著者
後藤 洋三 池田 浩敬 市古 太郎 小川 雄二郎 北浦 勝 佐藤 誠一 鈴木 光 田中 努 仲村 成貴 三上 卓 村上 ひとみ 柳原 純夫 山本 一敏
出版者
JAPAN ASSOCIATION FOR EARTHQUAKE ENGINEERING
雑誌
日本地震工学会論文集 (ISSN:18846246)
巻号頁・発行日
vol.15, no.5, pp.5_97-5_117, 2015

東日本大震災の津波避難の実態を分析するため、研究者、技術者の有志が任意参加の連携組織「東日本大震災津波避難合同調査団」を結成し、重複調査を避け調査モラルを向上させるべく連絡を取り合って調査を実施した。本報告はこの調査団発足の経緯を述べたうえで調査団の中核として活動した山田町・石巻市担当チームの調査方法とその実施状況、ならびに住民の避難に関わる背景的事象の調査結果を述べる。収集した被災者の避難データの特性については別途に取り纏め報告する。山田町・石巻市担当チームの調査に対する被災住民の苦情は聞かれず、むしろ信頼関係のもとで避難の実態解明に役立つ情報を多数得ることが出来た。著者等は山田町・石巻市担当チームの調査データとその調査経験が活用されることを期待して本報告を取りまとめている。
著者
村上 穣 池添 正哉 大沢 紘介 佐々本 格 降籏 俊一 石田 英樹 田邉 一成
出版者
一般社団法人 日本移植学会
雑誌
移植 (ISSN:05787947)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2-3, pp.207-210, 2016-06-10 (Released:2016-08-12)
参考文献数
14

We report the case of a kidney transplant recipient who was himself a nephrologist and first author of this report, and who found a sense of purpose in life despite his disease. At age 7, the patient was diagnosed with chronic kidney disease resulting from vesicoureteral reflux. After undergoing surgery, he had to maintain a strict diet along with medication to control disease progression. Two years after becoming a licensed nephrologist, he received a living donor kidney transplantation from his mother. He used his position as a nephrologist and a kidney transplant recipient to educate medical and nursing students on organ donations and transplantations and to promote deceased organ donations. However, despite his successes the patient suffered psychological issues throughout his life because of his disease. First, he experienced depression from learning the poor prognosis of chronic kidney disease patients. Second, he was bothered by fears of having to undergo dialysis therapy and dying. Third, he struggled with guilt after his successful kidney transplantation, knowing about the many dialysis patients who were forced to wait long periods for donor organs. Nevertheless, he was eventually able to accept his disease and discovered a sense of purpose in life by promoting deceased organ donations. Our observations suggest the importance of treating patients with chronic kidney disease not only physically, but also by caring for them psychologically.
著者
藤本 修平 林原 仁志 村上 睦尚 菅澤 忍
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
流体工学部門講演会講演論文集 (ISSN:13480251)
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.495-496, 2012-11-16

We develop quantitative evaluation method of airless spray by using entropy of gray scale image. Stroboscopic method is employed to visualize the spray. An undesirable "tail" region of the spray is detected as low image entropy area. As against the conventional visual judgment, the proposed method enables a quantitative evaluation of spray.
著者
村上 敬宜 高橋 宏治 山下 晃生
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 A編 (ISSN:03875008)
巻号頁・発行日
vol.63, no.612, pp.1612-1619, 1997-08-25 (Released:2008-02-21)
参考文献数
21
被引用文献数
10 43

In order to investigate the effect of surface roughness on fatigue strength, fatigue tests for a medium carbon steel, which was annealed and free of residual stress (HV≅170) and quenched and tempered (HV≅650). were carried out. To simulate the actual surface roughness, extremely shallow periodical notches with a constant pitch but irregular depth were introduced. The equivalent defect size √(area)R for roughness was defined to evaluate the effect of irregularly shaped roughness using the √(area) parameter model. The fatigue limits of the annealed medium carbon steel specimens with artificial surface roughness are much higher than those of the specimen with a single notch because of the interference effect of notches. The fatigue limits predicted by the √(area) parameter model are in good agreement with the experimental results.
著者
松橋 朋子 村上 照子 Tomoko Matuhashi Teruko Murakami 日本赤十字秋田短期大学介護福祉学科 日本赤十字秋田短期大学介護福祉学科
出版者
日本赤十字秋田看護大学・日本赤十字秋田短期大学紀要編集委員会
雑誌
日本赤十字秋田看護大学・日本赤十字秋田短期大学紀要 = Journal of the Japanese Red Cross Akita College of Nursing and the Japanese Red Cross Junior College of Akita (ISSN:13430033)
巻号頁・発行日
no.15, pp.33-40, 2010-01-01

本研究は、高齢者施設における災害対策の実態、災害介護教育に関する意識を把握することを目的とし、A県内の特別養護老人ホーム96ヶ所の管理者96名を対象に無記名の質問紙調査を実施した。58名から回答が得られ、以下のことが明らかになった。1)高齢者施設の被災経験は13.8%と少ない状況であった。また、被災時の対応として最も多かったのは「電気系統の確保」であった。2)防災訓練は全ての施設が実施していた。訓練の種類としては「避難訓練」「消火訓練」「通報訓練」「救護訓練」であり、22.4%の施設がこれらを組み合わせ「総合訓練」として実施していた。また、防災マニュアルについては87.9%の施設で整備されていたが、31.4%は定期的な評価・修正を実施していなかった。災害時の連絡体制としては59.6%が「緊急連絡網」を作成していた。災害備蓄品の種類としては「非常食」「飲料水・生活用水」が多く、合わせて72.2%であった。3)防災対策の今後の課題は、「防災体制の整備」「防災教育」「防災訓練」「防災設備・備品の整備」「防災マニュアルの整備」があげられた。4)管理者の77.6%が介護福祉士養成施設における災害介護教育の必要性を認識していた。同じく管理者の77.6%が高齢者施設における災害介護研修の必要性を認識していたが、災害に備えた研修を実施していた施設は37.9%であった。This study aimed to highlight awareness concerning countermeasures and education of nursing caretakers at elderly facilities in the event of a disaster. We administered an anonymous survey with questionnaires directed at administrators from 96 nursing homes in A Prefecture. We received 58 responses, which showed the following: 1)13.8% of the facilities surveyed showed a low ratio of disaster occurrence. "Securement of electrical systems" is the most frequently provided measure at the time of such disasters. 2)All facilities had already conducted disaster drills. There are four distinct drills: "an evacuation drill," " firefighting drill," "A reporting drill," and "a first‑aid drill." 22.4% of the facilities combined these drills into "A comprehensive drill" when actually conducting such drills. 87.9% of the facilities have prepared disaster prevention manuals, but 31.4% did not execute evaluations and or corrections. In regards to a "communications system" in place in case of a disaster, 59.6% had prepared "an emergency network." Emergency rations of food, drinking water, and clothes were stockpiled, which accounted for 72.2% of stockpile provisions. 3)Provisions for countermeasures against possible disasters included, "development of disaster prevention systems," "education for disaster prevention," "disasters drills," "maintenance of facilities and equipment," and "preparation of a disaster prevention manual." 4)77.6% of administrators acknowledged the necessity for training of nursing caretakers in the event of a disaster within the training facilities itself. 77.6% of the administrators acknowledged the necessity of training nursing caretakers in the event of a disaster within the elderly facilities, yet only 37.9% of these facilities have conducted such training in the event of a disaster.
著者
西崎 博巳 上崎 典雄 松永 大介 谷村 俊次 功能 重雄 村上 陽太郎 古賀 哲二 桑野 正 寺戸 一成 中家 一寿
出版者
West-Japanese Society of Orthopedics & Traumatology
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.1326-1330, 1986

The curvature of the human femoral condyle can be represented by the Archimedean spiral. The center of the Archimedean spiral was found to be situated in the attachment of P. C. L., M. C. L. and L. C. L. of the femoral condyle.
著者
村上 達也 西村 多久磨 櫻井 茂男
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.156-169, 2016 (Released:2016-08-08)
参考文献数
43
被引用文献数
1 10

本研究の目的は, 小学生および中学生を対象とした対象別向社会的行動尺度を作成し, その信頼性と妥当性を検討することであった。小学4年生から中学3年生までの1,093名を対象とし質問紙調査を実施した。探索的因子分析の結果, 家族に対する向社会的行動, 友だちに対する向社会的行動, 見知らぬ人に対する向社会的行動の3因子を抽出した。加えて, 確認的因子分析により, 向社会性という高次因子を仮定したモデルが最終的に採択された。対象別向社会的行動尺度の内的一貫性および再検査信頼性係数は十分に高いことが確認された。中高生版向社会的行動尺度, 共感性尺度, 自己意識尺度, 学級生活満足度尺度といった同時に測定した外的基準との関連が概ね確かめられた。また, 尺度の内容的妥当性についても確認された。尺度得点に関しては, 男女差がみられ, 女子の得点の方が男子の得点よりも高いことが確認された。また, 学年差に関して, 概ね, 小学生の得点の方が中学生の得点よりも高いことが確認された。最後に, 本尺度の利用可能性について考察されるとともに, 今後の向社会的行動研究に関して議論された。
著者
海野 隆哉 大植 英亮 岩田 敏雄 村上 生而 武田 寿一 入沢 賢一
出版者
公益社団法人地盤工学会
雑誌
土質工学会論文報告集 (ISSN:03851621)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, 1984-03-15

橋梁のスパンの長大化などにより, 基礎構造も大規模なものが要求されてきている。ケーソン基礎を用いる場合が多くなっているが, その欠点を補うため, 地下連続壁井筒が開発されてきている。地下連続壁井筒は継手に不安があったが, ここでは, 鋼製函型継手の実験による信頼度と地下連続井筒について, そして設計と施工の紹介をしている。掘削の精度の進歩, 鉛直継手の試験項目, 載荷方法またその継手の, 総曲げ, 曲げせん断, せん断などの試験の結果を示している。次に, 地下連続壁井筒について, これは東北新幹線福島市内での工事例について述べている。設計の基本的な考え方について示し, 設計計質の結果を示している。そして配筋についても述べている。次に施工について, 施工順序を図に示し, 掘削については, 写真を用いて示している。掘削機としては, ロッド式クラムシェルバケット掘削機を用いている。鉄筋かごは, 基礎形からL形になっている。その組立て, 建込みについて述べ, 最後にコンクリートの打設について述べている。工期も短縮できるとしている。
著者
村上 覚 神谷 健太 鎌田 憲昭 山田 晋也
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.315-320, 2012-07 (Released:2013-10-08)

ニホンスモモとウメの種間雑種'李梅'の安定生産に向けた知見を得るため,'李梅'のS-haplotypeおよび受粉品種について検討した。'李梅'のS-haplotypeを分析した結果,'李梅'のS-RNase遺伝子はサイモンスモモおよびウメからそれぞれ由来している可能性が高いと考えられた。サイモンスモモはニホンスモモの近縁種で,ニホンスモモと交雑和合性がある。これらのことから,'李梅'はウメだけではなくニホンスモモに対しても,S-haplotypeに関わらず,交雑和合性がある可能性が示唆された。実際にウメ,ニホンスモモ,アンズおよびモモ花粉を用い,'李梅'に人工受粉を行うとウメ,ニホンスモモおよびアンズ花粉では交雑和合性が確認された。特にウメ'宮口小梅',アンズ'平和'は花粉量が多く,花粉稔性が高いうえに,'李梅'と高い交雑和合性を示したので,人工受粉の花粉親として優れていると考えられた。このため,'李梅'においてはこれらの花粉を用いて人工受粉を行うことで,安定的に収量が確保できる可能性が示唆された。
著者
村上 暁信 アルマンド・M パリホン
出版者
日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.72, no.5, pp.693-696, 2009
被引用文献数
1 1

アジア大都市の多くは、住環境の劣悪化、大気汚染、洪水被害の増大など様々な環境上の問題を引き起こしつつ、拡大を続けている。このような状況に対して、環境調整機能を有する都市緑地を計画的に整備していく必要があるとの指摘がなされている。しかし、緑地計画を立案するためには、まず都市化の過程で緑地がどのように変化するかについて検討をする必要があるが、アジア地域の都市においてはこの点が十分には明らかにされていない。特に、緑の環境調整機能を活用するためには、農地や森林といった土地利用タイプの一つである緑地の変容だけでなく、土地被覆の変容、すなわち緑被の変容について知見を積み重ねていく必要がある。しかし、都市化と緑被の変容については研究例が少ない。そこで本研究では、人口増加の激しい巨大都市のひとつであるフィリピン・メトロマニラ近郊に位置するパテロス(町)を対象として、地域の緑地や緑被が都市化のプロセスの中でどのように変化しているかについて考察することを目的とした。
著者
千原 大 阪本 貴士 村上 学 竹岡 友晴 大野 辰治
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.253-257, 2010 (Released:2010-05-11)
参考文献数
15

脾摘患者は有莢膜細菌が原因で重篤な感染症を引き起こすことが知られている。今回B群溶連菌による致命的な脾摘後重症感染症を救命し得たため文献的考察を加え報告する。症例は34歳女性。22歳時にITPで脾臓摘出術を受けた後は無治療で経過良好であった。入院前日,夜間に嘔気,下痢,発熱を訴え受診。採血データ,身体所見上著変なく,急性胃腸炎として自宅にて経過観察となる。翌朝,激しい下痢,全身倦怠感のため再搬送され,来院時,体温34度台,血圧40台と急性循環不全を認めICUに緊急入院。身体所見上,関節痛や四肢の疼痛,チアノーゼを認め,採血では凝固異常,急性腎不全,肝機能障害などを認めた。抗菌剤,輸血,大量補液,CHDF, NIPPVなどで治療を行ったが,DICのため臓器障害が強く,治療に難渋した。後に血液培養よりB群溶連菌が確認され,同菌によるtoxic shock syndromeと診断した。ショック状態を離脱後は徐々に臓器障害なども改善し,第26病日に退院となった。
著者
村上 敬吾
出版者
公益社団法人 日本水環境学会
雑誌
水質汚濁研究 (ISSN:03872025)
巻号頁・発行日
vol.14, no.5, pp.276-280, 1991-05-10 (Released:2009-09-10)
参考文献数
9
著者
中山 伸一 西村 多久磨 村上 達也 櫻井 茂男
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.218-221, 2016-03-10 (Released:2016-03-21)
参考文献数
17

This study examined the relationship between cognitive strategies in pessimists compared to optimists and attention bias by using a gap-overlap task with achievement-related words. The 32 college student participants were divided into two groups: pessimists (n=15) and optimists (n=17). Results of a 2 (pessimists, optimists) ×3 (negative, neutral, positive) mixed ANOVA revealed a significant interaction between groups and stimuli types, and a simple main effect of increased reaction times to positive words for optimists. These findings suggest that optimists have difficulty disengaging from positive achievement-related words.