著者
藤井 輝也 太田 喜元 中島 潤一 宮島 春弥 徳永 光芳 杉田 洋祐 表 英毅 林 秀樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.37, pp.19-24, 2013-05-09

災害などで通信障害が発生している携帯電話サービスエリアを迅速に復旧させる様々な取組みが行われている。その取組みの一つとして、係留気球に非再生無線中継装置(リピータ)を搭載した係留気球無線中継システムを開発し、実証実験を実施した。本稿では開発した係留気球無線中継システムの概要について述べる。
著者
鈴木 晃仁 脇村 孝平 杉田 聡 橋本 明 飯島 渉 杉田 米行 加藤 茂生 廣川 和花 渡部 幹夫 山下 麻衣 永島 剛 慎 蒼健 ヨング ジュリア 香西 豊子 逢見 憲一 田中 誠二
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010

疾病・病者・医者の三つのエージェントが会して構成される「医療」という動的な場は、どのような歴史的な構造を持つのか。疾病環境の変化、人々の病気行動の変化、そして医療者の科学と技術の変化の三つの相からなる医療の構造変化は、近現代の日本の変化とどのような関係があり、世界の中の変化とどう連関したのか。これらの問いが、急性感染症、スティグマ化された疾患、帝国医療の主題の中でとらえられた。
著者
杉田敢 山下徹 水本旭洋 玉井森彦 安本慶一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.7, pp.1-7, 2014-03-07

近年,食生活の乱れが生活習慣病の要因の一つとして問題になっている.食生活の乱れは,人間が食事を行うのに適した時間や量を正しく認識できない事に原因がある.そこで食生活の乱れを抑制する方法として,人間の感覚的状態の一つである空腹感の推定による適時・適量の食事推薦が,この問題の軽減に役立つ可能性がある.しかし一般的に,感覚的な状態の推定は生体を傷つけて行う侵襲的測定や,専門的または高価な機器が必要であるためユーザへの負担が大きい.そのため,侵襲的ではない方法により,定量的な空腹感の度合い 「空腹度」 を推定できることが望ましい.本稿では,空腹度と血糖値との間に密接な関係があることに着目し,(1) 食事および行動情報からの血糖値の推定,(2) 血糖値から空腹度の推定,の 2 段階構成の推定モデルを構築する手法を提案する.この空腹度推定モデルにおける推定血糖値と実際の血糖値,推定血糖値と空腹度との関連性を調査するため,血糖値および生活行動の記録,およびそれらを空腹度推定モデルに適用する実験を行った.その結果,実際の血糖値と推定血糖値の推移,推定血糖値と空腹感との間には強い正の相関が確認できた.In recent years, disturbance of diet has become a problem in many countries. Disturbance of diet is caused by the fact that people are not so conscious of appropriate time to eat meals as well as appropriate amounts of the meals. Accordingly, estimating the hunger feeling which is one of the human sensory states may help alleviating this problem. However, estimation of human sensory states often requires invasive measurement by injuring human body with a special and expensive device. In this paper, we propose a method for estimating hunger degree of a user at arbitrary time from the information of meals and exercises that the user has taken. We construct the hunger degree estimation model consisting of two steps: (1) the blood glucose level from meal and exercise information and (2) the hunger degree from the blood glucose level. To evaluate the proposed method, we measured the blood glucose level of a subject at some points of time as well as the user's meal and exercise information, and applied the measured data to our proposed estimation model. As a result, we observed a strong correlation between the measured and the estimated blood glucose level and between the subjective and the estimated hunger degree.
著者
杉田 征彦
出版者
沖縄科学技術大学院大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2014-08-29

エボラウイルスゲノムの転写・複製制御機構の分子基盤を解明する目的で、クライオ電子顕微鏡を用いたエボラウイルスNP-RNA複合体 (NP helix) の構造解析を行った。NP helixのクライオ電子顕微鏡画像を大量撮影し、コンピュータークラスタを用いて画像解析した結果、近原子分解能で詳細な三次元構造モデルを構築した。NP helix上では、隣合うNPが密に結合していた。また、C末端のαヘリックスはジッパーのように特徴的に並ぶ構造を有することが判った。これらの構造は、NP helixの形態形成およびウイルス感染環における構造変化のメカニズムを説明するための重要な知見となると考えられる。
著者
望月 由妃子 田中 笑子 篠原 亮次 杉澤 悠圭 冨崎 悦子 渡辺 多恵子 徳竹 健太郎 松本 美佐子 杉田 千尋 安梅 勅江
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.61, no.6, pp.263-274, 2014 (Released:2014-08-07)
参考文献数
30

目的 児童虐待件数は毎年増加しており,虐待の予防,早期発見,早期支援に関し,実態に基づく適切かつ具体的な取り組みが求められる。本研究の目的は,保育園の園長および保育士が「虐待疑い」と評価し,市と情報交換しながら見守りをしている子どもの養育者の育児不安および育児環境と虐待との関連を明らかにし,虐待の予防,早期発見・早期支援の一助とすることである。方法 A 市の全公立保育園に在園する子どもの全養育者1,801人に育児支援質問紙および育児環境指標(ICCE)への記入を依頼した。育児支援質問紙は養育者の育児困難感や不安・抑うつ傾向を,育児環境指標は子どもと環境とのかかわりの質や頻度などを測定する。専門職が「虐待疑い」と評価した子どもの養育者を「虐待群」,それ以外を「非虐待群」とした。育児困難感,不安・抑うつ傾向および育児環境と虐待との関連を検討するため,両質問紙の回答をリスク群,非リスク群の 2 群に分類し,各リスク項目の有無の独立性について,Fisher の正確検定により検定した。さらに虐待と有意に関連する要因を他の項目の影響を互いに調整した上で検討するため,「虐待」を目的変数,育児不安と養育環境で有意な関連のみられた項目を説明変数,性別と年齢を調整変数とし,多重ロジスティック回帰分析によりオッズ比を算出した。結果 多重ロジスティック回帰分析の結果,「虐待群」は「非虐待群」と比較して,育児不安では,「不安や恐怖感におそわれる」が4.9倍,育児環境では,「保育園以外に子どもの面倒をみてくれる人がいない」が4.7倍であり高い値を示した。調整変数(性別,年齢)では有意な関連はみられなかった。結論 育児困難感や不安・抑うつ傾向および育児環境と虐待との関連より,保育園等の専門職が養育者への具体的かつ活用可能な支援の方策が得られ,虐待の予防,早期発見,早期支援の一助となることが示唆された。
著者
酒本 喜与志 荒川 博文 箕田 誠司 石河 隆敏 杉田 裕樹 鮫島 浩文 江上 寛 池井 聰 小川 道雄
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.25, no.10, pp.2590-2594, 1992-10-01
被引用文献数
9 11

サイトカインは手術侵襲後に生じる種々の生体防御反応において重要な役割を果たしている.今回,外科手術後の血中サイトカインの上昇機序と,それが,どのような因子の影響を受けるかを検討した.対象は合併症を有しない,各種の予定手術を受けた38例である.サイトカインの定量はELISA法,メッセンジャーRNA(mRNA)の測定はNorthern blotting法にて行った.その結果,1.血中interleu-kin 6(IL-6)値は術後1日目に最高値を示すこと,2.ドレーン浸出液中のIL-6,interleukin 8(IL-8)値は末梢血に比べ著明に高いこと,3.胸腔,腹腔ドレーン浸出液中の細胞内に手術当日,1,2日目にIL-6,IL-8のmRNAの発現を強く認めるが,末梢血細胞内には極めて微量であること,4.食道癌1期的根治術,肺葉切除術はおのおの,同程度の手術侵襲を有す膵頭十二指腸切除術,結腸・直腸切除術よりも高いIL-6値を示すこと,5.IL-6値は手術時間あるいは出血量との間に有意の相関が有ること,が明らかになった.以上より,サイトカインは主として手術局所にて誘導,分泌され,次いで血中に移行して高サイトカイン血症を来たすこと,また,手術時間,出血量はともにサイトカイン産生の大きな影響因子であることが示唆された.
著者
杉田 麟也
出版者
The Oto-Rhino-Laryngological Society of Japan, Inc.
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.76, no.4, pp.432-440, 1973
被引用文献数
1

1. 目的:小脳疾患においては,いわゆる小脳症状が病巣と同側にあらわれ,しかも症状が著明であるために,診断はさほど困難ではないとも一般にいわれている.<br>このたび,われわれは,小脳症状は企図振戦以外には著明なものがなく,反対に神経耳科学的に興味ある小脳半球腫瘍を経験したので報告する.<br>2. 症例:K.S,23♂,:右利き<br>主訴:歩行障害,右耳鳴(ガーン)<br>現病歴:約5ヵ月前,全身倦怠感,38.5°C発熱.数日後より運動の後や,頭部前後屈時に右後頭部より項部の拍動性の痛みを覚え徐々に増強.3ヵ月前,海水浴後,3~4目間右耳鳴.約1.5ヵ月前,食思減退し,嘔気,嘔吐が発現,夕食後時に多い傾向.約20日前より歩行障害が発現.階段下降時着しく,ある時には転落.また右手がふるえ,箸を持てない,歩行時右足のスリッパが脱げる.2週前,舌を主とした雷語障害に気付く.<br>検査結果:右上肢企図振戦著明,V,VII脳神経症状,脳脊髄液;初圧140mmH<sub>2</sub>O,蛋白90mg/dl,Pa-ndy陽性,自発並びに注視眼振は,単に麻痺性というよりはdysmetricな水平性眼振,上方,下方,左方注視でいずれも水平性眼振,頭位検査で方向交代上向性,一部固定性眼振.頭位変換検査ではStenger法で下眼瞼向き垂直性眼振.視標追跡検査では追跡運動がsaccadic pursuit.視運動性眼振はfusion limitが著しく障害され,視運動性後眼振は左向きによく解発され,しかも時々firingしている.温度刺激眼振反応では右側外側半規管機能がやや低下.椎骨動脈写:脳底動脈はunrcllingし後下小脳動脈にごく軽慶のforaminal sign.<br>3. 考察<br>1) 小脳症状は企図振戦以外著明でなかった.すなわち小脳半球障害でも肝臓障害に似て無症状なことが少なくない.<br>2) 脳圧亢進がみられない.小脳半球の実質性腫瘍は一般に脳室を圧迫して早期から脳圧は上昇するというのが常識であるが,腫瘍の性質や部位,あるいは患者の年令によつては脳圧亢進をきたさないことが珍しくない.<br>3) 注視眼振がpareticプラスdysmetricで,小脳障害には特徴的なものであつた.これは眼筋の共同運動失調,あるいは眼筋自体の企図振戦と考えられる.<br>4) 視運動性眼振解発不良にもかかわらず,視運動性後眼振は非腫瘍存在測が優性なのに加わえてfiringを示し,前庭系に対する小脳の抑制の脱落現象を思わす所見がみられた.<br>5) 眼振はすべて非腫瘍存在側に向う傾向があり,破壊性病変においては,この考え方は正しいのではないかと思われる.
著者
久光 彩子 曽我部 陽子 寺田 剛 大隅 有理子 寺田 早百合 平野 綾香 杉田 麻衣 松尾 扶美 片山 涼子 荻野 直人 高見 晋一 桜谷 保之
出版者
近畿大学農学部
雑誌
近畿大学農学部紀要 = Memoirs of the Faculty of Agriculture of Kinki University (ISSN:04538889)
巻号頁・発行日
no.43, pp.91-104, 2010-03

2009年7月22日、日本各地で部分日食が観測され、南西諸島においては皆既日食が観測された。近畿大学奈良キャンパスの位置する奈良県では9時46分に日食が開始し、11時05分に太陽の82%が欠ける最大食に達した後、12時25分に終了した。当日の天気は曇りで、時々太陽が雲越しに見え隠れしていた。最大食時には、鳴き声を出す昆虫類ではニイニイゼミ、キリギリスが減少し、ヒグラシが増加した。鳥類ではヒヨドリの鳴き声、ウグイスのさえずりの聞こえる数が少なくなった。チョウは全体的に活動する種数、個体数が減少し、ネムノキの葉は就眠運動により閉じる傾向が見られた。気象観測データは日射量や気温が低下しており、生物の行動はこれらの影響を受けたものと考えられた。
著者
杉田 毅 山本 剛史 古板 博文
出版者
水産増殖談話会
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.191-198, 2007-06

高糖質低タンパク質飼料がマダイ稚魚の成長、見かけの消化率および肝膵臓の酵素活性に及ぼす影響を検討するため、粗糖質(CS)12%、粗タンパク質(CP)52%の飼料を対照に、CSを20および28%に増大し、CPを44および38%に削減した3試験飼料を作製し、平均体重11.4gのマダイに12週間給与した( 2水槽/飼料)。20%糖質飼料区におけるタンパク質効率およびタンパク質蓄積率は対照区より高かったが、増重率は低く、28%糖質飼料区における増重率、飼料効率、日間成長率およびタンパク質蓄積率は他区に比べて最も低かった。また、肝膵臓の糖新生酵素およびアミノ基転位酵素の活性に区間差はなく、高糖質低タンパク質飼料給与時においてもアミノ酸が糖新生の基質として積極的に活用されていることが示唆された。以上の結果から、マダイ稚魚は高糖質低タンパク質飼料を効率的に利用できないことが示された。
著者
杉田 毅 山本 剛史 古板 博文
出版者
水産増殖談話会
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.191-198, 2007

高糖質低タンパク質飼料がマダイ稚魚の成長, 見かけの消化率および肝膵臓の酵素活性に及ぼす影響を検討するため, 粗糖質 (CS) 12%, 粗タンパク質 (CP) 52%の飼料を対照に, CSを20および28%に増大し, CPを44および38%に削減した3試験飼料を作製し, 平均体重11.49のマダイに12週間給与した (2水槽/飼料) 。20%糖質飼料区におけるタンパク質効率およびタンパク質蓄積率は対照区より高かったが, 増重率は低く, 28%糖質飼料区における増重率, 飼料効率, 日間成長率およびタンパク質蓄積率は他区に比べて最も低かった。また, 肝膵臓の糖新生酵素およびアミノ基転位酵素の活性に区間差はなく, 高糖質低タンパク質飼料給与時においてもアミノ酸が糖新生の基質として積極的に活用されていることが示唆された。以上の結果から, マダイ稚魚は高糖質低タンパク質飼料を効率的に利用できないことが示された。
著者
杉田 正樹 竹内 整一 加藤 尚武 沖田 行司 香川 知晶 篠澤 和久 直江 清隆 菅野 孝彦 小山 嚴也 加藤 泰史 井上 厚史 田中 智彦 九鬼 一人
出版者
関東学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

明治以降、今日にいたる日本の起業家たち、具体的には、渋澤栄一、大原孫三郎、武藤山治、波多野鶴吉、から、現代の稲盛和夫(京セラ)、中村俊郎(中村ブレイス)、大山健太郎(アイリスオーヤマ)、小倉昌男(ヤマト運輸)、大山康夫(日本理科学工業)などについて、インタビューなどを含めて、かれらの公益志向を作り出した、気概、精神、背景にある倫理思想を明らかにした。これは、伝統思想である、儒教や神道、仏教に解消できない、独自の思想であることがあきらかとなった。