を克服し、これまでにない優れた光学特性を有する材料を得る。また該樹脂を光導波路デバイスに応用し、ポリアリレート高分子光導波路作製において、光インターコネクションや宅内・車載LANに応用できる低損失マルチモード光導波路(コア径:30〜100μm)を実現する。従来のポリアリレートは、200℃以上の耐熱性を有していたが、その構造にC-H結合を多く有するため、赤外域での吸収損失が無視できなかった。そこで、C-H結合の一部をC-F結合に置換したフッ素化ポリアリレートを開発し、その材料としての特性を評価した。その結果、ガラス転移温度は基本的なポリアリレートであるU-100と比べて30℃上昇し、耐熱性が向上していることが明らかとなった。また、可視〜赤外の広い領域でU-100と比較して透明性が向上しており、光導波路コア材として適していることも明らかとなった。このフッ素化ポリアリレートを用いて、フォトリソグラフィ及び反応性イオンエッチング法でコア径90μm及び30μmのマルチモード光導波路を作製した。また、ポリアリレートは、電子線直接描画と熱現像により微細加工できるが、フッ素化ポリアリレートにおいては、微細加工に必要な電子線照射量がU-100の1/20で良いことがわかり、材料の電子線感度が大幅に向上することが新たに発見された。
著者
幕内 博康 町村 貴郎 宋 吉男 水谷 郷一 島田 英雄 徳田 裕 杉原 隆 佐々木 哲二 田島 知郎 三富 利夫 大森 泰 三吉 博
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.24, no.10, pp.2599-2603, 1991-10-01
被引用文献数
30

近年,診断技術とくに色素内視鏡の進歩により,食道表在癌はもとより食道粘膜癌も増加してきた.粘膜癌で粘膜筋板に達しないものでは脈管侵襲やリンパ節転移をきたすことも極めてまれである.そこで内視鏡的粘膜切除術の適応を,(1)粘膜筋板に達しない粘膜癌,(2)長径2cm以下,(3)食道全長に多発していないもの,とした.われわれは18例23病巣に内視鏡的粘膜切除術を施行しており,このうち表在癌は15例19症巣であった.手技は,(1)ヨード染色により病巣の範囲を確認し,(2)病巣周囲にマーキングを行い,(3)インジゴカルミン・エピネフリン加生食水を粘膜下に注入し,(4)内視鏡的粘膜切除術を施行して組織を回収し,(5)再度ヨード染色で切除範囲を確認するものである.皮下気腫をきたした1例以外合併症はなく,穿孔例や緊急手術の適応となったものはない.本法の発展普及と食道癌の予後改善を期待する.
著者
吉村 武彦 杉原 重夫 加藤 友康 川尻 秋生 柴田 博子 市 大樹 加藤 友康 川尻 秋生 柴田 博子 市 大樹
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

墨書土器に関する研究文献データベースは、総計が1,866件になった(継続中)。墨書土器データベースは、全国簡易版(釈文・遺跡名・所在地・出典データ)が108,744点、詳細版は四国4県、鹿児島を除く九州6県と、北陸の富山、東海の静岡、および飛鳥・藤原・平城宮出土の墨書土器を公開した。この成果により、関東以西の墨書土器の全国的比較研究と都城との比較が可能になった。地域研究は、千葉県市川市を対象に進めている。