著者
山中 由里子 池上 俊一 大沼 由布 杉田 英明 見市 雅俊 守川 知子 橋本 隆夫 金沢 百枝 亀谷 学 黒川 正剛 小宮 正安 菅瀬 晶子 鈴木 英明 武田 雅哉 二宮 文子 林 則仁 松田 隆美 宮下 遼 小倉 智史 小林 一枝 辻 明日香 家島 彦一
出版者
国立民族学博物館
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

中世ヨーロッパでは、辺境・異界・太古の怪異な事物、生き物、あるいは現象はラテン語でミラビリアと呼ばれた。一方、中世イスラーム世界においては、未知の世界の摩訶不思議は、アラビア語・ペルシア語でアジャーイブと呼ばれ、旅行記や博物誌などに記録された。いずれも「驚異、驚異的なもの」を意味するミラビリアとアジャーイブは、似た語源を持つだけでなく、内容にも類似する点が多い。本研究では、古代世界から継承された自然科学・地理学・博物学の知識、ユーラシアに広く流布した物語群、一神教的世界観といった、双方が共有する基盤を明らかにし、複雑に絡み合うヨーロッパと中東の精神史を相対的かつ大局的に捉えた。
著者
杉田 和春 降矢 和夫
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.19-23,75, 1964
被引用文献数
6

国立相模原病院において, 空中の花粉を調べたところ, 花粉数は春・秋に多く夏には少なく, 冬にはほとんど0である.それでこの中で, 開花期が8月-9月であるブタクサと, 5月-6月であるカモガヤとについて, 次のことを確かめた.(1)これらの花粉を, それぞれの開花期にアレルギー性疾患患者に吸入させたところ, ブタクサは22名中11名に, カモガヤは18名中2名に, アレルギー症状即ち花粉症が起こった.対照と同程度の軽い症状を示した患者は陽性者から除いてある.(2)これらの花粉エキスによる皮内反応が陽性である気管支喘息患者の発作は, それぞれの開花期以後に増加している.(3)これらの花粉の吸入によるアレルギー症状の強さは, それぞれの皮内反応の強さと大体平行する.
著者
杉田 篤生 稲富 久人 藤本 直浩
出版者
産業医科大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1990

1.ヒトにおけるPlasma Fibronectin(pFN)の測定。正常人24名、尿路悪性腫瘍患者61名において免疫比濁法によるpFN値の測定を行った。1)治療前におけるpFN値。正常人のpFN値は、平均379μg/ml、患者群では、356μg/mlであり、有意差を認めなかった。転移の有無によってもpFN値に有意差を認めなかった。予後良好群と不良群では、各々410μg/ml、300μg/mlであり、有意差を認めた。2)保存的治療中の患者群におけるpFN値。腫瘍の進行が遅い群と速い群におけるpFN値は、各々372μg/ml、287μg/mlであり、有意差を認めた。よって、pFN値と腫瘍の進行、予後との関連性が示唆された。3)各種治療に於けるpFN値の変動。化学療法中は7例中3例でpFN値の低下(50〜180μg/ml)を認めた。少数例ではあるが、温熱療法、放射線療法、IFN療法では変動はみられなかった。2.担癌マウスにおけるpFN値。移行上皮癌、腎細胞癌、乳癌細胞株をヌ-ドマウスに皮下移植し、pFN値を測定した。1)各細胞株による差はなかった。2)controlのpFN値は712μg/ml、移植後2、4、9、14週では各々652、844、902、730μg/mlであり多少の変動はみられるものの有意差はなかった。転移の有無、悪液質状態の有無によっても差はなかった。マウスの場合測定値のばらつきが大きく、その原因として、FN測定キットがロットによりFN活性に差があり、マウスでは検体量が限られ複数回の測定ができない場合があった事、血清に近い検体があった事などがあげられる。これが、臨床例との相違の一つの要因であろう。今後は測定法の改良、他のパラメ-タ-を加えての総合的な検討が必要である。3.温熱療法について。継代した膀胱癌細胞において、至適温度における生存細胞数は加温前の10^<ー1>前後で熱感受性はあると思われた。ヌ-ドマウス移植腫瘍に対するTHERMOTRON・RF・I.Vを用いたRF加温実験では、マウスの死亡等により複数回の加温が困難であり、今後の課題と思われた。

1 0 0 0 OA 小精神病学

著者
杉田直樹 著
出版者
金原商店
巻号頁・発行日
1933
著者
杉田直樹 著
出版者
内外書房
巻号頁・発行日
1924
著者
安田 かづ子 杉田 収 斎藤 智子 小林 恵子 関谷 伸一 佐々木 美佐子
出版者
新潟県立看護大学
雑誌
新潟県立看護短期大学紀要 (ISSN:13428454)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.35-46, 2000

高齢者には、冬でもバリアフリーの状態で、慣れ親しんだ環境で生活を続けたいという願望がある。その為には、次のような生活のレベルの視点:から雪対策が考えられなければならない。(1)除雪ライフサイクルを考える。(1)自分の家の除雪ライフサイクル:自分のライフサイクルから見た家族の除雪の労働力と、除雪の作業量(敷地面積、屋根の構造、玄関から門までの距離、車庫の有無などから試算)とを比較し、ライフサイクルの労働力が不足する時期の為に、必要な消雪・融雪設備や人手の確保など、経済状態も含めて考え、対策を立てる。そして高齢化による身体の変化により、冬期にどんな状態がバリアになるかを認識し、対策を考える。(2) 地域の除雪ライフサイクル:近隣に住む人々の状況の変化に沿った除雪・排雪作業の軽量化、効率化(雪捨て場や流雪溝の設置、無雪道路)を図る。(2)行政との情報交換、要望を積極的に行い、地域全体の除雪の質の向上(道路除雪後の堆雪問題の解決、アパートの車庫の不足解消など)を図る。
著者
杉田 善弘
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.60, no.6, pp.218-223, 2010
参考文献数
8

データマイニングとは何か。本論文では,データマイニングと伝統的な統計分析の違いを考察することによって,データマイニングの特質を明らかにする。大量のデータが簡単に手に入る現代の環境では,従来の推測統計の考え方に捕われずに,リーズナブルな費用で多くのモデルを使用することが可能になり,実務での活用を意識したデータ分析を行うことができるようになった。データマイニングはこの環境の中で育った新しいデータ分析の方法論である。実際にデータマイニングを活用するためには,一連の流れであるデータマイニングプロセスを理解する必要があるが,本論文はこのプロセスを概観し,それぞれの段階を説明するとともに,重要な概念や手法を明らかにする。
著者
大林 太良 山下 晋司 秋道 智彌 杉田 繁治 竹村 卓二 佐々木 高明 船曳 建夫 石川 栄吉
出版者
東京大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1986

1987年6月までに整理された資料に基づき, 100項目の文化項目, 150民族についてクラスター分析を行なった結果, 次のような東南アジア, オセアニア諸文化の分類の樹状図が得られた. この地域の文化は大きく東南アジアマクログループとオセアニアマクログループに2分される. 東南アジアマクログループは, インドシナ=核島嶼群と, アッサム=辺境島嶼部群に分かれる. 更に, インドシナ=核島嶼部群は, インドシナ=華南亜群と東南アジア高文化亜群に分かれる. アッサム=辺境島嶼部群は, 東南アジア穀物栽培民亜群と, 周辺根菜民亜群に分かれる. 他方, オセアニアマクログループは, オセアニア栽培民群と採集狩猟民群に2分される. 後者は主としてオーストラリア原住民より成り, 顕著な下位区分は示していない. ところが, オセアニア栽培民群は, メラネシア栽培民亜群とミクロネシア=ポリネシア栽培民亜群に分かれる. 次に, 同じ資料を用いて因子分析を行なった結果, 4個の因子を認めることができた. 概して因子分析の結果は, クラスター分析の結果を支持しており,ことに東南アジア対オセアニアという二分の傾向, 穀物栽培民対根菜民の対照等を浮き彫りにしている. その後, 1988年1月までに回収された資料に基づき, 238民族のクラスター分析を行なったが, その結果は上述の150民族についての分析とほぼ同様な分類を示している. また, 238民族についても因子分析を実施中である. この他, 文化項目を単位としていかなる項目のクラスターが見られるかについても分析中であり, これらの結果はまとめて正式報告書に発表される予定である. 東南アジア, オセアニア全域にかけての文化分類については, 従来は主観的な分類がもっぱら行なわれていたが, 本研究によってはじめて統計的処理によるほぼ妥当な分類が呈示されたのである.
著者
杉田 真太朗
巻号頁・発行日
2011

筑波大学博士 (医学) 学位論文・平成23年7月25日授与 (乙第2553号)
著者
酒井 郁子 吉本 照子 杉田 由加里 山下 朱美 平井 愛山
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学看護学部紀要 (ISSN:03877272)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.53-59, 2003-03

体動測定機器を用いて,病院に入院している高齢者の睡眠および看護師の観察の実態を把握し,体動測定機器(リストケア)を使用した睡眠に関する観察支援方法を検討する目的で研究を行った.2事例の分析から病院に入院している高齢者の睡眠障害には「入眠困難」,「睡眠中断」,「覚醒の持続」という睡眠の障害が見いだされた.また「覚醒の持続」では,患者の言動は混乱状態であった.覚醒の持続のきっかけとなった要因として,過剌激による入眠困難,睡眠中断があることで睡眠時間の確保が困難であったこと,および身体拘束による心理的なストレスが加わったことが考えられた.また看護師が行うことは難しい継続的な睡眠状態をモニタリングでき,患者・看護師双方に負担の少ない生体計測システムを実践に活用することで,高齢者の睡眠状態に応じたケアを提供したり,混乱状態を予防するケアを開発することが可能になると考えられた.
著者
杉田 精司
出版者
生命の起原および進化学会
雑誌
Viva origino (ISSN:09104003)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.212-214, 2005-09-30

地球に生命が誕生したのは今から40億年程度も昔であると考えてられているが、その当時の地質学的記録はほとんど残っていない。しかし、火星表面には、地質学的記録を保持した地層が数多く残っており、生命が誕生した当時の環境が火星探査によって明らかにされる可能性がある。一方のタイタンは、非常に還元的な大気を持ち、宇宙線や紫外光などのエネルギーによって、さまざまな無生物的有機反応が起きている。タイタンにおける無生物的有機反応を詳細に調べれば、原始地球の大気に於ける分子進化過程に関する新しい知見を得られる可能性がある。本セッションでは、生命の起源に深い関連を持つこれらの2つの星について、最新の探査結果と研究紹介がなされた。
著者
中山 大輔 三浦 利子 菊池 みずほ 杉田 淳平 小林 栄子 西垣 良夫 井出 久治 杉山 章子
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.393-401, 2006 (Released:2006-12-26)
参考文献数
5
被引用文献数
1

戦後,急速に進んだ人口の高齢化によって,日本は世界有数の長寿国となった。古来,人々が希求してきた「長生き」の実現は喜ぶべきことであるはずだ。しかし,現在の「長寿」社会には,喜びよりも不安が目立つ。なかでも健康への不安を訴える声が少なくない。 日本人の平均寿命が世界でも類のないスピードで延びた要因としては,衛生・栄養状態の改善や生活環境の整備など公衆衛生の向上とともに,医療技術の高度化による延命技術の発展が大きい。治療技術の進歩は,数々の疾患を克服する一方で,死を免れたものの後遺症に悩む人を生み出し,年々増えている高齢者の中には長期にわたる療養生活を余儀なくされている人が多い。 今,人々は単なる「長寿」ではなく,健やかに長生きすることすなわち「健康長寿」を望んでいる。長野県は,平均寿命の高さとともに,医療機関の在院日数の低さ,在宅療養環境の整備などの面で近年良好なパフォーマンスを示し,「健康長寿」の先進地域として注目されている。こうした評価が生み出される背景には,地域で長年実践されてきた健康増進活動の積み重ねがある。 本稿では,その1例として,県東部に位置する人口5,000人弱の八千穂村 (2005年3月20日に佐久町と合併して佐久穂町となったが,本稿では旧八千穂村を八千穂村と記す) の実践を取り上げる。村が,全国でも先駆的な取り組みとして1959 (昭和34) 年に開始した「全村健康管理」は,40年以上経過した現在,住民による自主的な活動を生み出しながら定着している。 今回は,健康管理事業の展開の中で誕生したさまざまな住民による活動のうち,栄養改善に取り組んだグループに着目し,その形成・発展過程の調査・分析を通して,住民主体の活動を可能にする要件について考察した。