著者
杉原 貴彦 村田 剛志
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.25, 2011

Freyらが提案したメッセージ交換型クラスタリング手法であるAffinity Propagationを用いてネットワークからのコミュニティ抽出を行った. メッセージとして頂点間の類似度を用いて実験を行い, いくつかのネットワークにおいては比較的高速な時間で高いモジュラリティを もつコミュニティの抽出に成功した. また,この手法が有効なネットワークの特徴についての考察も行った.
著者
吉田 伊津美 杉原 隆 森 司朗
出版者
東京学芸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

本研究の目的は、幼稚園における幼児の運動経験の内容およびその実態を明らかにし、運動指導の内容を運動能力との関連で検討することであった。43園を対象とした質問紙調査からは以下のことが明らかとなった。1.多くの幼稚園で子どもの健康・体力に対する意識を高くもっていた。2.約6割の園に体育専門の指導者がおり、保育者は運動を特別なものとして捉えその活動を専門の指導者にまかせる傾向がみられた。3.運動指導の内容は、体操やサッカーなどのスポーツなど特定の活動が中心であり、これらの活動は好きな遊びの時間などでは活発に行われておらず、指導時間限定の活動であることが示唆された。4.運動会は、半数の園は普段の遊びの延長として行なわれ、残りの半数の園では特別な出し物を披露する行事として行われており、保育時間にそのための練習が行われていた。一方、4園を対象に行なった保育場面の観察により以下のことが明らかとなった。1.一斉保育を中心としている園では、全体的に子どもの活動に対する選択の自由度が低く、動きのバリエーションも少ないという保育形態の違いによる子どもの運動経験の違いが示唆された。このことが運動能力の低いことと関連しているものと思われる。2.一斉活動における保育者の運動指導はどの子にも画一的に一様の指導が行われていた。3.運動能力の高低によらず幼児の活動の中には高い運動強度のものはほとんどみられなかった。このことから幼児期には高い運動強度の活動は必要なく、からだを多様に動かすことが運動発達に影響していることが示唆された。保育者は遊びの重要性を意識し、遊びを通しての教育を実践していく必要がある。また、活動を中心とするのではなく、子どもの経験を重視した保育内容を計画していくことが大切である。
著者
神藤 貴昭 酒井 博之 山田 剛史 村上 正行 杉原 真晃
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.113-116, 2006

本研究では,京都大学教育学部の授業と,鳴門教育大学大学院学校教育研究科の現職小・中・高教員対象の授業を連携させ,教育の理論と実践について議論することを目的とした京鳴バーチャル教育大学(KNV)実践の概要を示し,また,相手大学に現職教員あるいは京大学生という自己とは異なった顔を持つ<他者>がいることによる「フレーム」の変容に関する考察を,インタビュー及び電子掲示板の発言をもとにおこなった.その結果,一部「フレーム」の変容が困難であった受講生もいたが,教育に関する知識に関する「フレーム」変容だけではなく,教育に関する考え方や議論の仕方等,形式に関する一定の「フレーム」の変容が認められた.
著者
中村 仁彦 山根 克 杉原 知道 岡田 昌史 関口 暁宣 大武 美保子
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2003

1.力学的情報処理理論力学敵情報処理を行うメカニズムの設計法として,多項式および物理的力学系を用いた手法を確立した.また,力学系の可塑性パラメータを導入し,その可塑性に基づく学習と発達のモデルを構築するとともに,力学的引き込み現象としてのコミュニケーションモデルを実現した.2.ミラーニューロンの数学モデル隠れマルコフモデル(HMM)を用いたミラーニューロン数学モデルとその計算法を確立し,HMMの多重階層化による行為の抽象化を実現した.また,常識データベースをもつ言語解析システムと多重階層化ミラーニューロンモデルとの結合を行った.3.ヒューマノイドロボットによる行為の受容と生成の実験従外力運動をするヒューマノイドロボットの試作を行い,人間動作計測に基づいて動作パターンを獲得して制御系を設計する手法を開発した.また,ヒューマノイドロボットと力学情報処理および言語解析システム,行動受容生成システムの結合実験を行った.4.人間の筋・骨格詳細モデルによる大規模センサリ・モータ系のシミュレーションモーションキャプチャデータに基づく筋張力の推定と動力学シミュレーションを行う手法を開発した.また,人間詳細モデルの動力学計算の並列計算による高速化を実現した.大規模センサリ・モータ系としてのヒューマンキデルシミュレータを開発し,力学的情報処理モデルとの結合を実現した.
著者
伊藤 守 杉原 名穂子 松井 克浩 渡辺 登 北山 雅昭 北澤 裕 大石 裕 中村 潔
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1998

本研究から、住民一人ひとりの主体的参加と民主的でオープンな討議を通じた巻町「住民投票」が偶発的な、突発的な「出来事」ではない、ということが明らかになった。巻町の行政が長年原発建設計画を積極的に受け止めて支持し、不安を抱えながら町民も一定の期待を抱いた背景に、60年代から70年代にかけて形成された巻町特有の社会経済的構造が存在した。「住民投票」という自己決定のプロセスが実現できた背景には、この社会経済的構造の漸進的な変容がある。第1に、公共投資依存の経済、ならびに外部資本導入による大規模開発型の経済そのものが行き詰まる一方で、町民の間に自らの地域の特徴を生かした内発的発展、維持可能な発展をめざす意識と実践が徐々にではあれ生まれてきた。第2に、80年以降に移住してきた社会層が区会や集落の枠組みと折り合いをつけながらも、これまでよりもより積極的で主体的に自己主張する層として巻町に根付いたことである。「自然」「伝統」「育児と福祉」「安全」をキーワードとした従来の関係を超え出る新たなネットワークと活動が生まれ、その活動を通じて上記の内発的発展、維持可能な発展をめざす経済的活動を支える広範な意識と態度が生まれたのである。こうしだ歴史的変容が、町民に旧来の意思決定システムに対する不満と批判の意識を抱かせ、自らの意思表明の場としての「住民投票」を可能にしたといえる。
著者
澤村 明 寺尾 仁 寺尾 仁 杉原 名穂子 鷲見 英司 松井 克浩 渡邉 登 伊藤 亮司 岩佐 明彦 福留 邦洋 中東 雅樹 西出 優子 北村 順生 澤村 明
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

新潟県の北部に位置する高根集落(村上市、2008年の合併までは朝日村)と、逆に西部に位置する桑取川流域(上越市)である。具体的な集落の分析を通じて、結束型、橋渡し型、連結型というソーシャル・キャピタルの基本概念や、コミュニティとアソシエーションという組織のありかたの基本概念を深化させる手がかりを提供した。
著者
杉原 たまえ
出版者
日本農村生活研究会
雑誌
農村生活研究 (ISSN:05495202)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.10-19, 2010-03-01

「シークヮーサー」という沖縄における生物資源の商品化の過程と問題について、沖縄県大宜味村の役場、JA、農家からの聞き取り調査に基づき考察することを目的とする。
著者
山下 春生 南光 孝彦 弓場 隆司 入江 宏之 杉原 泰宏
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会技術報告 (ISSN:03864227)
巻号頁・発行日
vol.17, no.34, pp.11-16, 1993-06-24

帯域制限を利用して2値画像を低解像度の多値画像に変換するときの、情報量の変化と視 認性について検討を行った。その結果、多値化処理により得られる画像が間引き処理に比 べて多くの情報量を有すること、画像の情報量が視認性の評価基準として有効であること を明らかにした。また実験結果から多値化処理の条件を設定し画像の出力実験を行い、13インチディスプレイで高品位な縮小表示が可能なことを示した。
著者
山下 春生 南光 孝彦 弓場 隆司 入江 宏之 杉原 泰宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EID, 電子ディスプレイ
巻号頁・発行日
vol.93, no.107, pp.11-16, 1993-06-24

帯域制限を利用して2値画像を低解像度の多値画像に変換するときの、情報量の変化と視認性について検討を行った。その結果、多値化処理により得られる画像が間引き処理に比べて多くの情報量を有すること、画像の情報量の視認性の評価基準として有効であることを明らかにした。また実験結果から多値化処理の条件を設定し画像の出力実験を行い、13インチディスプレイで高品位な縮小表示が可能なことを示した。
著者
川村 邦光 荻野 美穂 杉原 達 冨山 一郎 真鍋 昌賢 中村 生雄
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

本研究は平成12年度から14年度の科研「戦死者をめぐる宗教・文化の研究」を発展させる意図のもとに計画し、平成15年度から17年度の3年間にわたって実施された。課題名「近代日本における宗教とナショナリズム・国家をめぐる総合的研究」の研究目的は、近代日本における宗教と国家との関係を研究することにある。国家の宗教政策、また靖国神社や神社神道、国家神道が国民の信仰生活に対してどのような影響を及ぼしたのか、宗教がナショナリズムの形成においてどのように関与したのか、この二つが主要なテーマである。この研究課題を進めるために、「文化/批評」研究会を組織し、3年にわたり、16回の研究会を開催することができた。また、研究会の案内・報告などのために、ニューズレター「cultures/critiques」を刊行し、23号に達した。本研究会では、大阪大学や他の大学の教員や大学院生に参加を呼びかけ、研究分担者をはじめとし、他大学の研究者、また大阪大学の大学院生に発表やコメントを依頼して、他大学の様々な研究分野の研究者との交流をはかることができたとともに、若手研究者の養成と大学院教育の充実をはかることができたと考える。本研究の報告書として、6名の寄稿者をえて、283頁に及ぶ冊子を刊行することができた。ここでは、研究分担者、大阪大学大学院の院生、他大学の研究者にも研究会での発表に基づいて、原稿を執筆してもらい、研究成果の公表と共有化をはかった。研究目的の大半を達成できたと考えるが、調査や研究の成果が論文のなかに反映させることができなかったため、今後ともこの研究会を続行することにしている。
著者
高橋 庸哉 新保 元康 土田 幹憲 佐藤 裕三 小笠原 啓之 割石 隆浩 神林 裕子 佐野 浩志 坂田 一則 細川 健裕 土門 啓二 松田 聡 本間 寛太 伊藤 健太郎 杉原 正樹 中島 繁登 吉野 貴宏
出版者
北海道教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

開発してきた雪に関するWebコンテンツの授業での普及を図るために、コンテンツの拡充と共に児童向けワークシート及び教員向け学習プラン集、教員研修プログラムの開発を行った。ワークシートを授業で利用した教員は5段階で平均4.8と高く評価した。教員研修プログラム後に参加小学校教員の45%はこのコンテンツを利用しており、プログラムが有効に機能した。また、コンテンツが授業に役立ったかについて5段階で4.5と答えており、Webコンテンツの内容妥当性も示された。
著者
杉原 薫 園田 直樹 今福 太郎 永田 俊輔 指宿 敏幸 山野 博哉
出版者
日本サンゴ礁学会
雑誌
日本サンゴ礁学会誌 (ISSN:13451421)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.51-67, 2009-12-01 (Released:2010-08-07)
参考文献数
57
被引用文献数
12 18

高緯度域の造礁サンゴ群集は,地球温暖化による表層海水温(SST)の上昇や海洋酸性化といった地球規模での撹乱の影響指標として,現在注目されつつある。そこで本研究では,高緯度域の造礁サンゴに関する基礎データを収集することを目的として,鹿児島県甑島列島から島根県隠岐諸島にかけてみられる造礁サンゴの生息環境と群集構造の定量調査を2002年から2009年にかけて行った。その結果,生息種数と被覆率がともに高い造礁サンゴ群集は,どの海域でも波浪エネルギーが中程度で濁度が小さいと推定される地点(外洋に近い島陰あるいはやや遮蔽的な湾口)の水深10m以浅で多くみられた。また,これらの生息範囲は,緯度の増加に伴ってより波浪の影響の少ない内湾の浅海域あるいは外洋に近くても水深の深い環境へと局所化する傾向が認められた。甑島列島上甑島でみられた造礁サンゴ群集の優占種は,亜熱帯性の卓状・枝状Acropora(A. hyacinthusやA. muricata)と板状のPavona decussataであった。長崎県五島列島の福江島と若松島では,外洋側で温帯性の卓状Acropora(A. glauca, A. japonicaやA. solitaryensis)が,内湾側で被覆状~塊状種(Leptastrea pruinosa,Mycedium elephantotusやHydnophora exesaなど)と温帯性の枝状Acropora(A. tumidaやA. pruinosa)がそれぞれ卓越していた。長崎県壱岐と対馬では,温帯性の卓状Acropora種は全くみられず,塊状のFavia spp.と葉状~被覆状種(Echinophyllia spp.やLithophyllon undulatumなど)が大部分を占めていた。隠岐諸島では,塊状~被覆状のOulastrea crispata,Alveopora japonicaとPsammocora profundacellaの生息が確認されたのみで,これらの種は生息群体数も少なく散在的な分布を示す群集(個体群)を構成するに過ぎなかった。
著者
榎本 啓 杉原 明 塩川 茂樹 笹瀬 巌
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1996, no.1, 1996-03-11

複数の端末が1つの基地局へ単一チャネルを利用してバケットを送信するランダムアクセス方式が注目されている。その中で、抑止波検知多重接続(ISMA)方式は、基地局がチャネルが空いている時はIdle Signal、使用中はBusy signalを放送し、送信したいパケットを持つ端末は基地局からの信号を検知し、Idle Signalを受信した時のみパケットを送信するので、衝突の確率が低く効率の良い方式として注目されている。ところで、無線通信においても、将来のマルチメディア化へ対応するため、異なる品質を要求する多種のトラヒックを処理するための優先権機能を付加することが望まれている。しかし、従来のシステムでは全てのパケットを平等に扱っており、優先権を付加するためにはプロトコルの大幅な変更が必要となる。本研究では、基地局が複数のIdle Signalを時間差をつけて送信することにより、優先権を有するトラヒックに対応できるISMAの方式を提案し、スループット・遅延特性を評価する。そして、Idle Signalの時間差を調整することにより、優先度を調節することができることを示す。
著者
水谷 郷一 幕内 博康 町村 貴郎 島田 英雄 菅野 公司 森屋 秀樹 堀江 修 宋 吉男 杉原 隆 花上 仁 佐々木 哲二 田島 知郎 三富 利夫
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.82-86, 1993-01-01
被引用文献数
12

われわれは4例の特発性食道破裂を経験しその臨床的検討を加えたので報告する.年齢は40〜63歳ですべて男性であり,4例ともに飲酒後の嘔吐を契機にして発症した.初診時に診断できたものは4例中1例のみであり,他の3例は正診できなかった.治療は1例が保存的に他の3例は手術を施行した.手術を施行した1例が敗血症で死亡したが他の3例は軽快退院となった.診断に際しては本疾患の認識が最も重要であり,胸部X線写真,胸部computed tomography(以下:胸部CTと略す),ガストログラフィンを用いた食道造影を早期に行うことが大切である.また治療は,1)破裂孔が比較的小さい.2)破裂が縦隔内にとどまっている.3)縦隔内の汚染が軽度である.4.胃内容が持続的に逆流しない4つを満たすものは保存的治療とし,それ以外の症例は手術により穿孔部の閉鎖,胸腔および縦隔内の洗浄,確実なドレナージを行うことが原則と考えられた.